「2020年からの教師問題」を読んで、親が出来ることとは?

BLOG
スポンサーリンク

 

新聞に「英語 大学入試制度 2024年度から民間に全面移行」、との記事がありました。

4年間は混乱が生じるのかな、と思います。受験生にとってタイプの違う英語試験が並行するので負担は大きいのかな、と。

さて、今回は前回の「私の本棚」で紹介した一冊、これかの学力は親にしかのばせないと同じように、2020年問題を取り上げている本を紹介します。

 

スポンサーリンク
AD

保護者向けではないから中身が濃い

2020年からの教師問題 (ベスト新書)

2020年からの教師問題 (ベスト新書)

2020年からの大学入試 「これからの学力」は親にしか伸ばせないはタイトルの通り、保護者向けでした。

今回は新書ということもあり、必ずしも読者が保護者向けに作られているものではありません。

 

時代の変化を感じるために存在するのが新書です。

ですから、2020年からの教師問題 (ベスト新書)は今知っておくべき教養書、という認識で良いかと思います。

 

【2020年からの教師問題 】でも、出口(大学入試)が改革されるため、既存の学校教育の変化が避けられない情勢、との考えから始まっています。

 

しかし、高校や中学校の現場では具体的な教科書の提示もまだされていないため、混乱が生じていることも指摘しています。

学習指導要領や大学入試、教科書など、文科省がいくら制度や枠組みを変えたとしても、実際の現場に立つ教師が変わらないことには、やはり教育は変わらないでしょう。

P32より抜粋

「正解のない問い」慶応大学の小論文

2020年からの大学入試 「これからの学力」は親にしか伸ばせない

2020年からの大学入試 「これからの学力」は親にしか伸ばせない

こちらの本でも指摘されていたのですが、私立大学の2トップ、慶応大学は文部科学省より先に時代の流れに沿った受験を行っています

国際社会でも活躍できるような人材確保、とでも言うべき入試内容。

 

2020年からの教師問題 (ベスト新書)では、2008年 慶応大学医学部の小論文が紹介されています。

「親友と最近連絡がとれません。どうやら、親友はひどく落ち込んでいるようです。何度か連絡を試みた結果、ようやく明日親友と会って話することになりました。そこでは、どのようなやりとりが2人の間で繰り広げられるでしょう。二人のやりとりを対話形式で解答用紙のA欄に、そしてそのやりとりの中であなたが意図したことをB欄に述べなさい」

P74から抜粋

今後、このような形式の問題が国公立大学の二次試験でも多く出題されていくと予想されます

本格施行を前に行われたプレ試験でも、この形式の問題は出題されています。

それに関する記事(文部科学省へのリンク記載です)はコチラです。

上記の例題からも、一朝一夕で身に着ける術で答えを書く問題ではありません。

 

保護者向けではないからこそ、ページを進めて読んでいくと末恐ろしく感じますね。

子供に対して親はどのように道案内していけばいいのか、と考えさせられます。

 

明治維新以降の教育の流れとは?

本書では、明治維新以降の学校教育の方針の変化が説明されています。

あまり、教育書&育児書ではこういう説明を目にしないので貴重です。近年の変わり目が、バブル経済崩壊、と指摘しています。

それまでの、学歴だけで良い会社に入れ、出世コースに入れる右肩上がりの経済とはサヨナラをし、大学を出ていても就職できない氷河期、引きこもり問題。

 

そこからの脱却を目指し、国際競争など大きなうねりの中で誕生したゆとり教育の挫折

現在に至るまでの経緯が分かります。

入試改革は急ピッチに進められていくのだな、と再認識しました。

 

哲学的な考えに慣れていない日本人

アメリカ、フィンランド、フランスの思考力なども紹介されている本書。

フランス人は小さい頃から一見すると無駄なことを問う習慣があります。

「なんでコーヒーは黒いんだろう」

「なんで砂糖は甘いんだろう」

(↑は私が考えた例です(;’∀’))

日本では、子供がそのような質問をしたら親から叱責されること間違いないでしょう。

「そんなくだらないこと考えているなら、漢字でも覚えなさい!」、と

 

アメリカもクリティカルシンキング

アメリカでも、と呼ばれる、既存の考えに疑いを持ち自分の意見を持つ、という思考力が重要視されています。

フィンランドは日本と同じように資源が少ないため、創造力をもって製品を作る姿勢があるそうです。(商品に付加価値をつける)

これからの時代、答えのない問を小さい頃から考える子が身を立てる、と思います。

無のところから新しいモノを創り出す力。

ビル・ゲイツとその仲間たちが、個人向けマイコンブームを巻き起こしたアルテア8800用のBASIC(プログラミング)開発を端を欲した、マイクロソフト創業と同じようなものです。

知識と創造力、そして常に既存のものへの疑問を持つこと。それが今後の社会では必要なスキルとなります。

そういったスキルが身に付かないと、人工知能に職を奪われて生きていくのだろう、と個人的に考えています。

 

ワーク・シフト ─孤独と貧困から自由になる働き方の未来図

↑何度も登場している本ですが、こちらに近未来の労働の描写がリアルに描かれています。

親として、今何が出来るのか。

濃いカフェラテを飲みながら思案してしまう、一冊です。

 

タイトルとURLをコピーしました