今回は【小学生から英語を勉強する時の注意点】と題し、お話していきます。
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ありがとうございます。
小学校で英語の授業が行われているため、教育に関心のある親は『家庭でしっかり勉強させよう』と考えていると思います。
英語に対する好き嫌いが小学生で決まってしまうと、中学進学後に変えるのはかなり難しいです。
国語と同じで語学ですから英単語をどれだけ知っているかというのは英語を学ぶ上で大変有利になります。
小さい頃から身近な英単語の読み書きをして、英会話表現に触れて代名詞を覚えてということを家庭でやっておくと小学5年生からの英語の授業がほぼ全部『知っている内容』になります。
英語の聞き取り、リスニングをアプリで鍛えておくと子どもの頃から英語に慣れることもできます。
発音も成長するとネイティブ風に話すことが恥ずかしがる子もいますが、まだそうした羞恥心が芽生える前から話す機会を作っていると英語を口にすることへの抵抗感をあまり感じないまま成長することを期待できます。
英語の発音が上手な子が周囲にいると、『自分なんて』と自信を持てなくなる子がけっこういます。
こうした思いをきっかけにして『英語ができない』『頑張ってもできない』と思い込むようになります。
そんなことないよと親が声をかけても、コロッと英語に対する感情を変えるのは容易ではないです。
小学校5年生から学校の授業が始まるまで英語教育を全くしていないというのは、子どもの英語力の差以上に英語アレルギーを発症しやすくなる方が怖いです。
英語の先取りをしていることのメリットはたくさんありますが、デメリット、つまりは注意して欲しいこともあります。
今回は、英語は大切だけれど、デメリットの方も理解して欲しいという気持ちをこめて注意点を考えていきます。
1.英単語を重視して漢字をおろそかにしない
小学校の英語は600語から700語の語句に触れるということになっています。
これを小学校6年間で学ぶ漢字の数、1026字と比較するとけっこうな数だということが分かると思います。
漢字は小学1年で80字、2年生は160字、3年生が200字、4年で202字、5年で193字、6年生は191字習います。
小学英語は5年生と6年生で教科として学ぶため、この2年間で600字から700字とすると1年間で300から350の語句に触れることになります。
つまり、各学年で学ぶ漢字の数よりも多いということを意味しています。
小学校の英語では漢字テストのように英単語テストは行われません。
宿題で英単語の練習が出されることもないです。
『曜日の書き取りテストをするのでしっかり覚えてきましょう』ということはないので、家庭で何もしなければ授業で教科書の文章を読んだり先生が話をするのを聞いて終了になります。
そういうこともあり、家庭で英単語の定着を目指してドリルを購入して練習をしていくと思いますが、英単語の方に力を入れてしまうと漢字練習に時間を割くことが出来なくなることもあります。
暗記力のある子は漢字だろうが英単語だろうがサクサク覚えられますが、そういう子は限られた一部の子だけです。
大勢の子は練習をしながら、苦労しながら英単語も漢字も覚えていきます。
英単語ばかりやっていると、漢字があやふやになってしまうので『英単語も大切だけれど漢字をしっかり覚える』という意識を持って家庭学習を進めてください。
英語力を鍛えるためには英単語の定着は不可欠です。
しかし、先々の入試のことを考えると既習漢字を正確に書けないというのは国語以外の教科にも影響を及ぼします。
偏差値の高い学校になればなるほど、減点対象になる可能性があるので『小学生の時に習う漢字は絶対に覚える』と思って子どもの漢字力を仕上げていきましょう。
中学受験、高校受験そして大学受験でも漢字力があると自分の身を助けることができます。
塾で仕事をしている時も感じましたが、英語は語学ということもあり国語の成績が良い子は英文法も含めてスムーズに勉強して英単語を覚えるのも苦にしていませんでした。
家庭で英単語に触れる機会を持ちつつ、漢字を軽視しないでください。
小学生の頃に漢字をおろそかにして英単語取得に全力をかけるのは考えものです。
2.資格取得を追い求めすぎない
世の中には色々な検定試験があります。
その中で、各世代でもっとも名の通る検定が実用英語技能検定、通称英検ではないでしょうか。
昭和38年に試験として認定され、高校入試の内申書に書ける英検3級を筆頭に英語力を測れる検定試験として知られています。
大学受験でも私立大学を中心に英検活用入試も行われており、昭和平成令和を経ても大きな武器となる資格という認識です。
中学受験でも英検を利用した入試がありますが、かなりハイレベルな級を求められる学校もあります。
小学生から英語を勉強する塾や英会話スクール公文に学研に通っている家庭では『英検取得』を目指すことも珍しくありません。
ただ、小学校の英語と英検取得の勉強は別物です。
語弊を恐れずに言えば、英検取得は受験勉強に通じるものがあります。
資格取得を目指して親が力を入れてしまうということもあるでしょう。
『絶対に小学校卒業までに英検3級』と掲げて勉強させてしまうと、子どもが英語を学ぶ楽しさから徐々に苦痛を感じるようになってしまうこともあります。
せっかく英語力を鍛えて、身についてきても『やっぱり勉強やりたくない』となると中途半端なスキルになってしまう可能性も否定できないです。
高い英語力を求めすぎず、子どもの英語への関心を高めていくということを前提で向き合うことがものすごく大切です。
そして、そう多くはないのですがリアルな英語スキルと所持している英語検定の級がちょっとずれている、乖離している子もたまにいます。
例えば、『英文法がちょっと怪しいけれど英検4級を持っている』という子です。
3級以上になると面接があり、試験監督と英語での会話をするので、一次試験を突破しても、ある程度素の力が見られてしまいます。
しかし、5級や4級は筆記オンリーなので過去問題をやり込んで、英検に特化した塾のコースや家庭教師に頼んで合格基準をクリアすると『自分は4級所持者』になります。
本来、英文法とか英単語がまだ怪しいところがあるけれど級を持てばそれで満足して英語の勉強を疎かにしてしまう子もいます。
こうなると、中学に入ってからの英語の授業についていけず伸び悩むことも十分あるので資格取得に全力を尽くしすぎないように気をつけてください。
3.中学英語と小学英語の違いを意識する
小学校5年生から英語の勉強をすることになりますが、小学英語は漢字練習のような英語の練習が宿題で出されることもないです。
英単語の小テストが実施されることもないです。
先生が板書をして、子ども達がそれをノートに書き写すこともしないです。
英会話表現を学び、それを使って自分の言葉で話すという学び方です。
be動詞や一般動詞の区別、三人称単数の時の動詞の変化などを詳しく勉強することはしません。
親が思うよりもフランクな感じの授業が行われています。
しかし、中学に進学してからの授業は親が経験してきたような英文法をちゃんと学ぶ英語に変わります。
もちろん、昔に比べて授業で扱う文章も英会話が多かったりする違いはありますが代名詞、be動詞、一般動詞や現在進行形、過去形と英文法は体系的に学んでいきます。
しかも、小学校5年生と6年生で英語を勉強しているのでアルファベットの練習や曜日や月、スポーツや食べ物の英単語の練習といった親が中学1年生の1学期にやっていた勉強はほぼ全部スルーすると思っていいです。
最初からフルスピードで英語の勉強が始まると思って準備をしていた方がいいです。
そのくらい小学英語と中学英語の違いがあるので、『小学校の英語は簡単だから心配しなくても大丈夫ね』ではないです。
小学生の頃から勉強する際は、中学英語の中身を確認して英文法の基本を市販のドリルなどを使用して勉強しておくことをおすすめします。
我が家の子ども①はこうした作業を全部スルーして、大変苦労しました。
小学英語と中学英語は段差があるけれど、その段差を家庭でなくすよう意識して英語学習に取り組んでみて下さい。
まとめ
2020年度から小学校5年生、6年生で英語が教科として授業が行われるようになりました。
それを受けて、塾でも小学生向けの英語のクラスを設けて対応したりと英語教育は大きな転換期を迎えています。
親世代の頃よりも子どもの英語を学ぶタイミングは個人差が広がっていて、小学5年生で学校の授業を受ける時にはすでに英検を持っているという子も珍しくありません。
ただ、英語だけに力を入れて漢字が書けない、社会や算数や理科がよく分からないという事態になると中学での成績、高校受験で苦戦を強いられます。
英語はとても大切なスキルですし、社会に出てからも大きな武器になりますが英語だけに全力を注がないよう気をつけましょう。