今回は【えっ?いつの間に?!と驚くほど学力が急激に伸びる子はいない理由】と題し、お話していきます。
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ありがとうございます。
教育系の仕事をしてきていると、短期間で成績が伸びるのを信じていたり、それを望む親がいたり急激に成績が伸びることをアピールする広告もあります。
前回の定期テストよりも数学が50点アップ、40点アップと大々的にアピールするチラシなどを目にしたことのある方も多いと思います。
そういうのを見ると【短期間で成績爆上げすることができるの?】と驚くかもしれませんが、それは台風の最大風速のようなものです。
教科や単元を絞って徹底的に集中して勉強させてきた結果がであり、【確実に進学校やトップ校に合格できるまで5教科全てのレベルを爆上げできる】という入試の時に求められる力とは別物です。
とはいえ、人間は欲を持つ生き物ですから、塾や家庭教師に【少しでも良い成績を】【子どもの学力が短期間でアップしてくれれば】と要望を訴えてくることが多々あります。
あっという間に成績がアップすればどんな親も、子どもも勉強で深刻に悩むことはないでしょう。
正直言えば、先生側にとってもサッと教えてガッツリ成績がアップできれば楽ですが、現実的には数週間で偏差値が10、20とアップすることはありません。
どうして短期間で伸びないのかを簡単に説明していきます。
1.短期間で学業不振の子が学力安定組レベルの知識量を得るのは無理
個別指導の塾にいると、学業不振の子と接する機会もけっこうありました。
入塾する際は保護者から【学習する時間を増やしたい】【○○高校に入れれば】という要望を聞きます。
しかし、入塾時点の学力レベルと願いがけっこう開いているということもまぁまぁありました。
成績が振るわなくて塾にやって来るというのは、地方ですと中学生が多いです。
やはり小学生の間はのびのびと過ごすという感覚や、住んでいるエリアによっては【勉強させるの可哀想】【教育熱心で悪い方に目立ってしまう】ということもあります。
とにかく、地方では高校受験が主流なので小学生時代に勉強を意識するのは教育熱心な家庭という考えが強い傾向があります。
そして、中学生になり子どもは勉強するかと思いきや勉強しない。
学校の定期テストで点数や校内順位がハッキリ出たあたりで【こんなに悪いの!】と大騒ぎとなります。
学区によって公立中学の学力レベルも差がありますが【この中学なら学年で何番以内なら○○高校に入れる可能性が高い】という目安が各中学校であります。
当初は【この高校なら入れるかな】と考えていたら、定期テストの結果を見るとかなり勉強しないと無理だということが分かるということも多々あります。
親が望む【このレベルになって欲しい】【偏差値10くらいアップしてくれれば】になるには、すでにそのレベルに到達している人と同じ知識量を身につけないといけません。
基礎学力も怪しいのに、【基礎学力ばっちりで少々の応用問題も解ける同級生】に追いつくには数カ月から一年かけての長期の学習計画を考えないと無理です。
学力アップには段取りが欠かせません。
とくに個別指導や家庭教師では顧客である生徒の要望をクリアするべく、【このレベルに到達するまでの段取り】を提案します。
しかし、それは短期間で達成することを想定することはほぼありません。
塾通いとなるとお金もかかりますし、短期間で結果を出して欲しいという気持ちも分かりますが【すぐに結果を出す】はリアリティに欠けている要望です。
2.短期間で退路を断って甘えずに学習時間を増やすのが無理
志望校に近づくために、【校内順位はこの位になれるように】とか【偏差値を10くらいあ挙げたい】という言葉は簡単に口から言えますが、実現するには【だらけた体をアスリート体形にする】というくらい全てを見直して生活を正していかないといけません。
自分もグータラ小学生でしたし、塾で働いたことから言えることは【学業不振の子ほど自分に甘い】ということです。
成績上位者は自分に厳しいです。
むしろ、厳しいというよりもやるべきことを分かっていて粛々と続けていくという確固たる信念を持っています。
例えば【今日はこの課題を終わらせる】と取り組む学習量などを事前に決めて計画的に勉強することができます。
その一方で、学業不振の子は自分に甘く【今日はどのくらい勉強しようか】【このくらいやったからいいや】とその日その日で学習時間のばらつきがあります。
中学生になると部活動が忙しくて学習時間を確保するのが難しいですが、それでも成績上位者は【毎日必ず英単語を覚える】【忙しくても計算問題を解く】と最低限のノルマを課しています。
しかし、勉強しない子はそういう考えに及ばないことが多々あります。
また、中学生になると定期テストだけでなく学習計画の存在が大きくなりますが、成績上位者と違い、定期テスト直前しか考えず、その場しのぎで継続して取り組む、長期的な視点で計画を立てるという考えが欠けがちです。
【テストが近いからやらなきゃ】で学力アップすることはありません。
心を入れ替えて【勉強を毎日頑張るぞ!】と言っても、三日坊主に終わり振出しに戻るを繰り返していればいつまで経っても偏差値も上がりません。
勉強に関するやる気があるかどうかは、子どもの意識差次第なので短期間で【一気に追い抜くぞ!】と気合を入れていても、全く差がつきません。
そうなると、勉強への気持ちが冷めて【やっぱり追いつかないからやめた】となる子の方が多いです。
それまで勉強してきていない子が短期間でスマホやゲームをやらずに継続して勉強する子に変身することはないです。
3.短期間で集中力が鍛えられて学力向上するのは無理
成績上位層と他の成績層の違いの一つとして挙げられるのが「集中力」です。
同じ「1時間勉強した」でも濃度が異なります。
集中力に欠けていると成績上位層の10分にも満たない中身ということもザラです。
つまり、学力を上げていくには集中力を鍛えていくことも必要になります。
しかし、短期間で筋肉がつくのが無理なのと同じように数日とか一週間で集中力がアップすることは無理です。
集中力に関しては、生まれ持った性質も大きいですが改善することもできます。
勉強する時間を増やすだけを求めるのでなく、学習の質に意識を向けてください。
「この問題を10分以内に何問解けるか」といったゲーム感覚で取り組ませると、知らず知らずのうちに少しずつ集中する時間が増えていきます。
人間は楽をしたがる生き物です。
そこを無理矢理勉強させるのは至難の業ですし、本人のやる気がないのに勉強に向き合わせる手も良い結果が出る可能性は低いです。
学力を上げるには、現状の集中力を鍛えることが必要ですが短期間で仕上げるのは無理なので、結果として学力を短期間で爆上げするのも無理ということになります。
学力が上がるには学習時間を増やして知識を増やして集中する時間を増やすということを段取り良く進めていく必要があります。
このすべての作業を数日で片付けるのは不可能です。
半年、一年かかる一大プロジェクトだと思ってください。
まとめ
大学受験は入試制度の多様さも相まって、一昔前のような「完全無欠の点取り合戦の世界」ではなくなりつつあります。
しかし、中学受験や高校受験は筆記試験が主流で、とくに進学校では当日の筆記試験の出来で合否が決まります。
そういうことを考えると、学力を上げるということは志望とする学校への合格を手繰り寄せるためには避けられないミッションです。
結果がすぐに出ないと親は焦ってしまいますが、残念ながら短期間で成績が爆伸びすることはありません。
夢を見ず、現実を見て冷静にどう動くべきか考えることが大切です。