『やればできる!』で乗り越えるほど甘くない 巻き返しは容易ではない思春期真っ只中で迎える高校受験 | 元塾講師 透明教育ママ見参!!

『やればできる!』で乗り越えるほど甘くない 巻き返しは容易ではない思春期真っ只中で迎える高校受験

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今回は【やればできる! で乗り越えるほど甘くない 巻き返しは容易ではない思春期真っ只中で迎える高校受験】と題して、お話をしていきます。

 

 

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子どもの教育に関する話題というと、インターネットなどでは中学受験がメインです。

その次に、大学受験になります。

 

全国的にみれば、大半の子どもにとって高校受験が人生初の受験。

すが、どうしても二つの受験に比べるとメディアでの取り扱いが小さい印象を受けます。

 

さて、中学受験と高校受験をする年齢は、ザクっと12歳と15歳と三歳差になります。

この3年間で子どもの精神面もだいぶ成長し、思春期真っ只、になっています。

 

もちろん、大学受験との差も三年差なのですが、中学校生活も高校生活も、【教科ごとに担当の先生がいる】【部活がある】と基本的な部分は同じです。

 

ですから、小学6年生と中学3年生の間で起きる様々な変化の方が格段に大きいです。

 

さて、義務教育が中学までなので、高校へ進学する場合は基本的に入学試験を受けます。

 

私立や国立なら、各学校ごとに行われ、複数のコースがある私立であれば出される問題もコースごとに違う、ということもあります。

一方公立は東京など一部の自治体を除くと、偏差値に関係なく同じ問題を受験生全員が解きます

 

受験は至ってシンプルなシステムで、国公私立関係なく、志望校に見合う点数を取ることが合否を分けることになります。

 

親世代だと【あまりちゃんと勉強してこなかったけど部活が終わって本気出せば間に合う】という考えも珍しくはなかったです。

 

運動部ですと地区で敗退すれば、夏休みに入る前、5月から6月には【部活動引退】

そして【受験生モード突入】で入試が行われる年明けまでの期間、ガッツリ勉強して追い上げる、という流れですね。

 

ただ、今の時代は地方でも、トップ高校や進学校を目指す場合【やればできる】で乗り越えるほど甘くはありません。

 

親世代ではそういう追い上げ型の子もいましたが、今は難しくなっています。

その理由はザクっと3つあります

 

1.地方でも公立中高一貫校が誕生し中受経験者が公立中にいる

 

2000年代に入り、全国各地に公立の中高一貫校が続々と誕生しました。

現在、公立中高一貫校がない自治体は少数派で、他校同士の連携での中高一貫校タイプを除くと、富山、岐阜、愛知、三重、鳥取、の6県のみです。

その中で、2025年度には愛知県に併設タイプの公立中高一貫校が4校誕生します。

 

それまで中学受験をする子どもは極々限られていた地方に中高一貫校が誕生した。

公立だから学費も抑えめ。

 

教育熱心な家庭では、トップ高校に進学する、という選択肢だけでなく【中高一貫校受験】という選択肢が増えたことになります。

しかも、塾側にとっては、中学受験が多くなると儲けにもつながります。

塾も教育産業なので、利益を出さないと意味がありません。

 

少子化の中で小学生の頃から塾に通ってもらうのは経営的にも潤います。

 

中高一貫校に強い塾、というのが各自治体に存在していますが、そうした塾の存在、合格実績も【通わせたい】という気持ちにさせてしまっています。

 

とはいえ、地方の中学受験はそもそも定員が少ないので、縁のなかった子、不合格となった子は学区の中学に進学し、高校受験に備えることになります。

 

そう言う子が狙うのは、トップ高校や進学校が中心になります。

中学受験をしていなくて部活を引退してから高校受験本気モードになって進学校を目指す、という子は、小学生の頃から塾に通って勉強している同級生と戦うことになります。

 

こう考えると、かなりハードですよね。

上位校を狙う子は、ずっと勉強してきていますし、夏休みに入るとさらにギアチェンジして集中力を増していきます。

 

こうした子と対等に戦って勝てるのか、というとかなり厳しいです。

 

2.思考力や読解力が重要視されている

 

2020年度から小学校で、2021年度から中学校で新しい学習指導要領がスタートしました。

今回の教育改革は、ゆとり教育とは異なり小学校から大学入試までの一貫した改革になっています。

 

まず大きく変化したのが大学入試である共通テストです。

2022年1月の数学ⅠAの文章問題は大騒ぎとなりました。

 

共通テストの問題は、色々と物議を呼ぶことがありますが、複数の資料を読み込んで答えを選ぶなど、思考力や読解力が重視されるようになりました。

 

大学入試での変化は、高校入試にも影響を与えています。

とくに、2023年度に中学3年生となっている生徒たちは、小学6年生の時にスタートした新学習指導要領を経験している、1期生です。

 

高校入試がより思考力や読解力を求める傾向になっても、何ら不思議ではありません。

 

こうした思考力や読解力は、短期間で鍛えることは難しくなっています。

サクッと1か月やって爆上がり、は夢のまた夢です。

【部活引退した6月から気合を入れて勉強する】と思っていても、この二つのスキルにだけ時間を注ぐことはできません。

他の教科にも時間をかけないといけませんしね。

 

ですから、思考力と読解力は中学1年生や2年生の頃から着実に鍛えておく必要があります。

 

・語彙力を増やす

・文章を読むスピードを上げる

・複数の資料を読み解く問題に慣れる

 

中3から間に合う、という考えを捨てて、思考力や読解力を鍛えていきましょう。

 

3.スマホの存在

 

今の中学生と親世代で全く違うと言い切れるのが【スマートフォンの存在の有無】です。

 

中学入学とともにスマートフォンを渡す、という家庭も多いと思います。

 

外出先で簡単に連絡ができるという便利な反面、家にいながら友達とのLINE、SNSへの投稿、ゲームや動画視聴、音楽など多機能な分、使用時間を自分で決めたり切り上げるのが非常に難しいです。

 

スマホ依存症、という言葉があるように勉強よりもスマートフォンに触れていた誘惑に負ける、という子もいます。

 

部活を引退すると、家で過ごす時間が長くなるので、本来なら受験生として勉強しないといけないのに、ほとんどの時間をスマートフォン操作に費やしてしまう、ということもあります。

 

スマートフォンを自分で管理できる子は、よほどしっかりしている子くらいです。

親が使用時間を制限するようペアレンタルコントロールを設定して、勉強する環境を整える必要があります。

 

とはいえ、思春期真っ只中で、無駄に親子喧嘩が増えて大切な勉強時間がドンドン減っていくこともあります。

 

中学生になると、大半の子は自我が芽生えて親の言うことを聞かなくなります。

スマートフォンは子どもに渡すときにしっかりルールを決めて、ルールを破ったら返却するとか、売るなど、あらかじめ罰則を決めておくのが理想的です。

 

まとめ

 

時代は変化し、親の高校受験体験談がまったく役に立たないことがあります。

今の子どもたちの環境や、入試傾向や教育動向を理解していくと【これまであまり勉強してこなかったけど部活引退してから一気に挽回してトップ高校へ、進学校へ】は簡単な道のりではありません。

 

逆算して受験準備をしていくことがとても大切です!

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