今回は【中学からの挽回 おすすめできません】と題し、お話をしていきます。
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【小学生のうちはのびのびと遊ばせたい】【勉強は中学から本気を出せば間に合う】。
こうした考え方は、今も多くの地方の家庭に根強く残っています。
とくに地方であればあるほど、小学生時代に塾通いしている子、勉強熱心な家庭の子というのは【可哀そう】という目で見られることがあります。
住んでいる地域によって教育熱の差というものがあり、住んでいるエリアによっては【ガンガン勉強させている教育熱の高い子ども思いではない親】というレッテル貼られることもあります。
また、親自身が中学から勉強して進学校に入った経験があったり、周囲の家庭も同じようにのんびりしていると、【この子もそれで大丈夫だろう】と、なんとなく安心してしまいがちになることもあります。
しかし今、地方の教育環境は大きく変わりつつあります。
全国的に21世紀に突入してから各地で公立中高一貫校が誕生したことも影響し、中学受験とは無縁だった地方でも教育熱の高い家庭では子どもが中学受験するために塾通いするのが当たり前になっています。
こうした子どもたちは、同じ公立小学校の中でもクラスメイトと比較して圧倒的に学力的にリードしています。
ある意味、地方での上位層のレベルは親世代の頃より確実に上がっています。
加えて、スマホや動画、ゲームなどのデジタル環境が早期から身近になった今、自己管理の習慣がないまま中学生になると、生活の乱れや学習の遅れが一気に進みやすいという現実にも直面します。
【中学から頑張れば追いつける】という前提自体が、すでに通用しなくなってきているのです。
そこで今回は、のんびり構えていた家庭が見落としがちな3つの現実を明らかにし、なぜ今【中学からの挽回】が厳しいのかを詳しく解説していきます。
子どもの将来の可能性を本気で考える方にこそ、ぜひ知っていただきたい内容です。
地方でも起きている小学生からの学力格差拡大
まず、勉強面での差が誰もがハッキリと分かるのは定期テストで校内順位が出る中学生になってからというのが定番の流れでした。
しかし、今はそうではなくなっています。
かつては、地方の多くの家庭において【塾は中学生から通えばいい】【本気を出すのは部活が始まる前で十分】という空気が主流でしたし、私もそうした中で努力をして成り上がっていくことができました。
ただ、昭和や平成初期の頃は小学生のうちはのびのびと遊び、勉強は宿題とテスト前の復習程度。
そうした過ごし方が当たり前で、塾に通う子はごく一部というのが一般的な光景だったのではないでしょうか。
しかし現在、地方でも確実に状況は変わっています。
親世代の頃よりも激変している大きな要因の一つが、公立中高一貫校の存在です。
都市部だけでなく、地方都市でも進学重視の公立中高一貫校が設立されはじめ、それに伴い早期教育への関心が高まっています。
この影響で、【小学生のうちから学力をしっかりつけておこう】と考える家庭が徐々に増えてきました。
中学受験をしない家庭でも、【うちもそろそろ勉強に力を入れよう】と、小3・小4あたりから塾や通信教材に取り組むかどうかという話が行き交うこともあります。
とくに顕著なのが、思考力・読解力・記述力といったテストでは測りにくい力を早い段階から鍛えている家庭の存在です。
こうした力は、一朝一夕では身につかず、長期間の積み上げがものを言います。
家庭でこうした力を鍛えている子は、小学校高学年には明らかに地頭の強さを見せ始めます。
一方で、【小学生の間は遊びが大事】【勉強はまだ早い】として何の対策もしていない家庭の子どもたちは、いざ中学校に入学したときに【できる子とできない子の差】に直面することになります。
ある程度、小学生時代に学力差が出来ていることは感じていても、中学でのテストの結果、5教科の合計点の違いというのをひしひしと感じるようになります。
この時点で、子ども達の学力は相当な差が出来ており、【中学からのスタートライン】は揃っていません。
【中学に入ってから頑張ればいい】と思っていた家庭の子どもにとっては、最初のテストで打ちのめされ、早々に【自分はできない子】と思い込んでしまうリスクすらあります。
加えて、上位層の子どもたちはすでに先取り学習を始めている場合もあります。
子ども①②の塾の友達の中には、小学6年生時点で中学数学をサクサク進めていました。
中学英語や中学数学の基本を小学生のうちに終わらせ、定期テストで高得点を取るだけでなく、高校受験に向けての意識も持ち始めています。
こうなると、いざ【中学から本気を出すぞ!】と思っても、すでにライバルは何歩も先を行っており、自分は後ろから必死に追いかける追走組になっているのが現実です。
しかし、地方在住の親の多くは、こうした状況に気づきにくい傾向があります。
理由のひとつは、周囲も同じようにのんびりしているように見えるからです。
塾に通っていることをあえて言わない家庭も多く、学校の成績や家庭学習の実態は外からは見えません。
そのため、気づいたときには【えっ、もうこんなに差がついてたの?】と焦ることになるのも珍しくありません。
また、地域差や家庭の経済事情によって、塾に通わせる・通わせないの選択が分かれることもありますが、実際には塾に行っていなくても家庭でしっかりと学習習慣を育てている家庭も多く存在します。
たとえば、毎日決まった時間に勉強する、読書の習慣がある、家族でニュースや時事問題について話し合うといった、学習以外の時間の過ごし方にも差がつきやすいので気をつけてください。
小学生時代の過ごし方ひとつで、中学以降の【学力の伸びしろ】は大きく変わります。
そしてそれは、地方においても例外ではありません。
親世代の【自分たちの時代は中学から頑張って間に合った】という感覚は、もはや通用しなくなっていることに気づく必要があります。
いまの子どもたちの教育環境は、格差がより早く、より大きく差が広がりやすいです。
中学からの挽回がますます難しくなっている今、小学生のうちから【勉強する姿勢】を少しずつ育てていくことこそ、将来の確かな備えとなるのではないでしょうか。
【中学生から頑張る】はなぜ難しいのか?
さて、【中学に入ってから本気を出せばいい】【小学生のうちは遊んでいても、いずれ切り替えるだろう】と信じてのんびりしていた親が、中学入学後に直面する現実は想像以上に厳しいものです。
なぜ【中学からの挽回】は難しいのか。
そこには、子どもたちの成長段階と生活環境の変化が深く関係しています。
まず一つ目の大きなハードルは、思春期・反抗期の到来です。
中学に入るころには、ほとんどの子が思春期に差しかかり、親の言葉に素直に耳を傾けなくなります。
小学生のうちは【これやっとこうね】と言えば素直に従っていた子が、急に【うるさいな】【わかってるよ】と反発を示すようになり、親のアドバイスが通りにくくなります。
【今から頑張れば間に合うよ】と言っても、【別に成績なんてどうでもいい】と言い返されて終わることも。
また、勉強のやり方を中学に入ってから急に変えるのは、想像以上に難しいです。
塾で仕事をしている時も、毎年夏休み前に【思っていたよりもテストの成績が悪い】と塾に駆け込んでくる中学1年生の親子がいました。
小学生の間に【自分で机に向かう習慣】ができていない子は、テスト前になってもどう勉強すればいいのかわからず、ただ教科書を眺めるだけ、提出物を終わらせるだけで満足してしまいがちです。
そして、いざテスト結果が振るわなくても、【どう勉強すればわからない】という状況だということに気がつき、本格的な改善に向かいたくても、やり方が分からないので、塾にやってくるという流れになります。
ただ、家庭学習の習慣がない子が塾にやってきても相当な覚悟がない限り、成績を挽回するというのは至難の業です。
さらに今の時代の中学生には、スマホ・動画・ゲームといった誘惑が常にそばにあるという問題があります。
小学生のうちから自由に使わせてきた子が、中学に入った途端に【勉強優先にしなさい】と言われても、それまでの習慣を断ち切るのは非常に困難です。
【勉強しなさい】と言えば言うほど、そのストレスをスマホに逃してしまい、親子の関係も悪化しやすくなります。
こうした状況下で、親が【そろそろ頑張ったら?】と声をかけても、子どもからすればそれがプレッシャーになり、【急に何?】【口うるさい】と反発心だけが残ります。
親の意図が伝わらず、関係性がギクシャクすることで、かえって学習意欲が下がってしまうという悪循環に陥ることも少なくありません。
加えて、中学生の生活は想像以上に忙しくなります。
部活動、定期テスト、友人関係、委員会や行事など、日々の中で気を取られることが急増し、勉強だけに集中するのは現実的に難しくなっていきます。
小学生の頃に十分な学習体力を育ててこなかった子は、こうした多忙な生活の中で勉強を継続するだけの集中力や持久力を保てません。
【疲れてるから】【今日はやらなくていいか】と、どんどん勉強が後回しになり、結果として学力が低下していくのです。
地方では、部活動が盛んな学校も多く、日々の練習や大会で疲弊してしまう中学生も少なくありません。
その一方で、上位層の子は、時間の使い方をすでに習得しており、部活と勉強を両立させながら、着実に成績を維持・向上させています。
このようにして、目に見えない【生活スキル】【時間管理能力】も学力格差を広げる一因となっているのです。
つまり、中学に入ってから【さあ、今から切り替えて頑張ろう】と思っても、
・学習習慣がない
・自己管理ができない
・親の言葉に耳を貸さない
・日常が忙しすぎる
という複数の要因が一度にのしかかり、現実にはスタートダッシュどころか、足踏みすら難しくなるケースが大半なのです。
だからこそ、小学生のうちに【勉強ってこうやるんだ】【毎日少しずつ積み重ねるものなんだ】という意識を育てておくことが大切です。
それは塾に通わせるかどうかではなく、家庭での過ごし方や親の関わり方次第で十分可能です。
中学生になってから苦しむより、小学生のうちに土台をつくっておくことが非常に重要な意味を持ちます。
それが、子ども自身が将来の選択肢を広げていくうえで、もっとも確実で、後悔しない道です。
学力格差は教育習慣の差
ところで、【うちの子は、やればできるんです】と話す方は少なくありません。
しかし現実には、【やれるようになるまでの準備】ができていないために、なかなか行動に移せない子が多いのが実情です。
地方では、小学生時代にのびのび育ってきた子どもほど、【学ぶ力】や【勉強の型】が身につかないまま中学生活に突入し、成績が伸び悩む傾向が強くなっています。
成績が安定している子の特徴は、何より【日々の勉強が生活の一部になっていること】です。
毎日30分でも1時間でも、決まった時間に机に向かい、コツコツ学習を積み重ねている。
そのようなルーティンが家庭内で自然とできており、勉強すること自体に抵抗がありません。
一方、【本気を出せばなんとかなる】と信じていた家庭では、いざ中学生になって【さあ、やろう!】と思っても、どこから手をつけていいのかわからず立ちすくんでしまうことが多くあります。
【参考書を開いても何が大事なのかわからない】【どこを覚えればいいのかわからない】【計画の立て方がわからない】。
このやり方がわからない状態を放置したまま【本気を出せ】と言われても、それは単なる精神論でしかありません。
また、塾に行っているかどうかだけではなく、家庭での教育習慣が学力差を広げる要因になっています。
同じように学校に通い、同じ教科書を使っていても、【勉強が日常の一部になっている家庭】と【勉強が非日常になっている家庭】とでは、成績に如実な差が出てきます。
特別なことをしなくても、たとえば食後に10分漢字練習をする、寝る前に1ページ読書をするなどの積み重ねが、思考力や集中力の土台をつくっていきます。
【中学から本気出せばOK】という考えは、実は希望的観測に過ぎないケースが多く、子どもに責任を丸投げしているとも言えます。
親が何も準備をせず、【中学から頑張りなさい】とだけ言っても、子どもはどうしていいかわからず、失敗体験を重ねるだけになりかねません。
その一方で、同じ【中学から本気を出した】子でも、差が出ることがあります。
その違いは、小学生時代に【勉強の地盤】ができていたかどうか。
つまり、学ぶことへの抵抗がなく、ある程度の集中力や勉強時間に慣れている子は、中学でのスタートダッシュも成功しやすく、本気を出したときの伸びしろが大きいのです。
しかし、何も積み上げてこなかった子がいきなりスイッチを入れても、やる気が空回りし、結果が出る前に自信をなくしてしまうという悪循環に陥る可能性があります。
学力の差は、決して才能の差ではなく、日々の習慣と環境の差。
中学生になってからの【やる気】や【本気】は、それ以前にどう育ててきたかによって、結果が大きく変わります。
だからこそ、小学生のうちから頑張り方を学ぶことが必要なのです。
中学に入ってから苦労するのではなく、小学生のうちに【学ぶ姿勢】【家庭学習の型】【時間の使い方】といった土台を作ることが、真の意味での準備です。
それこそが、これからの時代に必要な格差を生まない教育の鍵になるのではないでしょうか。
かつては【中学から頑張れば間に合う】と言われていましたが、今はその考えが通用しづらい時代になっています。
小学生のうちから塾や家庭学習で準備を進める家庭が増えており、スタート時点で大きな差がついていることも珍しくありません。
地方では【周囲も同じようにのんびりしている】と思い込んでしまいがちですが、水面下で着実に学力を積み上げている家庭も確実に存在しています。
気づいたときにはすでに取り返しのつかない差になっていることも。
大切なのは、小学生のうちに【机に向かう習慣】や【自分で考える力】、スマホとの付き合い方など、学ぶ土台を整えておくこと。
この準備があるかどうかで、中学以降の伸び方が大きく変わってきます。
【のびのび】と【準備】は両立できます。子どもの将来を見据え、今何ができるかを考えてみませんか?