今回は【10歳の壁 小学4年生から挽回するのが難しい理由】と題し、お話していきます。
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ありがとうございます。
子育てをしていると必ず耳にするワードの一つが「10歳の壁」または「小4の壁」という言葉です。
一般的に小学4年生から学校の勉強が難しくなり、学力差が出始めるとされています。
小学3年生までに足し算、引き算、かけ算そして割り算という四則計算を学び、小学4年生からはそれを駆使した応用的な学びになるから、とも言われます。
理科と社会もより専門的な内容になり覚えることも増えます。
また、中学受験をする子ども達はおおむね小学4年生頃から塾通いをスタートするため、色々な意味で小学4年生というのは子どものいる家庭では無視できない学年と受け止められています。
しかし、実際には小学4年生が学力差のスタートラインではありません。
それ以前から子ども達の間で知らず知らずのうちに学力差が出きており、小学4年生以降は誰の目からも「勉強が得意な子」「勉強が苦手な子」がハッキリしてきます。
私も10歳の壁についてブログで書いたり、アマゾンの電子書籍キンドルの方で出版していますが本音を言うと「小4から気をつける」ではちょっと遅いです。
ただ、世間的には小4から学力差が出るという扱いになっているので多くの親も中学受験しなくても「小4から塾に通わせようか」「通信教材を使おうか」と考えていると思います。
けれど、しつこいようですが「それ以前から学力差は出ている」という事実があります。
そして、学力差を埋めようと、挽回しようとしてもその道のりは思う以上に険しいです。
なぜ挽回が難しいのかをお伝えしていきます。
1.小学3年までに予想以上に学力差が生じている
小学校6年間のうち、昔の感覚で低学年と聞けば小学校1年生から3年生を意味します。
低学年の頃は勉強よりも遊び。
元気に外で遊ぶことが何よりも重視されているそんな雰囲気に包まれていました。
とくに地方、田舎では低学年の頃から宿題以外の勉強をしっかりやっていると「教育熱心な家庭」とどちらかというと、ややネガティブなイメージを持たれることもあります。
しかし、今は時代が変わっており自分から考えて行動するスキルがどの年齢でも求められています。
そしてアイデアを考える発想力とトータルバランスで子どもの賢さが見られる時代です。
また、大都市圏に限らずある程度の規模の街に住んでいれば「中学受験する子」が存在する時代です。
親世代も大学進学者がこれからドンドン増えていくので、「大学に行く」という前提で子育てをしていきます。
そのため、就学前から読み書きそろばんの学力の土台の厚みの差が生まれやすくなっています。
小学校に入り、その差が縮まるかと言えばそんなことはありません。
基礎学力がある子は家庭で教材を使用して学校よりも難しい問題を解いたり、通信教材を使用して勉強したり、公文や学研に通う子だけでなく進学塾の低学年向けのクラスに入っているような子もいます。
こうなると、小学校に入学してからの3年間ですでに【学校の勉強くらいの子】と【プラスアルファの勉強をしている子】の学力の鍛え方に違いが出るのは当然です。
もちろん、学校の勉強と宿題でもテストを100点連発する子も少なからずいます。
ただ、そういうタイプの子は学年に一人、二人いるかいないかくらいです。
小学3年生の学びはまだまだ基本的な内容と思いきや、習う漢字の字が難しくなり同音異義語も増えてきて正しく選択できない子もチラホラ出てきます。
算数も計算問題は桁が増えるので、ケアレスミスが多くなります。
そして、小学3年生からは生活の1教科から理科と社会の2教科になるのでテストも増えます。
こうした変化もあり、難易度の高い学びがスタートする小学4年生の入り口にたどり着く前に、差がつきやすくなっているのです。
【幼児期から勉強らしいことをしている子】と【小学校に入ってから勉強しているけれど家ではあまり勉強していない子】の差は親、そして子どもが思う以上に出来上がっています。
2.読解力や考える力が重視され暗記だけで乗り越えられない
日本の教育は定期的に時代に合わせて学習指導要領が改定されています。
直近ですと2020年度に小学校でスタートしています。
学習指導要領というと、2000年代初頭のゆとり教育のインパクトが強いと思います。
もうそろそろゆとり世代が親になってきて、ゆとり世代の子ども達が就学する時期が迫ってきています。
さて、今の学習指導要領のテーマは【生きる力】で、その力を作る3つの柱として【知識及び技能】【思考力、判断力、表現力】【学びに向かう人間性等】を掲げています。
この学びを実現するために小学校では低学年の頃から算数の文章題がテストで出ています。
親世代の頃は計算問題がメインだったと思いますが、文章題や資料を踏まえてグラフを完成させるなど考えさせ学びに力を入れています。
アクティブラーニングも増えており、自分で調べる、発表する際も自分なりに工夫をするなど親が受けてきた公教育とは違います。
九九をスラスラ言えればそれでスターになる時代ではなく、文章を正しく理解できる子、自分なりに考えることができる子そして積極的に学ぼうとする意欲のある子が輝くような学びになっています。
こうした力は短期間で身につけられるものではないです。
幼児期からの読書習慣や語彙獲得、受け身ではなく自発的に動くような子に育つよう親が意識しているなど、入学前の段階から違いがでやすいです。
今の教育で重視されている力がしっかり育っていないと、小学4年生以降の高学年での学びや中学での学び、そして高校受験や大学受験でも苦戦することになります。
3.やることが多すぎて子どもの心が折れる
小学4年生までにけっこうな学力差があると、それを少しでも縮めるには勉強するしか道はありません。
算数であれば単位換算、桁の多い計算を正確に解けるようたくさん問題を解いてミスを減らしていく必要があります。
文章題も出るので問われていることを理解する読解力も鍛えていきます。
あと、地味に単位換算の存在も大きいです。
一発で理解するのはごく限られた子なので、どんな子も復習が必要な単元ですがやはり地味なのでスルーされがちです。
小学4年以降の勉強で苦戦しないよう、単位換算の復習もしないといけません。
国語はとくに漢字が苦手な子は小学3年の漢字から正確に書けなくなります。
どんどん習っていく漢字をしっかり定着させるには、昔ながらの【書いて覚える】という勉強になるのですが、これは苦行のようなもので勉強への抵抗感がない子でも好き好んでやろうとはしないでしょう。
ただ、成績を上げていく、苦手を克服する、学力差を小さくするにはこの漢字練習はスルーできません。
しかし、やはり辛いです。
これを真面目にやるかどうかで漢字の定着、語彙力がつくかどうか決まるのですが、ここで心折れる子が少なくありません。
とにかく漢字が苦手な子にとっては最もやりたくない勉強です。
この他にも物語文の読解、説明的文章の読解もどんどん問題を解いていかないと国語の問題形式に慣れることができません。
とくに今の教育は記述問題も増えているので、適切に答えを書けるかということも重要なポイントになります。
ただ、国語の勉強は問題文を読んで理解して問題を解くので、サッと解くことはできません。
忍耐力がないと向き合えないです。
そして、社会では小学3年生で重要単元である地図の読み方や地図記号も学びます。
今の子達は紙の地図を家においてありませんし、スマートフォンで自分の進む方向が画面の上にくるので【地図は常に上は北】ではありません。
こうした常識と現実との違いを理解していないまま学年が上がると大変です。
理科も昆虫の作りや小学の理科の定番である豆電球を学んだりと意外と専門的な内容を学びます。
社会同様、専門用語を覚えることが多いので習ったっきり、復習をしないで放置していると学年末テストで悲惨なことになります。
小学4年から挽回するぞ!と意気込んでいても、それ以前の小学3年までに習ったことを復習していく必要があり、子どもも【こんなにできない】と白旗をパタパタと振って諦めてしまいます。
まとめ
子どもの教育も思考力重視となり、ただ漢字が書けるからスゴイとか、計算スピードがあるから賢いという昭和的な基準の優等生ではなくなっています。
小学校6年は長いようで短く、一年一年を大切に過ごしていかないといけません。
けれど、どうしても勉強面では低学年は基本的な内容で4年生や5年生の勉強に注意すれば良い、と思われがちです。
実際は小学3年生から難しくなり、小学4年ではさらにレベルアップするので【4年から頑張るか】は楽観的過ぎます。
子どものテストの点数から学校の勉強をちゃんと理解しているのか確認し、10歳の壁をぶち壊せるような学力をコツコツと身につけていきたいですね。