今回は【学力差はいつ生まれる? 差をつけるための【学習計画】の立て方】と題し、お話をしていきます。
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子どもの勉強について、【うちの子、最近勉強についていけてないかも……】【周りの子と比べて、うちの子だけ遅れてる?】そんな不安を感じている方は少なくありません。
小学校に入って、本格的な授業が始まると、どうしても【学力差】という言葉が気になってきます。
とくに、高学年になるとその差が顕著になるため、【うちの子はもう手遅れなのかも】と焦る方も増えてきます。
しかし、結論から言うと、学力差が生まれるのは割と早い段階、2年生から3年生の時期です。
この時期に【勉強する習慣】や【学習の基礎】が身についているかどうかが、その後の学習成果を大きく左右します。
とくに算数の【計算】や国語の【読み書き】といった基礎がしっかり身についていないと、学年が上がるにつれて授業についていくのが難しくなってしまいます。
子どもが勉強したがらないのは【勉強がわからない、つまらない】と言う状態になっているからです。
小学校に入り、文字や数字を学習し始めるこの時期は、その子の学びに対する【好き】か【苦手】かの意識が芽生える大切な時期です。
新しいことを学ぶ楽しさを知れば、子どもは自ら進んで勉強するようになります。
しかし、一度【わからない】と感じてしまうと、勉強は苦痛なものになり、そこから勉強嫌いが始まってしまいます。
また、親の声かけや環境も大きく影響します。
【勉強しなさい!】という命令口調や、【なぜこんな問題もできないの?】といった否定的な言葉は、子どものやる気をなくす原因になります。
子どもが安心して学習に取り組める環境を整え、子ども自身が【できた!】という喜びを感じられるようにサポートすることが、学力差を広げないための第一歩となります。
そこで今回は、学力差を生む原因などを紹介していきます。
学力差を生む隠れた要因と改善策
まず、理解して欲しいのは、学力差はただ単に【頭の良し悪し】で決まるわけではないということです。
小学校の低学年という早い段階で差がつき始めるのには、いくつかの明確な理由があります。
それを知ることで、子どもの学習につまずきが見られたときに、根本的な原因を見つけやすくなります。
ここでは、学力差を生む隠れた要因、そして改善策に関して取り上げていきます
①躓きの放置
小学校の算数や国語は、前の学年で学んだ内容が次の学年の基礎となります。
たとえば、小学校1年生で習う足し算や引き算が不完全なまま2年生に進むと、繰り上がりや繰り下がりの計算でつまずきます。
さらに3年生で習う掛け算や割り算は、足し算や引き算が基礎になっているため、理解が追いつかなくなります。
国語も同じで、漢字の読み書き、文章を読む力、語彙力が十分でないと、高学年で学習する複雑な文章読解で苦労することになります。
この【つまずき】を放置してしまうと、雪だるま式に苦手意識が膨らみ、授業についていけなくなってしまいます。
②学習習慣の有無
【毎日机に向かう】という習慣があるかどうかは、学力差に直結します。
たとえ一度の学習時間が短くても、毎日継続して学習することで、知識は確実に定着していきます。
一方で、宿題を提出期限ギリギリに慌てて終わらせたり、気分が乗らないときは全く勉強しなかったりする習慣がつくと、学習内容が身につきません。
この習慣の有無が、高学年になったときに大きな差となって現れます。
私も塾で仕事をしている時に、同じ中学1年生でも家庭学習習慣がある子とない子とでは、宿題をしっかりやる確率、勉強を自分事として受け止めているかどうかなど、あらゆる面で違いを感じました。
【まだ小学生だし】とか【中学生になったら自分からやるはず】と期待せず、面倒でも親が誘導して家庭学習習慣を定着させていきましょう。
そして、子どもが勉強を嫌がるときは、無理に長時間やらせる必要はありません。
まずは【たった5分だけ】でもいいので、毎日机に向かう習慣をつけましょう。
慣れてきたら、少しずつ時間を伸ばしていくようにしてください。
③親の関わり方と環境
親の関わり方も、子どもの学習意欲に大きな影響を与えます。
【勉強しなさい】と口うるさく言うだけでは、子どもは反発心からますます勉強を嫌がるようになります。大切なのは、子どもが自ら【やりたい】と思えるような環境を整えることです。
リビングの一角を学習スペースにしたり、親も一緒に読書をしたりすることで、勉強は特別なことではなく、日常の一部だと子どもが感じるようになります。
また、結果だけを評価するのではなく、【頑張った過程】を褒めることが、子どもの自己肯定感を育み、次の学習への意欲アップにつながります。
そして、学力差は一度ついてしまうとなかなか縮めるのが難しいものです。
だからこそ、早期発見と早期対策が非常に重要になります。
次に、家庭でできる改善策をご紹介していきます。
改善策①子どもの【なぜ?】に耳を傾ける
子どもが【この問題、わからない】と言ってきたとき、面倒くさがらずに、なぜわからないのかを一緒に考えてあげましょう。
【どういうところが難しいの?】【どこまでなら分かる?】と具体的に聞いてあげることで、つまずいているポイントが明らかになります。
この時、親が答えを教えるのではなく、ヒントを与えながら子ども自身に考えさせるように促すのがポイントです。
改善策②毎日【少しずつ】を習慣にする
子どもが勉強を嫌がる時は無理に長時間やらせる必要はありません。
まずは、毎日5分だけでもいいです。
勉強する前に本を1冊読んでみる、漢字を5回解いてみるなど、【ちょっとしたタスク】を積み重ねていくと、子どもは【意外と勉強する時間って早く済む】と思うようになります。
慣れてきたら勉強時間は、コッソリ、子どもに気づかれないように少しずつ長くしていきましょう。
改善策③成功体験を積み重ねる
子どもにとって、【できた!】という成功体験は最大のモチベーションになります。
そのためには、子どものレベルに合った問題を用意することが大切です。
あまりにも難しい問題ばかりに取り組ませると、失敗ばかりで自信を失ってしまいます。
少し簡単に感じる問題でも、確実に正解できる問題から始めることで、【自分にもできる】という自信が芽生え、自ら進んで次のステップへと進もうとする意欲につながります。
子どもを伸ばす学習計画の3つのステップ
さて、【あの子は元々頭がいいから】【うちの子には才能がない】そんなふうに、学力差を才能のせいだと決めつけてしまう方もいます。
もちろん、生まれつきの得意・不得意はありますが、学力は才能だけで決まるものではありません。
むしろ、適切な学習計画と正しい努力をすれば、どんな子でも確実に学力は伸びていきます。
では、具体的にどのように計画を立てれば良いのでしょうか。
大切なのは、【スモールステップ】で成功体験を積み重ねていくことです。
いきなり難しい問題に挑戦させて、失敗を繰り返させるのは逆効果です。
今の実力に合った、少しずつレベルアップできるような計画を立ててあげましょう。
子ども自身が【この問題ならできそう】【できた!】と実感できることが、学習意欲を育む上で何よりも重要です。
ここでは、子どもと一緒に楽しみながら取り組める、効果的な学習計画の立て方を3つのステップでご紹介します。
子どもの今の状況を把握し、無理なく続けられる計画を一緒に考えていきましょう。
ステップ1 現状を把握する 子どもの【得意】と【苦手】を見つける
学習計画を立てる前に、まずは現在の子どもの学力を正確に把握しましょう。
学校のテストや宿題、日頃の様子から、【どんな問題ならスラスラ解けるか】【どんな問題でつまずきがちか】を冷静に観察します。
【具体的な観察ポイント】
算数: 計算問題は速く正確にできるか? 文章問題になると急に手が止まらないか?
国語: 漢字は書けるか? 音読はスムーズか? 文章読解の問題で、登場人物の気持ちを理解できているか?
学校のテスト: どの単元で点数が取れているか? どの単元で間違いが多いか? 間違いは計算ミスか、それとも根本的な理解不足か?
こうした観察を通じて、【算数は文章題が苦手だけど計算は得意】【国語は漢字は書けるけど読解問題が苦手】といった具体的な得意・苦手を洗い出します。
これにより、どこに焦点を当てて学習を進めるべきかが見えてきます。
苦手な部分を克服するための計画を立てることも大切ですが、得意な部分をさらに伸ばしてあげることも、子どもの自信につながる大切なポイントです。
ステップ2 目標を立てる 【できた!】が見える小さな目標
現状が把握できたら、次に子どものレベルに合わせて具体的な目標を立てます。
この時、絶対に意識してほしいのが【小さな目標】にすることです。
【テストで毎回100点を取る】【偏差値を5上げる】といった大きな目標は、子どもにとって漠然としていて、プレッシャーに感じてしまうことがあります。
小さな目標の具体例として、【今週はかけ算九九を完璧に言えるようにする】【1日5分だけ漢字練習をする】【毎日、学校の音読を親に聞いてもらう】【宿題を、ゲームをする前に終わらせる】
このような、子ども自身が達成を実感できるような目標にしましょう。
目標をクリアするたびに、カレンダーにシールを貼ったり、ご褒美を用意したりすると、子どものモチベーションはさらに上がります。
大切なのは、【達成できた】という喜びを親子で共有することです。
その喜びが、次の学習への原動力になります。
ステップ3 計画を実行する 学習を【習慣】にする工夫
目標を立てたら、次は計画を日々の生活に落とし込みます。
多くの家庭で計画倒れになってしまうのは、【いつやるか】が曖昧なためです。
学習を習慣化する工夫としては、【いつやるか】を決めることです。
朝起きてすぐ、学校から帰ってきてすぐなど、毎日同じ時間帯に学習時間を設けましょう。
歯磨きやお風呂のように【やらないと気持ち悪い】という習慣にしていきます。
学習する場所を固定することも大切です。
集中しやすい場所を決め、そこで学習するようにしましょう。
子ども部屋の机だけでなく、リビングのテーブルでも構いません。
家族の目の届く場所で、いつでも質問できる環境を作ってあげると、子どもは安心して学習に取り組めます。
【時間】ではなく【量】で区切るようにし、【30分勉強する】ではなく、【算数の宿題を終わらせる】【漢字を10個書く】といったように、やるべきことを具体的に決めるのがおすすめです。
終わりの見えない学習は、子どもにとって苦痛になりがちです。
親子で対話をしながら、学習の楽しさを感じられるようにサポートすることで、学力は着実に伸びていきます。
学力は才能ではなく、計画と努力の積み重ねで生まれるもの。
子どもの可能性を信じて、ぜひ一緒に学習計画を立ててみましょう。
成果を出すための習慣化と声かけ
ところで、学習計画を立てただけで満足してはいけません。
大切なのは、その計画を毎日続ける【習慣】にすることです。
しかし、これが一番難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
【計画倒れ】になってしまう原因の一つは、完璧主義になりすぎてしまうことです。
【毎日1時間勉強する】と決めても、体調が悪い日や用事がある日もあります。
そんな時は、【今日は20分だけ】【明日はもう少し頑張ろう】と柔軟に対応することが大切です。
学習計画を立てても、三日坊主で終わってしまうことは珍しくありません。
子どもにとって、学習は【やらされるもの】ではなく、【毎日当たり前にやること】という認識に変えることが、習慣化のカギです。
ここでは習慣化に向けた5つの対策をご紹介していきます。
①【毎日、決まった場所で】を徹底する
学習の場所を固定することは、子どもの集中力を高める効果があります。リビングのテーブルでも、子ども部屋の机でも構いません。
ただし、【今日はリビング、明日はダイニング】といったように場所をコロコロ変えないようにしましょう。
同じ場所で毎日机に向かうことで、自然と【ここは勉強する場所】という意識が芽生え、スイッチが入りやすくなります。
②完璧主義はNG!【柔軟性】を持たせる
【毎日1時間勉強する】と決めたのに、体調が悪い日や家族で出かける予定がある日は、計画通りにいかないこともあります。
そんな時、【今日はもういいや】と諦めてしまうと、習慣は途切れてしまいます。
大切なのは、【今日は20分だけドリルをやる】【明日は学校が早く終わるから、その分少し多めにやろう】といったように、柔軟に対応することです。
多少のずれは気にせず、できる範囲で毎日続けることを優先させましょう。
③ご褒美は【頑張った後】に
ゲームやテレビを【勉強が終わった後のお楽しみ】に設定することは、モチベーション維持に効果的です。ただし、このご褒美は【勉強を頑張ったから】という文脈で与えることが重要です。
我が家でも、テレビ、漫画、などなど、【これをしっかりやってから】というルールを決めています。
【宿題をやらないとゲームはダメ!】という罰則的な声かけは、子どもに反発心を生んでしまいます。
ご褒美は【頑張ったことへの肯定】として与え、子どものやる気を引き出しましょう。
④子どもの心を育む【魔法の声かけ】
学習を継続させるためには、親の【適切な声かけ】が欠かせません。
その言葉も、モチベーション維持やモチベーションアップにつながるような前向きな言葉が望ましいです。
叱られる、馬鹿にされる言葉を投げかけられてやる気を出す人は、年齢問わずにいません。
子どもの気持ちになって【親から言われて嬉しい言葉】を考えてみてください。
子どもは、結果だけでなく、頑張った【過程】を認めてもらうことで、大きな喜びを感じます。
【この問題、難しかっただろうに、最後までよく頑張ったね】【この字、丁寧に書けているね】といったように、努力そのものに焦点を当てて褒めてあげましょう。
この声かけは、子どもに【努力すれば報われる】という自信と、失敗を恐れずに挑戦する勇気を与えます。
⑤質問と対話で【共感】を示す
子どもが問題を解いている時、【ここはこうやって解くんだよ】と一方的に教えるのではなく、【この問題、どういうところが難しい?】【どうしてこの答えにしたの?】と質問を投げかけてみましょう。
子どもは自分の考えを言葉にすることで、理解が深まります。
親も子どもの思考プロセスを知ることができ、適切なヒントを与えられるようになります。
この対話を通じて、親子の間に【一緒に学ぶ】という感覚が生まれ、子どもは安心して学習に取り組めるようになります。
子どもの勉強は学習計画を立てて終わりではありません。
それを日々の習慣にし、適切な声かけで子どものやる気を引き出し続けることが、学力アップには不可欠です。
焦らず、子どものペースに合わせて、学習の楽しさを伝えていきましょう。