今回は【学力差の罠にハマる子の特徴】と題し、お話をしていきます。
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ありがとうございます。
小学校6年間で学力差は広がります。
この事実を否定する親は少ないと思います。
学力差は個人個人どのタイミングで出るか違いますが、一般的には小学校3年生から4年生に目立ってきて、一気に広がり、学力グループがガッツリ決まっていくのが小学校5年生以降になります。
子ども①②③の学年を見ていても、怖いくらいこの流れが変わりません。
もしかしたら、学習指導要領改訂の影響もあったり、ゲームやスマートフォンといった誘惑が増えている今の子、つまりは子ども③の年頃の子達はもっと早い段階から学力差というものが広がっているのではないかと、親としては感じたりもしています。
教育に関心があり、学力差を乗り越えようとアレコレしている親からすると、学力差の罠にハマってしまうというのは恐ろしいことです。
そして、実際に【罠にハマった】という子を持つ親の悩みは深刻です。
小学校に入って、3年生くらいまでは【よくできる子】だったのに、高学年や中学生になってから周囲との差が広がり、急に成績が伸び悩むというパターンもあります。
とくに、先取り学習で早くから内容を覚えていた子は、【わかっているつもり】で深い理解や応用力が育っていない子もおり、思考力が求められる単元が増えていく段階で躓きやすくなります。
親としては、【なぜ成績が落ちたのか】【もっとやればできるはず】と焦りがちですが、子ども自身はプライドや自信を失い、勉強に対するモチベーションを下げてしまうこともあります。
私の周りにもこういうタイプの同級生はいましたし、塾にもいました。
ですから、割とこういう悩みを抱えている親子というのは多いと思います。
親は何とか改善しようとしても、子どもが成長すれば親が厳しく言うほど子どもが反発し、親子関係もギクシャクしがちです。
最大の悩みどころは、【どう関われば、子どもが再び学びに前向きになれるか】になります。
ただ成果を求めるのではなく、失敗やつまずきに寄り添い、学び直しの環境を整える姿勢が求められます。
そして、問題が出る前に【学力差の罠にハマってしまいそうだな】と事前にキャッチすることも大切です。
そこで今回は、学力差の罠にハマる子の特徴をご紹介していきます。
周りの子の目を意識し過ぎる
まず、学力差の罠にハマる子どもの特徴のひとつに、【周りの子の目を意識し過ぎる】ことがあります。
この傾向は一見、協調性や社交性の表れにも見えますが、学習面では大きなデメリットを生む可能性があります。
とくに小学生や中学生のうちは、周囲と比べて【自分はどう見られているか】を気にするあまり、本来の学習の目的や姿勢がブレてしまうことがあります。
たとえば、【できる子】と思われたい気持ちが強い子は、わからないことがあっても素直に質問できずに我慢してしまう傾向があります。
【こんなこと聞いたら恥ずかしい】【バカにされるかも】といった不安が先に立ち、つまずいたまま問題を放置してしまうのです。
その結果、学び残しが増え、時間が経つにつれて周囲との差がどんどん広がっていくという悪循環に陥ります。
プライドが低すぎるのも問題がありますが、プライドが高いというのは足かせとなることがあります。
私も塾で、プライドの高い生徒に苦手単元をしっかり教えようと思っても【分かっています】と遮られる経験をしたことがあります。
勉強面において、性格面で一番学力を上げる際にプラスになるのは【素直さ】です。
プライドは挫折した時に立ち上がって頑張ろうという気持ちをそぎ落としてしまう悪い部分もあります。
また、【失敗したらどうしよう】という気持ちが強すぎると、新しいことに挑戦する意欲が薄れます。
応用問題や思考力を試される課題に取り組む際、間違えることを恐れて安全な選択ばかりをしがちです。
これでは、本来必要な【考える力】や【試行錯誤する力】が育ちません。
結果として、学年が上がるにつれて難度の高い学習に対応できず、成績が停滞、下降していくことになります。
さらに、周囲との比較にばかり意識が向くと、【他の子より上か下か】という相対的な視点ばかりが気になり、自分なりの学びの目標やペースを見失ってしまいます。
そうなると、学ぶことが【点を取るため】【評価されるため】になり、学びそのものへの興味や内発的動機が薄れていきます。
このような状態では、努力の持続が難しく、精神的な負担も大きくなってしまいます。
このような【学力差の罠】にハマらないためには、子どもが安心して【できないこと】に向き合える環境づくりが大切です。
間違いを恐れず、学ぶことの本質を見つめ直すことで、周囲の目ではなく自分の成長を基準に学びを進められるようになります。
学習量を変えられない
さて、学力差の罠にハマる子の特徴として他に挙げられるのが、【学習量を変えられない】という傾向があります。
これは、本人の中に【これくらいやっていれば大丈夫だろう】【今までこうしてきたからこれでいい】という思い込みがあり、環境や学年の変化に応じて、必要な学習量を柔軟に調整できない状態です。
この習慣は、学年が上がるごとに内容が難しくなり、要求されるレベルや量が増えていく中で、大きなデメリットとなって表れてきます。
小学生のうちは少ない勉強時間でもある程度の成果が出ることがあります。
授業内容も基礎中心で、家庭学習も短時間で済む場合が多いため、【学校の宿題をやればテストの点数は取れる】と思い込んでしまう子も少なくありません。
または、学力スキルが高く他の子よりも短時間の勉強でも満点を取れるというタイプの子もいます。
しかし、その感覚のまま中学や高校受験に挑む、となると、明らかに勉強量が足りなくなり、突然成績が落ち込むという現象が起こります。
これは決して学力がないからではなく、【今の自分に必要な量を把握して調整する力】が育っていないからなのです。
また、学習量を変えられない子は、時間の使い方にも柔軟性がありません。
【毎日30分だけやる】と決めていたとしても、テスト前や苦手分野では本来もっと多くの時間が必要なはずです。
それにもかかわらず、常に同じ量、同じペースで学習を進めてしまうことで、効果的な復習や定着ができず、努力が成果につながりにくくなります。
我が家では、子ども②が小学生の頃、子ども①は中学2年生頃までこういう傾向がありました。
さらに、自分に必要な学習量を自覚できない子は、成績が下がっても原因が分からず、焦りや不安だけが増していきます。
塾で生徒を指導している際に【こんなにやらないとダメなんですか】と言われることがありました。
様々なことから現実を突き付けられると、学習に対する意欲を失い、【どうせやっても無駄】という諦めにつながることさえあります。
これでは、学力差が一気に広がってしまいます。
一方で、学力を伸ばす子どもは、必要に応じて学習量や方法を変える柔軟性を持っています。
たとえば、【この単元は難しいから、いつもより長く復習しよう】とか、【この時期はテストがあるから、平日は勉強時間を増やそう】など、自分の状況を冷静に判断し、行動を調整できます。
このような力を育てるには、親が【努力によって結果がどうなるのか注目する】という意識を持つことが大切です。
ただ【何時間やったか】ではなく、【何ができるようになったか】【今どこが弱いか】を一緒に確認し、学習量の調整を手伝うことで、子どもは少しずつ自分で学び方を考えるようになります。
学習量を自分で調整できる力は、単に受験のためだけでなく、将来どんな学びにも必要な自己管理能力の基礎です。
だからこそ、小学生のうちから【臨機応変に学習量を変えることができる子】に育てるように意識しましょう。
目標があいまい
ところで、目標があいまいな子は学力差が出始めるタイミングでズルズルと勉強する意欲が低下したり、頑張って乗り越えようという気持ちが薄く、成績を低下させることがあります。
こう言うタイプの子は、勉強に対する方向性や意義を見失いやすく、結果として学習の効率や成果が大きく下がる傾向にあります。
目標があいまいな子は【なぜ勉強するのか】が明確になっておらず、日々の学習に対して目的意識を持てません。
そのため、【とりあえず宿題をこなす】【授業中は座っているだけ】といった受け身の姿勢になりやすく、主体的に学ぼうという意欲が育ちにくくなります。
たとえ塾に入っても、目標がないまま勉強している子は成績が改善することはありません。
このような状態では、知識を定着させるための深い理解や反復練習が不足し、他の子との学力差が広がってしまいます。
また、目標がはっきりしていない子は、優先順位をつけることが苦手で、勉強時間の使い方も非効率になります。
【テストで80点を取りたい】や【数学を得意科目にしたい】といった具体的な目標があれば、それに向けて計画を立て、苦手な分野を重点的に勉強することができます。
しかし、目標があいまいだと【とりあえずやろう】となり、得意な分野に無駄な時間を使ってしまったり、本当に必要な勉強が後回しになったりします。
さらに、目標があいまいな子は成果を実感しにくく、モチベーションの維持が困難になります。
具体的なゴールがないと、どれだけ努力しても【やった感】が得られず、【自分には向いていない】【どうせ無理だ】といったネガティブな感情に陥りやすくなります。
やる気の低下は、学力の向上を妨げる大きな要因です。
このように、目標があいまいであることは、学習に対する意欲、計画性、持続力すべてに悪影響を及ぼします。
そしてその結果、学力差の罠に陥りやすくなります。
逆に言えば、子どもが明確な目標を持ち、それに向かって努力する姿勢を育てることに力を注ぐのが学力差の罠にハマらない対策だといえるでしょう。