今回は【小5算数で急ブレーキ!? 家庭でできる徹底対策】と題し、お話をしていきます。
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ご存じの通り、小学5年生になると、算数の学習内容は一気に抽象度が増します。
確かに、小学4年生でも算数の好き嫌い、テストの点数差が顕著になりますが5年生になると子どもたちの本当の実力がガツンと出て、どうにもならないくらいの差というのを感じるようになります。
重要単元である【割合】【速さ】【単位量あたり】など、これまでの具体的な計算から関係を考える段階へと進むため、ここでつまずく子がぐっと増えるのです。
ところが多くの親が【苦手となっている原因は文章問題や理解力】と思い込んでしまい、意外な盲点に気づいていません。
その盲点とは【最小公倍数】や【公約数】などです。
子ども①②③のいずれでも、最小公倍数と最大公約数をミスしている子が多く、テストの点数差がこれまで以上に広がるという現象が起きました。
そして、分数の約分や通分、仮分数から帯分数にする手際の良しあしがクラス内ででて、問題をスラスラ解ける子はクラスで2割弱、何とか理解しつつ問題を解ける子は6割強で、残りの2割程度が【お手上げ状態の子】という話を子どもたちから聞いてきました。
スラスラ解けない子が小学5年生の算数で【理解できない】【問題の意味が分からない】となるのは、小4までに学ぶ基礎部分の理解不足だからです。
これらがあいまいなまま5年生に進むと、割合や速さの計算の共通の土台が崩れ、急ブレーキがかかってしまいます。
そこで今回は、小5算数の壁に潜むサインと、その前段階でできる予防・リカバーの具体策を3つのパートに分けて考えていきます。
焦らず、でも確実に、算数の得意体質をつくるヒントを一緒に見ていきましょう。
小5算数でつまずく子の【3つの見過ごされた黄色信号】
まず、小学校5年生の算数は、学習内容の難易度が一気に上がるタイミングです。
これまでの【計算中心の算数】から、【関係を考えて式を立てる算数】へとシフトし、頭の中で数量の関係を整理する力が問われます。
とくに【割合】【速さ】【単位量あたりの大きさ】といった単元では、数の比較や変化が複雑になり、これまで順調だった子でも急に混乱し始めることが少なくありません。
親の方が【5年生から文章問題が難しくなった】と感じる背景には、実はもっと根の深い原因があります。
それは、小4までに身につけておくべき基礎の一部があいまいなまま進級していることです。
どんなに勉強時間を増やしても理解が追いつきません。
つまり、小5算数での急ブレーキは突然のトラブルではなく、4年生までに点滅していた黄色信号が見過ごされてきた結果なのです。
①最小公倍数・最大公約数の理解があいまい
多くの子が【最小公倍数】と【最大公約数】を計算の手順として覚えています。
しかし本来この単元で育てたいのは、【数の関係を整理する力】です。
たとえば12と18の最小公倍数を求めるとき、単に【共通する倍数の中で一番小さいもの】と暗記しても、その意味がつかめていなければ、後の【通分】や【割合】の考え方に結びつきません。
算数が得意な子は、この単元で、数をそろえる感覚を身につけています。
分母をそろえる、時間単位をそろえる、比の基準をそろえる。
すべて最小公倍数の発想に通じます。
逆にここが弱いと、5年生で【割合がわからない】【速さの問題で混乱する】といった状況になりやすいです。
家庭では、数の関係を図で整理したり、【なぜこれが共通の倍数なのか】を言葉で説明させたりするのが効果的です。
【36は12の何倍?】【18の何倍?】と尋ねるだけでも、倍数の感覚がぐっと明確になります。
この意味理解こそが、算数の思考を支える一番の基礎です。
②単位変換の感覚が薄い
小5算数で【速さ】や【割合】に進むと、必ず必要になるのが単位変換のスムーズさです。
たとえば【分速】や【時速】を扱う問題で、時間の単位を分から時へ、距離の単位をmからkmへと変換できないと、公式に数値を代入しても答えは出ません。
多くの子が【公式は知っているのに解けない】と感じる背景には、この単位変換のあいまいさがあります。
単位変換は単なる暗記ではなく、【1の量を基準に考える力】がポイントです。
1m=100cm、1時間=60分という知識をそのまま使える形にするためには、【どちらが大きく、どちらを何倍すればそろうのか】を意識できることが大切です。
家庭でできる対策としては、日常生活での単位に注目するよう促してみてください。
たとえば料理の計量カップや走行距離メーターを見ながら、【0.5Lは何mL?】【2.4kmは何m?】と声に出して確認するだけでも効果があります。
数値を現実の感覚とつなげて理解できる子ほど、算数の抽象的な単位変換にも強くなるのです。
③文章問題を式に直すのが苦手
【問題文は読めているのに、式が立てられない】という悩みは、小5算数で非常に多く見られます。
一見、読解力の問題に見えますが、実はこれは数量関係を図で整理する力の不足です。
算数では、言葉の意味よりも【どの量を比べているか】を捉えることが重要です。
ここをイメージできないと、割合・速さ・単位量の考え方がすべて曖昧になります。
たとえば【りんご3個で210円。1個の値段は?】という問題では、【3個=210円 → 1個=210÷3】という単位あたりの発想が必要です。
ところが、これを単に【割り算すればいい】と覚えてしまうと、応用問題では通用しません。
大切なのは、なぜ割るのか何と何を比べているのかを整理すること。
家庭では、文章問題を図に描かせたり、関係を矢印で示したりすると効果的です。
【210円では3個で、1個ではいくら?】という流れを視覚化できると、算数の本質的な理解が深まります。
文章問題のつまずきは、言葉の問題ではなく、構造をとらえる力のサインなのです。
算数が得意になる子のための【小4までの学習進め方】3つのコツ
さて、小5で算数につまずく子が多い一方で、スムーズに理解を重ねていく子もいます。
その差を生むのは、才能やセンスではありません。
実は小4までの学び方の質の違いにあります。
算数が得意な子ほど、問題を解く量よりも【どう考えたのか】【なぜそうなるのか】を整理する時間を大切にしています。
逆に苦手意識を持つ子は、計算練習を作業として繰り返し、考え方の定着が置き去りになっていることが多いです。
算数は積み重ねの教科でありながら、単なる暗記ではなく、筋道をたどって自分の言葉で説明できる力が求められます。
小5以降の抽象的な単元に対応するためには、早い段階で【考える習慣】【整理する力】【使える知識】を育てておく必要があるのです。
ここでは、小4までに家庭で意識しておきたい3つの学習のコツを紹介します。
どれも特別な教材や時間は必要なく、日々の勉強や会話の中で少しずつ取り入れられる工夫ばかりです。
これを続けることで、算数の基礎体力がしっかりと育ち、小5の壁を難なく越えられる力が自然と身についていきます。
①【なぜ?】を言葉にする習慣を育てる
算数が得意な子に共通するのは、【説明する力】があることです。
計算が速いというよりも、【なぜそうなるのか】を自分の言葉で語れる。
たとえば【12と18の最小公倍数は36】と答えたあと、【なぜ36なの?】と尋ねると、得意な子は【12の倍数の中で18でも割り切れる数だから】と筋道を立てて説明します。
この言葉化の過程こそが、論理的思考のトレーニングになります。
家庭では、【どうしてそう思ったの?】【別のやり方はある?】など、結果より考え方に注目した声かけを意識してみましょう。
最初はうまく答えられなくても、繰り返すうちに自分の考えを整理する力が伸びていきます。
また、ノートに【理由メモ】を書かせるのも効果的です。
答えの横に【×3したのは、同じ数にそろえるため】など短く記すだけで、理解がぐっと深まります。
考えを話す・書くという小さな習慣が、小5以降の抽象的な思考を支える確かな土台となります。
②似た問題を【グループ化】して学ぶ
算数が得意な子ほど、問題をパターンで分類するのが上手です。
彼らは新しい問題に出会っても、【これは通分の考え方と同じ】【ここは公約数を使う】と瞬時に判断します。
これは単なる暗記ではなく、【似ている構造を整理して覚える】力が育っているからです。
家庭学習でこれを伸ばすには、問題をグループ化して考える練習が効果的です。
たとえば【最小公倍数を使う問題】と【約数を求める問題】を並べて、【どんなときにどちらを使うのか】を比較させる。
あるいは【1あたりを求める】問題を集めて、【どれも÷で考える】という共通点を見つけるのも良い方法です。
このように学習内容を関連づけて整理することで、知識が単なるバラバラの点ではなく、意味をもつ線としてつながります。
塾や学校のテキストを進めるときも、【似ている問題をまとめるノート】を作ると効果抜群です。
考え方の引き出しが整理されると、5年生で登場する新しい単元にも自信を持って挑めるようになります。
③日常生活に算数を結びつける
算数の力は机の上だけで育つものではありません。日常の中で【数を意識する瞬間】を増やすことで、自然と使える算数脳が鍛えられます。
たとえばお菓子を人数で分けるとき、【1人あたり何個になる?】と考えるのは、まさに単位量の考え方です。買い物で【2割引ってどれくらい安くなる?】と話すのは、割合の直感を養う練習です。
家庭での会話や生活の中に算数を溶け込ませると、子どもは勉強しているという意識なく数量感覚を身につけていきます。
さらに、【これって算数でやったことと同じだね】と親が一言添えることで、学習内容と現実が結びつき、理解が一層深まります。
また、料理や工作などの活動もおすすめです。レシピの分量を倍にしたり、図形の展開図を考えたりする場面は、比例・面積・体積など多くの算数の考え方に直結しています。
日常の中で算数を感じる時間を増やすこと。それが、机上の学習を【生きた知識】に変える最大のコツです。
家庭だけでできる!小5の壁を乗り越える【リカバー対策3選】
ところで、もし現在、【割合が苦手】【速さがわからない】とお子さんが感じているとしても、決して手遅れではありません。
算数は積み重ねの教科であると同時に、やり直しのきく教科でもあります。
小5で伸び悩む多くの子は、今の単元が理解できないのではなく、その前にある【数の感覚】や【関係をそろえる力】が一時的に崩れているだけです。
つまり、少し戻って基礎を整理すれば、理解の流れは必ず再びつながります。
焦って問題集を増やすよりも、まずは考え方の回路を整えることが先決です。
ここでは、家庭だけで実践できる【小5算数リカバー対策】を3つ紹介します。
特別な教材や長時間の勉強は不要。
大切なのは、毎日の生活の中で考える機会を取り戻すことです。
小さな習慣の積み重ねが、やがてお子さんの自信と理解力を確実に取り戻します
親子で楽しみながら、少しずつ【わかる!できる!】を再構築していきましょう。
①分ける・そろえるを生活で体感する
算数の理解を回復させる第一歩は、教科書よりも生活の中にあります。
とくに【最小公倍数】や【割合】【単位量】の考え方は、分けるそろえるという体験を通じて実感することで、理解がぐんと深まります。
たとえば、お菓子を人数で均等に分けるとき、【ひとり何個?】を考えるのは割り算の基本です。
2種類の作業を同時に終えるための時間を考えるときは、最小公倍数の感覚そのもの。
料理のレシピを倍にする、買い物で3つで450円なら1個いくら?と考える。
これらはすべて算数の思考練習になります。
家庭での体験が算数の理解を支えるのは、子どもが数を実感としてとらえるからです。
問題集で同じ内容を何度も解くよりも、生活の中で実際に考えてみる方が、思考の定着につながります。【そろえる】【分ける】という言葉を意識しながら、数の関係を体で感じる学びを親子で楽しんでみましょう。
②ノートに【理由メモ】を残す習慣
算数が苦手になる一因は、【答えは合っているけれど、なぜそうなるのか説明できない】という状態です。これを防ぐためのシンプルで強力な方法が、ノートに理由メモを残す習慣です。
計算や文章問題の横に、【×3したのは数をそろえるため】【÷4したのは1あたりを求めるため】と短く書くだけで、思考の流れが可視化されます。書くことで自分の考えを整理し、後から見返したときも【どんな考えで解いたのか】がすぐわかるようになります。
この方法の良いところは、復習にも役立つ点です。
間違えた問題をやり直す際、【どんな理由でその式を立てたのか】を確認することで、誤解していた考え方を修正しやすくなります。
親の方は【いいね、理由が書いてあるね】と声をかけてあげるだけでOKです。
書くことを評価することで、子どもは自分の考え方に自信を持ち、算数への前向きな姿勢が自然と育っていきます。
書き留めた理由メモは、考える力を取り戻す最強の味方です。
③小4単元を10分復習で再接続する
小5で算数に対して苦手意識を感じたとき、最も効果的なリカバー法は【少し戻すこと】です。
とくに【最小公倍数】【約数】【単位変換】といった内容は小学校3年生、4年生の単元を10分ずつ短時間でも復習するだけでも、理解の糸が見事につながり直します。
学び直しのコツは、短く・毎日・軽く続けること。1日1問でも構いません。
【今日は最小公倍数】【明日は時間の単位】といった形でテーマを絞ると、気負わず続けられます。
短時間の復習でも、記憶が繰り返し呼び起こされることで、定着度は驚くほど高まります。
また、復習を【確認クイズ】にすると楽しく続けられます。
【6と9の最小公倍数は?】【1時間は何分?】など、親子でテンポよく出し合うだけで、自然と記憶が強化されていきます。
大切なのは、【戻る=やり直し】ではなく、【もう一度整理して確かめる時間】として取り組むこと。
小さな積み重ねが、やがて確かな自信と理解の回復につながります。
小5算数の壁は【戻る勇気】と【小さな習慣】で乗り越えられる
小学5年生の算数は、多くの子にとって大きな分岐点です。
これまでの【計算できる】から、【考えて解く】へとステージが変わるため、一時的にブレーキがかかるのは自然なことです。
しかし、そのブレーキの正体は理解力不足ではなく、基礎とのつながりの一時的な断線に過ぎません。
今回紹介した内容を通して見えてきたように、つまずきの根っこは小4までの【最小公倍数・単位変換・数量整理】といった基礎にあります。
そして、それを立て直す最善の方法は、特別な勉強ではなく、家庭の中でできる小さな工夫です。
【なぜ?】を言葉にする習慣、似た問題を整理して学ぶ工夫、生活の中で算数を感じる時間──これらを少しずつ積み重ねることで、お子さんの中に考える算数力が確実に戻ってきます。
算数の壁は、高く見えても実は一歩下がれば越えられる壁です。
焦らず、昨日より少し理解が進むことを喜びながら、親子で歩みを重ねていきましょう。
小5のこの時期こそ、【できない】が【できた】に変わるチャンスです。
















