今回は【高校受験は短期決戦と思って乗り越えるのは危険】と題し、お話していきます。
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大都市圏を中心に少子化にもかかわらず中学受験が激アツですが、地方を筆頭に全国の子ども達にとって人生初めての受験は高校受験という子が多いです。
高校受験と聞くと、経験者でもある親は『中学から本格的に始まる』『中学2年の冬くらいから塾通いを始める子が増える』というイメージを持っている方も少なくないと思います。
しかし、親世代の頃よりも塾通いを始める子のスタートラインが前倒しになっていますし、昔は地方に存在しなかった『公立中高一貫校を受けたけれど不合格となり学区の中学に進学した子』も存在しています。
通塾のタイミングが早くなっている原因は色々と考えられますが、まず親自身が中学生の頃に塾に通っていたという人が増えてきたということが上げられます。
私はアムラー世代ですが、その当時の地方都市でも『進学校を狙うなら塾通いは当たり前』という空気が漂っていました。
実際、進学した先の学校でノー塾で合格したのは周囲を見渡しても私くらいで正直びっくりしました。
親も通っていた経験があるから子どもも通わせるという流れができています。
そして『もう少し早いタイミングで通っていたらもっと成績が上がったかも』『ワンランク上の学校に合格できたかも』という思いを抱いている方もいるでしょう。
また、少子化の影響で塾の方も小学生の頃から塾に入ってもらおうと色々とアピールをしています。
『中学英語に躓かないために小学生の頃から英文法を勉強しよう』
『小学校高学年から学習量を増やして中学で成績上位層になろう』
『中学受験組の中には学区の中学に進学する子もいるので負けないよう今から勉強しよう』
などと訴えかけてきます。
中学受験を考えていなくても『今から塾に入って対策をしていた方がよさそう』と考える家庭が増えても不思議ではありません。
こうした時代の変化を考慮しつつ、高校受験をスムーズに乗り越えていくには小学校5年生から考えていくのがおすすめです。
小学生から考えるのは早すぎると思われる方が多いかもしれませんが、今の小学生は親世代の頃よりもトップ層と他の学力層との差が広がっているので進学校を考えているのであれば決して遅くはありません。
今回は高校受験に向けてどういうことを考えるべきかをご紹介していきます。
1.小5で高校受験を話し合うようにする
ブログやYouTubeで指摘していますが、小学校高学年でおおよその学力グループが固定します。
固定された学力グループは中学進学後もよほどの事がない限り大きく変動することはありません。
もちろん、ボトム層からトップ層に猛烈な努力をして喰い込む子も少数派ですがいます。
そして、トップ層にいたのにミドル層の上位に落ちていく子も少なからずいます。
ただ、その変動は波のように絶えず動くわけではありません。
そして、小学生にとって高校受験というのはかなり遠い未来だと思っています。
しかし、現段階で学力が固定しているということは、【小学5年生の君が合格しそうな高校はこの辺りです】と提示することができます。
もちろん、塾に通っていない限り小学生が偏差値とか志望校判定などを理解するのは難しいものがありますが、【クラスで真ん中より上の子でも偏差値55程度の高校】というのはよくある話です。
面白いもので、子どもも小学6年生になると中学進学が間近に控えている中で【高校に行くには受験しないといけない】という話題がでることがあるようです。
子ども①②がそれぞれ小学6年生の頃に【どこの高校に行きたいか】という話が教室で出た時に小学校から比較的近くにある偏差値60オーバーの高校に入りたいとクラスメイトたちが話していたようです。
その時、すでに塾通いをしていた子ども①②は【あそこって進学校の扱いだったような?】と気がついていましたが、他の子達は【近いから行きたい】【テストも80点以上取っているから入れそう】と口々に言っていたそうです。
このように、小学生が自分の学力と行けそうな高校を正確に把握することはなかなか難しいものがあります。
理想と現実を知るのは中学に入ってからですが、早めに【今の実力だとあの高校は無理なんだ】と気がついた方が子どものためになります。
私は一番行きたい、あの高校以外考えられないと小さい頃から思っていた近所の高校が実は女子ナンバーワン高校と知り、そこから猛烈に勉強するようになりました。
小学生の頃は高校も小学校、中学校と同じように学区で振り分けられていると信じていたので、勉強しなくても進学できると思っていました。
そんなことはないと知り、しかも中学最初の定期テストがボロボロだったことからそこから心を入れ替えて勉強していきましたが、できればそういう苦労をしないで済むよう小学生の頃から、5年生頃から【高校受験のシステム】を教えていくのが望ましいです。
2.人気校は良い判定でも油断大敵
どこの都道府県にも人気のある、毎年倍率の高い学校はあります。
進学校の中でも2番手や3番手校は倍率が高くなりやすく、まさに本番勝負といった感じがあります。
私も塾で仕事をしている時、2番手や3番手校を受ける生徒の中に【ちょっと厳しいかな】と予想していた子が受かり、【この子は大丈夫だろう】と思っていた子が不合格となることが毎年のようにありました。
2番手校や3番手校、人気校はトップ高校を目指していた子が最終的に志望校を変えてきたり、本番のラスト数ヶ月で猛烈に追い上げて合格を勝ち取る子もいたりと、全くもって油断できません。
それこそ、数々のテスト、模擬試験で志望校判定で可能圏、またはB判定や時々A判定になる子も落ちてしまうこともあります。
これは親にとっても子どもにとっても恐ろしいことですが、それくらい倍率が高い学校、人気校はそれまでのテストの結果通りにならないこともあるので、注意が必要です。
トップ高校や倍率が低い高校は受ける子が限定されているので、模試のテストの志望校判定で【第一志望の生徒数】も大きく変動することはありません。
ただ、受験生の中で自治体模試を受けていない子もいるので、【この人数の中で真ん中より上ならクヨクヨしないで勉強を頑張る】と模試の結果を見て考えるようにしましょう。
定員の枠の中にいたとしても、ギリギリだと安心はできません。
やはり学力最上位層の中には、解きがいのない自治体模試を受けていない受験生もいるので、厳しめに【第一志望の子の中での立ち位置】を見てください。
3.中3から挽回を目指すのは危険
地方だと武勇伝のように【中学3年の部活を引退してから勉強して進学校に合格した】というものを語る人がいます。
昔はそれでなんとかなったかもしれませんが、インターネットが普及してどこに住んでいても大都市圏の教育事情を簡単に知ることができる時代、なおかつ公立中高一貫校の誕生で地方でも中学受験する子がいる時代です.
親の武勇伝、昭和や平成初期のような受験の戦い方がまかり通るわけではありません。
塾でも中学3年生になって塾に入り、猛烈に勉強して志望校に間に合った子はほぼいません。
間に合った子は、転塾してきた子や入ってきた段階での学力が志望校合格できそうなレベルだった子ばかりで、【中学3年生の最初は偏差値10くらい下だったけど合格した】という子は皆無でした。
夏休みから入ってきた志望校の合格偏差値より5下回っていて猛烈に勉強した子でも間に合わなかったので、【部活が終わってから勝負】という考えは捨ててください。
中学1年生から、欲を言えば小学校高学年から高校受験に向けて【どの辺りの高校を目指すか】【今の学力なら中学に入って校内順位はどの辺りになるか】を客観的に判断してみてください。
まとめ
高校受験を小学生の頃から考えると聞くと、早すぎると感じる方が多いと思います。
しかし、高学年の時点で出来上がった学力グループを壊すのはそんな簡単なことではありません。
中学に入れば生徒数も増え、その中で成績が埋もれてしまう子も少なくないです。
【きっと進学校を受けるはず】と思っていたのに、定期テストを受けて校内順位が出たら予想とは真逆の結果になることもあります。
決して高校受験を中学に入ってから、中学2年生の夏休みくらいから考えればいいと思わず、子どもの志望する職種などを踏まえて高校を選ぶようにしてください。
そして、確実に合格できるよう学力を鍛えていきましょう。
高校受験は自治体の中で行われる、大学受験に比べればかなり狭い範囲の戦いですが、それでも小学校や中学校よりも格段に多い同級生との争いになります。
熾烈な受験を勝ち切るためには短期決戦ではなく数年かけての準備が必要です。