今回は【学力差は想像以上!地方トップ校の残酷な現実】と題し、お話をしていきます。
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地方の教育熱心な家庭では、公立中高一貫校を受けない場合、地域トップ高校に合格するというのを最大の目標にしていることも珍しくありません。
塾で仕事をしている時や子育てをしている時も地方では軽々しく【トップ高校を目指す】と口にできないような雰囲気が漂っています。
そして、地方特有の考え方で、親も子も【トップ高校に合格できたから、あとは安心】と感じているケースもあります。
ちなみに、私もそういう類で高校に入ってから大いに挫折しました。
たしかに、地域で名の知れた進学校に合格するというのは、親子ともに努力を重ねた結果であり、誇らしいことです。
毎年のように東大・京大・旧帝大・国公立医学部などへの合格者を出している高校なら、【このまま行けばうちの子も】と期待するのは当然のことでしょう。
しかし、残念ながら現実はそう甘くありません。
合格実績に隠れた内情を知ると、その厳しさに驚くと思います。
実際に難関大学へ進学するのは、学年の中でもごくわずかな最上位層だけであり、大半の生徒は高校入学後に学力の伸びが鈍化し、下位層に転落していくのが現実です。
高校に入った時点でゴールだと勘違いし、努力を止めてしまう子は少なくありません。
つまり、地方トップ高に合格したからといって、未来が約束されているわけではないのです。
本当に大切なのは、高校合格後にどう学び続けるか。
そこで差がつき、やがて進路にも大きく影響します。
そこで今回は、地方トップ高でもなぜ学力差が大きく広がってしまうのか、転落しない子が持っている思考や習慣、そして家庭で実践すべき3つの掟について、実情に即してわかりやすく解説していきます。
【合格は通過点】という視点を今から持つことが、お子さんの未来を確かなものにする第一歩となるでしょう。
地方トップ校でも学力差が広がる3つの理由
まず、【地方トップ高校に入れたから、これでひと安心】、と思った瞬間から、学力の転落は静かに始まっていると肝に銘じてください。
確かにトップ校には優秀な生徒が多く、難関大学への合格実績も華やかです。
しかしその実態は、一部の最上位層、上位層の子達が結果を出しているだけなのです。
残りの多くの生徒は、高校入学後に学力が伸び悩み、気づけば中堅大学や浪人コースへと進んでいる現実があります。
なぜそんなことが起きるのでしょうか?
それは、地方トップ校に合格する過程と、その先にある大学受験で求められる力の質がまったく異なるからです。
入学後、すぐにギアを入れ替えて大学入試に向けて動けるかどうか。
この意識の差が、1年、2年と経つうちに決定的な学力差となって現れてきます。
ここでは、地方トップ校に入っても成績が伸びない、あるいは下がってしまう生徒に見られる3つの典型的な原因を掘り下げます。
【燃え尽き症候群】【高校入試と大学入試の混同】【先取り学習の停止】は、特別な失敗ではなく、多くの子が無自覚のうちにハマってしまう落とし穴です。
この現実を知ることが、学力転落を防ぐ第一歩です。
理由①高校合格で燃え尽きてしまう
地方トップ校に合格するには、当然ながら相当な努力が必要です。
受験勉強を何ヶ月も積み重ね、【合格】を勝ち取った時点で、子どもも親も大きな達成感を得ます。
しかし、この成功体験が仇になることがあります。
合格した途端にモチベーションが切れてしまう、いわゆる燃え尽き症候群に陥るのです。
中学時代に猛勉強をしてきた子ほど、【やっと終わった】【少しくらい遊んでもいいだろう】と気が緩みがちになります。
ところが、地方トップ校の中ではそんなひと休みをしている間に、すでにミドル層より上、上位層にいる同級生達は大学受験モードへと切り替えています。
学年最初の定期テストから差がつき始め、そこから成績が下がっていくケースは珍しくありません。
しかも、高校では授業のスピードが速く、難易度も相当上がります。
一度脱落すると追いつくのが難しいのが現実です。
燃え尽き症候群は、目標達成後の気の緩みから始まり、学力低下という形で現れます。
高校入学はあくまでスタートラインであることを、親子ともに忘れてはいけません。
理由②高校入試と大学入試を同じレベルで考えている
中学の時は、【テスト範囲を繰り返し覚えれば点が取れる】という感覚で、努力が成果につながりやすい学習環境でした。
しかし、大学入試になると話はまったく変わります。
求められるのは暗記ではなく、【自分の頭で考え、応用し、表現する力】です。
この違いを認識していないまま高校に進むと、完全に準備不足でつまずくことになります。
とくに地方では、高校入試の競争が激しくても、大学入試との落差が意外と認識されていません。
【高校でも中学と同じようにやれば何とかなる】という考え方が抜けないと、学力は確実に停滞、または低下します。
実際、入学直後は上位層だった生徒が、1年後には中〜下位層に転落するケースも多く見られます。
大学入試では、学年を越えて知識を統合し、複雑な問題に取り組む力が求められます。
しかも、高校受験とは異なり全国の同級生や既卒生徒の戦いになります。
地方の高校生にとっては想像もできないくらい、ライバルが一気に増えます。
そのためには、先を見越して学習を積み上げる必要があります。
高校入試と同じ土俵で構えていては、間違いなく伸び悩みます。
早めにこの認識をアップデートできるかどうかが、大学入試でどういう結果になるかの分かれ道になります。
理由③先取り学習をやめてしまっている
中学時代に塾や通信教材でそこそこ【先取り学習】をして学校でダントツトップだった子が、地方トップ高校に入ったとたん、【先取りしなくても何とかなる】と授業に合わせて受け身の学習へと戻ってしまうことがあります。
【もうトップ校に入ったし、学校のカリキュラムで十分だろう】という油断が、その後の学力の伸びに大きなブレーキをかけるのです。
一方、難関大を狙う上位層の生徒たちは、高校に入っても変わらず先取り学習を続けています。
学校の授業と並行して、独自に高1で高2までの範囲を、高2で高校3年生内容を早期に終わらせることで、高3を演習中心の受験対策に使う戦略を取っています。
この差が、時間とともに圧倒的な差となって現れてくるのです。
また、高校では授業スピードが速いため、【理解したつもり】で進んでしまう危険も増えます。
だからこそ、受け身にならず、自ら先回りして理解を固める学習スタイルが必要なのです。
中学時代にあった自走する力を、高校でも継続できるかどうか。
それが、学力転落を防ぐ最も重要なカギとなります。
転落しない子の3つの特徴
さて、同じ地方トップ高校に通っていても、学年が進むにつれて成績に大きな差が生まれます。
中には、1年生のうちから安定して上位をキープし、難関大学に現役合格していく子もいれば、伸び悩み、結局は希望の大学に届かないまま卒業する子もいます。
実際には、高校入学後の【意識と行動の差】がそのまま結果の差となって現れます。
では、学力の転落を免れ、成績を伸ばし続ける子たちは何が違うのでしょうか。
彼らに共通するのは、大学受験という次のゴールを早期から明確に見据え、戦略的に学習を進めているという点です。
高校入試が終わった瞬間から、彼らの中ではすでに次のスタートが切られているのです。
ここでは、そんな【転落しない子】が持っている3つの特徴に注目します。
転落しない子というのは地方トップ高校の中では少数派になるので、同じ学校に通っていても友達にそういうタイプの子がいなければ、上位層の考えが見えないということもあります。
ですから、小学生の頃から【トップ高校の上位層はこんな感じの子】という知識があると、高校に合格したあとに気を緩めずに済む一助になります。
特徴①大学受験の世界をよく理解している
高校入試を終えた段階で、次の目標をすぐに大学受験へと切り替えられる子は、成績の安定度がまったく違います。
彼ら彼女たちは大学受験がどれほどハードで、どれだけ準備が必要かを中学生のうちからよく理解しています。
とくに、東大・京大・一橋大、東京科学大、医学部といった最難関を目指す場合、高1からの積み上げがカギになることを把握しており、それを当然のように意識して動いています。
この意識の違いは、学習姿勢や時間の使い方にあらわれます。
【高1のうちは部活を優先していいや】【定期テスト対策だけで十分】などという油断はありません。
むしろ、定期テストさえ受験準備の一部として捉え、常に長期的な視野で動いています。
結果として、学力の基礎がしっかり積み上がり、後で一気に伸びる土台になります。
特徴②先取り学習を中学生の頃から続けていた
学力の高い子に共通しているのが、【常に先を意識して学んでいる】です。
中学生の段階で高校内容を少しずつ学んでいた子は、高校入学後もその習慣を保ち、授業の先回りや深掘りを当たり前のように行っています。
これが、トップ校内でさらに差をつける原動力になっています。
先取り学習の大きなメリットは、【授業が復習になる】ことです。
あらかじめ基本的な知識を頭に入れておくことで、授業中に理解が深まりやすく、疑問点にもすぐに気づくようになります。
また、定期テストの対策にも余裕が生まれ、難問への対応力も自然と高まります。
このような学習への取り組み方は、小学生、中学生の頃からの積み重ねで培われるものです。
難関大を目指す場合、高校生活の3年間をまるごと大学受験準備として過ごすことが求められます。
そのため、早い段階から自分の学習のペースを作れる子ほど、転落せず上位をキープし続けるのです。
特徴③行きたい大学・学部がはっきりしている
【なんとなく勉強している子】と【明確な目標がある子】とでは、日々の勉強の質と集中力に雲泥の差があります。
高校入学時点で、すでに【自分はこの大学、この学部に行きたい】と思えている子は、学力の落ち込みをほとんど見せません。
むしろ、高1の初期から一貫して受験に向けた努力を続けていくため、他の生徒よりも一歩先を走り続けることができます。
目標があるからこそ、勉強はやらされるものではなく、自分の未来につながる意味のある行動になります。
たとえば、【将来は医師になりたい】【家の経済状況を考えると私立大学には行けない】と考えている子は、難関の国公立医学部を見据えて、主要教科だけでなく理系科目にも早くから力を入れ始めます。
志望が明確であればあるほど、戦略的に動けます。
親ができることは、その目標を一緒に考え、時に背中を押してあげることです。
漠然とした未来ではなく、【この大学に行く】という強い意志が、学力の転落を防ぐ最大のブレーキになります。
学力転落を防ぐための3つの掟
ところで、地方のトップ高校に入るだけで【安泰】だと思っていたら、あっという間に置いていかれるという現実に気づけるかどうかが、子どもの進路を決めてしまうところがあります。
実際、学力が落ちてしまう子の多くは、中学生時代の感覚で【本気を出せば間に合う】と楽観視してしまい、気がついたらこれまでの勉強の習慣が崩れ、回復できない状態に陥ってしまうということもあります。
では、どうすれば学力の転落を防げるのでしょうか。
それには、高校入学後の【意識】と【行動】の質を変える必要があります。
地方トップ校のように、表向きは進学校であっても、生徒の学習意欲や将来の視野には大きな個人差があります。
だからこそ、自分だけでも軸を持って学び続ける覚悟があるかどうかが、上位層に残れるかの分かれ目になるのです。
ここでは、学力の転落を防ぐために親子で意識したい【3つの掟】を紹介します。
これは努力や才能以前の、【そもそも高校生活をどう設計するか】という内容になります。
高校受験が終わってホッとするその瞬間こそ、次のスタートを切るタイミングです。
掟①高校受験勉強を続ける覚悟で勉強し続ける
多くの子が高校に入ったとたんに勉強量を減らしてしまうのは、【高校受験がゴールだった】からです。
しかし、難関大学を目指すなら、高校入学後こそ勉強を加速させなければなりません。
むしろ【受験勉強は終わっていない】と考えることが、学力維持のカギなのです。
高校受験で身についた集中力や学習習慣を、そのまま持ち越す意識が必要です。
定期テストや模試が近くなくても、毎日1日2〜3時間の学習ペースを維持し、休みの日は5時間から7時間程度は勉強するなど受験時と同じ熱量で取り組むことで、高校の授業内容にも対応できる力がついてきます。
逆に【もう頑張らなくていいや】と気を抜けば、たった数か月で差がつき、元のペースに戻るのも困難になります。
大学入試は、3年生になってから頑張ればいいわけではありません。
高校3年間の全てが大学入試に直結する勝負の時間です。
継続的な努力こそが、上位層に残る最も確実な方法です。
燃え尽きるのではなく、【まだ始まっていない】と考える子ほど、強く伸びていくのです。
掟②学業を放置して高校生活を楽しみ過ぎない
高校生活は確かに楽しいものです。
部活、友達、行事、自由な校風など、中学とは比べものにならないほど多様な経験が待っています。
だからこそ、勉強を【あと回し】にしてしまうこともあります。
しかし、ここで学業を放置してしまうと、その代償は極めて大きく、後から取り返すのは難しくなります。
上位層にとどまり続ける子は、楽しみながらも常に【学業優先】の姿勢を忘れません。
テスト前だけでなく、日々の授業や家庭学習にもしっかりと時間を割き、遊びとのバランスを取っています。
逆に、青春に全振りしてしまうと、成績は面白いほど右肩下がりになります。
勉強の土台が崩れれば、希望の進路もどんどん遠ざかってしまいます。
学業と生活のバランスを取るには、親の声かけや学習環境の整備も欠かせません。
【今が楽しければいい】ではなく、【今学んでこそ未来がひらける】という意識を、家庭の中でしっかり根づかせましょう。
掟③高校でも先取り学習を必ず続ける
中学までは先取り学習を積極的に進めていたのに、高校に入ったとたん、学校の授業に合わせるだけになってしまう子は多く見られます。
ですが、難関大学を目指すなら、そのままでは間に合いません。
むしろ、高校の授業スピードの早さに翻弄される前に、自分で学習を先回りする習慣を続ける必要があります。
先取り学習をしている生徒は、学校で習うときにはすでに一度内容に触れているため、理解が深まりやすく、記憶にも定着しやすいという利点があります。
さらに、早めに範囲を終わらせることで、高3では演習中心の本格的な受験対策に時間を割くことができます。
これは大学受験において非常に大きなアドバンテージとなります。
【授業についていければ大丈夫】という安心感に甘えず、常に先を見て勉強する姿勢を保つこと。
それが、学力転落を防ぎ、最終的に合格をつかみ取る最短ルートです。
高校でも攻めの学習を継続することが、上位層を目指す、そしてその学力グループに残るための鉄則です。
地方トップ高校に合格しても安心は禁物
地方トップ高校に合格することは、確かに大きな成果です。
しかし、その瞬間に【これでもう大丈夫】と安心してしまうと、そこから静かに転落が始まるのが現実です。高校入学はゴールではなく、むしろ本当のスタート。
この認識を持てるかどうかが、最終的に大学受験で結果を出せるかどうかを決める分かれ道になります。
今回紹介したように、学力の差が広がる原因には【燃え尽き症候群】【中学との感覚の違い】【先取り学習の停止】などがありますが、これは決して特別な失敗ではなく、多くの子どもたちが無意識に陥る落とし穴です。
だからこそ、早い段階でそれを知り、学力の転落を防ぐ行動を取ることが重要です。
転落しない子どもには、共通する特徴があります。
大学受験の世界をよく知り、先を見据えて学び、明確な志望校を持っています。
そして、家庭での支えや環境づくりも、そうした子どもたちを支える大きな力になっています。
地方ではどうしても高校合格をゴールにしてしまう家庭が割といますが、それは子育ての終点ではありません。
むしろ、そこからどう行動するかで、未来は大きく変わります。