今回は【中受組との差をどう埋める?公立小で実力を伸ばす方法】と題し、お話をしていきます。
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今回は【中受組との差をどう埋める?公立小で実力を伸ばす方法】と題し、お話をしていきます。
【中学受験はしないけれど、将来的には地元のトップ高校に進んで、大学受験でも有利な位置につけてほしい】
そんな思いを抱く親は、地方では決して少なくありません。
実際、多くの地方在住の親子は、中学受験を選ばず、高校受験を通して進学するルートが一般的です。
その一方で、【このまま地域のペースで勉強していて、本当に大丈夫なのか?】と不安を抱える方もいます。
地方でも公立中高一貫校を中心に中学受験する小学生が存在しているので、塾通いをして受験勉強を頑張っている子を見ていると、我が子のノンビリ過ごしている様子に焦りを覚えてしまうのは仕方ないことかもしれません。
我が家の子ども①②③が通う小学校や隣の学区の小学校でも、学年のトラブルの多さなどから受験する子が多い年と少ない年があり、地方でも教育に関心のある親は【このままだと学区の中学でも問題が多そうだから中受も視野に入れる】と考えています。
地方だから小学生は牧歌的に過ごしているという子どもばかりではなくなっています。
そして、我が子や周囲の子の勉強との向き合い方、インターネット上で見かける大都市圏の中学受験組と比べたときに、小学生の時点での学力差や学習への意識の差が、徐々に目につくようになってきます。
【うちの子は頑張っているけど、そもそも学ぶ内容の深さが違う】
【将来、同じ大学を目指したときに、中高一貫校の子たちと渡り合えるのか】
こうした疑問や不安は、決して過剰な反応ではありません。
むしろ、将来の進学や学力形成を考えるうえで、非常に本質的な視点です。
地元の進学校で【上位層】に入り、大学受験で勝負できる実力をつけたいと考える親にとっては、小学生時点での意識と取り組みが、大きな差を生む可能性があります。
そこで今回は、中学受験をしない子どもが、どうすれば中受組にも負けない実力を育てられるのか。
そのために、小学生の今、家庭で何を意識して取り組めばよいのかを、考えていきます。
地方×高校受験組の不利な現実
まず、地方在住の教育に関心のある親の多くは高校受験ありきで子どもの進路進学を考えます。
やはり、中学受験しようにも学校が限られているのと、地方ではトップ高校から難関大学へと進む鉄板ルートが確立してあるということも影響しています。
【中学受験はしないけれど、地元のトップ高校には入ってほしい】。
これは地方に住む教育熱の高い親が自然に抱く願いです。
しかしその一方で、【首都圏や関西圏の中学受験組と対等に大学受験で戦えるのか】という不安を抱くのも自然な流れです。
この不安は、決して根拠のないものではありません。
先取り学習できる中高一貫校と比べると地方かつ高校受験組は大学受験に置いて不利なのは誰の目から見ても明らかです。
そもそも、中学受験をする子どもたちは、小学校高学年の段階で、かなり高度な学習を経験しています。
受験算数を筆頭に、国語でも語彙や読解問題は小学校レベルをはるかに上回ることを学んでいます。
理科と社会は公立中学で学ぶ、またはそれ以上のことも勉強します。
算数は特殊算・図形・論理問題といった、学校では扱わないような複雑な応用問題に日常的に取り組みます。
正解にたどりつくまでのプロセスでは、情報整理、仮説検証、試行錯誤といった【思考の筋トレ】が積み重ねられます。
国語でも同様です。
記述問題の対策では、【自分の意見を書く】【筆者の主張を言い換える】【論理的につなげて説明する】など、文章を読むだけでなく使う力を日常的に訓練します。
ことわざ、慣用句、四字熟語などの知識もしっかり暗記しないといけません。
一方で、地方の公立小学校では、教科書に沿った基本的な学習が中心となります。
これは決して悪いことではありませんが、【できる子がどんどん伸びるシステム】にはなっていないというのが現実です。
さらに、学習の競争意識も比較的ゆるやかで、【テストで良い点を取ること】が大きな目標になりがちです。
ここで重要なのは、テストの点数は良くても【思考力】や【表現力】が伸びているとは限らない、ということです。
学年が進むごとに、そして中学進学後にこの見えない学力差がじわじわと表面化していきます。
ですから、小学生の優等生が中学生になってから成績が停滞し、トップ高校や2番手校に合格するレベルになれないというケースも珍しくありません。
かつては、【うちは中学受験はしないけど、中学に入ってから本気を出せば追いつける】と考える方も多くいました。
確かに、高校受験という節目があることで、本人に火がついて成績が伸びるというのも私自身経験していますし、実際私も塾で仕事をしている時に【中学から頑張って当初よりも上の高校を受験して合格した】という子を見てきています。
中学から頑張り、高校受験で進学校に入った。
そういうルートを辿る子は昔なら珍しい存在ではなかったです。
しかし現在は、その考え方は厳しくなっています。
親世代の頃のようにはいかない理由は主に3つあります。
一つは、中高一貫校の先取り学習が加速していることです。
公立中学が教える内容の1〜2年先を進み、余裕を持って大学受験対策に移行できるので、先取り学習をしていない地方の子にとっては大学受験での争いに敗北する可能性が昔よりも高くなっています。
次に、思考力型・記述型の問題が主流になってきたことです。
大学入試改革や学習指導要領改訂の影響で、考える力や表現する力の比重が高まり、暗記やパターン学習だけでは入試問題に対応できなくなっています。
身につけている知識をいかに使うか、という前提の問題が出て、それに対応する力がないと思うような結果が出せなくなっています。
そして三つ目が学びの姿勢そのものに差があることです。
中受組は【考えて解決する学び方】に慣れており、指示待ちではなく、自分で疑問を持ち、自分で調べ、自分の言葉で答えようとする姿勢が育っている。
このような背景から、【高校受験をがんばればいい】という待ちの姿勢では、むしろ中受組との学力差は広がってしまうリスクがあります。
それでは、中学受験をしない地方の子どもたちは、どうすれば中受組に負けない学力を身につけられるのでしょうか?。
そのカギとなるのが、【中学受験しても大丈夫な地頭】を、小学生のうちから少しずつ育てていくことです。
地頭とは、単に知識の量ではなく、以下のような力を指します。
〇問題の意図を読み取る力
〇物事を順序立てて考える論理性
〇自分の考えを言葉にする力
〇試行錯誤しながら粘り強く解く力
これらの力は、塾や教材だけで身につくものではなく、日々の学び方・関わり方の中で育てていく必要があります。
今の学力が多少物足りなくても、まだ遅くはありません。
むしろ、今のうちから【何を鍛えるか】【どう育てるか】を家庭で明確に意識することが、将来的に大きな逆転力となるのです。
小学生のうちに家庭でできる5つのこと
さて、中学受験をしないからといって、学力で劣ると焦る必要はありません。
むしろ、家庭での関わり方や学習環境を工夫することで、地元のトップ高校を目指すうえで必要な【中学受験組に負けない地力】を育てることができます。
ここでは、小学生のうちに実践できる【5つの家庭での取り組み】を具体的に紹介します。
日々の生活の中で自然に取り入れられる工夫ばかりです。
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【基礎を圧倒的に正確・高速に】:算数と国語を武器にする
地方の公立小学校では、学年相応の範囲を淡々と進めることが多く、【できる子が物足りなさを感じる】ことも少なくありません。
だからこそ、家庭で標準以上の教材や問題に挑戦することが差を生むポイントになります。
とくに重要なのが算数と国語です。
算数は【計算が速い・正確】というだけでなく、文章題や図形問題を日常的に考える習慣をつけておくことが大切です。
単なる反復ではなく、【この問題、どうやって解くのが一番合理的かな?】と一歩踏み込んだ思考を促すような声かけが有効です。
国語も同様に、漢字練習や読解問題に取り組むだけでなく、【この文章は、誰に何を伝えようとしているのか?】といった、筆者の意図や構成を読み取るトレーニングを意識しましょう。
そして、国語の成績は短期間でアップすることは期待できない、時間のかかる教科です。
大学受験を見据えて地元基準ではなく、全国基準を意識した問題集選びや声かけが、将来的なアドバンテージとなります。
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【アウトプット学習の習慣化】:書く・話す・説明する力を養う
中学受験組は、日常的に記述問題に取り組み、【自分の考えを言語化する】ことに慣れています。
一方、公立小では記述力を鍛える機会があまりなく、読みっぱなし・解きっぱなしになりがちです。
だからこそ、家庭でアウトプットの習慣を意識的につくることが、思考力・表現力の基礎になります。
勉強した後に【どうしてそう思ったの?】【どんな順番で考えたの?】と質問する
本や記事を読んだ後に、【一番印象に残ったところは?】【友達に紹介するならどう説明する?】と聞く
自由帳やノートに、自分の言葉でまとめる習慣を持たせる
こうした【言葉にして伝える】体験の積み重ねが、記述力・論理力の土台となり、将来の国語・英語・社会でも差をつける武器になります。
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【好奇心を深掘りする機会づくり】:知りたい→調べる→考える習慣を育てる
自分で学ぶ子になるために、もっとも大切なのは【好奇心をどう育てるか】です。
中学受験では、理科や社会などで日常とつながった問題が頻出しますが、それは子どもがもともと持っている【知りたい】という気持ちを活かした出題です。
家庭でも、次のような形で好奇心を学びに変える機会を設けましょう。
テレビのニュースや会話中に出てきた話題を【なんで?】【どうして?】と一緒に調べてみる。
本や図鑑、地図、年表を使って背景を深掘りする。
自由研究のように調べたことを絵や文章でまとめてみる。
こうした習慣は、単なる知識の暗記ではなく、【自分の頭で考える学力】の育成につながります。
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【読書の質と量】:読解力と論理力の土壌を育てる
国語力はすべての教科の土台です。
そしてその国語力の最大の源泉は【読書】です。
ただし、読むだけで終わらせるのはもったいないです。
読んで終わりではなく、読む→考える→話すの循環が、国語力をより深く育てます。
我が家でも、子ども①が中学生になり国語の成績が不安定になった時に、夫が本屋さん大賞のノミネート作品の中古本を大量に買い、登下校時の公共交通機関での移動時に読むということを習慣化したら、成績が安定するようになりました。
そして、理系ですが、古文や漢文が得意で強みになっています。
本を読むのは毎日15分、20分でもOK。
寝る前や朝の習慣にしておくと子どもが本を手にすることが定着しやすくなります。
読んだあとに感想を話す、要約する、好きなセリフを選ぶなど振り返りをセットに。
物語だけでなく、伝記・論説・科学読み物など幅広く、を意識してください。
小学生向けの新聞もおすすめ。
語彙力を広げるために【わからない言葉メモ】をつけるのも有効。
また、難しめの文章にあえて触れることも重要です。
最初は親が音読したり、一緒に読んだりして、ハードルを下げてスタートしましょう。
読解力がつくと、算数の文章題や理科、社会の記述問題にも自然と強くなります。
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【自分で計画・実行する力の育成】:自走型学習の土台を小学段階から作る
中学に入ると、学習内容が一気に増え、親がすべて管理するのは現実的ではありません。
子どもが自分で勉強を【選び】【続ける】力を、小学生のうちから育てていくことが将来の差を分けます。
まずは週末だけでも【今日の学習計画を自分で立ててみよう】といった、小さな取り組みから始めましょう。
時間配分、優先順位、進捗管理など、学習の学び方そのものを習得する機会になります。
親は【決めたことを見守る】【成果を一緒に確認する】役割に徹し、あえて口を出しすぎないことで、責任と達成感を子ども自身が感じられるようにしてください。
以上の5つは、どれも特別な教材や大きな投資を必要としません。
大切なのは、家庭の中に【考える】【話す】【選ぶ】という要素を自然に組み込むことです。
こうした土台が、小学生のうちに積み上がっていけば、たとえ中学受験をしていなくても、高校受験・大学受験でしっかり戦える力になります。
地方の子が【逆転】するための学習戦略
ところで、中学受験をして中高一貫校に進む子どもたちは、確かに早い段階から高度な学びに触れ、受験にも慣れた環境で過ごしていきます。
一方、地方の子どもたちは公立中学校へ進み、高校受験を通じて進路を切り開いていく。
この構造は不利に見えるかもしれません。
けれど、実は地方の子どもには中学受験組にない強みがあるのも事実です。
ここからは、地方で高校受験に向けて【逆転】を目指す子どもがどのような戦略で臨めばいいのかを考えていきましょう。
地方には都市部のような学習塾や進学情報の豊富さはないかもしれませんが、小学生時代、中学1年生や2年生の頃は【学習の自由度】【競争の少なさ】という、子どもをじっくり育てるための土壌があります。
中学受験をして進学した子どもたちは、環境に守られつつも、進学した時点で【ひと段落した】という安心感から、中1・中2でペースを落としてしまうことが少なくありません。
その間、地方の公立中に通う子どもが、基礎を確実に積み上げ、地道に学習習慣を身につけていけば、中3時点で一気に追いつき・追い越すことも可能です。
とくにトップ校を目指す学力層の子は、高校受験が【一つの大きな目標】となるため、目的意識を持って自走力を鍛えるには絶好のチャンスです。
ここで大切になるのが、【学校や塾任せにせず、家庭で実力を育てる軸を持つこと】です。
中学では定期テストや提出物、内申点といった表面的な評価にどうしても引っ張られがちです。
しかし、その先にある大学受験を見据えるなら、本質的な学力=思考力・表現力・粘り強さを鍛える必要があります。
内申のためにテスト範囲だけを丸暗記する学習では、深い理解や応用力は身につきません。
だからこそ、家庭学習の中で【なぜそうなるのか?】【どう考えたのか?】を丁寧に確認するスタンスが重要です。
また、授業内容をただ復習するだけでなく、【この単元を高校や大学受験にどうつなげるか】を意識した学習を行えば、周囲がテストに追われている中でも地力を伸ばし続けることができます。
勉強を頑張り、無事に地元の偏差値上位高校に合格した後、入学してからも上位をキープし、難関大学を狙える位置にいる子の多くは、中学時代に自分の頭で考えて勉強する姿勢を身につけてきた子です。
中高一貫組は先取りで高校内容に入るメリットはあるものの、カリキュラムがしっかりしてあり、そのカリキュラムに乗り切れない子は成績を落としていきます。
対して、公立中から進学してきた生徒は、【なぜ勉強するのか】【自分の目標に向けて何をすべきか】という意識が高い傾向があります。
つまり、トップ高校の中でも真に伸びるのは、【受け身で学んできた子】ではなく、【自分で考え、工夫して学んできた子】なのです。
だからこそ、小学生のうちから【自走力の芽】を育てておくことが、進学後の飛躍につながります。
中学受験組と真っ向から競うには、準備に時間がかかります。
中学に入ってからでは、日々の部活動や学校行事、テスト対策などで手一杯になるのが現実です。
ですから、【中学に入ってから頑張る】ではなく、【小学生のうちから未来を見据えて準備を始める】ことが、勝負の分かれ道です。
今からできることは決して難しいことばかりではありません。
読解力や思考力を鍛える読書や記述の習慣、計算力や図形感覚を磨く算数の応用問題、好奇心を学びにつなげる調べ学習や対話、そして自分で勉強を管理する力をつける簡単な学習計画づくり。
こうした日常生活の中の工夫が、将来の学びの伸びしろを大きく左右します。
中学受験をしなくても、親の意識、子どもの努力で高校受験で中受組に追いつき、追い越すことは可能です。
そのためには、小学生のうちから、家庭で地力をじっくり育てることが肝要です。
そして、受験を【ゴール】にするのではなく、その先も伸び続ける学習力をどう育てるかに視点を向けていきましょう。
中学受験をしないという選択は、決して学力面での不利を意味するものではありません。
ただし、何の意識もなく地域の学習ペースに任せてしまうと、目に見えにくい学力差や学習姿勢の差が中学以降に大きく表れてくることがあります。
地方の公立小から、地元のトップ高校、そして難関大学を目指すのであれば、今この時期、つまり小学生のうちから家庭でどのような力を育てるかが将来を左右する重要なカギとなります。
とくに意識したいのは、知識の量よりも【思考力】【表現力】、そして【自分で学ぶ力=自走力】の育成です。
これらの力は、地道な日々の学び方、親子の関わり方の中で確実に積み上がっていきます。
中学受験というシステムの外にいながらも、学びの本質に向き合うことができれば、中受組に負けない力をつけるチャンスは十分にあります。
たとえ地方でも、限られた環境でも、家庭がその方向性を持っていれば、全国レベルで戦えるだけの力を育てることはできます。
目先の点数やテストに一喜一憂するのではなく、ゴールを大学受験や社会で活躍できる力に見据えたとき、今なにを育てるべきか。
目の前の子どもの可能性を信じ、親としてできる一歩を、今日から始めてみてください。