今回は【運動部の子が学力伸びる 受験に強いという都市伝説を考える】と題し、お話していきます。
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運動部の子は部活を引退したら爆発的に成績が伸びるという都市伝説のようなものがあります。
バリバリ運動部なのに、最難関大学、最難関高校、最難関中学に合格する子は何かともてはやされるのも、運動に時間を割いているのに受験で素晴らしい結果を残しているからです。
確かに、運動部でもトップ高校に入る子、成績優秀な子はけっこういます。
トップ高校に進学した子ども①の周囲でも、バリバリ運動部なのに成績上位層の知り合い、友達はゴロゴロいます。
中学時代も成績上位層は運動部所属という子が多かったです。
子ども②の学年でも、同じ傾向が見られます。
私の中学時代を振り返っても、やはり帰宅部で成績上位層はほぼいませんでした。
何かしらの部活動に所属し、一生懸命取り組んでいる子ばかり。
塾で仕事をしている時も、進学校を目指す子の多くが運動部所属でした。
もちろん、文化部でも成績優秀層はいましたが、帰宅部や活発ではない部活に所属をしている子で成績が良い子はほとんど記憶に残っていません。
教職員の働き方改革や、熱中症対策で親世代の頃よりも部活動の拘束時間は減少しているとはいえ、やはり運動部の子は勉強に時間を割くのはなかなか難しいことがあります。
そういうこともあり、親の中には運動部に入ることに難色を示す方もいます。
しかし、現実世界では成績優秀層に運動部の子が多くいます。
それではなぜ、運動部の子は学力の伸びが良く成績優秀層が多いのか考えていきましょう。
1.努力しないと試合に出られない
まず、部員が少ない、廃部寸前ということでない限り、運動部で大会や試合に出られる人数は限られています。
野球やサッカー、バスケットボール、バレーボールなどの団体スポーツも選手登録の枠、人数が決まっています。
俗に野球部で背番号を貰えるというのも、この選手登録されていることを意味しています。
普通の公立中学であれば3年生が優先的に試合に出られるという暗黙の了解があり、2年生や1年生が残りの枠を奪い合うという流れになります。
ただ、優れている選手は学年関係なく優先的に試合に出られるのでレギュラーを目指すのであれば『努力するのが当たり前』『努力しなければ他の人に座を奪われる』という世界が待っています。
一方、文化部は強豪部ではない限り2年生になればたいていの大会には出場できます。
1年生でも、部活に全く顔を出さないということではなく、普通に参加していて、先輩の数が少なければ大会に出られます。
私も吹奏楽部に所属をしていたのですが2年生になれば自動的に大会に出ました。
もちろん、真面目に部活に出て練習をしていましたが、文化部は他の部活も同じようなもので、【参加できるのはこの人数】をオーバーしていなければ、そして幽霊部員でなければ大会に出場できるので、運動部に比べると必死になって練習に励む必要はないです。
これも、あくまで強豪校ではないという大前提がありますが、運動部に比べると吹奏楽部や合唱部は大会に出場できる人数も多いので熾烈な争いになりにくいです。
運動部の子は努力しなければ試合に出れないという世界なので、選手になる、レギュラーになるにはライバルたちに勝つために練習をするなど努力をすることは避けられません。
いくら才能があっても、練習をさぼっていると輪を乱すことになります。
先生や周囲から認められるには胡坐をかかず、真面目に取り組むことが必須です。
ですから、運動部に所属して選手になるぞと決意したら【努力をする】というのは絶対条件のようなものです。
努力の大切さを身をもって知っているからこそ、『成績を上げるには学習量を増やしていくなどの行動をしていかないといけない』と自覚し、それは受験勉強だけでなく日頃の学習でも生かしています。
『自分に与えられた自由時間はこのくらい』を把握し、その時間に一点集中して勉強しているので忙しいのに学力が高い運動部の子が珍しくないのです。
2.試合で緊張感を経験している
運動部に所属し、晴れてレギュラーになり背番号を貰った、ユニフォームを着て試合に出られるようになると、今度は緊張との戦いになります。
【失敗したらどうしよう】という気持ちを抱えて試合に臨むことになります。
文化部も大会に出て広い会場で演奏を披露する、歌を披露するというのは緊張感が漂います。
とくにソロを任されるとその緊張感は半端ありません。
ただ、ソロを任されていなければ特別な緊張感を経験することはありません。
そもそも、ソロを担当する子は桁外れに上手な子で、先生も【上手で度胸のある子】に任せます。
しかし、スポーツの場合は一瞬の判断ミスで相手に点数を取られることもあり、試合中は気が抜けない時間が続きます。
勝てば次の試合、大きな地区大会に出られますが、負ければそこで終了です。
夏の大会であれば中学3年生は負けた瞬間に引退が決定します。
そうした経験をしていると、受験の時に【入試まであと何日】と緊張感を持って勉学に励むことができます。
高校受験は子どもながらにも大きな分岐点であることを知っています。
自分が志望する学校から【不合格】と言い渡されると、もの凄い衝撃を受けて立ち直るまでにかなりの時間を要する子もいます。
プレッシャーの中で受験勉強をしていくわけですから、試合で経験した緊張感は決して無駄なものではありません。
特段何かしらの習い事などをしているわけでもない完全なる帰宅部の子、緩い文化部に入っていたという子は受験に向けての気合い、迫力が欠けていると感じることがけっこうありました。
部活動を通じて緊張感を持って何かに臨むことを経験していないので、運動部や吹奏楽部、合唱部の子に比べると【大丈夫かな】と思ったことがあります。
これは特定の学年だけの話ではなく、毎年中学生で運動部、文化部、帰宅部、吹奏楽部と合唱部の生徒たちと接して感じた共通点です。
運動部の子の伸びがスゴイと都市伝説のような扱いがされていますが、10代前半の子どもが試合で緊張する中で運動することを経験していると、それが受験で大きな武器になるというのは塾で仕事をした人間からすると【分かるな】の一言に尽きます。
3.土壇場で何が起きるか分からないのを知っている
私はスポーツの中でも野球が好きですが、9回裏の2アウト満塁でサヨナラホームランを打つというのが大逆転勝利、土壇場で偉いことが起きた、の類になります。
サッカーであれば、ラスト10分でゴールを2回決めて大逆転勝利をする、みたいなものでしょうか。
スポーツの世界では、もう負けたと思っていたけれど大逆転で勝つということがあります。
中学生の部活でもそういうことは起きるので、運動部の子達は【最後まで頑張る】という強い気持ちを持って試合に臨んでいます。
先生やコーチ、先輩も同級生も仲間たちが【最後まで頑張ろう】と声がけをして練習をしたり試合に出ています。
最初から負けること前提で試合には出ません。
この気持ちは受験学年になると大きなメリットになります。
受験は結果が出るという怖さがありますが、【何があるか分からないから最後まで気を抜かずに頑張る】という気持ちを持つということはすごく大切です。
受験の世界でも今のままでは合格は厳しいと思っていた子が、当日のテストが良くできて合格するという生徒が毎年のようにいました。
そして【諦めないで頑張る】と気合を入れて勉強に励んでいる子は、個人的な意見ですが運動部の子の方が多かったです。
まとめ
忙しいし、学習量の確保が難しいけれど運動部の子は学力が伸びやすいと言われています。
『どうして成績がいいの?』と疑問に思う方も少なくないと思います。
なぜ、伸びやすいのかといえば、やはり努力する大切さ、緊張感を持って試合に臨んでいる経験、そして最後まで何が起きるか分からないという強い気持ちを持って受験を乗り越えようとしています。
運動部の子が忙しいのに学力が高い、学力が伸びるのには理由があります。
努力の大切さを理解するというのは親が言葉で言っても、そして塾の先生が伝えてもなかなかピンとこない子も少なくないです。
やはり、子ども自身が実体験をして、それを通じて感じないと『努力は大切だから成績をアップするにも努力が必要』という考えにたどり着きません。
ですから、子どもの意見を無視して『勉強の妨げになるから運動部は絶対にダメ!』と決めないようにしてください。