どうして学校再開・延長決定がギリギリになりがちなのか【日本特有の問題】

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(Last Updated On: 2020年5月12日)

 

先日、連載を持っているアーバンメトロライフさんで休校延長か再開か 新型【コロナで都内公立小中学校の足並みが全くそろわないワケ】を執筆しました。

 

感染が拡大し、学校の新年度スタートが延期になるなど教育現場は混乱を極めているのは想像にかたくありません。

 

ではなぜ、日本の公教育は緊急事態下でも直前まで臨時休校措置が決められないのでしょうか?

 

黒板スタイル重視でICT教育の導入が進んでいない

単刀直入に言いますと、先進国の中ではずば抜けてICT教育の導入が遅れているからです。

都市閉鎖や学校休校措置をしていた中国の子供達の姿をメディアで取り上げているのを見かけましたが、パソコンやタブレットを利用して授業をしています。

 

先生が課題を出し、提出していないと電話がかかってくるシステム。

まぁ、これは一部の大都市だけの話かもしれませんが、日本では東京でも大阪でも全域にわたってこうしたシステムは導入されていません。

 

横浜市がスタートした云々というニュースはありますが、本当に遅れていると思います。

 

40年前とあまり変わらない授業スタイル

 

アクティブラーニングといった、生徒同士が話し合って色々調べる授業は増えていますが、基本的に40年前とあまり変わらない授業スタイルです。

 

今回の新型コロナウイルスは、大地震や台風被害といった天災のようにライフラインが寸断されている緊急時ではありません。

鉄道やバスといった公共交通機関も走り、ガスや電気も普段と変わらず使えます。

 

外を見れば春めいて、新年度がスタートする!という雰囲気。

それなのに、学校に行けません。

そして、学校に行けないので授業が受けられないのです。

 

黒板を使って教室で授業を受けるスタイルが受け継がれており、それに代わるものが全国規模で普及していません。

【学校に行って履修内容を消化する】が絶対かつ唯一の条件なのです・・・。

 

SARSやMERS後に整備を進めたアジアの国々

 

2009年の新型インフルエンザを除けば、日本は今まで奇跡的にこの10年アジアで起きた感染症に巻き込まれてきませんでした。

 

ザクっというと、2002年冬から2003年にかけてアジアを中心として大流行したSARS、2015年に韓国で流行したMERSを契機に、緊急時も家庭で授業を受けられるようオンライン授業の整備が本格的に進められてきました。

 

で、今回の騒動で主だったアジアの国々は【学校休校になるけど授業どうする?】【学校再開するかどうか悩む】というゴタゴタはなく、普通にオンラインにシフトを替えたのです。

 

こういうのをメディアで目の当たりにしていると、子を持つ親は不安で仕方がないですよね。

人命&健康第一なら学校に行かせたくない。でも、今の日本の公教育だと学校に行かないと授業が受けられない。

 

本当に、GDP世界3位の国なのでしょうか???

 

イタリア、スペインでもオンライン授業を実施

 

全世界に広がるコロナ禍で、休校措置をとっている国は多く、いわゆる先進国と言われる国々では普通にオンライン授業が実施されています。

【学校を休校にするからオンラインに切り替える】というのは、多少の混乱はあるものの普通に行われているのです。

 

インターネットの普及が日本だけ遅れているとは到底思えません

ヨーロッパの中でも失業率が高く経済不安が取りざたされるスペインやイタリアでも、休校中はオンライン授業を行っているのですから、経済的なことを理由にすることはできないと思います・・・。

 

もちろん、各国ともに超山奥とかはオンライン授業を行うのは難しいでしょうけど、人口がそれなりにいる街では実施されている模様。

 

こうして、日本のICT教育の整備がかなり遅れているのは、今回の非常事態で丸裸にされてしまいました。

この状況でも【何とか学校再開!】にしないと1年間の履修計画がとんでもないことになるのは火を見るよりも明らか。

再開か延長の決定がギリギリになってしまっているのでしょう。

 

公教育としてICT導入を決断できるのか

とんでもない緊急事態になって、ようやく整備に着手するかな、とは思いますがどうでしょうか。

元々、日本は教育に投資する額が少なく家庭任せ・苦笑。

 

中国や韓国、アメリカ並みに学校経由のICT教育が浸透するのか疑問です。

 

スピード感はないかもとあまり期待しない方が良い?

 

検討する、検討するの繰り返しでこの1,2年で整備が完璧になるとは思えません。

おそらく、我が家の子供③が小学6年生になった頃に【家でも学校の授業を受けられる!】となっていると予想しています。

 

何か月も学校に行けないというのも、この状況下で現実味を帯びています。

子供の学習の遅れに不安を感じている親は、早々に手を打っていると思うんですよね。

通信教材を利用したり、ドリルを買ったり、無料教材をダウンロード&印刷したり。

で、忙しかったり経済的な理由で出来ない親は、ずっと対策をとれない。

 

【学校に行く₌勉強する】というのが子供達全員に平等に与えられた機会です。

日本の場合、これがほぼ唯一の平等に与えられた勉強の機会なので、これがコロナ禍で失うと完全に家庭の経済力や親の関心によって学力差がガクンとと出てしまう。

これが一番怖いことなんですよね。

 

で、現場の先生はそれを危惧しているのは間違いありませんが、ICT教育の導入には時間がかかりそうなので、【2020年度中に完備】は期待しない方が良さそうです。

 

2020年度の新学習指導要領が出鼻をくじかれる

 

新型コロナウイルスによって、授業数や学習内容が増加した新学習指導要領の計画が狂ってしまっています。

 

小学3年生から6年生に至っては、35時間分(45分授業を1時間とする)増加。

感染拡大地域は軒並み新年度のスタートを遅らせているので、完璧に消化するのはムリでしょう。

夏休みを短縮にしたり、行事をなくすなどしないとムリ・・・。

 

しか~し、ICT教育でとりあえず授業が行えれば、ある程度は年間行事の練り直しなどある程度は対応できるとは思います。

が、2019年度の3月分&2020年度の4月分の授業がゴッソリ抜けている。状況次第では延長が続くかサッパリ読めない。

 

こうした事実を踏まえると、全国津々浦々で履修を全て消化できると考えにくいです。

プリントをドサッと渡されて【勉強したね】で終了になると個人的に予想しています。

 

それで多くの親【子供は理解できた】とは思わないでしょう。

ましてや、2020年度は英語の科目化やプログラミング教育などの新しい取り組みをする初年度。

学校の延長が長引けば、不安を抱えて通信教材や塾に駆け込む子が続出しそうです。

 

年度末まで子供1人にタブレットorパソコン1台はムリゲーでしょう・・・。

 

結局は各家庭の判断で学力差が出てしまう

 

元々ICT導入が遅れている中でのコロナ禍は、現場の先生の心配通り生徒間の学力格差を助長させていると思います。

 

不安を感じたら何かしら手を打つ家庭と、打ちたくても打てない家庭、そもそも興味のない家庭と大まかに3つのグループに分けられます。

 

終息し、相当な学力差が出ている中で学校再開になると思うんですよね。

【もう習った】【家でやったから学校の授業は復習】という子がいる一方で、久しぶりに机に向かって勉強する子もいる。

 

ICT教育の導入がある程度進んでいれば、勉強から離れやすい子も学習時間を確保することが出来たはずです。

しかし、今の状況では差は拡大するだけ。

 

かつての私はグータラ小学生でした。

本当に勉強しないことする子の差がこの数ヶ月であり得ないくらい広がってしまっているのを心配しています。

 

今後も同じような緊急事態が発生しないと断言できません。

もう、ICT教育導入待ったなしですね。