今回は【子どもはいつから偏差値を気にすべきなのか】と題し、お話をしていきます。
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受験をする、受験が迫ってきている子どもは志望校の偏差値と自分の模試などの偏差値を見比べて一喜一憂します。
一喜一憂するのは子どもだけでなく、結果を見た親も不安になったりして本番の日を迎えることになります。
ところで、偏差値は中学受験、高校受験そして大学受験の時に深くかかわる数値で、社会に出てからは偏差値とは子育てをしない限り無縁なものになる不思議な数値です。
人生において割と短い間の付き合いなのですが、如何せん人生の分岐点で出くわす数値なので、多くの人にとって心に残るものだと思います。
それでは、いつからその偏差値を意識し始めたのでしょうか。
中学受験をしないならば、中学生になってからで、塾のテストや公立高校の入試問題に似せた作りの模擬試験を受けてからだと思います。
私も学生時代は塾なしで生きてきた人間ですから、たしか中学2年生頃に受けた模擬試験、または家で取り組んでいた進研ゼミ中学講座で年数回行われていた5教科のテストを受けた際に偏差値が記載されていたという記憶があります。
ただ、中学2年生の時点ではあまり偏差値を意識することはありませんでした。
私はノー塾を貫いたので気にはしませんでしたが、塾に通っている子はもっと意識していたというのは今なら理解できます。
子ども①②の塾でも、クラス分けをする際は指定のテストの偏差値が判断材料の一つになっています。
私が中学生だった当時も、そうしたクラス分けは地方の塾でも行われていたので【偏差値】の重みを感じながら勉強している同級生は一定数いたことでしょう。
高校受験組なら中学生以降に偏差値を気にするようになりますが、偏差値というのはテストの点数とは異なり短期間で爆上げすることは不可能に近い数値です。
漢字の50問テストで10点あげることと、偏差値を10上げることは全くの別物です。
しかし、中にはそんな事実をすっかり忘れて【夏までに偏差値を10上げて欲しい】と要求してくる親もいます。
困ったことですが、実際にある話です。
子どもの人生で偏差値との付き合いは短いものの、極めて重要なことと密接に関係しているのですから、いつから子どもは偏差値というものを知り、気にし始めるのがよいのでしょうか。
点数以外に数値があるとは思ってもいない
まず、子どもはテストの点数以外に数値があるとは思っていません。
私も中学生になり、テストを受けるまで偏差値というものを知りませんでした。
ただ、テストの点数と同じように高い方が良いこと、テストと違ってそう簡単に5、10と上げられないことは模試を受けるごとに感じました。
中学生当時、同級生のように塾に通っているわけではなく、時々模試を受けるだけでした。
また、親の方も高校受験に向けて情報収集することもなく、【志望校に受かるかどうか】は中学校の校内順位で判断していたという、今考えるとかなり恐ろしい状況でそのまま入試本番を迎えました。
そんなこともあり、進学校を受ける中では偏差値に関する知識はかなりなかったと思います。
偏差値に関する知識や意識は、まず塾に通っているかどうかで左右されます。
子ども①②は小学生の頃から塾に通っていることや、中学受験を経験しているので、テストの点数が前回より悪くても偏差値が高くなることもあることを理解していますし、これまで経験してきているので簡単に偏差値が上がるとは思っていません。
一方、今の子どもたちも中学受験をしない、小学生の頃は塾通いをしていない子は、かつての私のように偏差値の存在を中学生になってから知ることになります。
小学生時代は偏差値を知らなくても全く問題はありません。
偏差値を知らないと困ることも起きません。
ただ、全く知らないというのは少し考えものです。
なぜかというと、塾で仕事をしている時に初めて塾の模試を受けた小学4年生が偏差値が低いことに納得ができず【もっと高くなるはずだ】とか【次はもっと高くしたい】と文句を言ってきたことがあったからです。
中学生になって同じように塾のテストを受けて低い偏差値が出てもすぐに納得するかと言えば、そんなことはないでしょう。
おそらく、小学4年生の子と同じように感じているはずです。
言葉に出さなくても、心の中で【なんでこんなに低いのか】【もっと簡単に高くしたい】と思っています。
ですから、中学受験しなくても小学校高学年の頃に【点数以外に自分の学力を示す数値がある】【高校受験ではその数値が合否を予想する時の目安になる】と偏差値に関する話をしていくことをおすすめします。
小学校高学年で高校受験の世界を知るのがベター
高校受験で偏差値を全く見ずに志望校を決めるというのはあまりにも無謀なことです。
高校ごとに合格ラインの偏差値があります。
模試やテストによって数値のバラツキはあるものの、受ければ【この偏差値ならまだまだ】という距離感を正しくつかめることができます。
中学1年の後半や中学2年生になってから偏差値を気にしだしても、【行きたい高校と今の自分の学力は偏差値8足りない】という状態であれば、そこから勉強を頑張っても、間に合うかどうか分かりません。
正直、2年で偏差値を10弱上げるのは大変なことです。
でも、子どもは点数と同じ感覚で最初は考えてしまいます。
理想と現実に悩んで、ようやく簡単に偏差値を上げることはできないと気がついた時には、中学3年生になっていて、志望校変更を余儀なくされるということになってしまいかねません。
小学校高学年では学力グループが固定化し、そのグループは中学進学後も受け継がれます。
つまり、小学校高学年の時点で【自分の子どもはどの辺りの高校を受けられそうか】というのがある程度見えてくるのです。
その時期に高校受験で切っても切れない偏差値の話をすることは、早過ぎることはないでしょう。
むしろ、【ぼんやりと行きたいと思っている高校は偏差値65以上ないと厳しいよ】と教えることも親心と言えます。
我が家の子ども①は高校受験を意識し始めたのは、中学受験を考え始めたころと同じタイミングでしたが、志望校であるトップ高校がどのくらいの偏差値なのかは理解していました。
とりあえず、塾の最上位クラスにいること、公立高校入試の模擬試験では偏差値70近くとらないと合格に近づけない、というのを小学校5年生位の頃には子ども①なりに分かっていました。
5年生の頃に気づいているのと、中学2年生になってから気づくのでは、準備期間がまるで違います。
もし、すでに志望校があり、しかも進学校であれば早めに偏差値について家庭で話してみてください。
偏差値が離れていると合格が遠のくという現実
たとえ子どもの学力が志望校の偏差値と8くらい違いがあっても、小学校5年生で分かれば小学6年、中学1年と2年で基礎学力を鍛えて、全教科の学力をボトムアップすることが可能です。
中学2年生の時点だと、おそらく間に合わない可能性が高いです。
とくに進学校を目指している子は小学生の頃からしっかり勉強している子同士の争いになるので、下から追い上げるというのは並々ならぬ決意、努力が求められます。
努力をしても必ずしも結果が伴うかも分かりません。
受験までの日数が短く、しかも偏差値が離れていると間違いなく合格が遠のきます。
【偏差値、知らなかった】の一言で済ませてしまうのはあまりにも酷なことです。
高校受験だけでなく、大学受験でも偏差値はつきまといます。
偏差値をどう上げていくのかという戦略を考える際は、やはり時間との戦いの面もあります。
いくら頑張っていても、入試当日に間に合わなければ意味がありません。
私も塾で仕事をしている時に、塾に入って猛烈に勉強したけれど入会したタイミングがあまりにも遅く、涙をのんだ生徒がいました。
偏差値というのは冷静に子どもと志望校の距離を教えてくれる数値です。
その数値をみて【どうやって縮めていくか】というのを、中学生から考えるのではなく、小学校高学年である程度、戦略を考える骨組みを組み立てていくことをおすすめします。