【教育小噺】積極的に先取りをしてよい学年はいつからか | 元塾講師 透明教育ママ見参!!

【教育小噺】積極的に先取りをしてよい学年はいつからか

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今回は【積極的に先取りをしてよい学年はいつからか】と題し、お話をしていきます。

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エール出版社より本が出版されました。

小学3年生から4年生で気をつけるべきことを詳しく取り上げています。

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キンドルとは違う読み心地かなと思いますので、読み比べもしてみてください。

内容は一緒です!

透明教育ママの絵日記 教育系コミックエッセイだけど役に立つ可能性ゼロ【ブログ放置編】

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新作です。

 

kindleのジャンル別ベストセラー獲得しました!

ありがとうございます。

 

教育に関心がある、子どもの中学受験を考えている、大学進学を想定した子育てをしているという時、幼児期から学びの先取りをする親は少なくありません。

とくに多いのが就学前、幼児期に小学校低学年の内容を勉強するというのが一番有名であり多いと思います。

ひらがな、カタカナの読み書きだけでなく1年生、または2年生で習う漢字も年長の頃からスラスラ書けてしまう。

算数は簡単な足し算引き算も解けるし、小学1年生の躓き単元である繰り上がりの足し算と繰り下がりの引き算もできる。

のみ込みの早い子は九九も暗記してしまい、周囲の子やママさんから【賢い子】と思われるような子に出会った経験がある方は意外といます。

教育熱の高いエリアに住んでいる、中学受験をする子が多い学区だと【幼児なのに小学校で学ぶ内容を理解している】という子は多いことでしょう。

インターネット上でも先取り学習のメリットとデメリットに関する情報はたくさんあります。

ただ、先取り学習命、ドンドン先を進んで行かせたいと考えている親もいるので、そういう人にデメリットを伝えて理解してもらうというのは難しいです。

おそらく、一部の神童のように我が子も『中学や高校で学ぶ内容を理解できる子』であると信じている、そうなって欲しいという願望を持っていて、先取り学習に走ってしまうのでしょう。

私も塾で仕事をしていたので、【先取り優先の親】に出会ったこともありますが、やはり【うちの子は特別な才能を持っている】と力説されたことがあります。

ただ、教える人間としてはその子の基礎学力の欠落を不安に思い、小学1年生の4月と5月で学ぶ内容の復習をさせたら叱られた経験もあります。

 

子どもの勉強では先取り学習の取り扱いは思う以上に難しかったりします。

それでは一貫して『やらない』と決めてしまうのは良いのかと言えば、そう言い切れない面もあります。

子どもが進級進学する際、【どのタイミングで先取り学習重視にしていけばよいか】と長期的な視点に立って考えるのがベターです。

 

就学前から勢いよく先取りするのは考えもの

まず、先取り学習というと、幼児期に小学校内容を勉強するというイメージが強いです。

しかし、就学前から勢いよく先取りするのは考えものです。

先取り学習は親の意向に寄るところが大きく、そして子どもがのみ込みの早い子であれば、どんどん知識を吸収していくので【こんなこともできる子】に小学校入学前に仕上げることができます。

とはいえ、先取り学習というのは子どもが小さければ小さいほど親の願望で進められていくので、あまりにもその欲が強く大きすぎると暴走列車のように止められなくなることもあります。

たとえどこかのタイミングで子どもの理解力がオーバーになっても、【もっとできるはず】とリアルな学力を正確に把握できない、または直視せずに先取りをし続けるという問題も発生します。

私が塾で出会った先取り命の親もこういうタイプの人が圧倒的に多く、第三者として子どもの学力を見ている先生の意見や指導方針を受け入れられず退塾するケースも多かったです。

 

もの凄くレアな存在の本当の神童以外は、先取り学習をしていた子は小学校に入って低学年の目玉の単元はクリアできても、単位換算など密かな躓きポイントや文章問題に苦戦することもあるので気がついたら先取りを特にしていない同級生に追いつかれます。

追いつかれる時期は小学校2年生の終わりから小学校3年生ごろです。

その頃の学びになると少しずつ抽象的な内容、言葉で説明するといった思考力や読解力が求められるようになるので、先取りの優位性が薄れていきます。

先取り学習は計算、漢字と読み書きそろばんの基礎内容ですがが、それをスラスラ解く、同じような問題をたくさん解いている、パット見て答えが分かる問題に小さい頃から慣れてしまうと中学年や高学年の単元で必要になる【深い学び】で必須の思考力と読解力を鍛えるという部分がちょっと足りません。

小学生の頃は神童さんなら別ですが、先取り学習をガンガンすることを重視するよりも、【学ぶための知識やスキルを鍛える】という点を意識することの方が大切です。

 

中学からは余裕があれば先取りもプラスになる

勉強するために必要な色々なことを小学校6年間で身につけ、次の進学先である中学生になるとそのスキルをフル活用するようになります。

小学校時代よりも専門的な内容を学び、授業の進みも早くなります。

また、教科担当制となり各先生によって小テストの実施、レポート作成も出されることもあれば、宿題など一切出さない先生もいます。

そして、部活動もあるので自由時間が減り、部活と勉強の両立が大きなテーマになります。

隙間時間にどれだけ勉強できるかで、学力も変わるので自分の事は自分で考えて行動するスケジュール能力の重要性が高まります。

ただ、中学生になると次に進学する場合は高校受験を避けることはできません。

どんな子でも入試をパスする必要があるので、確実に行きたい高校に行くには志望校に受かる学力に仕上げる必要があります。

ですから、入試本番の中学3年年生の冬までにしっかり中学校内容の勉強を鍛えておかないといけないので、ずっと復習ばかりしているというのもいけません。

時には予習をして学校の授業で復習し、理解度を高めていく戦略も考えることも大切です。

とくに全国の難関高校を受ける予定の子や地域のトップ高校を目指す子は【先取りをしていけるかどうか】というのも合否を決めるポイントになります。

 

進学校を目指す子の中には小学6年生から数学を先取りしている子もいますし、英語も自主的に勉強している子もいます。

こうしたことができる子は小学生の頃に勉強するスキルを鍛えてきた子なので、学校で学ぶ前に自分で問題集を使用した勉強をして理解を深めることができます。

子ども①②の周りでも、成績が良い子ほど先取り学習を進めています。

中学2年生で中学内容の数学を全て終了し、最難関高校の受験問題や高校数学を趣味のように解いている子もいます。

もちろん、こういう勉強をしている、できる子は本当に限られていますが、【リアルタイムで習っていることでアップアップ状態】【復習ばかりしている】では高校受験を安心して迎えることができないでしょう。

小学生の頃とは違い、いかに自分で少しずつでもいいので先取りを進めていけるかどうかというのも高校合格に向けた戦略です。

 

高校では先取りが当たり前

さて、中学を卒業して高校に入るともはや先取りをするかしないかで大学受験の結果が決まってしまうようなくらい重要度が一気に高まります。

とくに高校受験組は中高一貫校よりも高校内容の勉強に着手するのが遅いため、ノンビリ勉強していると絶対に大学受験に間に合いません。

地方のトップ高校でも主に数学の授業スピードは早く、先生も予習前提で進めていきます。

そのスピードに追いつかない、予習をしていない生徒たちはどんどん置いてけぼりをくらいます。

中学までの義務教育とは異なり、進学校では学力のミドル層に合わせた授業を進めることはありません。

そもそも、進学校には全国的な知名度を誇る難関大学を受験する子がいるので、そういう子達が無事に大学受験を受けられるような状態にしなければいけません。

ちょっと厳しい言い方ですが、予習しない子は放置される運命だと思っていいでしょう。

子ども①の同級生の中でも学力最上位層の子は中学3年の時点で数ⅠA、ⅡBを完全に終わらせ、春休みにはⅢCの勉強を始めていた子もいます。

そこまでではないにしろ、地方の進学校の高校1年でとくに理系志望の子は数ⅡBまで先取りしていないと大学入試で勝ち切ることが難しくなります。

英語も親世代の頃よりも公教育での英単語数が増え、難化傾向なので子どもが勝手に勉強を進めて入試に備えておく必要があります。

 

先取り学習は一番親が熱が入るのは子どもの幼児期ですが、子どもの進級進学の流れを見ていくと親の手を離れた高校進学前後がピークとなります。

その頃になると勉強に関しては子ども任せになりますし、親が口出しすると喧嘩になることもあるので小学生になる前に力を入れるのではなく、【高校からの先取りの重要性】を常日頃から話をして子どもが意識するようにしておくことがベストです。

まず、学校が率先して先取り学習をしている中高一貫校の子に比べると地方の高校受験組はハンデがあることと、大学受験は全国大会なので規模が一気に広がる戦いとなり、これまでの勉強スタイルでは太刀打ちできないという現実的な話を子どもが小学校高学年、中学生の頃から家庭で話をしてください。

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