今回は【自分から何でもやれる子に近づくために家庭でできる下準備】と題し、お話していきます。
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ありがとうございます。
中学受験は親子の受験とも言われ、とくに母親の協力次第という考えが強い受験でしたが、共働き世帯の増加に伴い『子ども自身がどれだけ自己管理をして勉強できるかどうか』ということの重要性が増してきています。
ベストセラーの本の影響で『自走する子』という言葉が浸透して、教育に関心の強い親は『うちの子もそうなって欲しい』と考えて色々とやってみて上手くいく場合もあれば、どうも上手くいかず親子で言い争うになったり他の子と比較してしまうこともあると思います。
子育てというのは親の思い通りになるということはあまりなく、たいていは予想外のことが起きることの連続です。
『自分のことは親に言われなくてもやれる子』に勝手に育つことを期待するのではなく、そういう子に近づくために親がサポートをするというのが不可欠です。
周囲に親があまりアレコレやっていなくても自分でしっかり出来ている子がいると、『生まれ持った才能だから仕方がない。うちの子はムリ』と諦めてしまう親もいます。
しかし、最初から親の方が白旗をあげてしまったらその時点で我が子は『自分から率先して動ける子』になるまでの道が閉ざされてしまいます。
親の誘導したらすぐに自分のことは自分でやって、勉強もテストも親の助けをほとんど借りずにできる子もいれば、時間がかかる子もいたりと『そういう子になるためにかかる時間』というのは個人差があります。
たいていは、成果が出る前に諦めてしまい、結局『子どもが自分から動ける子』にならないまま学年が上がることになります。
『こうなって欲しい』という願望を持っているなら、そうなるよう親の方も努力をしていく必要があります。
ただ、何でも親が決めたり厳しいルールを強要するのは子どものやる気をそぎ落とすだけなので、まずは基本的なことを実行していき『我が子が自分から率先してやる子』になる下準備をしていきましょう。
それでは早速、その下準備をご紹介していきます。
1.子どもにとっての優先順位を考えさせる
基本的に、子どもも大人も楽な方に流れてしまいがちなものです。
努力をして達成できないようなことを成し遂げた人に対して多くの人が称賛するのは、それは裏を返せば『自分に厳しく、そして努力を継続して結果を出す人が少ない』ということを意味しています。
ダラダラ過ごしてテストの結果が悪くても、誰も称賛してくれません。
楽な方に逃げてばかりな子が『周囲から尊敬される人』になることもありません。
多くの人がやれそうにないことをやる人が称賛されるのは、『実現する人が少ないから』という根本的な理由があります。
自分から勉強もスケジュール管理などもできる子は少数派ですから、称賛に値する存在です。
とはいえ、最初から何でもできたわけではありません。
まず、そういう子に近づくために『楽な方に逃げない』という気持ちを作る必要があります。
どうすれば楽な方を選択しないようになるか考えていきましょう。
親は『勉強をしてから遊びに出かける』という優先順位を求めますが、子どもの方は知ってはいるものの正確に理解していないことがあります。
勉強を優先するのは、遊ぶことに夢中になっていると勉強することを先延ばしにして結局出来ないということになるからです。
大人は分かっていますが、子どもは『どうしてなのか』が分かっていないかもしれません。
楽な方に流されないようにするには、まず日常生活を送る上で直面しそうな『どちらが優先順位が高いのか』の選択肢について話をしてください。
遊びと勉強だけでなく、お風呂やご飯を先延ばしにしてゲームや動画視聴をしていると、どうしても就寝時間が遅くなります。
『今、何を優先してやるべきなのか』を考えさせて、優先順位のあることから取り掛かるように話をし、実践できるように繰り返して、子どもが楽な方に流されることのないよう地道に誘導していきましょう。
すぐにできる子もいれば、何度も失敗をする子もいます。
もはや忍耐力勝負ですが、諦めてしまうと『自分に甘く楽な方に逃げる子』になりやすくなるので頑張ってください。
2.動画視聴やゲームを時間内で切り上げられるようにする
大人でも子どもでも共通して『楽しいこと』なのが動画視聴やゲームではないでしょうか。
今の親世代はファミコン世代、スーファミ世代と子ども時代にゲーム機で友達と遊んだ思い出があると思います。
私は経済的な理由でファミコンとは全く無縁の子ども時代を過ごしました。
そもそも、家にあるテレビがファミコンが接続できるタイプではないという、つまりは古い型のテレビでしたので万が一にもファミコンをゲットしても遊ぶことはできませんでした。
さて、ファミコンを持っている友達の家に遊びに行って、当時大ブームを巻き起こしたドラクエがどんなものなのか見たことがあります。
その当時、『勉強しなかったから親にゲームソフトを没収された』という話がクラス内を飛び交っていました。
昭和から平成、そして令和の今でも『約束した時間で切り上げられない』という子はいます。
昔ならテレビ視聴、ゲームをプレイする時間を守らなかったり、今では動画視聴が長くて家庭内のルール違反をして、スマートフォンを没収されるという子です。
時代が変わっても、子どもにとってゲームを時間通りに切り上げるというのは相変わらず難しいです。
そして、昭和や平成初期よりも魅力的なモノがたくさんあるので『全てを断ち切って勉強時間を確保する』というのが昔よりもハードルが高くなっている印象があります。
自分からやるべきことにちゃんと取り組める子は、周りにある誘惑を遮断できる強さがあるのですが、最初から切り上げることができる子はわずかながらにいて、遮断できるようになるためには訓練が必要です。
訓練というと語弊がありますが、『予め決めておいた時間に切り上げられることに慣れる』ということを繰り返しをして、誘惑に負けない気持ちを作っていくことが必要です。
最初から『もう少しだけ遊びたいけれど時間が来たし』とスパッと心を入れ替えられる子は少数派です。
地道に、親の方も我慢強く『切り上げられるようになる』をサポートしていくようにしましょう。
時間がかかる子もいますが、途中で匙を投げてしまうと『自分に甘く楽しいことに流される子』になってしまいます。
そういう子は勉強だけでなく、継続して努力が求められることが苦手だったりと大人になってからも自分の悪い癖と戦うことになる、または戦うことすら放棄して何でも楽な方を選んでしまう人生を歩んでしまうので、子どもの頃に親が根気よく向き合うことがすごく大切です。
3.自分で目標を考える機会を与える
子どもの勉強と一口に言っても、中学受験するかしないかで小学生時代の過ごし方は全く異なります。
そして、中学受験をする場合は『自分から何でもやれる子』になるかどうかが明暗を分けるくらい重要なポイントになります。
中学受験する家庭で、親が共働きでなかなか日頃の勉強を確認したりスケジュール管理が出来ない時は、子どもがどのくらい自分の事を一人でできるかというのが重要になってきます。
時代の流れで、専業主婦の方も減少しているため、受験への戦略というのもそれに合わせて変えていく必要があります。
まず、親が色々なことを考えて誘導して中学受験までの道を進んでいくというのが難しくなってきています。
中学受験までの道のりはマラソンに似ています。
以前は親、とくに母親が伴走してゴールするのが主流でしたが、共働きが増えていることもあり、親子で話し合いつつある程度子どもが一人でマラソンコースをどのようなペース配分で走っていけばよいか考えることが求められます。
受験をマラソンで考えると、もの凄い全速力で走りぬくのはまず無理です。
まず、入試に至るまでに『小5の秋のテストで偏差値58に到達する』といった具体的な目標を掲げて、それを一つ一つクリアしていくことで少しずつ子どもの学力を上げていくことができます。
それを親が考えてしまうと、子どもの『自分の事は自分でやる』という経験を奪うことになります。
最初は上手くいかないかもしれませんが、子どもに目標を考えさせる機会を与えて、自分が直面している課題を探すことに取り組ませてください。
そうすることで『今の自分がやるべきこと』と『乗り越えないといけないこと』『そのために何をやるべきか』が見えてくるようになります。
まとめ
小学生の時点で親から言われなくても自分の事は自分でやれる子というのは、所謂クラス内での優等生という存在です。
中学受験を筆頭に、時代の変化で昔のように親がしっかりサポートをして課題を一つ一つ乗り越えるというのが難しくなってきているので、親が忙しくてどうしてもきめ細かなサポートが物理的に出来ない時は優等生的な感覚を持った子になっていると心強いです。
とはいえ、そういう子になるまでには親の方も色々と忍耐力が求められます。
仕事もして、家事もして、子どもの成長を促すこともするとなるとけっこうハードですが、ポイントを押させて改善していきたいことに集中をしていき、その苦労を乗り越えると親も楽になるので、今回紹介した下準備を参考にして実践してみてください。