とりあえず 下剋上受験に目を通した方が良い理由

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【お知らせ】2019年3月より「くらしとお金の経済メディア LIMO」にて連載をスタートしています♪

 

教育熱心な親御さんなら一度は手に取ったことがあるでしょう、下剋上受験

 

このインパクト大の表紙の父娘受験記録が出版されたのは2014年夏。

私がこの本を目撃したのは、その年の秋、大きな書店の子育て関連コーナーでした。

完全に首都圏の話ではあるものの、内容が度肝をぬくので、運良く蔵書のあった図書館で借りたのを覚えています。

まだ、ドラマ決定前の時期でしたし、サクッと借りれました。

まぁ、コチラは私立中学受験がまったくもって熱くない地域ですからね。

久しぶりに手にしたのは、追記もある下剋上受験[文庫版] です。

 

地方とは別世界の首都圏の中学受験。違う世界で過ごしている子供たちが、大学受験で出会います。

子ども①がとうとう10歳の壁を迎える&通塾本格的にスタートをした今、読み返してみました。

 

エール出版社より本が出版されました。

小学3年生から4年生で気をつけるべきことを詳しく取り上げています。

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kindle出版しました。unlimitedでも読めます。

完全に無料で読めるコミックエッセイです。

 

↓こちらはアマゾンの縦読みfliptoonです。

キンドルとは違う読み心地かなと思いますので、読み比べもしてみてください。

内容は一緒です!

透明教育ママの絵日記 教育系コミックエッセイだけど役に立つ可能性ゼロ【ブログ放置編】

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kindleのジャンル別ベストセラー獲得しました!

ありがとうございます。

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地方だから読んでみる理由とは?

下剋上受験[文庫版] ―両親は中卒 それでも娘は最難関中学を目指した!

下剋上受験[文庫版] ―両親は中卒 それでも娘は最難関中学を目指した!

下剋上受験の家族が住むのは東京でも中学受験とは無縁の地域。

つまり、地方都市でも勉強に関してアツクはない地域と変わらない雰囲気

 

これが、パパ(ママ)は○○!子供の御三家合格までの道!(○○には大学教授、医者、弁護士、大企業勤務等が入る)、という題名だったら多くの人がスルーするでしょう。

 

我が家でも参考になるところ、あるかしら??、と読む。

やっぱり親がこうなら子もそうよね、という感想になるに違いありません・・・。

 

とても失礼な言い方ですが、下剋上受験は地方都市の公立小に通う、しかもヌルイ地域の子と遜色ない位置から桜蔭中を目指す!、とほぼ同じ意味です。

 

小学生が塾に通う雰囲気もなく、中学受験をする同級生もほぼいない。

地方と決定的に違うのは、桜井親子は東京に住んでいて私立中学がゴロゴロ存在してる点だけ

 

学校の勉強+アルファもしてきた真面目な小学5年生の女の子とお父さんが主人公です。

 

女子最難関の桜蔭中を目指すために猛烈にやった勉強、は地方のフツーの公立小の5年生女児が中学入学を機に東京に引っ越すことになるらしい→急に目覚めて都心の御三家に合格するために猛勉強、に変換可能です。

どれだけの勉強を私立中学激アツ地域の子供達はしているのか、を感じる貴重な本でもあります。

 

1. 親の負の連鎖を断ち切る勇気が伝わる

 

個人的な経験ですが、中学生の同級生で高校進学しなかった子はチラホラいました。

当時(1990年代中ごろ)、同級生の98%以上が高校進学した中で。

 

進学しなかった殆どが不良でしたが、中には普通の子もいました。

その子のお姉さんも不良ではなかったけれど高校進学せず、中学卒業後すぐに仕事をスタート。

 

経済的な理由なのだろう、と察しました。

けれど自分も貧しい家でしたし、私の両親(とくに母)はこれからは大学まで行かないとダメだ!、と強い信念がありましたね。

 

経済状況が良くないのにそんなことを口にしていたので、女の子に教育費をかけるなんて!、と親戚から陰口もたたかれたようですが、母は完全スルー。

子供は無防備なので親の考え1つで将来の選択が変わります。

似た経済状況でも、同級生は中卒、私は大卒になりました。

 

作者の桜井氏は代々の中卒の流れを変えるべく、一人娘の将来を思って立ち上がります。

これは、相当な決意です。

そして、その気持ちを母と重ねる自分がいます。

 

親の考えが違うのなら、今このブログも存在していなかっただろうに。

 

旦那さんにも、子供①②③にも出会うことはなかっただろう、と・・・。

 

2. 塾の横顔、というより裏顔が分かる

 

私も教育産業に身を置いていた人間ですので、受験という名の下に不安になった保護者が駆け込んでくる実情をよく知っています。

本書の前半部、親塾を始める前の話に塾とのやり取りが載っています

教育、という清らかな言葉ですが、塾は立派な経営です。

 

ですから、生徒のえり好みしていたら倒産します。

ただし、塾でも様々なタイプがあり、下のクラスのキャパは広く開けているところもあれば、そもそも厳しめに設定している塾もあります。

 

後者タイプでは鉄緑会などが超狭き門の塾(高校生向け)です。ただ、ここまで狭いところはあまりないでしょうか。

前者のような塾で入塾テストをパスした!、と思っても色々ネットや信頼できるママさんの口コミを聞いて判断した方がよい場合もあります。

 

チラシでも、入塾資格が必要・このクラスに入るには○○○点以上が条件、と謳っているところを地方でも見かけます。

この○○○点というのは、中学校の定期テストを意味しています。

しかし、中学校というのは学区によって差が大きく開くので、A中の460点がB中の350点レベル、ということもあり得る話。

 

一度塾の世界に足を踏み入れると、お金との対話が必須になります。(お金なんて気にしな~い、という方はスルーしてくださいね)

クラス設定が厳しいか・単なるお客様集めをしているか・勧誘がしつこくないか、を吟味する必要性が伝わってきます。

 

親が塾の門を叩くのは、不安な気持ちが膨らんでいる場合も多くあるので、決して相手のセールストークに負けずに冷静に判断する大切さを感じることができます。

 

3.どれだけの努力が必要なのか分かる

 

小学5年生の9月1日から親塾をスタートした桜井親子。

その準備に4万円相当の問題集を大手書店で購入しました。他にも後から追加するものもあるでしょうから、10万円弱はかかっています。

一見するとすごい金額ですが、親塾ということを考えればこれでも安い、と思いました。

 

通塾だと月謝とテキスト代、模試代もあります。目標と残された時間を考えれば驚くべき値段ではないでしょう。

私が一番驚いたのが、コピー機のリースです。

コンビニと同じサイズのコピー機・・・

 

仕事をしている時によく使用していたので分かりますが、これを一般家庭に持ち込むと占拠面積が凄いことになります。

そりゃ、奥さん激怒しますよ・笑。

主婦なので金額面ばかりに目が向いてしまいますが、この日を境に友人と遊ぶことも、日曜日のお出かけも一切なくなりました。

 

ずっと勉強です。しかも桜蔭中に合格!を目指すレベルですから、超ハイレベルな問題の数々。

この覚悟、実行できる子は1万人中1、2人の確率ではないでしょうか。

そのくらい、壮絶な勉強をしないと、これまでフツーに過ごしていた5年生が最難関レベルにたどり着けない、ということ、その道を通過した子が更に高みを目指していく(大学)ことを本が語ってくれます。

 

4.人生表がリアル過ぎて参考になる

 

2014年に読んだときも、心に残ったのがP.96(下剋上受験[文庫版] )に出てくる、人生のしくみと題された表があります。

おそらく、両親ともに大卒だったり、親が大企業や社会的地位が高かった方だとあまり心に響かないかもしれません。

けれど、私のようにけっこうしんどかった幼少期を過ごした人間が見ると、世の中の仕組みをバ~ンと見せつけられた思いになります。

 

う~ん、自分の親もこのような表を作ってくれたらもう少し早い段階で奮起したのに、と恨み節・苦笑。

乱暴な言い方ですが、中学校の成績でその後の人生の枠組みが決まり、進学先の高校によってほぼ人生の流れが決定されているんですよね・・・。

 

私は中学で流れを自力と根性で変えましたが、現実は変更がなかなか難しい。

小学校の時点で緩やかに、大まかに個々人の川の流れが決まっていきます。

最初から坂東太郎だったら楽でしょうね~。(※坂東太郎=利根川の異名です)

 

我が家でも、子供①には小学校中学年から高学年で成績が固定化され、そのまま中学→高校の流れになる。

将来の選択肢の幅は勉強するしないで変わる、と1年生の頃から説明しています。

子供②にも説明していますが、②はかなり楽天家なので現実的な話を交えながらではないと伝わらないタイプ。

 

母さんの実体験を基にしたリアルな社会を話しましょうかね~。

こういうとき、雑草育ちで良かったな、と心底思います。

 

5.勉強法と解決策が分かる

 

私立中学受験ゲキアツ地域に住み、かつ受験を考えている家庭であれば、最初からそれに向けた対策を家で施す→通塾開始、が鉄板でしょう。

桜井父娘のように下剋上を目指すには、上記のようなルートでは桜蔭中には到達できません。

開拓された登山ルートではなく、自力で新規ルートを開拓する父の物語でもあります。

登山で例えるなら、K2を中国側から、しかも冬季登頂を登山経験無しだけど2年以内に成功を目指す、という感じでしょうか。

まぁ登山はほぼしませんが、登山史が好きなので、格好だけ山ガール。

まっさらな状態(フツーの公立小学5年生)からK2挑戦するための道具と対策が第3章 異常な水準の世界、に詳しく書いてあります。

 

 

↑再版、無理でしょうか・・・。

漢字で気になったのがこちら↓。

 

漢字スキルはあって損はありません。

同音異義語、出来る子も混乱することありますからね。

中学受験を念頭にしている御家庭の支持率高い教材は、コチラ(地方)にいると書店でも目立つ場所に置いてないのでスルーしそうです。

 

国語が出来ない=語彙力不足、と桜井氏が推測している点で思い出したのが、アメリカの大学の研究でも、家庭の収入差は子供の語彙力の差(家庭での会話の質)に直結していること。

語彙力、やっぱり大切だ!、と再認識しました。

 

6.佳織さんの言葉がグサッとくる

 

文庫版では、娘さんの佳織さんからのメッセージ(当時 中学2年生)が記載されています。

普通の小学5年生、しかも男の子に比べて成長の早い女の子ですから、猛反発するのが当たり前でしょう。

けれど、佳織さんはお父さんの言葉を信じ、お父さんも娘に誓いを立てた通り一緒に問題を解いて中学受験という険しい山を目指しました。

素直さ、という性格が全ての歯車を回し、桜井家の学歴に大変化をもたらしたと個人的に感じました。

 

そして、彼女自身の言葉、お子さんと一緒に勉強してください、は私も常日頃の子供①②から感じ取っています。

難しい問題にぶつかった時、小さい子供は押しつぶされそうな不安に襲われます。

そんな時に親がそっと横に座るだけで、子供は立ち上がって敵(問題)と戦う勇気が湧くようです。

 

まとめ

合格記モノだと、殆どが大学に関する本です。

ですから、小学生の親の受験記録の本はレアものです。

中学受験と縁のない地域に住んでいるフツーの公立小の女の子と中卒のお父さんの最難関中学受験記、は今後出版されないほど希少価値の高いものです。

地方と首都圏や近畿圏は教育に関する温度差がありますが、大学入試改革と23区の私立大学定員問題の話にもあるように、知っていて損はありません。

むしろ、アチラ(首都圏)の小学生のやっていることがこの本から伝わってきます。

 

もし、中学で同じ土俵に上るには、地方の子は佳織さん&お父さん並の努力がないとムリなんだな、と。

この差は大学入試までに埋まるにはどうしたらいいのか、と親的にも考えさせられること間違いありません。

私も、2014年に読み、当時はまだ子供①は年長でしたが、小学校に入った後の学習計画を真剣に考え直したくらいでした。

 

元塾講師と言えども、北関東でで生活してきたこともあり首都圏の小学生時代からのゲキアツぶりをちゃんと理解していなかったのです。

ネットで垣間見て知っていた、というレベルだったのですが、下剋上受験の一撃で目が覚めました。

 

 

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