今回は【中学受験を決める基準と親は何をすべきか】と題し、お話していきます。
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文部科学省の学校基本調査によると、中学受験を経て私立中学や国立大学などに進学する割合は約8.5%です。
受験をしても残念ながら不合格となる子は学区の中学に進学することを考慮しても全国的には9割以上の子どもが公立中学に進学していることになります。
ただ、東京の場合ですと事情が異なります。
東京都教育委員会の報告書『』私立中学に進学する割合は2022年度に東京都の小学校を卒業した児童の東京都内の私立中学への進学率は19.81%、都内の国立中学への進学者を含めると2割を超える子ども達が受験を経由して中学に進学しています。
地方でも公立中高一貫校が誕生してから20年近くが過ぎており、『受験するかどうか』の検討は都会の親だけでなく教育に関心のある地方の親なら一瞬でも頭をよぎると思います。
周囲で受験を決断する親子が多いとつられて『我が家もした方がいいかな』『学区の中学に進むと友達がいなくなるかも』と焦りを覚えてしまいますが、やはり中学受験をその場のノリ、周囲の空気に流されてで決めてしまうのは危険です。
勉強時間の増加、自由時間の減少、塾通いをすれば当然ながらお金はかかります。
思うような結果が出なければ塾や家庭教師の掛け持ちをして、教育費は2倍、3倍とかかります。
とんとん拍子で合格を勝ち取れる子は本当に一握りです。
中学受験を考えた際、何となく始めるのは絶対に避けて『こういう条件、基準が揃わないと参入しない』という基準を定めておくことが無難です。
それではその基準を紹介していきます。
1.受験塾宿題量やレベルについていけるか
中学受験の入試問題は各学校の出題傾向、難易度は異なります。
ただ、確実に言えることは『学校のカラーテストレベル』ではないということです。
どの入試でもいえることですが、学校は受験生を振り分けるために入試を行います。
面接、実技や作文がメインの受験なら『この生徒が欲しい』と受験生をピックアップする色が強いです。
しかし、筆記試験メインですと『学校の授業についていけるかどうか』を審査する意味合いがあります。
ですから、公立小学校で単元が終わるごとに行われているカラーテストの問題くらいの難易度ですと受験生の間の点数差が出ません。
言葉は悪いですが、筆記試験での入試は『ふるい分けをして落ちる受験生を出す』という目的があります。
受ける子ども達を拾い上げるためのシステムではなく、合否のふるいわけです。
こうした入試のシステムを理解していることは受験する際の前提条件です。
そして、受験をする子の大半は中学受験に特化した塾に通い入試に向けて勉強していくことになります。
しかし、宿題の量も多く学校内容とはレベルが異なるほど学ぶことも難しいです。
さらに、クラス分けテストで子どもの学力が嫌というほどハッキリしてしまいます。
中学受験では子どもが無理をすること、ストレスと向き合うことの連続です。
子どもだけれど社会で働く大人と同じように能力主義がはびこる世界に身を置くのが中学受験ですから、気安く『受験を頑張ろう!』という声をかけられないくらい重い世界を経験することになります。
小学3年生の2月から小学4年コースが始まり、そこから小学6年の冬の入試まで中学受験に向けて勉学に励みます。
しかし、塾に入る子どもたちは『入塾するから頑張って勉強始めます』という子は皆無です。
入塾テストをパスし、塾の授業についていける確かな基礎学力そして応用力が身についている、いわゆる仕上げている状態で入ってきます。
そういう中で同級生と競い合い、勉強し、テストを受けて現実と向き合えられるかどうか。
親もストレスと付き合いつつ受験と戦うことになるので、親子で『苦難を乗り越えられるか』をよく考えてみましょう。
2.子どもは受験を自分事と捉えているか
中学受験は親の受験ともよく言われています。
受験するのは子どもですが、塾のセミナーや先生との面談、プリントの保管や管理、受験学年になれば志望校の見学会や学校説明会の予約など、親が担当することが多いです。
そして、塾に通ってはいるものの子どもの成績の推移やどの教科、単元か苦手なのかを見極めて『どうすべきか』と先生に相談すること、親ができることはないかと色々考えたりと無償ながらも動き回ります。
ただ、根本的には中学受験は子どもが受けるものです。
これは中学受験だけでなく、高校受験や大学受験にも通じます。
親も経験していますが、どの受験勉強も過酷です。
楽をすれば坂から転げ落ちるように成績が下がり、志望校への道がどんどん遠ざかります。
『厳しい道のりをどれだけ踏ん張って進めるか』は本人次第です。
親が代わって歩くことも受験を受けることもできません。
とくに親がリードする、誘導管理する割合の高い中学受験は『子どもが本当に受けたがっているのか』というのも見過ごせないポイントの一つです。
小学生は、大人になるのはまだまだ先のことと思っている子もいます。
将来やりたいことやどんなことを学びたいかハッキリ方針が決まっていない子も珍しくないです。
そういう中で中学受験をするということは、『受験を通じてこういう道に進みたい』という強い思いを抱いていないと乗り越えられないこともあります。
『親に言われて受ける』という子もいるでしょう。
ただ、これだと受け身です。
たとえ、合格を勝ち取っても自分のことだけれど他人事、親の顔色を伺うことを意味します。
これが果たして子どもにとってプラスになるのか疑問です。
お世辞にも楽ではない中学受験に挑むのであれば、ちゃんと子どもが『自分事』と捉えているかを見定める必要もあります。
3.撤退の決断を下せる勇気があるか
インターネット、メディア、ブログで中学受験の情報がたくさん流れています。
眩い実績、最難関中学を合格した話、大逆転の末に志望校に合格した話などに触れると『我が家も!』と思いたくなりますが、中学受験に限らずどの受験も光があれば必ず闇があります。
闇という表現は問題があるかもしれませんが、これから中学受験に挑む家庭にとっては『こういう結末は避けたい』という事例です。
家庭内が不協和音となったり、親子に亀裂が入る、進路について夫婦喧嘩が絶えなくなったりなど。
全く望んでいないけれど、受験勉強を通じて子どもが疲れてしまい、精神的に不安定になっている。
無理をして中学受験への道を歩いていくことで、家内安全とは程遠い状況になることもあります。
とくに子どもが精神的に追い詰められてしまうということは一番避けなければいけません。
人生100年時代と言われていますが、10年ちょっと生きている子どもが『もう嫌だ』と感じてしまうのは大問題です。
もちろん、撤退は簡単にできるものではないです。
受験に参入する前に色々考えていろなら尚のこと。
中学受験するために塾通いをしたけれどどうも無理そうだ。
けれど、周りは受験する家庭ばかりで撤退を決断する勇気がない。
またはここまでお金を支払ってきたから無駄にはできない、勉強させてきたことが無になる。
そういう思い、葛藤と戦って子どもと話し合いをし冷静な判断を下せるかどうかは親次第です。
中学受験が当たり前の地域に住んでいると周囲の目などが気になるとは思いますが、他人の家の動向ではなく『子どもの適正』を見極めることが大切です。
まとめ
中学受験をすることで家庭の雰囲気がどうなるかはやってみないと分かりません。
ただ、思っていたのと違い、成績が上がらない、後発組の追い上げ、志望校変更を余儀なくされる、合格判定がかなり厳しいとイライラ、言い争いが絶えずと暗い影を落とすこともあります。
子どもの成長速度は十人十色で、中学受験よりも高校受験にシフトチェンジした方が良いこともあります。
基本的に子育ての総仕上げ的な存在は中学受験でも高校受験でもなく、大学受験です。
中学受験はあくまで通過点の一つであり、そこを最大かつ最終ゴールにしないようにしましょう。
そうした考えを持ちつつ、『我が子は中学受験した方が良いか』『中学受験を乗り越えられるか』とヒートアップせずに決断を下したいですね。