今回は【中学で偏差値が伸びない!小学生の親が後悔しないために】と題し、お話していきます。
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【小学生のときはテストでいつも満点だったのに、中学生になったら急に成績が下がった】
そう感じて戸惑う親は少なくありません。
ただ、決して子どもの努力が足りないわけではなく、多くの場合は学び方の質が変化に追いついていないことが原因となっていることもあります。
小学校では、授業で習ったことを正確に覚えていれば点数が取れるように作られています。
しかし中学校の学習では、知識を【どう使うか】が問われます。
つまり、単なる暗記ではなく、考える力・つなげる力・応用する力が不可欠になるのです。
ところが、小学生のうちに【応用力】を意識して育てている家庭は意外と少ないです。
算数の文章題や理科の観察記録など、日常の中で自分の言葉で考える経験を積み重ねることこそが、中学以降の学力を左右します。
小学校の勉強が簡単に感じられる子ほど、応用力の土台づくりを後回しにしてしまいがちです。
そこで今回は、中学生になって偏差値が伸び悩む子に見られる3つの理由を整理し、そこから抜け出すための3つの実践的対策、さらに家庭でできる3つの意識改革を紹介します。
親の関わり方を少し変えるだけで、子どもの学び方は確実に変わります。
中学からの成績の差は、小学生の今こそ作られているのです。
中学生になって成績を落とす子がいる3つの理由
まず、中学に入ったとたん、【あれ?小学生の時はできていたのに】【こんな校内順位なの】と感じる方は案外多いです。
小学校の頃は高得点常連だった子が、定期テストで平均点を少し上回る程度、順位が一気に下がったりすることもあります。
その変化に焦る親もいれば、戸惑いながら【うちの子、勉強が苦手になったのかな】と不安を抱く親もいます。
しかし実際には、【中学の勉強が急に難しくなった】からではなく、小学生のうちに身につけるべき学びの基礎体力が育っていなかったことが原因である場合がほとんどです。
小学校までは暗記やパターン練習で対応できましたが、中学からは【理解・整理・応用】の3段階が求められます。
授業スピードが上がり、テスト範囲も広くなる中で、ただ覚えるだけの学び方では限界がすぐに訪れるのです。
ここでは、中学で成績を落とす子に共通して見られる3つの理由を具体的に見ていきましょう。
それは、①暗記中心の学習への依存、②計画性の欠如、③自己肯定感の低下。
いずれも一見別の問題のように見えますが、根底には【応用力を意識していなかったこと】という共通点があります。
理由①暗記中心の勉強に頼りすぎていた
小学生の学習は、【覚えれば解ける】問題が中心です。
漢字テスト、計算ドリル、社会の暗記…どれも再現力を問う問題が多く、繰り返し練習すれば結果が出ます。そのため、子どもも親も【覚えた=理解した】と錯覚しがちです。
しかし中学では、学習の性質が大きく変化します。
公式や用語を覚えているだけでは解けない、【なぜそうなるのか】【どう使うのか】を問う問題が急増します。
数学では文章題の意味を読み取り、複数の公式を組み合わせる力が求められ、英語では文法知識を活用して自分で文を作る力が問われます。
つまり、知識を運用する力=応用力が試されるのです。
小学生のうちに【考えて理解する練習】をしていないと、この転換期でつまずきます。
暗記中心の学び方は成果が出やすい罠でもあり、短期的には点数が上がるため、親も危機感を持ちにくいのです。
結果として、覚える勉強のクセが抜けず、中学で壁にぶつかります。
重要なのは、知識をつなげて使う学び方に早く切り替えることです。
理由②計画性の欠如と時間の使い方の変化
中学生になると、生活リズムが一変します。
部活動、定期テスト、部活が終わってからの塾通い、SNSやスマートフォンなど、自由時間は小学生時代よりも少なくなります。
【自分の勉強ができる時間】は確実に減ります。
その中で、【自分で学習を管理する力=計画力】が求められます。
小学生のうちは、家庭学習は親主導という家庭が多いと思います。
【今日はこのドリルをやろう】【宿題を済ませてから遊びなさい】とある程指示されて動く子がほとんどです。
ところが中学生になると、範囲の広いテスト勉強を自分で計画し、ペースを守って進める力が必要になります。
ここで多くの子がつまずくのは、自分で学びを設計した経験がないからです。
また、部活や交友関係を優先し、疲労や時間不足から【今日はもういいか】と勉強を後回しにする習慣が定着しがちです。
計画力が育っていないと、勉強量のムラが生じ、理解の積み上げが途切れてしまいます。
この段階で親が【やりなさい】と指示を続けるだけでは、根本的な解決になりません。
子どもが自分で【どう学ぶか】を考える仕組みを整えることが、中学以降の成績安定のカギになります。
理由③自己肯定感の低下とモチベーションの崩壊
中学校に入ると、学力が数字や順位で可視化されます。
小学校では【がんばったね】【よくできたね】と褒められていた子どもたちが、突然偏差値や順位で比較される世界に放り込まれます。
これは思春期の心に大きな影響を与えます。
成績が下がると、【自分はできない子なのかもしれない】と感じるようになり、やる気が急速に低下します。
とくに真面目で完璧主義の子ほど、【頑張っても結果が出ない】と感じた瞬間に自信を失い、勉強への意欲を失ってしまう傾向があります。
この自信の崩壊が怖いのは、単なるやる気の問題にとどまらず、学び方の姿勢そのものを変えてしまうことです。
【間違うのが怖い】【失敗したくない】という心理が働くと、思考を深めることを避け、表面的な暗記や受け身の勉強に戻ってしまいます。
中学での成績低下は、単なる知識不足ではなく、【勉強に対する前向きな気持ちをどう維持するか】の問題でもあります。
親が結果だけでなく努力や考え方のプロセスを認めることが、この自己肯定感の低下を防ぐ最良のサポートになります。
成績向上のための3つの対策
さて、成績が落ちたからといって、【勉強量を増やせばいい】【塾に通えば解決する】と考えるのは危険です。
中学の学習内容は、小学校と根本的に構造が違うため、学び方そのものを再設計する必要があります。
つまり、【どれだけ時間を使うか】ではなく、【どう学ぶか】が結果を左右するのです。
中学生になると、教科ごとの情報量が増え、授業スピードも速くなります。
さらに、テストでは単なる知識の再現だけでなく、論理的に考え、答えを導く力が問われます。
この段階で暗記型学習を続けると、努力が報われず、ますますやる気を失うという悪循環に陥りやすくなります。
そこで大切なのは、3つの軸を意識した学びの再構築です。
ここでは、①理解を深める【思考中心の学び方】、②自分で学習を管理する【計画力の育成】、③知識を使いこなす【応用練習の習慣化】の3つを取り上げます。
日々の学習の中に少しずつ取り入れることで、子どもは【できる実感】を取り戻し、成績の安定と向上が見込めます。
対策①思考を中心にした理解型の学習へ切り替える
最初のステップは、暗記中心から【理解中心】の学習へと切り替えることです。
多くの子どもは、問題集を正解を覚えるためのツールとして使っています。
しかし、本来の学習の目的は【なぜそうなるのか】【どうすれば他の問題にも応用できるのか】を理解することにあります。
たとえば、数学の公式を覚えるだけでなく、【なぜその式で答えが出るのか】を図で説明させる。
英語では単語を暗記するのではなく、実際の文で使い方を確認する。
この理解して使う過程こそが、思考力と応用力を育てます。
また、親の関わり方も重要です。
【ここ間違ってるよ】と指摘するより、【どうしてそう考えたの?】と聞くことで、子どもは自分の思考を言語化する練習になります。
これは中学以降に求められる説明する力の基礎にもつながります。
学びを【覚えること】から【考えること】へ転換できた瞬間、子どもの目の輝きが変わります。
それは、勉強がわかる楽しさを取り戻す第一歩なのです。
対策②スモールステップで計画学習を身につける
2つ目の対策は、【計画的に学ぶ力】を育てることです。中学生になると、親が勉強を管理する時期は終わり、本人が【自分で立てて、自分で実行する】段階に入ります。
しかし、ここで多くの子どもが失敗するのは、計画を理想で立ててしまうからです。
最初から完璧を目指すと、少しのズレで挫折します。
効果的なのは、スモールステップ方式です。
たとえば【一週間でワークを終わらせる】のではなく、【今日は2ページ、明日は復習だけ】と細かく区切ります。
そして毎日、計画が達成できたかを確認する。
この小さな成功体験の積み重ねが、やる気を持続させる力になります。
また、部活やスマホの時間を管理する際は、禁止するのではなく、【勉強のあとに楽しもう】という順番ルールを作るのがコツです。
自分で時間をコントロールできるようになると、精神的な自立も進みます。
計画性とは、単なるスケジュール管理ではなく、学びを継続できる自己管理能力。
これを育てることが、成績向上の確かな基盤となります。
対策③応用練習の習慣化で使える知識を定着させる
3つ目の対策は、【応用練習を習慣化すること】です。
中学の学習では、知識を思い出す力ではなく、使いこなす力が求められます。
基礎問題だけを繰り返しても、応用力は育ちません。
重要なのは【知っていることを、違う形で使う練習】を積むことです。
たとえば、数学の応用問題や文章題、理科の実験考察、社会の資料問題などは、すべて知識を組み合わせて考えるトレーニングです。
こうした問題に早いうちから慣れておくと、テスト本番でひねられた問題にも柔軟に対応できるようになります。
また、応用練習は家庭でもできます。
ニュースを話題にして【これは理科で習った内容と関係あるね】【このデータをグラフにするとどうなるかな?】と会話することで、知識が生きた学びに変わります。
応用力は、一夜で身につくものではありません。
毎日の中で少しずつ考える習慣を積み重ねることが、点数の波を安定させ、真の学力へとつながっていきます。
親子で取り組む3つの意識改革
ところで、学力を本質的に伸ばすために最も重要なのは、実は【親子の意識】です。
どれだけ効率的な勉強法を導入しても、子ども自身が学びに前向きでいられる環境がなければ成果は続きません。
そして、その環境をつくるのは、他でもない家庭の関わり方です。
中学生になると、子どもは自立と反抗の狭間にいます。
親の言葉が以前より響きにくくなり、【勉強しなさい】と言えば言うほど反発することも増えます。
だからこそ、親がどう関わるかが大きな差を生むのです。
偏差値や点数に一喜一憂するのではなく、【どんな考え方で学んでいるか】【どう努力しているか】に目を向ける姿勢が、応用力を育てる第一歩です。
ここでは、子どもの学びの質を高めるために親が持つべき3つの意識改革、①結果ではなく過程を評価する、②教える親から支える親へ、③失敗を恐れず挑戦を称える、について具体的に見ていきましょう。
意識①結果ではなく過程を評価する姿勢
多くの親が陥りがちな落とし穴は、【結果重視の声かけ】です。
【テストで何点だった?】【平均より上?】という問いかけは、一見子どもを励ましているように見えて、実は点数が良くないと認められないという無言のプレッシャーを与えます。
子どもが本当に伸びるのは、【努力した過程を認めてもらえた】と感じたときです。
たとえば、【今回は前より早く取り組めたね】【自分で調べようとしたのがよかったよ】と、結果ではなく行動を具体的に褒めることで、子どもは自分の成長を実感します。
こうしたプロセス評価を続けると、子どもは結果を恐れず挑戦できるようになります。
応用力は【考える】【試す】【間違える】を繰り返す中でしか育ちません。
だからこそ、親が点数以外の努力に光を当てることが何より大切なのです。
成績は努力の結果であり、目的ではありません。
過程に価値を見出す姿勢が、学びへの持続的なモチベーションを支える土台となります。
意識②教える親から支える親へと変わる
中学生になると、子どもは自分の世界を持ち始め、親の助言を素直に受け入れにくくなります。
そんな時期に、親が【こうやって解くんでしょ】【なんでできないの?】と教える姿勢を貫くと、子どもは心を閉ざしてしまいがちです。
今、親に求められるのは指導者ではなく伴走者の役割です。
つまり、【教える】よりも【支える】。
子どもがわからない問題に直面したとき、【一緒に考えてみよう】【どこでつまずいたと思う?】と問いかけるだけで、子どもの思考は動き出します。
また、完璧に教えようとしなくて構いません。
むしろ、親が【お母さん(お父さん)もこの問題は難しいね】と共感を示すことで、子どもは安心感を得て学びに戻ることができます。
応用力を育てるには、自分で考える時間を奪わない関わりが不可欠です。
親が一歩引いてサポートに徹することで、子どもは【考える責任】を持ち、学びの主体性を身につけていきます。
意識③失敗を伸びるチャンスとして捉える
最後の意識改革は、【失敗を恐れないマインド】を親子で共有することです。
中学生になると、成績や順位が明確に示されるため、子どもは間違うことを極端に嫌うようになります。【失敗=恥ずかしい】【ミス=能力がない】と思い込み、挑戦する意欲を失ってしまうのです。
しかし、本当の成長は失敗の分析から生まれます。
【なぜできなかったのか】【次はどうすればいいか】を一緒に考えることで、子どもは自分の弱点を冷静に見つめ、改善する力を身につけます。
これはまさに、応用力の核心部分です。
親が【失敗しても大丈夫】【そこから学べばOK】と肯定的な言葉をかけるだけで、子どもは安心して新しいことに挑戦できます。
完璧を求めず、試行錯誤を受け入れる姿勢を持つことが、学びを楽しむ心を育てます。
テストの点や順位は一時的な結果にすぎません。
失敗を恐れず、成長のきっかけとして受け止めること。それこそが、中学以降の成績を支える本当の強さです。
応用力を育てる家庭が中学以降の学力を決める
小学校のうちは順調でも、中学で成績が伸び悩む子が少なくないのは、決して珍しいことではありません。むしろ、小学生の学び方のまま中学に進んでしまう子が多い今、それは自然な結果とも言えます。
中学の勉強で問われるのは、知識を覚える力ではなく、【どう使うか】【どう考えるか】という応用力と思考力です。
そしてその土台は、小学生のうちに少しずつ培われていきます。
親が子どもの学び方に関心を持ち、【考える習慣】を意識して育てていくことが、後の大きな差につながります。
今回紹介したように、成績を伸ばすためには、①暗記型から理解型への転換、②計画的に学ぶ力の育成、③応用練習を通じた知識の運用が欠かせません。
そして、それを支えるための家庭の姿勢として、①過程を認める、②支える立場に回る、③失敗を恐れない環境を整えることが重要です。
子どもの学力を決めるのは、才能でも塾の数でもなく、学びをどう支える家庭か。
親が【結果よりも成長】を見つめる姿勢を持つことで、子どもは安心して挑戦し、自ら学ぶ力を育てていきます。
応用力とは、生きる力そのもの。
小学生の今だからこそ、その芽を大切に育てていきましょう。
















