今回は【10歳の壁 成績が伸び悩む理由と家庭でできる3つのサポート法】と題し、お話をしていきます。
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ありがとうございます。
子育てをしていると、親は相変わらず我が子を【子ども】として見ていても、子どもの方は日々成長して親の思う【子ども】から脱却していこうとします。
とくに、子どもが小学4年生頃になると、心の面でも勉強の面でも親子の衝突が増えてきます。
【最近、急に勉強が難しいと言い出した】
【成績が下がってきた気がする】
【勉強そのものを嫌がるようになった】
そんなお子さんの変化に、戸惑いや不安を感じることもあるでしょう。
小学校3年生、4年生ごろ、多くの子どもが経験するのが、いわゆる【10歳の壁です】。
これは、単なる成績の問題ではなく、子どもの思考力・感情・自立心が大きく変化する成長の転換期です。
私も子ども①②③の学校生活で感じましたが、目に見えるものだけでなく、【なぜ?】【どうして?】といった抽象的な思考や、論理的に考える力が求められるようになります。
結果、勉強の内容が急に難しく感じられたり、うまくいかないことで自信をなくすケースも少なくありません。
けれど、この【壁】は決して乗り越えられないものではありません。
むしろ、ここをどう支えるかで、お子さんの将来の学び方や自己肯定感に大きな差が生まれます。
そこで今回は、【10歳の壁】とは何か、そしてそれを家庭でどう支えていけばいいのか、ご紹介していきます。
子どもの成長に訪れる見えない転換点
まず、多くの子どもたちは10歳前後になると、子どもから大人への階段を上り始める最初の段階に足を踏み入れるため、自我が芽生えてきます。
【反抗的になってきた】
【勉強やりたがらない】
そんな悩みを抱えるご家庭がぐっと増えてきます。
その背景には、多くの子どもが直面する発達段階のひとつであり、それを最近ではマルっと【10歳の壁】という傾向があります。
では、この【10歳の壁】とは一体何なのでしょうか。
10歳の壁とは、小学3年生から4年生くらいの時期に訪れる、思考の質の変化によって起こるつまずきのことです。
それまで子どもたちは、目に見えるもの、聞いたこと、体験したことなど、具体的な情報をもとに理解や判断をしていました。
ところが10歳前後になると、徐々に抽象的な思考能力が発達してきます。
これは、因果関係を考えたり、物事の背景を想像したり、自分の考えを整理したりする力です。
この抽象思考の始まりが、勉強や生活に大きな影響を与えます。
たとえば国語では、登場人物の気持ちの変化や、行間にあるメッセージを読み取る力が求められるようになります。
算数でも、【割合】【速さ】など、数そのものの操作ではなく、関係性を理解する問題が増えてきます。
理科や社会でも、【なぜそうなるのか】【背景には何があるのか】といった説明型の問いが多くなります。
それまでの【覚える】【正しく答える】だけでは太刀打ちできなくなってくるのが、この時期なのです。
当然、これまでスムーズにこなしていた子ほど、【急にできなくなった】と感じ、自信を失いがちになります。
そして、【自分はもうダメかもしれない】【勉強って難しい】と思い込んでしまう。
これが10歳の壁の怖いところです。
さらに、10歳前後は思考力の発達だけでなく、感情面や自立心の芽生えも重なります。
親の言うことを素直に受け入れにくくなり、【どうして勉強しなきゃいけないの?】と疑問を持つようになる時期でもあります。
つまり、頭の中でも、心の中でも、大きな変化が起こっている。
それが一見【反抗期のよう】に見えたり、【怠けているよう】に映ることもあるのです。
けれど、それは決してマイナスの兆候ではありません。
むしろ、自分の考えを持とうとしているサインであり、思考の質を深めていく入り口とも言えます。
10歳の壁は、子どもにとっても、親にとっても、大きな時期です。
けれど、それは【成長が止まった】サインではありません。
むしろ、【これから深く考えられるようになる力】が育ち始めている証です。
この時期をどう乗り越えるかで、子どもの【考える力】や【学びへの向き合い方】は大きく変わります。
【10歳の壁】目に見えにくい3つの変化にどう向き合うか
さて、【10歳の壁】という言葉を聞いたことがある方がほとんどだと思います。
これは小学校3〜4年生ごろに訪れる、学習や心の成長における大きな節目を指します。
でも、実際に子どもに起こる変化はとても見えにくく、【何が原因なのか分からない】と戸惑う方も多くいます。
この時期、子どもたちには大きく分けて3つの変化が訪れます。
① 成績の伸び悩みや急な下降
10歳前後になると、学校の授業では急に抽象的な思考力を必要とする内容が増えてきます。
算数では小学校5年生の【割合】や【速さ】、国語では【登場人物の気持ちの変化】や【行間を読む】問題など、単なる暗記やパターンだけでは太刀打ちできない単元が増えていきます。
それまで順調だった子でも、こうした複雑な問題に直面すると、理解が追いつかず、急にテストの点数が下がることがあります。
子ども本人は【ちゃんと勉強してるのにうまくいかない】と感じ、自信を失い始めるのです。
② 勉強へのモチベーションの低下
成績が下がると、当然ながら勉強への意欲にも影響します。
【どうせ頑張ってもできない】
【また間違えるのがイヤだ】
こうした思いが子どもの中で膨らんでくると、勉強そのものを避けるようになります。
この時期はちょうど【自己肯定感】が大きく揺れるタイミングでもあります。
成功体験が得られないままプレッシャーだけが強まると、【自分は勉強に向いてない】と決めつけてしまい、意欲を取り戻すのが難しくなってしまうのです。
③ 親の言葉が響かなくなる
さらに難しいのが、親子関係の変化です。
10歳前後は、学力差だけでなく子どもの自我の芽生えが活発になる時期とも重なります。
【自分はどうしたいのか】【なぜそれをやるのか】といった内側からの理由づけを求め始めます。
それまでは、【宿題やったの?】【これやっといて】と言えば素直に従っていた子が、急に反発するようになったり、無言でスルーしたりすることが増えてきます。
これは親の言うことを聞かなくなったのではなく、【納得できないと動けない】段階に入ったということです。
つまり、親としては本当なら嬉しい【子どもが自立しようとしている】成長の証です。
ただ、親としては扱いが難しくなってイライラが増えるという、何とも悩ましい時期でもあります。
ここで注意したいのは、【今まで通り】の対応を続けてしまうことです。
たとえば、【やればできるんだから頑張りなさい】と強く言ったり、【前はできてたでしょ】と責めたりするのは逆効果です。
本人も【できなくなった自分】に不安を感じており、そこに追い打ちをかけると、自信がさらに失われてしまいます。
結果的に、【勉強=つらいもの】【親に怒られるもの】と認識してしまい、学習から完全に心が離れてしまうケースも少なくありません。
10歳の壁は、子どもの学力・感情・自立心がぶつかり合うタイミング。
これは決して【問題がある】わけではなく、成長の過程で誰にでも訪れる自然な変化です。
大切なのは、親が変化に気づくこと、無理に押さえつけないこと、そして子ども自身のペースと考えを尊重することです。
【壁】は、乗り越えた先にこそ、ぐんと伸びる可能性が広がっていると前向きに受け止めていきましょう。
【10歳の壁】家庭でできる3つの乗り越え方
ところで、10歳前後の子どもが直面する【10歳の壁】は親子関係を悪くすることもあるので、親にとっては非常に気になる時期です。
勉強が急に難しくなったり、意欲を失ったりするこの時期をどう支えるかは、親の関わり方がカギになります。
ここでは、家庭でできる3つの具体的な方法をご紹介します。
①【プロセスを褒める】習慣をつける
子どもを持つ親は、テストの点や宿題の正解など【結果】に目を向けがちです。
私もそういう時が合ったりもしますが、10歳前後の子どもにとって大切なのは、【自分の考えや取り組みを受け止めてもらえた】という素直な気持ちです。
たとえば、【よくその方法を思いついたね】【難しい問題なのに集中してたね】といった声かけは、思考の過程や姿勢に注目した褒め方です。
こうした言葉がけによって、子どもは【自分は考える力があるんだ】と自信を持ち、【学ぶこと】そのものにポジティブな感情を抱けるようになります。
正解・不正解にこだわるのではなく、考えた過程を一緒に言葉にすることが、思考力を育てる第一歩です。
②【考える時間】を保証する
10歳の壁では、問題をすぐに解けないことが増えてきます。
このとき、【早く答えを出しなさい】【なんでこんな簡単な問題が分からないの?】と急かすと、子どもはますます自信を失ってしまいます。
家庭では、ゆっくり考える環境と時間を保証してあげることがとても大切です。
たとえば、【この問題、どこから手をつけたらいいと思う?】と問いかけたり、【どういう風に考えたのか教えてくれる?】と関心を向けたりすることで、子どもは【考えるプロセスを大事にしていい】と感じられるようになります。
学校では時間に追われがちな分、家庭では【じっくり考えることが価値ある行為だ】と伝えることが必要なのです。
③【学ぶ意味】を一緒に考える
10歳前後は、自我が芽生え始め、【なぜ勉強しなきゃいけないの?】という疑問が浮かぶ時期でもあります。
この問いに対して、【いい高校に入るため】【将来のため】などの答えだけでは、なかなか納得してくれません。
そこで重要なのは、今の勉強がどんな力につながるのかを日常の中で一緒に見つけていくことです。
【読解力があると、人の話の意図がよくわかるよね】
【計算が得意だと、お店でのお釣りもすぐわかる】
【社会の知識があると、ニュースの意味が分かって面白いよね】など。
こうした会話を通じて、勉強は誰かにやらされることではなく、自分の生活や将来に役立つ力だと気づいていきます。
10歳の壁を乗り越えるために特別な教材や塾が必要なわけではありません。
一番効果的なのは、家庭でのちょっとした関わり方の工夫です。
子どもの方は背伸びをし始めて、親に歯向かうことが増えてきても、親から突き放されたり興味を持たれないというのは寂しさを感じて拗らせて、親子関係に悪い影響を及ぼします。
親の方も、【なんだかんだ言ってくるから喋りたくない】と思わず、子どもと共通の話題などを通じて子どもとの交流をキープするよう心がけてください。
そうした気配りをしていくと、10歳の壁をスイスイと乗り越えてしまう子もいます。
勉強面で色々と文句を言いたいことがあっても、【結果】ではなく【考える力】に目を向け、【早く】ではなく【じっくり考える】姿勢を尊重し、【やらせる】ではなく【学ぶ意味を一緒に考える】ことで、子どもは自然と、自分の力で壁を乗り越えていきます。
今つまずいているように見えるその姿は、成長のサイン。
焦らず、子どものペースで寄り添っていきましょう。
どんな子どもにも訪れる大切な成長のステップです。
焦らず、でも確実に向き合っていくことで、必ずその先の大きな伸びにつながっていきます。