今回は【小3の坂道に気がつかない理由】と題し、お話をしていきます。
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小学生となった子どもが学校の授業で躓く、苦手な教科や理解するまでに時間がかかる単元がぽつりぽつりと出てくるのが小学校3年生頃です。
小学2年生でも、例えば算数の単位がよく分からないという子もいますが、それでも【なるほど】と感じるまでに時間がかかるという子は多くはありません。
しかし、小学3年生になるとテストの点数が明らかに低い単元があったり、漢字テストの点数が低くなってきたりと親の方も【あれ？】と感じる瞬間があります。
子どもの方も【分からないと言ったら親がドリルをたくさん買ってくるかも】と思い、誤魔化すようなことを口にして親に理解していないのを悟られないようにしている子もいます。
塾で仕事をしている時も、とくに低学年の頃はスラスラどんな問題も解いていた子ほど学年が上がり、自分一人では解けない、分からない、間違いをすることが増えるとイライラしたり、素直に【分からない】と言い出すことができませんでした。
分からない自分がバレてしまうことを恥ずかしく思う、恐れてしまう子は意外といます。
小3の坂道を気にしないでいると、小4の壁を乗り越えるのに苦労し、小学5年生や6年生で固定化する学力グループを破壊することが難しくなり、結局中学でも成績向上のきっかけをつかめないまま停滞するという流れになっていきます。
子どもの学力グループは低学年でふんわりと、しかし明らかな上位層とボトム層が出来てきて、その中間層がボリュームゾーンという風に作られていきます。
学年が上がり、中間層の学力グループもその中で【上中下】がハッキリとしてくるわけですが、その分岐点の一つが小学校3年生になります。
一昔前なら3年生は小学校低学年と言われていたこともあり、親世代にとっては【中学受験を考えているわけでもないし、まだまだ勉強を頑張らせるのは早い】というイメージが強いかもしれません。
ただ、小学3年生になると生活科が理科と社会の2教科になり、その分覚えることやテストの回数も増えます。
算数も四則計算の割り算を習い、全ての計算方法を学び終わる学年ですから【基礎よりもレベルアップした計算を勉強する】になります。
桁数の多い足し算や引き算はまさに【レベルアップした計算問題】になるわけです。
漢字も苦手な子は早くも苦戦し始める学年ですから、【まだ小学3年生だし】と軽く見ることは禁物です。
小4の壁に惑わされている
では、なぜ親が小学3年生で躓く子が増えるのに気がつかないのでしょうか。
個人的に【小4の壁】という言葉のインパクトが強く、それに惑わされてしまい小3から起きている学力差を察知できないのではないかと考えています。
【小学4年生から学力差が起きるから気をつけないと】と身構え、まだ3年生の間はさほど個人個人の力量の差が出る時期ではないと思っている。
【小学4年生から気をつければ平気】と子どもの勉強面で気になる問題はもう少し先に起きると思っている。
そう考えていると、実はヒタヒタと学力差が生まれていることに気がつかないこともあります。
小学3年生のテストは、特定の単元だけが良くない点数を取ってしまい、しかもクラス全体で低く、満点や高得点を取っているのは数人だけという子ともあるので、【たまたま苦手なところだったから】【他の子もできなかったみたいだし】と軽く扱い、子どもの躓きを軽く見てしまうと、気がついた時にはよく理解していない単元の数が増えていたり、子どもが特定の教科に対して苦手意識を持ってしまったということになりかねません。
小4の壁、10歳の壁を意識することも大切ですが、その前の段階の小学３年生は坂道を上るように勉強がスムーズに理解できなくなる子が増えてくるので、、テストの点数や間違えた問題の傾向、理科と社会は楽しく授業を受けているかどうか、興味がなさそうかということを把握していきましょう。
まだ小学3年生という思い込み
小4の壁の存在が大きいというほかにも、やはり親世代の頃は【小学3年生は低学年】という括りだったことも影響して、【まだ小学3年生だし】と思い、勉強に力を入れる時期ではないと捉えていることも少なからず影響しています。
小学3年生は学校に慣れ、放課後の学童保育では小学4年生以上がだいぶ在籍児童が減るということもあり、先輩格となって親が思うよりも【自分たちはもう3年生】と思い、自己主張、話し合いなどがまぁまぁできつつある学年になっています。
今の小学校では小学1年生と2年生と低学年、3年生と4年生を中学年、5年生と6年生を高学年と3つに分けています。
中学年である3年生と4年生は高学年に向けた準備期間になります。
精神面での成長も見られ、子どもによっては反抗期に入ることもあり、子どもから脱却してくる時期です。
学校の勉強も難しくなり、子どもの心も変化していくのですが、親から見たらまだまだ子どもです。
親の気持ちと子どもの気持ちのギャップが起こりやすく、時には親子の衝突を招くこともあるでしょう。
我が家でも、とくに子ども①が反抗的な態度が少し増えてきた学年でもありました。
勉強面でも、子ども①②③ともに漢字テストでやらかしたり、クラスでも漢字テストで満点を取る子が激減した学年が3年生でした。
2020年度から新しくなった学習指導要領の影響もあって、小学3年生の勉強は子ども①②の時よりも学び方が難しくなっていると感じています。
読ませる問題、考えさせる問題が増え、読む力や考える力がまだ十分に備わっていない子にとっては【よく分からない】と感じることがどんどん増えていく学年です。
しかし、親が【まだ小学3年生だし】と思っていると、子どもの理解度と親の【学校の勉強は理解できているでしょう】という思いが乖離していきます。
そして、結果として小学4年生になってガツンと成績が落ちるという流れになるので、決して【小学3年生だから】と思わないようにしてください。
成績が落ちていると思っていない
さて、小学3年生の勉強で差が出やすいのは漢字、そして算数の複雑な計算、割り算、表とグラフの単元です。
漢字テストで満点を取る子の顔ぶれは決まっており、【あの子は漢字が得意だから】とクラス内で認識されるので、ちょっと点数が悪くても再テストに向けて頑張れば何とかなると子どもの方も思います。
親も、周囲のママさんから【漢字の再テストが増えてくる】という話を聞いていれば、我が子が再テストを受けることになっても【そういう子もいるし】とある意味、前向きに捉えることもできます。
算数でミスが多発する桁数の増えた計算も、満点を取るメンバーは決まっており、【あの子は計算が得意だから】【公文やソロバンを習っている子だから】と子どもが言い訳することも増えます。
親の方も気にはするけれど、ずば抜けて得意な子がいるなら【そうか、それなら仕方がない】と納得してしまいます。
我が子の点数がいつもより悪い単元は他の子も悪い、クラス全体で点数が引く子が多かったという傾向があれば、親も深刻に受け止めず、復習すれば何とかなると思います。
ただ、その時は復習させようと思っても、忙しい毎日を過ごしていると後回しにしてしまいがちです。
これが明らかに成績が落ちてきてるなら親も慌てますが、【点数が悪いのは時々】という状態だと意を決して勉強を頑張らせようという考えに及ばないのも仕方がないことです。
とはいえ、やはり小学3年生は小4の壁の直前期であり、地味に学力差ができている、学力グループも形作られていく重要な学年です。
テストの点数が少し落ちてきていると感じたら、教科書ワークやインターネット上にある無料教材を印刷して苦手克服やどのくらい理解しているのかを把握してみるなど対策をしていきましょう。
