今回は【子どもの思考力を鍛えたいけれど】と題し、お話をしていきます。
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ありがとうございます。
2020年度から小学校で学習指導要領が改定し、翌年の2021年度には中学で、高校でも2022年度から新しい学校の学びがスタートしました。
今回の学習指導要領は2000年代のゆとり教育とは真逆というイメージが強く、すでに学びの難化が指摘されています。
私も子ども①②、そして完全に新しい学習指導要領で学校で勉強している子ども③と3人の子どもの小学1年生からの公立小学校での学び方の変化を見てきていますが、確実に難しくなっているというのを感じています。
勉強している単元自体は変わりませんが、学び方が子どもたちに考えさせる、言葉で意見を言い合って理解を深めるという、とても理想の高い学びなので、それを実行してどの学力層の子も100%理解できるかと言われればちょっと怪しいと一人の親として思うところはあります。
とくに今の公教育では生きる力を身につけることを掲げていることもあり、『考える力』というものを重視しています。
末っ子の子ども③の学校の勉強、テストを見ても子ども①②の頃よりも考えさせる問題が増えているという印象を受けています。
しかも、小学校から高校まで一貫して思考力を重視する学びとなっています。
それはすなわち中学受験する場合でも、高校受験そして大学受験でも入試問題が受験生に考えさせるような問題が増えることを意味しています。
昔ながらの暗記すれば何とかなる、知識を詰め込めばそれなりに点数が取れるという受験ではなくなっているということになります。
地方の公立高校の入試問題もガラリと出題傾向が変わることもある、という覚悟を持って欲しいなと思います。
実際、子ども①が高校受験をして出題傾向が変わったり複数の資料がでてそれを見ながら答えを導き出すといった問題も出ました。
子どもから考える時間を奪わない
思考力を鍛える学びをしているということは、どの受験でも『考えさせる問題』が出てもおかしくないわけです。
しかも、思考力というのはとても抽象的な力で短期間で鍛えられるものではないので、小さい頃から家庭で『鍛える』ということを意識することが大切です。
それでは、家庭で子どもの考える力を育てていくにはどうすればいいのでしょうか。
難しく考えてしまいそうですが、シンプルに『子どもが考える機会を作る』を意識してください。
子育てをしていると子どもに対して『早くしなさい』とか親が先回りして答えを出したり、『これでいいでしょう』と言ったりすることがあります。
しかもそれが常態化しているのも珍しくありません。
忙しい中で早く色々とやりたいという親の気持ちも分かりますが、こうした何気ない言動が子どもから考える時間を奪っていることにもなっています。
例えば、子どもが着ていく服を親が全部選んで置いておくというものから、天気予報を親子で見て『どのような服装をしていくのが一番いいのか』と一緒に考えるのも立派な考える時間になります。
『最低気温と最高気温と天気から学校に行くにはどの服が最適か』と子どもが学校での一日を考えながら『それならこの組み合わせがいいかな』という決断を下すという一連の流れを習慣化するのも思考力を鍛えることになります。
家族でどこに出かけるのかや、おやつやご飯に何を食べたいのかを選択させるのも子どもにとっては『考える時間』になります。
親が先回りして決定権を奪うことは子育てにおいてよくあることですが、こうした日常生活の中にも子どもが考えるという経験を積んでいける機会はあります。
考える機会を増やしていくと、考える癖がつくようになります。
人間は生きていれば『考える』ということを常にしていますが、勉強に関する『考える』というのは自分が習得している知識と知識を組み合わせて答えを出すという複雑な過程を踏んでいます。
なんとなく、という考えではないので日頃から論理的に考える機会を作ると学校での学びにも適応するようになります。
読書を読む子にする
学校の学びは考えさせる学びを重視するようになっていますが、それに伴いテストでも文章題が増えています。
文章題は昔から好き嫌いがハッキリしますが、もはや小学校低学年の公立小学校のカラーテストでも普通に出ています。
文章題は『文章を読んで正しく理解して答えを出す』という考えさせること満載の問題ですから、1年生や2年生頃から文章問題を解いていくというのは自然なことと言えるでしょう。
ただ、文章題を読んで理解できない子もいます。
普段の読書習慣や家庭の会話の質により、低学年でも子どもたちの間で語彙力の差というものが生まれています。
小学校に入る前に子どもたちが過ごしている保育施設、つまりは保育所やこども園、幼稚園では毎日先生が紙芝居や絵本を読んでいるので平等に本に触れる機会があります。
家で全く本を読む機会がないという子もいますが、『保育施設に通っている時は本に親しむ』という環境が整っていると言えるでしょう。
しかし、小学校に入ってからは本を読むかどうかは基本的に子ども本人任せになります。
もちろん。地域のボランティア団体の方々などが読み聞かせにくることもあるので、多少なりとも本とのつながりはあります。
それでも、読み聞かせは低学年向けに行われることが多いので学年が上がれば『本を読むこと読まない子』はハッキリしていきます。
ですから、1週間に数冊本を読んでいる子もいれば、全く本を読まないという子もいます。
本を読めば必ず思考力が鍛えられるわけではありませんが、考えながら本を読むことや新しい言葉との出会いと脳をフル回転しながら文字を読み進めていくという動作は子どもの考える力を鍛える一助になっています。
そして、小さい頃から本を読む習慣がある子は親が教育への関心が強く、読み聞かせに力を入れていたというケースが圧倒的に多いので今の公教育の学びにも対応しやすい下地を小さい頃から自然と作っているという考え方もできます。
短期間でそういう子に近づくのは難しいものがあります。
しかし、何もしなければ永遠に近づくことはできないでしょう。
『文章題がまるっきりダメ』と感じたら、まずは絵本、低学年の子向けの本などなんでもいいので子どもが好きそうな本を探して、本を読む機会を増やして文字を読んで何かしら考える経験を積んでいくようにしてください。
言葉を使って説明させる
思考力と聞くと考える力、と捉える人が圧倒的に多いと思います。
それは当たり前のことですが、自分の考えたことを分かりやすく伝えるということも今の学校では重視されています。
俗にアクティブラーニングと言われていますが、昔のように一部の優等生が手を上げて前に出て発表するという学びではなく、クラス全員の子が平等に発表の機会を与えられていて『自分の考えを伝える』ということを通じて勉強した知識や学んだ単元の理解を深めていくという授業が行われています。
人前での発言だけでなく、クロムブックのようなICT機器を使って意見を出し合うことも今の小学生はしています。
また、入試問題でも記述系の問題は増えているので『考えをまとめる力』も軽視できません。
ですから、考えたことを言葉を使って説明できる子に育てることも思考力を鍛えることにつながります。
説明するというのは大学や社会に出てからのプレゼンテーション能力になります。
こうしたスキルを家庭で鍛えるのは、まずは子どもに説明させることです。
何とも難しいようにも思えますが、至ってシンプルです。
例えば、休日に行きたい場所を聞いて、どうしてその場所に行きたいのか理由を教えてと子どもに問います。
そうすると、子どもは自分なりに『こういう理由があるからです』と考えて言葉で説明します。
ちなみに、小学校では意見を述べるテンプレ、『私は○○が良いと思います。なぜなら○○だからです』を小学校1年生や2年生で学んでいます。
子ども①②の時は4年生頃から学んでいた記憶があるのですが、子ども③の世代では低学年から意見を述べる表現を勉強していました。
言葉で説明させると頭の中で一生懸命『伝えたいこと』『自分の意見』をどのような形で言うか子どもは考えます。
家庭で言葉を使って説明する機会を作っていくと、学校で発表する時にも困ることなくクラスメイトに伝えられるようになりますし、考えをまとめる力が身についていきます。
思考力は簡単に、短期間で鍛え上げるのは難しいスキルですから、家庭でしっかりと意識して取り組んでいきましょう。