今回は【学力の分岐点 勉強の軌道に乗れる子は何が違うのか】と題し、お話していきます。
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ありがとうございます。
他の子と同じように勉強しているように思えるけれど、成績の伸びがすごくいい子がいます。
親としては我が子もそういうタイプであって欲しいと願ってしまいますが、全員の子どもがそうなるわけではないのは誰もが知っていることです。
子どもの学力、つまりは進路進学の違いを考えておくと、複数の学力の分岐点があります。
まず、小学校低学年では主に算数の計算で理解力の差が出てきます。
小学1年生の繰り上がりの足し算と繰り下がりの引き算は1年生の学びの中で最大の難所であり、多くの親が予習をして苦手意識を持たないようにしています。
または、公文や学研に年長の頃から通い始めて小学校に入る前からしっかり仕上げた状態にしてしておくという家庭もあります。
塾で仕事をしている時も小学生のお兄ちゃんやお姉ちゃんと一緒に通っていた年長の子も何人かいましたが、どの家庭も勉強への抵抗感をなくすことはもちろんのこと、躓きやすい算数の繰り上がりと繰り下がり対策で通わせていました。
小学校低学年では主に算数で差が出て、続く3年生でも算数では桁数の増えた足し算や引き算の筆算を学び、そこで計算力の差が広がっていきます。
桁数が増え、なおかつ繰り上がりや繰り下がりの要素も含んでいると、小学校1年生や2年生で理解不足の子は追い打ちをかけるように分からないことや、間違いを連発するようになります。
その一方で、スラスラ難なく解ける子もいるので【自分は勉強が苦手】と意識する子も出てきます。
その後、小学4年生では3年生までの学習量の差がハッキリテストの点数に反映されるようになります。
そして、5年生と6年生で学力グループが固定化され、そのまま中学進学後も引き継がれていきます。
小学校は6年間と長いですが、1年生、2年生と上がるにつれて一年が過ぎ去るのが早くなるのを感じます。
そして、小学校を卒業してからが本当にあっという間に時が流れていき、中学進学そして高校受験が駆け足でやってきます。
小学生の頃はカラーテストも頻繁に行われるので、親としては子どもの成績の推移が分かりやすい反面、【次は頑張るでしょう】と軽く流してしまうこともあります。
そして、一度何かしらの教科や単元で躓いてしまい、それを放置してしまうと【基礎学力の土台に難がある状態】のまま進級進学していくことになります。
進級進学をするたびに成績が低下していく子もいれば、全く問題なく学力をキープし、中には学力が向上していく子もいます。
どうして、勉強の軌道に乗れる子がいるのでしょうか。
そこで今回は、とても不思議なそういう子は、他の子と何が違うのか考えていきます。
1.家庭学習を継続している
子どもの学力差が出やすいタイミングを振り返ると、中学生ではなく小学生に集中しているのが分かると思います。
そのため、進学校を目指している、中学受験を検討している家庭では【就学前後から抜かりなく家庭教育に力を入れている】ということをしています。
小学生の頃は伸び伸びと育てる、と言っていても、本当に勉強を二の次にして遊びほうけていても【伸び伸びとした子】に育つ保証はありません。
むしろ、無気力でダラダラ過ごす子に育ってしまう可能性が高いです。
これでは学力向上とは無縁であり、親が【中学から勉強するはず】と思っていても勉強することはないでしょう。
その一方で、普通に友達と遊んでいるけれど、勉強の軌道に乗る子は勉強する時と遊ぶ時のオンオフを大切にしています。
そういう子は親が家庭学習の定着までしっかり誘導をするなどサポートし、一人で勉強して丸つけをするようになっても、楽な方に流れずに毎日コツコツと家庭学習を継続してきています。
家庭学習と一口に言っても、使用する教材や学習時間も子どもによってバラバラです。
中学受験をする子は学習時間が多いけれど、地方の学区の中学に進む子は学校の宿題と家の勉強で30分程度、または1時間未満で済ませるという子もいます。
こうした違いはあるにせよ、やはり毎日しっかり勉強できているということは凄いことです。
軌道に乗る子は、簡単すぎず、そしてしっかり頭を使わないと解けないレベルの問題に取り組み、応用力を身につけていきます。
こうした日々の努力が小学生で訪れる複数の学力の分岐点を乗り越える原動力になっています。
2.小3の難しい単元を苦にしない
小学校6年間では複数の学力の分岐点がありますが、個人的に大きな分岐点だと考えているのが小学3年生です。
小学3年生は四則計算の最後の計算式である割り算を学ぶ学年です。
すでに習っている計算式を使った桁数の多い筆算なども勉強し、計算力の差もより一層目立ってきます。
そして、分数や小数の基礎を学びますし、多くの子が苦手意識を持つ『大きな数』も習います。
国語では習う漢字の形も複雑化し、そして学ぶ漢字数も200字と増えて書けない子が増えてきます。
また、理科と社会もスタートして四教科体制となってカラーテストを受ける回数も増えます。
親としては『まだ3年生』という感覚かもしれませんが、学校の勉強面を考えると躓きやすい単元が多く、何も気に留めていないとそのまま放置してしまい、進級するにつれて『分からない』が増えていくことになります。
こうした差が出やすい学年ですが、もちろんヒョイと勉強を難なくクリアする子もいます。
そういう子達は高学年になると学力上位層になります。
皆が高得点を取れなくなってきているけれど、普通に100点を取れる子です。
『2年生の頃より考える問題が増えたけど考えれば解ける』とクラスメイトが苦労しているのを尻目にスラスラ解いていきます。
ちょうど小学3年生や4年生から子ども本人の勉強に対する気持ちが決まってきます。
つまり、『勉強は面倒』『勉強は辛い』『勉強は大変』『勉強は苦しい』というマイナスなイメージを持つか、『勉強は自分の未来を変える』『勉強を頑張りたい』と前向きに捉える子に二極化が進みます。
軌道に乗る子はもちろん後者です。
勉強に対する気持ち、印象は勉強するかしないかを左右する大きなポイントです。
親が引っ張ってなんとか勉強する子になっても、少しずつ自我が芽生えてくる小学3年生頃から親の言う通りでどうにかならなくなります。
小学3年生を過ぎた頃から徐々に子どもの気持ち次第の存在感が増してくるので、それまでにいかに『勉強は自分の未来を変える』という気持ちになれるかどうかにかかってきます。
3.『出来ない』『分からない』を自分で解決しようとする
学力の高い子は何がどう違うのか、と考えると『分からないことを考えるのを苦にしない』という特徴があります。
塾で仕事をしているとき、問題を解くように指示して、パッと見て解けないと思った子はすぐに『答え教えて』『ヒント教えて』と騒ぎ始めました。
塾の先生は『分からないところを教える』というのが仕事ですがで、『このくらいの問題なら解けるかな』と渡した問題を考えもせずに答えだけ聞こうとする子に、例えば『答えは436だよ』とか国語の抜き出し問題であれば『キツネの耳がよいから、が答えだよ。そう書いて』と言うことはありません。
まず、問題を解こうと色々考えさせて、それでもどうしても分からないなら少しずつヒントを出す、という流れになります。
塾でもすぐに答えを知りたがる子と、そうではない子というのはそれこそ6歳とか7歳くらいからハッキリ違いが出ていました。
しかも、塾の方はそれを保護者面談でズバズバ言うことはほとんどないです。
極めて遠回しにいうので、塾で答えを聞こうとしてばかりいるというのに気がついていない親はけっこう
答えをすぐ聞きたがる子というのは依頼心が強い子であり、、昭和の頃も、平成も、そして令和でもいます。
ただ、答えだけを求めることが学力向上につながるのかと聞かれれば、甚だ疑問です。
勉強方法の一つとして、『分からない問題は答えを見ながら考える』というものがありますが、これは『正しい考えにたどり着くまでの過程を順を追う』ということをして、考え方を理解していきます。
単に答えを聞いて書いてそれでおしまい、では学力向上には至りません。
勉強の軌道に乗れる子は勉強は自分のためのものであると認識しているので、分からない問題や間違えた問題をまずは自分で解決するよう努力をします。
それでも分からない時に、親や学校の先生、塾の先生に質問して理解を深めていくという、勉強の王道的な流れを身につけています。
もし、自分の子どもが勉強をやって学力向上の軌道に乗って欲しいと思っているのであれば、すぐに答えを聞きたがる短所を改善させることからはじめましょう。
自分で問題を解いていき、それでも分からないことがあったらヒントを貰って自分で考える時間を増やしていくことが大切です。
まとめ
中学生になると定期テストなどから、塾に通っていない子にとっては人生初の【自分の学力がどの程度なのか】が分かるようになります。
概ね、思っていたよりも低い順位になることが多く、結果を見て慌てて塾選びを始める親子もいます。
ただ一つ言えることは、大きな学力の分岐点は小学生時代に起きていて、中学から挽回するというのは相当な努力と根性がないと無理です。
勉強の軌道に乗れる子はソツなくこなしているようにも見えますが、ちゃんと努力をしています。
努力をしていなければ結果を残すことはできません。
ですから、軌道に乗れること同じように勉強をし、それを継続させていくことが肝要です。