今回は【大学の指定校推薦を考えるタイミングは中学でも早くはない理由】と題し、お話していきます。
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中学受験、高校受験そして大学受験の中でも、とくに親世代と大きく変化しているのが大学受験です。
親世代が高校生の頃は、筆記試験の受験者が圧倒的に多く、各高校の指定校推薦を利用して受験する生徒はそう多くはありませんでした。
とくにトップ高校では筆記入試での突破、学力での合格を目指すのが当たり前という雰囲気でした。
トップ高校の指定校推薦といえば早慶を筆頭に全国的な知名度を誇る難関私立大学が人気で、他の私立大学はかなりの数の指定校推薦の枠が使用されないまま残っていました。
しかし、少子化の影響もあり私立大学も早めに入学者を囲う必要があります。
そのため、高校3年生の年内に合格が決まる指定校推薦の枠や、以前はAOと呼ばれた【そちらの大学が第一志望ですよ】という学生が受験する総合型選抜、他にも様々な形式の入試制度が誕生しています。
もちろん、人気私立大学は相変わらずどんな入試でも高い倍率が高いので簡単に合格はできませんがそれでも親世代のように【筆記試験で突破】が主流ではなくなりつつあります。
こうした変化を考慮すると【国公立ではないと無理!】という家庭でなければ、大学進学で指定校推薦を利用することも考えて高校を選ぶ時代になってきています。
ですから、高校入試をする中学生の頃から【将来的には指定校推薦を利用して大学進学を目指す】という考えを持つことも無意味なことではありません。
なぜ無意味ではないのかを考えていきます。
1.学力グループは小学校高学年でほぼ固定するから
文部科学省が昨年12月に公表した【2023年度学校基本調査】から、2023年度の大学進学率が57.7%となり過去最高を記録したことが話題となりました。
大学進学がもはや珍しくない時代になっています。
子育てをしている時に【大学進学】という四文字が頭をよぎり、進学に向けて動き出すのは一部の家庭だけの話ではないです。
そして、大学入試というのは案外遠い未来の話ではありません。
進学する大学の幅も高校によって決まります。
これは揺るぎない事実です。
そして、高校入試をする際は中学での成績、模試の結果を踏まえて受験学校を決めていきます。
【受けたいから受ける】ではなく子どもの学力に見合う、合格できそうな学校を選定していきます。
中学での学力次第で受験する高校が決まるわけですが、よく考えると実は中学に入る前の段階で学力グループは固定化しています。
小学校では勉強が苦手でしたが、家でちょっと勉強するようになったら中学でトップになりました、という話はほぼ聞きません。
低学年、中学年そして高学年に至るまでに【勉強が得意な子】【勉強苦手な子】に分かれていき、さらに複数の小学校が集まる中学校では学力ピラミッドが細分化されていきます。
上位層にいると自覚している子でも、中学に入れば上位層と中間層の間に位置することもあります。
【自分は真ん中くらいかな】と思っていた子が、真ん中よりも下になることも珍しくありません。
ほぼほぼ小学校の頃よりも下がるので、そうなると進学する高校選びは小学校の頃に思い描いていたようにとんとん拍子に進まないことも多々あります。
【地域の進学校に行って有名大学に行ける】は甘い見積もりです。
中学生の頃から指定校推薦を利用した大学進学も選択肢に入れていると【どのあたりの高校まで自分の学力をアップできるか】と明確な目的意識を持って勉強することにもつながります。
2.高校選びを大学の指定校推薦を念頭にして動ける
小学校高学年で学力グループが決まっていき、中学進学すれば【中学校でこの辺りの成績ならこの高校進学が妥当】というのが見えてきます。
小学校生活に比べると、一気にシビアな世界に足を踏み入れることになります。
もし、大学進学を考えているのであれば、そして医学部など特殊な学部学科、難関大学を目指しているわけではないのなら、中学で上位層を目指す!に全力を注ぐよりも【指定校推薦を利用して大学進学をする】にシフトチェンジした方が実りある結果になるケースもあります。
高校選びはその先の進路進学に直結します。
言葉は悪いですが、地方在住で現役で国公立大学の医学部医学科に入りたいと本気で思っているなら住んでいる自治体の一番の進学校に入り、その高校で上位層に入るしかないです。
高校によって、複数のコースのある私立高校であれば【どのあたりの大学に進学しているのか】がハッキリしています。
ですから、高校受験というのは子どもの人生においてかなり大きな分岐点になります。
慎重に選ぶしかないのですが、偏差値が高いから指定校推薦が豊富とは限らないことがあります。
地方ではそこそこの進学校のなかに比較的歴史の浅い公立高校というケースがあります。
そういう高校に進学すると、入る時の大変さに比べると指定校推薦がパッとしないこともあるので気をつけてください。
公立高校ですと、やはり伝統ある進学校を筆頭に工業や農業、商業も古い歴史とOBOGのネットワークがあるので思いがけない有名大学の指定校推薦の枠があるので侮れません。
また、地方の歴史のある私立高校も指定校推薦の枠がけっこうあるので、高校進学を考える際に「歴史の浅い公立高校の普通科に行くよりは歴史ある私立高校に進んだ方が選択肢が増える」という考えもできます。
私立高校の授業料の実質無償化や少子化の影響もあり、親世代の頃に比べると地方でも「何が何でも絶対に公立」と考える層が少しずつ減り、公立を受けずに私立高校へ進学を考える家庭も増えてきています。
大学進学を考えているのであれば指定校推薦を念頭に動き、学校説明会で直接教職員の方に確認しておくのも高校入試の戦略の一つです。
3.私立大学の入学者の過半数以上が非筆記試験組
親世代の大学入試とは比べ物にならないほど入学に至るまでの道が複数あります。
共通テストを受けて国公立大学を目指すというのが今でもオーソドックスですが、私立大学に関しては過半数以上の入学者が筆記試験ではなく指定校推薦、自己推薦、総合型選抜といった入試を利用して入学しています。
本命が私立大学であれば筆記試験での突破以外での突破を考慮することが必要です。
全入時代と言われていますが、やはり知名度の高い大学、高校生から人気のある大学、そして学部学科の合格は簡単ではありません。
入学した高校に本命大学の指定校推薦の枠があったとしても、校内推薦を勝ち取る必要があります。
勝ち取るには学校での生徒会などでの活動、定期テストの成績、部活動の実績、ボランティア活動やスピーチコンテスト、論文コンテストなどの表彰歴がある方が有利です。
高校に入ってからそれを全て行うのはけっこうヘビーですから、中学の頃から「スピーチコンテストに出る」「勉強も部活動も頑張る」と色々とチャレンジをしておくとスムーズに対応できます。
突然「人気大学の指定校推薦の枠を取りたい」と言っても取れるほど甘くはありません。
憧れの私立大学がすでにあるのであれば、「○○大学の◇◇学部の指定校推薦の枠がある高校はどこか」と考えて、高校受験を考えていき、「評定などどういう条件があるのか」と説明会や相談会で質問してみてください。
まとめ
2000年代に私立大学が増えたことや少子化の影響もあり大学進学者が珍しくない時代です。
そして、入試制度も多様化して、かなり複雑化しており筆記試験での合格のみを目指すだけでなく様々な試験を考慮して受験大学を選ぶようになっています。
その中でも、まず間違いなく合格する指定校推薦は一番手堅い入試制度です。
どんな大学の指定校推薦があるのかは、学校によって異なります。
偏差値が高い高校であっても、歴史が浅ければ伝統ある専科の公立高校や私立高校の方が充実していることもあります。
そうしたことを全てひっくるめて、中学生の頃から指定校推薦を考えて動いていくことは大学入試の戦略として考えると早すぎるものではないです。