今回は【読解力・思考力が育たない子の共通点 力を伸ばす家庭の工夫】と題し、お話をしていきます。
YouTube版
エール出版社より本が出版されました。
小学3年生から4年生で気をつけるべきことを詳しく取り上げています。
kindle出版しました。unlimitedでも読めます。
完全に無料で読めるコミックエッセイです。
↓こちらはアマゾンの縦読みfliptoonです。
キンドルとは違う読み心地かなと思いますので、読み比べもしてみてください。
内容は一緒です!
透明教育ママの絵日記 教育系コミックエッセイだけど役に立つ可能性ゼロ【ブログ放置編】
新作です。
kindleのジャンル別ベストセラー獲得しました!
ありがとうございます。
最近の入試問題、特に中学・高校・大学入試では、単なる知識の暗記では対応できない問題が増えてきています。
たとえば、複数の資料や長文を読み比べて、自分の意見を論理的にまとめさせるような問題。
我が家の子ども①②も高校受験のために、教科問わずに資料問題を解いています。
そこでは、いわゆる【読める】だけでなく、情報を正しく読み取り、要点を整理し、自分の頭で考えを組み立てる力が必要とされます。
しかし、こうした入試の変化に不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
【うちの子、読書をあまりしないから心配で…】
【算数の文章題になると、手が止まってしまうんです】
【社会や理科の資料問題も、図は読めていても内容を理解していないようで…】
実は、こうした悩みは多くのご家庭に共通するものです。
なぜなら、読解力や思考力は、学校のテストの点数や通知表だけでは見えづらく、見過ごされがちだからです。
でもご安心ください。
読解力や思考力は、生まれ持った才能ではありません。
むしろ、小学生のうちから日常生活の中で【問いかけ】【話し合い】【振り返り】を繰り返すことで、着実に育っていく力です。
そこで今回は、まず【読解力・思考力が育っていない子に見られる特徴】をご紹介し、その上で、【では家庭ではどう関わればよいのか?】という具体的な方法を、次回の記事で詳しく紹介していきます。
読む力は、生きる力。
入試のためだけでなく、これからの時代を生き抜くためにこそ、今こそ【読み解き、考える力】をご家庭で意識して育てていきましょう。
読めてるつもりが一番危ない
まず、入試や模試の問題傾向が年々変化する中で、【うちの子は、このまま新しいタイプの入試に対応できるのだろうか?】と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
とくに最近では、【読解力】や【思考力】が問われる設問が増えてきており、従来型の暗記学習では対応しきれない場面が目立ってきています。
我が家の子ども①②が入学した国立中学では、普通の公立中学とは異なる授業を行ったりもしていますが、思考力を問う学びや、レポート作成もかなり多いです。
地方の国立中学に通う子は、昔も今も教育熱の高い家庭の子が大半を占めているので、教育レベルはかなり高いものの、やはりその中でも読解力の差というのはあるようです。
親としては読解力や思考力というのは大切なのは分かってはいるものの、テストの点数のようにハッキリ出るわけではないので、【うちの子はどうなのか?】とモヤモヤとしたまま時は過ぎ、中学生になって学校の定期テストや塾のテスト、模試を受けてようやく【うわ、こんななんだ】ということに気がつくことになります。
できれば、小学生の時点でどの程度のものなのか把握しておくのが無難です。
まずは、我が子に、以下のような特徴に心当たりがないか、チェックしてみてください。
・言われたことはできるが、自分で考えて動けない
・文章題になると【わからない】とすぐに手が止まる
・設問をしっかり読まず、早とちりや思い込みでミスをする
・資料やグラフを読むのにやたら時間がかかる
・テスト後に【なんでこの答えにしたの?】と聞くと【なんとなく】としか返ってこない
これらの傾向は、一見学力が高い子どもにも見られるものです。
たとえば、計算や漢字のようなパターン練習には強くても、【問いの意図を正しく読み取る】【情報を整理し、筋道を立てて答える】ような課題になると、急に手が止まる。
これは、理解している、読めているつもりになっていることが原因の一つです。
もう一つ見逃せないのは、【本人がわかったと言っているから】と安心してしまうケースです。
たしかに教科書や解説を読んで、【わかった】と言ってくれるとホッとしますよね。
でも、本当に理解できているかどうかを見極めるには、自分の言葉で説明できるかが重要なポイントになります。
仮に、文章問題の答えを出せたとしても、【どうしてその答えを選んだのか】を説明させようとすると、急に黙ってしまう。
これは、表面的に言葉や数字をなぞって答えを出しているだけで、思考や理解の過程が身についていない証拠です。
こうした特徴のある子は、学年が上がるにつれて【なぜこの答えになるのかを説明しなさい】という記述問題でつまずく傾向があります。
【うちの子は読書習慣もないし、もう遅いのでは…?】と心配される方もいますが、まだ挽回のチャンスはあります。
読解力や思考力は、特別な才能ではなく鍛えていける力です。
たとえば、
・文章を読んだあとに、【この文は誰が何をしたの?】と要点を聞く
・テストの見直しで、【なぜその答えになったか】を説明させる
・図表や資料問題では、【このグラフは何を伝えていると思う?】と一緒に考える
こうしたちょっとした対話の積み重ねが、読解力と思考力の土台をつくる第一歩となります。
読解力や思考力は、テストの点数や偏差値には一見表れにくい見えない力です。
しかし、入試や社会の場面では、この力こそが子どもの将来を大きく左右します。
【うちの子、点数はそこそこ取れているけど、本当に理解しているのかな?】
【問題を解く力より、考える力を育てたい】
そう感じたときこそが、力を伸ばすチャンスです。
読解力と思考力を家庭で育てる3つの視点~入試改革に負けない考える力の伸ばし方~
さて、我が家の子ども①の高校受験の時にも感じましたが、ここ数年の入試では、暗記力で乗り越えるというのが無理な問題が増えています。
国語や社会だけでなく、小学生の算数・理科でも、資料や文章から必要な情報を読み取り、自分の考えを構築する力が問われています。
中学受験や高校受験では、記述式の出題も増え、【どうしてその答えになるのか】【自分の意見を根拠とともに書く】といった力が求められています。
つまり、求められているのは知識を知っているかではなく、考える力があるかどうかです。
繰り返しになりますが、読解力や思考力は、生まれつきの能力ではなく、日々の家庭での働きかけ次第で伸ばせる力です。
ここでは、そんな力を育てるために今日から始められる【3つの視点】をご紹介します。
①【読み返す力】を育てる
読解力を伸ばす上でまず重要なのは、一度読んで理解できなくても、投げ出さずにもう一度読み返す粘り強さです。
とくに文章題や長文問題では、最初の一読だけで全体を理解するのはなかなか難しいです。
しかし、多くの子どもは【わからない】と感じるとすぐに手を止めてしまいます。
ここで親ができるのは、【どこが難しかった?】【もう一回読んでみようか】と優しく声をかけることです。
わからないことに向き合うことは悪いことではないという姿勢を家庭で育てることが、長い目で見て読解力の土台になります。
読み返す習慣は、教科書や説明文だけでなく、問題文・資料・文章題でも活用できます。
焦らず、何度でも読み直すことが当たり前になると、子どもの読解力は大きく育っていきます。
②【質問する力】を育てる
思考力を伸ばすには、受け身ではなく、【質問する力】が欠かせません。
子どもが読んだり聞いたりしたことに対して、【つまりどういうこと?】【どう思った?】と問いかけることで、情報を整理する力や要点をつかむ力が鍛えられます。
これは学校のテストではなかなか鍛えられない【要約力】や【意見を持つ力】につながっていきます。
たとえば、ニュースを見た後に【どう思った?】と感想を聞いてみたり、読書のあとに【この登場人物、なんでこんな行動をしたのかな?】と投げかけてみたり。
こうしたやりとりを日常的に繰り返すことで、子どもは自分の考えを言葉にする習慣を身につけていきます。
親が一方的に教えるのではなく、【一緒に考える】【一緒に話す】という姿勢が、子どもの思考力を育むうえで大きなカギとなります。
③【視点の切り替え力】を育てる
最後に紹介するのは、【視点を変えて考える力】です。
これも、思考力を深めるうえで非常に重要な力です。
たとえば、【この話を別の立場の人が見たらどう感じるかな?】【もしこれが逆の状況だったら、どうなると思う?】と問いかけることで、一つの見方だけでなく、多面的に物事を捉える力が育っていきます。
近年増加している記述式問題や、ディスカッション型の授業、探究学習などにも直結する力です。
単なる正解探しではなく、【なぜそう考えたのか】【他にどんな可能性があるか】を考える力が求められているのです。
家庭でできることとしては、例えばニュースを一緒に見ながら【賛成する人と反対する人がいるとしたら、それぞれどう思っているかな?】と一緒に話し合うようにしましょう。
こうした習慣が、考えを深める思考の柔軟性を育てます。
読解力や思考力は、一朝一夕で身につくものではありませんが、日々の家庭の中で少しずつ伸ばしていくことができます。
特別な教材や指導よりも、親子の対話や、声かけの工夫こそが、子どもの根っこを育てる一番の近道です。
今日から、【読み返す】【問いかける】【視点を変える】の3つの視点を、ぜひご家庭に取り入れてみてください。
お子さんが文章や情報を前向きに受け止め、【考えることって面白い!】と感じられるようになるまで、親子でじっくり取り組んでいきましょう。
今日からできる!思考力と読解力を伸ばす家庭学習の工夫
ところで、子どもの【読解力】や【思考力】を育てるには、時間がかかり、特別な面倒なことで親があれこれしてもむりだったり、教材や塾が必要と思われがちですが、実は日常の家庭学習の中でも着実に、しっかり伸ばすことができます。
正直、読解力や思考力は数週間とか1ヶ月、2ヶ月で劇的に改善するモノではありませんが、何もしなければ結局何も変わりません。
【時間はかかるのは百も承知】と腹をくくって親も向き合ってみてください。
ここでは、教科別に取り入れやすいトレーニング方法を紹介します。
いずれも難しいものではなく、保護者の声かけひとつで始められるものばかりです。
■ 算数:文章題を【見える化】する
文章題が苦手な子の多くは、問題の意味をイメージできずにつまずいています。
このとき有効なのが、【絵や図にしてみよう】と促すことです。
たとえば【みかんが5個あります。3個食べました】という問題なら、みかんの絵を描いてみる。
数量関係を視覚的に整理する力、可視化力が身につき、筋道を立てて考える癖がついてきます。
また、【何を聞かれているのか?】を一緒に確認するのも効果的です。
読解の視点を算数に活かすことで、解く力と考える力が同時に伸びていきます。
■ 国語:音読・要約・感想の3ステップ
国語では、ただ音読するだけで終わらせるのではなく、【何が書かれていた?】【どんなことが起きたの?】と要点を口に出してまとめさせることが大切です。
さらにそのあと、【あなたはどう思った?】と自分の感想を言わせると、読解と同時に思考の深まりが生まれます。
この【要約】と【感想】を分けて意識する習慣が、読書感想文や記述問題にも強くなる基盤をつくります。
短い文章でもよいので、毎日続けると、読む力・考える力・書く力がバランスよく育っていきます。
■ 社会・理科:資料の言語化練習
社会や理科では、グラフ・表・写真といった資料を読み取る力が求められます。
【このグラフは何を表している?】【この表から、どんなことがわかるかな?】と問いかけて、視覚情報を言葉に変える練習をしてみましょう。
ポイントは、正解を求めるのではなく、自分の言葉で表現することを大切にすること。
【こういうふうに見えるよね】と共感的に返すことで、子どもは安心して考えを広げることができます。
読解力や思考力は、毎日の小さな積み重ねの中で育ちます。
特別な教材に頼らなくても、教科書やプリント、日常会話の中で十分に伸ばすことが可能です。
大切なのは、【解かせる】のではなく、【一緒に考える】【言葉にする】時間をつくる意識を持つことです。
読解力や思考力は、生まれつきの才能ではありません。
日々の家庭の中で、親が少し意識を変えるだけで、自然と伸びていく力です。
たとえば、子どもが本を読んだときに【どうだった?】と聞くだけでなく、【どの場面が印象に残った?】【主人公の気持ちはどうだったと思う?】と問いかけてみる。
ほんの少しの声のかけ方で、子どもは自分の考えを言葉にし、思考を深める習慣が育ちます。
親としては偏差値や点数も気になるところですが、それ以上に大切なのは、【考えることを楽しめる力】になります。
その力は、受験を超えて、将来ずっと役立つ学び続ける力となります。
今日からぜひ、お子さんとの会話の中に、【考える楽しさ】を取り入れてみてください。
家庭こそが、思考力と読解力の最高のトレーニング場です。