今回は【【高校受験】「定期テスト90点」の価値が学校で全然違う理由 前編】と題し、お話をしていきます。
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「うちの子、定期テストではいつも90点以上。これなら進学校も大丈夫でしょう」
そう思っていたところ、初めて受けた模試で思ったような結果が出ず、親子で驚いた経験はないでしょうか。
学校では上位なのに、外部のテストになると偏差値が伸びない。
高校受験が近づくほど、この「校内ではできるのに、外では通用しない」というギャップに気づく家庭があります。
もちろん、定期テストで90点を取ることは立派な成果です。
ただし、その90点が示す学力の範囲は、学校の出題内容や平均点、学習環境によって変わります。
基本問題中心のテストと、初見の応用問題まで含むテストでは、同じ90点でも必要な力は同じではありません。
そこで前編では、「90点」という数字だけでは見えない学校ごとのレベル差を解剖します。
大切なのは点数を疑うことではなく、その点数が「何ができることを意味しているのか」を見極めることです。
なぜ違う?学校によってテストの「90点」が別物になるワケ
まず、公立中学校の定期テストは、入試問題とは目的が異なります。
基本的な学習内容が身についているかを確認する役割があり、授業で扱った内容や学校の教材を中心に出題されることが一般的です。
そのため、定期テストで高得点を取ること自体は、学校の学習をきちんと理解している証拠になります。
一方で、学校ごとに問題の構成や難易度、平均点、応用問題の割合などには違いがあります。
同じ90点でも、ほとんどが教科書レベルの問題なのか、初見の思考問題まで含まれているのかによって、測っている力は変わります。
だからこそ、「90点だから大丈夫」と数字だけを見るのではなく、そのテストがどんな問題で構成されていたのかまで確認することが重要なのです。
ここでは、学校によってテストの「90点」の解釈が違う理由を説明していきます。
①中学校のテストは「在籍する子どもの学力レベル」で作られている
定期テストを見るとき、点数だけでなく「平均点」を確認することは大切です。
たとえば90点を取っていても、平均点が85点なのか、55点なのかでは、その点数の位置づけは大きく変わります。
もちろん、すべての学校や教科で平均点が50〜60点になるわけではありません。
テストの難易度や問題構成によって平均点は変わります。
重要なのは、「通っている学校の定期テストは基本問題だらけ」なのか「差が出るような応用問題も出題されるか」です。
たとえ90点を取っていても、基本問題だけなら、教育レベルの高いエリアの中学の定期テストの「90点」とは別物です。
子どもの点数、そして問題のレベルを見ることです。
さらに、テスト後には「何点だった?」だけで終わらせず、「どのレベルの問題まで解けた?」を確認してみましょう。
点数の背景まで見ることで、子どもの本当の理解度が見えてきます。
②教育熱の低いエリアの中学は「ワークそのまま」になりがち
学校の定期テストは、授業で学んだ内容を確認するものです。
そのため、教科書や学校ワークの内容を中心に構成されるテストもあります。
子ども①②の塾の友達の中で、学区の中学が教育熱が低いという中学に通っていた子たちは「定期テストがものすごく簡単」「先生が配布したプリントがほぼそのままでる」と口にしていたようです。
基本事項をしっかり身につけている子なら、高得点を取ることも十分可能です。
ただし、ここで注意したいのが、「学校の教材を完璧に覚えたこと」と「初見の問題にも対応できること」は同じではないという点です。
たとえば、学校ワークとほぼ同じ形式の問題なら、解法を覚えていることで正解できる場合があります。
しかし、数字や条件が変わったり、文章量が増えたりすると、急に解けなくなることがあります。
学校の教育熱だけを単純に評価することはできませんが、家庭では「学校でどんな問題が出ているか」を確認しておくと安心です。
90点という結果だけでなく、「初めて見る問題でも考えられるか」を別の機会に確かめておきましょう。
③レベルの高い中学は「初見の応用問題」がよく出る
同じ定期テストでも、学校によっては授業内容の確認だけでなく、少しひねった問題や初見の応用問題を含めることがあります。
たとえ公立中学であっても学力が高い子達が多いと簡単なテストでは差が付きにくいため、応用問題や記述問題が多めに出ます。
こうした問題では、単純な暗記だけでは対応できません。
身につけた知識を使って、初めて見る条件から考える必要があります。
たとえば数学なら、教科書にある例題と数字が違うだけでなく、複数の知識を組み合わせる問題が出ることがあります。
国語でも、本文の内容をそのまま聞くのではなく、根拠を探して説明させる問題が考えられます。
そのため、応用問題が多いテストで90点を取る場合と、基本問題中心のテストで90点を取る場合では、同じ点数でも求められる力が異なります。
もちろん、基本問題が中心だから価値が低いということではありません。
基礎は受験でも重要です。
大切なのは、90点を「学力の完成」と考えず、次のレベルへ進むための現在地として捉えることです。
井の中の蛙!教育熱の低い中学でトップ層にいる危険性
さて、学校ではいつも上位でテストを返されれば90点以上を取り、先生からも褒められ、本人も「自分は勉強が得意」と感じる、という状態は、子どもの自信を育てるという意味では大きな財産です。
しかし、その環境だけを基準にしていると、自分がどのくらいの位置にいるのか分からなくなることがあります。
高校受験では、同じ学校の生徒だけでなく、地域全体の受験生と競う場面が出てきます。
そこで重要なのが、「校内順位」と「外部での現在地」を分けて考えることです。
学校で上位だから安心するのではなく、外の問題に触れたとき、どこまで対応できるかを確認する。
井の中での成功を、自信に変えながら次の世界へ進む視点が必要になります。
ここでは、教育熱の低い中学でトップにいても油断できない理由を説明していきます。
①校内順位トップでも「全国・都道府県」では中堅レベル
校内順位が高いことは、もちろん立派な成果です。
しかし、学校内の順位だけでは、地域全体や全国での位置まで判断することはできません。
たとえば、学校の中で1位だったとしても、受験する高校によっては周囲に同じような成績の生徒が多く集まります。
中学校ではトップ層だった子が、高校に入った途端に平均付近になることもあります。
だからこそ、中学生の段階から「学校の中で何位か」だけでなく、「外部の問題ではどの程度できるか」を見ることが重要です。
模試や外部テストなどを利用すれば、普段とは違う集団の中で自分の位置を確認できます。
もちろん、一度の模試の結果だけで学力を決める必要はありません。
大切なのは、定期的に外の基準に触れ、「学校の順位=自分の学力のすべてではない」と知ることです。
②学校のワークを丸暗記しただけで90点が取れてしまう
学校ワークを繰り返し解くことは、基礎を定着させるうえで非常に大切です。
ただし、「答えや解法を覚えている」状態と、「問題の意味を理解して使える」状態は別物です。
たとえば、ワークと同じ形式ならスムーズに解けるのに、数字が変わった瞬間に手が止まる。
問題文が少し長くなっただけで、何を求めればよいのか分からなくなる。
こうした場合は、知識が使えるところまで十分に定着していない可能性があります。
家庭で確認するなら、「この問題の数字を変えたらどうなる?」「なぜこの式になるの?」と聞いてみましょう。
答えを暗記しているだけなら説明が難しいことがあります。
90点を取ったことを喜びながらも、「その90点は理解によって取ったのか、再現によって取ったのか」を見る。
そこに、次の学力を伸ばすヒントがあります。
③難しい問題に触れる機会がなく「応用力」が育たない
学校の授業と定期テストだけで学習していると、初めて見る問題に挑戦する機会が不足することがあります。
とくに、基本問題をスムーズに解ける子ほど、「間違えない問題」ばかりを解いている状態には注意が必要です。
応用力は、難しい問題を大量に解けば身につくというものではありません。
少し考えないと解けない問題に出会い、「何が分かっている?」「どの知識が使えそう?」と試行錯誤する経験が重要です。
たとえば、学校のテストで90点を取った後に、少し難しい問題を1〜2問だけ追加してみる方法があります。
全部解けなくても構いません。
「分からない」と感じる経験そのものが、次の学習につながります。
大切なのは、学校の勉強を否定することではありません。
学校で基礎を固めながら、別の問題で「知識を使う練習」を少しずつ加えていくことです。
内申点は取れても実力が追いつかない!入試本番の恐ろしい罠
ところで、高校受験では、定期テストの成績が重要な役割を果たします。
地域や入試制度によっては、通知表の評定が選抜に使われるため、学校の成績を軽視することはできません。
一方で、入試本番では、学校の定期テストとは異なる形式の問題に対応する力も求められます。
初めて見る文章や問題設定、複数の知識を組み合わせる問題など、普段のワークとは違う状況で考えなければならない場合があります。
そのため、「通知表が良いから入試も大丈夫」とは限りません。
内申を確保する力と、入試問題で得点する力は重なる部分もありますが、完全に同じではないからです。
ここでは、内申点があっても実力がなければ跳ねのけられる問題点をご紹介していきます。
①通知表は「オール5」なのに偏差値が50台の謎
「通知表はオール5なのに、模試の偏差値を見ると50台だった」
一見すると不思議に感じるかもしれません。しかし、これは必ずしも矛盾ではありません。
通知表の評価は、定期テストだけで決まるものではなく、観点別の評価や授業への取り組みなど、学校の評価方法に基づいて行われます。
一方、模試は入試を意識した問題を使い、受験生の中での位置を測るものです。
つまり、両者はそもそも測っているものが完全には同じではありません。
だからこそ、「オール5なのにおかしい」と考えるのではなく、「学校で求められる力は身についている。では、入試型の問題では何が不足しているのか」と分けて考えてみましょう。
定期テストで高得点を取れることは、受験に向けた大切な土台です。
その土台に、初見問題への対応力や記述力などを少しずつ積み上げていけばよいのです。
②高校入試の過去問を解いた瞬間に「手が止まる」現実
定期テストでは90点以上を取っているのに、高校入試の過去問を開いた途端、「何をすればいいのか分からない」と手が止まることがあります。
原因の一つは、問題の形式に慣れていないことです。
学校のテストでは授業やワークで扱った内容が中心でも、入試では初めて見る資料や文章、複数の条件を整理して考える問題が出題されることがあります。
ここで重要なのは、「過去問が解けなかった=学力がない」と決めつけないことです。
むしろ、どこで止まったのかを分析することが大切です。
知識が足りなかったのか。
問題文を読み違えたのか。
解法は分かっていたのに時間が足りなかったのか。
原因によって対策は変わります。
早い段階から少しずつ入試型の問題に触れておけば、自分の弱点を知り、必要な力を補う時間を確保できます。
③推薦や内申点だけで進学校に入ると「高校で挫折」する
高校入試では、地域や学校によって推薦選抜や調査書、評定などが選抜材料として使われます。
そのため、内申点をしっかり取ることは重要です。
ただし、内申点を確保することと、高校入学後に学習についていけることは同じではありません。
とくに、入学後に学習内容が難しくなったり、周囲に高い学力を持つ生徒が集まったりすると、「中学では上位だったのに、急に分からなくなった」と感じる可能性があります。
だからといって、推薦入試や内申点を否定する必要はありません。
大切なのは、入試方式に関係なく、学校の評価とは別に「初見の問題を考える力」を育てておくことです。
中学で高い評定を維持しながら、模試や入試型問題にも挑戦する。
そうして二つの物差しを持っておけば、高校入学後の学習にも対応しやすくなります。
「90点」をゴールにしない!本当の学力は学校の外にも目を向けよう
定期テストで90点を取ることは、もちろん立派な成果です。
ただし、その点数だけで「十分な実力がある」と判断するのは少し注意が必要です。
テストの難易度や平均点、問題の構成によって、同じ90点でも意味は変わります。
大切なのは、90点を取った後です。間違えた問題を分析し、なぜ間違えたのかを確認する。
さらに、初見の問題や少し難しい問題にも挑戦してみる。
そうすることで、学校のテストで得た知識を「本当に使える学力」へと変えていけます。
そして、学校の成績と外部模試などの結果を両方見ることで、今の実力をより客観的に把握できます。
内申点を大切にしながら、入試で必要となる思考力や応用力も育てることが重要です。
「90点だから安心」ではなく、「90点を次の成長につなげる」。
この視点を持つだけで、子どもの学習は大きく変わります。
後編では、学校の点数を全国基準の学力へ変えていく具体的な方法を紹介します。
















