今回は【中学受験を【最高の成長】に変える 自走する子を育てるための下準備】と題し、お話していきます。
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大都市圏はもちろんのこと、地方でも中学受験する子はいます。
もちろん、地方の場合は大都市圏ほどの選択肢はありませんし、同じように語れることはできませんが、子どもにとっては【学校の友達が受験しない中で自分だけ受験する】という孤独な環境に身を置くことになりますし、中学受験のことを良く知らない子が圧倒的に多いので、合否をズケズケと聞いてくる同級生もいます。
ですから、地方は大都市圏とはまた違った中学受験の戦いを強いられます。
一般的に中学受験という言葉を聞くと、多くの人がまず思い浮かべるのは【合格か不合格か】という結果でしょう。
しかし、子どもたちの受験を見ていると本当に価値があるのは、合否そのものだけではありません。
もっと大切なのは、その過程で子どもがどんな力を身につけたか、そしてその力が受験後も回り続ける【エンジン】になっているかどうかです。
限られた期間で知識を詰め込み、指示された勉強をこなすだけでは、受験が終わった瞬間にエンジンは止まってしまいます。
一方で、自分で考え、選び、立て直す経験を積んだ子は、環境が変わっても自分で前に進めます。
中学受験は、その力を育てる絶好の機会でもあるのです。
【やらされる受験】か、【自分で進む受験】か。その分かれ道は、直前期ではなく、もっと手前の下準備にあります。
そこで今回は、中学受験を単なる通過点ではなく、子どもの人生を支える成長の場に変えるために、家庭で意識したい3つの視点を紹介していきます。
『勉強=世界を知る楽しさ』と繋げる
まず、中学受験を最後までやり切れる子と、途中で苦しくなってしまう子。
その差を生むのは、頭の良さや要領の良さではありません。
大きな分かれ目になるのが、【知的体力】が育っているかどうかです。
知的体力とは、長時間机に向かえる力のことではありません。
分からないことに出会っても投げ出さず、【考えることそのもの】を続けられる力です。
受験勉強は、同じような問題を繰り返したり、すぐには成果が見えなかったりする場面の連続です。
その中で、【なぜ学ぶのか】が見えなくなると、勉強は一気に苦行になります。
一方で、知ること自体に楽しさを感じられる子は、多少大変でも踏ん張れます。
知識が増えることを、【点数のため】ではなく、【世界が広がる感覚】として受け取れるからです。
この感覚は、受験直前に身につくものではありません。
日常の中で、勉強と現実世界をどう結びつけてきたかによって育まれます。
ここでは、知的体力を土台から育て、中学受験を【やらされる勉強】ではなく【前向きな挑戦】に変えるための3つの視点を紹介します。
①【体験】と【知識】をリンクさせる
知識が【覚えるだけのもの】になった瞬間、勉強は一気につらくなります。
反対に、体験と結びついた知識は、記憶にも残りやすく、理解も深まります。
中学受験に向けた知的体力を育てるうえで、この【体験とのリンク】は非常に重要です。
たとえば、社会で習う地形や産業も、地図帳や資料集の中だけで完結させる必要はありません。
旅行先で【この川があるから町ができたんだね】と話したり、スーパーで産地を見て【気候と関係あるのかな】と考えたりするだけで、知識は現実と結びつきます。
理科でも同様で、料理中の変化や、身近な植物の成長は、立派な学習素材です。
こうした体験を通じて学んだ知識は、【テストのための情報】ではなく、【自分が見た世界の説明】になります。
この感覚を持てる子は、暗記に追われにくく、理解を深めながら学習を進められます。
体験と知識を結びつけることは、知的体力を内側から強くする最短ルートです。
② 答えのない問いを親子で楽しむ
中学受験の勉強は、どうしても【正解がある問題】を解く時間が増えます。
しかし、知的体力を育てるうえで欠かせないのが、【答えのない問い】に向き合う経験です。
正解が一つではない問いは、考える過程そのものを楽しむ力を育ててくれます。
【もし○○だったらどうなると思う?】【なんでこうなったんだろう?】こうした問いに、すぐ答えを求める必要はありません。
親子で仮説を立てたり、意見を出し合ったりする時間そのものが価値になります。
このやり取りを通して、子どもは【考えていい】【分からなくてもいい】という安心感を得ます。
受験勉強が本格化すると、効率や正確さが重視されがちです。
しかし、思考の柔軟性や粘り強さは、こうした自由な思考の積み重ねから生まれます。
答えのない問いを楽しめる子は、難問に出会っても思考を止めません。
この姿勢こそが、知的体力の中核です。
③【読書】で世界観を広げる
知的体力を育てるうえで、読書ほど効果的な習慣はありません。
読書は、知識を増やすだけでなく、他人の視点や異なる価値観に触れる機会を与えてくれます。
これは、受験勉強が長期化したときの精神的な支えにもなります。
物語を読むことで、子どもは登場人物の気持ちを想像し、背景を考えます。
ノンフィクションでは、知らなかった世界や仕組みに出会います。
こうした経験が積み重なると、【分からないことに出会うのは面白い】という感覚が育ちます。
また、読書量がある子は、文章を読む持久力が高く、問題文を読むこと自体に疲れにくくなります。
これは、国語だけでなく、算数や理科・社会にも大きな影響を与えます。
読書は、直接的な受験対策ではないように見えて、実は知的体力を根本から支える最重要習慣なのです。
自分の人生のハンドルを握らせる
さて、中学受験において、成績以上にその後の伸びを左右するのが【自走力】です。
これは、誰かに言われたから勉強する力ではなく、自分で考え、判断し、行動できる力のことを指します。自走力がある子は、環境や課題が変わっても、自分なりに対応しながら前に進めます。
しかし、受験期はどうしても親や塾が先回りしやすい時期でもあります。
スケジュール管理、教材選び、復習内容まで大人が整えすぎると、子どもは【指示を待つ状態】になってしまいます。
その結果、合格しても燃え尽きてしまったり、中学進学後に伸び悩んだりすることがあります。
自走力は、放っておいて育つものではありません。
同時に、管理や指示で身につくものでもありません。
必要なのは、【自分で決める経験】と【決めた結果を振り返る経験】です。
ここでは、中学受験を通して子どもに人生のハンドルを渡すために、家庭で意識したい3つの関わり方を紹介します。
① 学習計画に【自己決定】の余地を作る
自走力を育てる第一歩は、学習計画の中に【子どもが決められる部分】を残すことです。
すべてを親や塾が決めてしまうと、子どもはこなすだけになり、学習が他人事になってしまいます。
たとえば、【今日は何時間やるか】ではなく、【どの教科から始めるか】【どこまでやるか】を子どもに選ばせます。
選択肢は多くなくて構いません。
2〜3択で十分です。
自分で選んだという感覚が、学習への責任感を生みます。
最初は効率が悪く見えるかもしれません。
しかし、計画がうまくいかなかった経験も、自走力を育てる重要な材料です。
【次はどうする?】と振り返ることで、計画力は少しずつ磨かれていきます。
完璧さよりも、決定の経験を重ねることが大切です。
②【失敗】をデータとして扱う
テストの点数が下がったとき、多くの家庭で感情的な反応が起こります。
しかし、自走力を育てるためには、【失敗】を評価ではなく、情報として扱う視点が欠かせません。
点数は、努力を否定するものではなく、現時点の状態を示すデータです。
【なぜ間違えたのか】【どこが弱かったのか】を一緒に整理することで、失敗は次への材料になります。
ここで大切なのは、責めないことです。
責められると、子どもは分析よりも防衛に意識を使ってしまいます。
失敗を冷静に振り返れる環境があると、子どもは自分で課題を見つけ、改善しようとします。
この姿勢こそが、自走力の核心です。
失敗を【怖いもの】から【使えるもの】に変える関わりが、長く伸びる力を育てます。
③【自分なりの集中スタイル】を尊重する
集中の仕方は、人によって大きく異なります。
静かな場所で黙々と進める子もいれば、短時間で区切りながら集中する子もいます。
自走力を育てるには、【こうあるべき】という型を押し付けないことが重要です。
親ができるのは、環境を整え、試行錯誤を見守ることです。
【この時間帯は集中しやすい】【この方法だと疲れにくい】といった気づきを、子ども自身が言葉にできるよう促します。
自分に合うスタイルを理解している子は、状況が変わっても調整できます。
これは、受験後の学習や将来の仕事にも直結する力です。
集中スタイルを尊重することは、子どもを甘やかすことではなく、自立への準備なのです。
偏差値の先にある『未来』を描く
ところで、中学受験が本格化するにつれ、【偏差値】や【合格可能性】といった数字が、家庭の会話の中心になりがちです。
もちろん、目安としての数字は必要ですが、それだけを追いかけていると、子どもは次第に疲弊していきます。
なぜなら、数字そのものには感情がなく、【なぜ頑張るのか】という問いに答えてくれないからです。
長い受験生活を支えるのは、【この先に何があるのか】という目的意識です。
偏差値は変動しますが、目的がある子は、多少うまくいかない時期があっても踏ん張れます。
逆に、目的が曖昧なまま走り続けると、成績が伸び悩んだ瞬間に心が折れてしまいます。
大切なのは、立派な将来像を描かせることではありません。
【ここで学んでみたい】【こんな人になれたら面白そう】。
その程度の、今の年齢なりの動機で十分です。
ここでは、偏差値の先にある未来を、子ども自身の言葉で描くための関わり方を3つ紹介します。
① 憧れのロールモデルに触れる
目的意識は、頭で考えて作るものではなく、誰かの姿に心が動くことで芽生えます。
中学受験においても、【この学校に行くと、こんな人たちに出会えるんだ】という実感は、大きな原動力になります。
卒業生のインタビュー記事を読んだり、学校説明会で在校生の話を聞いたりすることで、学びの先にある姿が具体化します。
【勉強ができる人】ではなく、【こんなことに挑戦している人】【こんな考え方をしている人】に触れることが大切です。
親が【この学校は将来有利だから】と説明するより、実際の人の姿を見せる方が、子どもの心には深く残ります。
憧れは、【やらなければならない理由】を、【やってみたい理由】に変えてくれます。
それが、受験を前向きな挑戦に変える力になります。
②【なぜこの学校なのか】を本人の言葉で語る
志望校を選ぶ過程で大切なのは、理由の正しさではなく、【自分の言葉で語れているかどうか】です。
親や塾の意見をそのままなぞった理由では、困難に直面したときに支えになりません。
【この学校のどこが気になる?】【どんなところで学んでみたい?】と問いかけながら、少しずつ言語化を促します。
最初は、【雰囲気が好き】【楽しそう】でも構いません。
その感覚を大切にすることが、主体性につながります。
自分の言葉で理由を語れるようになると、受験は【誰かの期待に応えるもの】から、【自分の選択を実現する挑戦】に変わります。
この変化が、学習への粘り強さを生み出します。
③ 家庭を【成績に関係なく愛される場所】にする
目的意識を育てるための最後の土台が、家庭の安心感です。
どれだけ立派な目標があっても、【成績が悪いと価値が下がる】と感じてしまう環境では、挑戦する気持ちは萎えてしまいます。
家庭は、評価の場ではなく、回復の場である必要があります。
うまくいかなかった日でも、努力そのものが受け止められる場所があるからこそ、子どもはまた前を向けます。
【結果に関係なく応援している】というメッセージは、言葉よりも態度で伝わります。
この安心感があるからこそ、子どもは偏差値の先にある未来を、自分のものとして描けるのです。
中学受験は【自立】への最高の練習台
中学受験は、合否という結果だけを見れば、成功か失敗かで語られがちです。
しかし本当の価値は、その過程で子どもがどんな力を身につけたかにあります。
知的体力を育て、学ぶことそのものを楽しめるようになること。
自走力を身につけ、自分で考え、選び、立て直す経験を重ねること。
そして、偏差値の先にある未来を、自分の言葉で描けるようになること。
これらは、受験が終わったあとも一生使い続けられる力です。
親ができるのは、道をすべて整えることではありません。
考える材料を用意し、選択の余地を残し、失敗しても戻ってこられる場所を守ることです。
先回りして正解を与えるより、試行錯誤を見守る方が、子どもは大きく育ちます。
中学受験は、子どもが初めて本気で【自分の人生のハンドル】を握る練習でもあります。
うまくいくことも、思い通りにいかないことも含めて、そのすべてが成長の糧になります。
受験を【結果の勝負】で終わらせず、【自立への最高の練習台】にできたとき、この経験は子どもの人生を長く、力強く支えてくれるはずです。

















