今回は【子どもを潰す前に知りたい 教育熱の正しい使い方】と題し、お話をしていきます。
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ありがとうございます。
【わが子には、できる限り良い教育を受けさせたい】
【将来困らないように、今のうちに学力をつけさせたい】
教育熱の高い親なら、こうした想いを抱くのは当然です。
熱意があるからこそ、情報を集め、教材を整え、学習計画を立てて全力でサポートしようとする。
けれど、その親の理想と子どもの現実にすれ違いが生まれたとき、無意識のうちに子どもを追い詰めてしまうケースを見聞きしたことがある方は少なくないと思います。
私も、そういう話に触れたこともあります。
子どもが親の教育熱についていけず、精神的に追い込まれて不登校になる、色々なことに対してやる気を失うというケースに接したこともあります。
こうした話は、表に出にくいので、【本当に起きるのか】と感じるかもしれませんが、地方都市でも普通に起きてしまう悲しさもあります。
小学生のうちは、親の言う通りに勉強を進め、表面的にはうまくいっているように見えます。
しかし、中学・高校になると、子どもが急にやる気をなくしたり、成績が伸び悩んだり、【もう勉強したくない】と言い出すことがあります。
それは親の教育熱が【プレッシャー】に変わってしまったサインかもしれません。
大切なのは、教育熱そのものを否定するのではなく、その情熱のベクトルや教育熱の向く方向を見直すことです。
そこで今回は、教育熱を持つ親が、子どもを潰すことなく、むしろ伸ばす方向へ力を使っていくための考え方や接し方を、3章に分けて具体的にお伝えします。
教育熱が高い親が陥りやすい落とし穴
まず、教育に対する熱意が高い親ほど、【我が子をなんとしても成功させたい】という思いが強くなります。
早期教育に取り組んだり、良質な教材を用意したり、進学塾や習い事にも積極的に通わせる姿は、親としての責任感の表れでもあり、子どものためという愛情があってのことだと思います。
しかし、どれほど善意からくる行動であっても、方向を誤れば子どもの心や意欲を押しつぶしてしまうことがあります。
たとえば、結果ばかりを重視して努力のプロセスを認めなかったり、子どもの意思や適性を無視して親の思う【正解の道】を一方的に押しつけたり。
教育熱が高いがゆえに陥りやすい落とし穴が、実は子どもの自立心や学びの楽しさを奪ってしまっているのです。
ここでは、特に注意したい3つの典型的な落とし穴を具体的に解説していきます。
親の熱意を本当に意味ある形で子どもに届けるためには、まず【やってしまいがちなこと】に気づくことが出発点です。
①【成果主義】に偏りすぎる
教育熱の高い親ほど、【テストの点が良ければ安心】【結果を出せば成長している】と考えがちです。
確かに数値は客観的な指標として分かりやすいものですが、それだけを評価の基準にしてしまうと、子どもは【点数が取れなければ価値がない】【失敗してはいけない】と感じるようになります。
すると、子どもはオドオドしながら、本来の学びに必要な挑戦や試行錯誤を避けるようになり、型にはまった学習に陥ってしまいがちになります。
結果ばかりを見ていると、子どもは【親に認められるには成果が必要】と思い込み、努力の過程を見てもらえていないと感じるようになります。
これは、長期的に見るとやる気の喪失や自信の低下を招く危険なサインです。
重要なのは、【できたかどうか】だけでなく、【どう取り組んだか】【何を考えたか】に親が関心を向けることです。
評価の軸を結果からプロセスへと少しずらすだけで、子どもは安心して挑戦し、自ら学ぶ意欲を持ち始めます。
②【正しい道】への誘導が過剰になる
【この塾に入れば安心】【この教材をやらせれば合格できる】
そう信じて、最善の道を子どもに与えようとする親の姿勢は、一見すると頼もしく見えます。
しかし、その正しさが常に子どもにとってベストとは限りません。
親が描いた成功ルートをなぞることを強要され続けると、子どもは【自分で考える必要がない】と無意識に感じるようになります。
さらに、子どもの意志が尊重されない環境では、【どうせ何を言っても無駄】と思い、主体性を手放してしまいます。
私も、こういうタイプの子に出会ったことがありますが、親が自分の教育方針に固執してしまうと、子どもは自分で選ぶ力や、責任を持って判断する力が育たず、将来的に進路や人生の選択に不安を抱えるようになります。
親の導きはあくまで参考意見であるべきです。
選ばせる、考えさせる、迷わせる。
そんな経験を積み重ねることが、結果的に子どもを【自分の人生を自分で切り拓ける人間】【迷いながらも自分に合う道を見つける子】に育てる近道なのです。
③【まだ足りない】と常に思ってしまう
教育に力を入れている親ほど、【もっとできるはず】【今のうちに詰めておきたい】と思いやすいものです。
しかし、このまだ足りないという焦りが、子どもにとってはプレッシャーとなり、【もっとやらなきゃいけない】【今の自分ではダメだ】と感じさせる原因になります。
結果として、子どもは学ぶことそのものを楽しめなくなり、勉強が義務や苦行のように感じられてしまうことも少なくありません。
学びには、吸収する時期と整理する時期、そして深める時期があります。
常に前進だけを求めてしまうと、子どもの内面の準備が追いつかず、逆に非効率になります。
スポンジが水を吸うように、子どもが自然に学びを受け入れるには、余白や遊びも必要です。
親が【今のままでも大丈夫】【ちゃんと育っている】と信じる姿勢は、子どもの安心感に直結します。
焦らず、急がず。
これが、潰さずに伸ばすための本当のリズムです。
子どもを潰さずに伸ばすための親の関わり方
さて、教育熱が高い親ほど、【正しいことをしているはず】という確信を持ちやすく、努力や関与の方向性に疑いを持たないことがあります。
しかし、実際には【一生懸命やっているのに、子どもが反発する】【最近、子どもが前向きに勉強しなくなった】といった違和感を覚える場面が少なくありません。
それは、熱意そのものが悪いのではなく、伝え方や関わり方に子どもとのズレが生じているサインかもしれません。
本来、親の関与は、子どもが安心して挑戦し、失敗しても立ち直れる【安全基地】として機能するべきです。
ところが、親の意図が【成果】や【正解】ばかりに向いてしまうと、子どもは評価されることに怯え、挑戦を避けるようになってしまいます。
ここでは、子どもの自発性と学ぶ力を引き出しながら、親として健全な関係を築くための3つの関わり方をご紹介します。
焦らず、でも確実に、子どもの力を潰さずに伸ばすために、今日からできる小さな変化を考えてみましょう。
① プロセスを評価する【声かけ】に変える
子どもが勉強をしたあと、【何点だった?】【できたの?】という声かけをしてしまう方も多いでしょう。
もちろん結果に関心を持つことは大切ですが、それだけでは子どもは【結果が出ないと認められない】と感じてしまい、ミスや失敗を極端に恐れるようになります。
成績が伸びる子は、挑戦や試行錯誤を恐れない耐性が備わっています。
その土台を作るのが、親からのプロセス重視の声かけです。
【今回は難しい問題に挑戦したんだね】【考え方が前より工夫されてきたね】など、結果以外の努力や工夫、成長ポイントを言葉にして伝えることが、子どもにとっては何よりのモチベーションになります。
努力が見えているという実感は、自己肯定感を育て、次も頑張ろうという前向きな気持ちにつながります。
子どもを潰さずに伸ばす第一歩は、結果ではなくプロセスを見つめることから始まります。
② 【選ばせる】ことで自主性を育てる
親が善意で全てを決めてしまうと、子どもは【自分で考えなくていい】と無意識に思い込んでしまいます。
これは長期的に見ると危険な状態です。
将来、進路やキャリアを自分で切り開く力は、【自分で選んで決めた経験】の積み重ねで育ちます。
だからこそ、小学生のうちから選ぶ場面を意図的に作ることが大切です。
たとえば、【今日は漢字と読解、どちらを先にやる?】【この2つの問題集、どちらがやりやすそう?】というふうに、小さな選択肢を与えることで、自分の意志で動く感覚が身につきます。
自分で決めたことに対しては、子どもも責任感を持ちやすくなり、取り組む姿勢も変わってきます。
親は【すべてを教える指導者】ではなく、【伴走者】として子どもに関わる態度が、主体性ある学びを育てるカギとなります。
③ 【安心できる場所】であることを優先する
子どもが本当に伸びていくためには、まず【心が安定していること】が何より重要です。
外の世界では、学校や塾、友人関係など、子どもなりにたくさんのストレスやプレッシャーにさらされています。
だからこそ、家庭は安全基地であり、心を整える場所でなければなりません。
勉強がうまくいかなかったときや失敗したときに、【どうしてできないの?】【ちゃんとやったの?】と責めるような言葉が続くと、子どもは家でも気を張り、気持ちを開かなくなります。
それよりも、【失敗しても大丈夫】【ここに戻れば安心できる】と感じられる環境が、子どもの挑戦を支える最大の土台になります。
【家でも頑張らないといけない】ではなく、【家では、安心して何度でもやり直せる】と思わせること。
それが、本当の意味での潰さない子育てなのです。
教育熱を【力】に変える3つの視点
ところで、子どもの将来を真剣に考え、学びの環境を整えようと努力する親の教育熱。
その熱意自体は、決して悪いものではありません。
むしろ、子どもが学力を伸ばす上で、親の関心と支援は非常に大きな力となります。
しかし、その熱意が【焦り】や【不安】に変わり、過度な干渉や期待となってしまうと、子どもは重圧を感じ、学びへの意欲を失ってしまうことがあります。
では、親の教育熱を【押しつけ】や【プレッシャー】ではなく、子どもを支える【力】に変えるには、どのような視点を持てばよいのでしょうか。
実は、少し視点を変えるだけで、教育熱は子どもの学力や自立心を後押しする大きなエネルギーへと転換されます。
ここでは、親の教育熱をポジティブな推進力に変えるために必要な3つの視点を紹介します。
今の関わり方を根本から見直し、親子で成長を実感できるような関係性へと変えていくためのヒントを、一緒に考えていきましょう。
① 短期結果ではなく長期的な成長を見る
子どもが小学生や中学生のうちに出すテストの点数や模試の偏差値は、たしかに目安にはなりますが、それだけで将来の可能性を判断するのは早計です。
短期的な結果に一喜一憂してしまうと、目先の正解を追う勉強に偏り、子ども自身の【考える力】や【学ぶ姿勢】が育ちにくくなります。
大切なのは、【今、何ができているか】よりも、【今、どんな姿勢で取り組んでいるか】です。
仮に間違えたとしても、自分なりに考え抜いて答えを出した経験は、確実に思考力の土台になります。
そうした姿勢を親が認めることで、子どもは失敗を恐れずに学びに向かうようになります。
教育熱があるからこそ、短期的な成績ではなく、3年後・5年後も自ら学び続けられる力をどのように育てるかということも親は考えるのが理想的です。
すなわち【学びの自走力】を育てる視点が必要です。
ゴールを【今の成績】から【将来の学び】へと少し先に置くことで、子どもへの関わり方が柔らかくなり、より本質的な力が育っていきます。
② 子どもをプロジェクトではなく人格として扱う
熱心な親ほど、子どもの教育を【成功させなければならないミッション】として捉えがちです。
良い学校に入れて、良い成績を取り、良い大学へ導くことが親としての責任だと考える方も多いでしょう。
しかし、子どもは計画を実行するプロジェクトではありません。
一人の意思と感情を持った人間です。
もし親の教育熱が【こうしなさい】【これが正しい】と一方的に押しつけられるものになっているなら、それは子どもの人格を軽んじる関わり方になってしまっている可能性があります。
本人の意思が無視されると、子どもは表面的には従っても、内面では反発や無気力を感じてしまいます。
大切なのは、親の理想に子どもを合わせるのではなく、子どもの歩幅に親が一度合わせてみること。
すると、今まで見えていなかったその子なりの強みや成長のサインが見えてきます。
【管理】ではなく【理解】へ。
これが、子どもを潰さずに伸ばす本質的な関わり方です。
③【親も成長する】という視点を持つ
教育熱を子どもの成長に正しく活かすために最も大切なのが、【親も学び、変化する存在である】という視点です。
多くの親は、【子どもにとって良い環境を与えるべき】【正しい方向に導くべき】と感じていますが、それがプレッシャーや正解探しになってしまうことも少なくありません。
親が【完璧であろう】とする姿勢は、家庭の中に緊張感を生み、子どもに【失敗してはいけない】という無言の圧力を与えます。
むしろ、【親も失敗する】【一緒に考える】【わからないことは学び直す】といった柔軟な姿勢のほうが、子どもにとっては安心感と信頼につながります。
親も成長する存在であると子どもに伝われば、子ども自身も【学ぶことは一生続けていい】【間違えても立ち直っていい】と自然に受け止められるようになります。
教育熱を正しい形で活かすために、まず親が心をほどき、【一緒に育つ仲間】としての関係性を築いていくことが、何よりも大きな財産になります。
教育熱は諸刃の剣 本当に伸びる子に育てよう
教育熱が高い親は、子どもの未来を本気で願っているからこそ 、不安にもなりやすい面もあります。
しかし、その熱意が管理や干渉に変わると、子どもはプレッシャーに押しつぶされ、自ら考え、学ぶ意欲を失ってしまいます。
子どもが自立的に学び続けられるようになるには、親の関わり方に【信頼】と【余白】が必要です。
点数や結果を一時的に追うのではなく、日々の小さな挑戦や、失敗の中から学ぼうとする姿を認め、励ますこと。
それが、教育熱を応援の力に変える最大のカギです。
【信じて見守る】というのは、何もしないことではありません。
子どもの成長を焦らず、諦めず、見届ける覚悟を持つことです。
その姿勢があってこそ、子どもは安心して失敗し、試行錯誤しながら本当の意味で【伸びる子】に育っていきます。