今回は【本当に放任なの?優秀な子が育つ家庭にある目に見えない仕掛け】と題し、お話をしていきます。
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ありがとうございます。
親がもの凄く教育熱があるという風には見えないけれど、子どもが学年でもトップクラスの優等生、そんな親子に出会った方はいると思います。
そして、【うちは放任主義なんです】と語るママ友を前に、違和感を覚えたことのある方もいることでしょう。
成績も良く、何事にも意欲的に取り組むその子の姿を見ると、【本当に放任なのだろうか?】と感じるのも無理はありません。
これは大人だけでなく、親の井戸端会議に付き合わされている時に耳にする【うちは何もしていなくて】と口にする賢い子の親のことを、【本当に何もしていない】と受け止める子と同じだと思います。
私も、小学生の時に友達のお母さん同士がそういう話をしているのを耳にするたびに【ウソを言っている】と感じていました。
何もしない親の下で成長すると、どう育つかは身をもって知っていたのと、友達が勉強しているのを聞いていたので【あんなことを言っているけれど宿題をするよう促したりドリルを買って勉強させている】と思いながら井戸端会議を聞いていました。
実際、教育現場や家庭を観察していると、放任に見えるけれど、実はしっかりとした土台づくりがされている家庭が少なくありません。
子どもが自分から机に向かい、好奇心をもって学びを深めていく背景には、目には見えない親の関わり方があるのです。
もちろん、手取り足取り教えているわけではありません。
しかし、【自分で考える】【自分で決める】【失敗してもまた挑戦する】といった自走力は、日々の家庭の習慣や空気の中でじっくり育まれているのです。
そこで今回は、【どうすれば子どもが自ら学ぶようになるのか?】をテーマに、3つの視点、
①放任と自律のちがい
②好奇心を学びに変える家庭の習慣
③自走力を育てる声かけと環境づくり
を通して、家庭でできる具体的な工夫をご紹介していきます。
子どもに【やらせる】から、【自分でやる子】に育てるヒントを、ぜひ見つけてください。
【放っておいても勉強する子】の違うところ
まず、子どもが自分でやるように見える家庭の実態を考えてみてください。
【うちは何も言っていないのに、子どもが勝手に勉強するんです】と言う親はまぁまぁいます。
そのセリフを聞いて、【うちは何度言っても机に向かわないのに・・・】と焦る保護者も多いはずです。
しかし、その【放っておいてもやる】ように見える子どもたちも、実は偶然そうなったわけではありません。
勉強を自分ごととして捉えられるようになるには、家庭の中で自然と育てられた【自走力】があります。
自走力とは、自分で考え、自分で選び、やり抜く力。
この力は、簡単に手軽に身につくものではなく、日々の習慣と環境の中で少しずつ育てられていくものです。
低学年のうちは【宿題やったの?】【そろそろやろうか】と親が声をかける役割を担うことも必要ですが、常に親が管理していては、子どもは与えられたことをこなす受け身の姿勢になりがちです。
一方で、自走する子の家庭では、【そろそろやった方がいいんじゃない?】といったヒントを与える程度にとどめ、判断や行動は本人に任せていることが多いのです。
つまり、【放任】に見えるのは、実は信じて任せている結果であり、裏では日々の小さな積み重ねがあるのです。
そして、成績上位の子どもが育つ家庭には、はっきりとしたルールがあるわけではなくても、【なんとなく当たり前】になっている共通項があります。
これを見えない家庭ルールと呼ぶとすれば、そこにはいくつかの特徴があります。
親が【勉強しなさい】とは言わないけれど、家の中に勉強や読書が自然とある。
テレビやスマホの利用時間には暗黙の制限があり、時間の使い方にメリハリがある。
子どもが何かに興味を持てば、それを深掘りする会話や本を用意する。
そういった環境が、結果的に学びを肯定する空気を家庭に作り出しています。
また、会話の中に【今日の授業、どこが面白かった?】【先生、どんな話してた?】といった学びに関する話題が自然に出てくる家庭では、子どもも自分の学習を意識的に振り返る機会が増えます。
これは【勉強しなさい】と命じられるよりもずっと効果的です。
家庭に流れる学びの空気は、言葉ではなく日常の中ににじむものです。
これが子どもにとって、【学ぶこと=自然なこと】だという感覚を作り上げています。
子どもの勉強への向き合い方を考えると、親としては、【やるべきことはちゃんとやってほしい】と思うのが当然です。
つい【早くやりなさい】【宿題終わったの?】と口を出してしまいます。
しかし、こうした命令や監視は、子どもの内発的動機を奪ってしまう可能性があります。
内発的動機とは、【自分がやりたい】【自分のためにやる】という意識のことです。
これがあると、学びは自分の意思で続けられ、困難があっても投げ出さずに向き合うことができます。
逆に、外からの命令や強制が続くと、【やらされ感】が育ち、学びが嫌なことになってしまいます。
そこで重要になるのが、親の役割を【管理者】から【伴走者】へと変えることです。
そのシフトチェンジ
勉強のすべてをチェックするのではなく、【何をどうやるか】を子どもと一緒に考え、【困ったことがあれば相談してね】というスタンスで接することで、子どもは自分の判断で動く練習を積んでいけます。
自律性を尊重された子どもは、自分で時間を管理し、計画し、振り返る力を少しずつ身につけていきます。
そしてこの積み重ねが、中学・高校と進んでも安定して成績を維持できる学びの土台となるのです。
このように、【放っておいても勉強する子】には、決して偶然ではない育ち方があります。
好奇心を【学び】に変える家庭の習慣
さて、子どもはもともと、驚くほどの好奇心のかたまりです。
虫を見ては立ち止まり、家電の仕組みに首をかしげ、友達との会話から不思議に思ったことを、ポロリとつぶやく。
この【なぜ?】【どうして?】という疑問が、学びの原点です。
しかし、親が忙しかったり【そんなの知らなくてもいい】と軽く流してしまったりすると、その芽は静かに摘まれてしまいます。
子どもの問いに真正面から応える必要はありません。一緒に調べたり、【お母さん、お父さんもわからないから一緒に見てみようか】と共に探究する姿勢を見せるだけで十分です。
それだけで、【わからないことを知ろうとする】ことが、自然な行動として根づき始めます。
そしてここで大切なのが、【この興味は勉強と関係あるのか?】という線引きをしないことです。
学校の勉強に直結していなくても、自由に疑問を広げる経験こそが、あとから大きな学びの土台になります。
【知りたい】と思う力が、教科学習の吸収力を何倍にも高めてくれます。
誰しも、勉強という言葉から連想するのは、教科書やドリル、宿題などが思い浮かぶと思います。
しかし、子どもにとって学びの入口は、もっと身近で多様です。
図鑑やマンガ、YouTubeの解説動画、家族との何気ない会話。
これらすべてが、【知りたい】を刺激する材料になります。
たとえば、虫が好きな子は図鑑を読み漁り、実際に虫取りに出かける。
これが理科の探究心へとつながります。電車好きな子は路線図を覚えたり、車両の仕組みを調べたりする。これは物理や地理の基礎知識へと展開していく可能性があります。
重要なのは、親が【それって面白いね】【もっと知りたいね】と受け止め、広げるサポートをすることです。
あくまで主導権は子ども。
親は【きっかけに気づき、学びにつなげるナビゲーター】という意識を持ってください。
この遊びの中の学びが積み重なると、子どもは【好きなことを突き詰める】習慣を手に入れます。
これは教科書的な知識の枠を超え、自分から問いを立て、深く考える【学習のエンジン】を育てることに他なりません。
子育てをしていると、子どもが何かをしたとき、親がすぐに評価やアドバイスをしてしまう場面は多いものです。
【この絵、上手に描けたね!】【これ、こうすればもっといいよ】などもそういう類なものです。
しかし、自走する子どもを育てるには、評価よりも【問いかけること】が圧倒的に重要です。
たとえば、【どこが一番楽しかった?】【どうしてそう思ったの?】【やってみてどうだった?】などの質問は、子どもが自分の行動を言語化し、振り返り、次の行動を考えるきっかけになります。
これこそが【思考力】の正体です。
ポイントは、正解を引き出すのではなく、考える過程に価値を見出すこと。【それでいいの?】ではなく、【あなたはどう思う?】という姿勢を親が持つことで、子どもは安心して自分の考えを話すようになります。
家庭の中で、【答えを探す】だけでなく、【考えることを楽しむ】時間を意識的に増やす。
それは短時間であっても効果的で、思考の習慣が確実に積み上がっていきます。
このように、子どもの好奇心を無理に勉強に押し込めようとせず、自然な興味を尊重しながら広げていく関わりが、自主的に学ぶ力の土台を作ります。
知的探究を日常の一部として歓迎する家庭こそ、子どもが【学ぶことを好きになる】最良の場になります。
自走する子に共通する【自律性】をどう育てるか
ところで、親が安心して子どもに任せる前に、【任せられる環境】を整えることが大切です。
【自分で考えて行動できる子に育って欲しい】、そう願う親は多いですが、その前に大切なのは、子どもが任される準備ができているかどうかです。
いきなり【今日の勉強は自分で決めなさい】と言っても、どうしてよいか分からない子は多いものです。
丸投げされた子どもの気持ちを考えてみてください。
何も分からず、ただ時間が過ぎていくだけになります。
だからこそ、自律の力は小さな経験の積み重ねから育てていく必要があります。
たとえば、家庭で【今日は何時から宿題を始める?】【どの教科からやりたい?】と、子どもに選ばせる場面を作る。
たったこれだけでも、【自分で決める】【自分で動く】経験になります。
そして、選んだことを最後までやり遂げるサポートを、親が無言で寄り添いながら行うことで、徐々に任せられる力が育っていくのです。
また、失敗したときにどう受け止めるかも大切です。
計画通りに進まなかった、忘れてしまった、というときに責めるのではなく、【どうしたら次はうまくいくかな?】と一緒に考える姿勢を持つ。
そうしたやり直しの体験が、【失敗してもやり直せる】という自己肯定感と、行動修正の力につながります。
子どもに任せるとは、見放すことではありません。
自律性を育てる第一歩は、日々の小さな選択と、その選択を尊重する家庭の姿勢にあります。
そして、自走力のある子に育って欲しいと思う中で、勉強以外にも語彙力や読解力を鍛えるために本を読む子になるよう色々としてきたけれど、結局成長してから思うようにいかず、【子どもに本を読んでほしいけれど、読まないんです】と嘆く親は多いものです。
しかし、子どもは親の言葉より家庭内の雰囲気から多くを学ぶことがあります。
つまり、親が何をしているか、何に関心を持ち、どんな行動をしているかを、子どもは敏感に見ています。
読書、新聞、調べもの、勉強会やセミナーへの参加など、親自身が学び続けている姿を日常の中で自然に見せること。
それが、子どもにとって【学ぶことは当たり前で楽しいもの】という価値観をつくる土台になります。
たとえば、親が食卓で【この前海外のサイトでこんな面白い記事を読んでね】と話すだけでも、子どもは【海外のサイトも見るのも楽しそう】と受け取ります。
無理に勉強させるのではなく、親が学びに関心を持ち、楽しんでいる空気を家庭に漂わせることが、何よりの教育です。
親も学び続ける家庭は、子どもにとって【問いを持ち、深めていくこと】が当たり前の価値観になります。
それは、学びを受け身ではなく、自らの意志で進めていく自走力の根本です。
ただ、自走力を鍛えようと思っていても、子どもが何かに取り組んだとき、【やったの?】【終わったの?】という声かけをしてしまいがちです。
しかし、こうした確認型の言葉は、行動の質や思考を深めることにはつながりません。
それどころか、子どもをやらされ感に追いやる要因にもなります。
そこで大切なのが、【どうだった?】【難しかったところはどこ?】【やってみてどう思った?】といった、振り返りを促す問いかけです。
こうした言動を日常的にしていると、子ども自身が学びのプロセスを意識し、自分なりに価値づけする機会になります。
また、成果よりもプロセスを褒めることが、挑戦する意欲を育てます。
親からの【よく最後まで考えたね】【時間かかったけど、工夫してたね】といった言葉は、結果に左右されない学びの姿勢を肯定するメッセージになります。
親の声かけひとつで、子どもは【やらされる勉強】から【自分で価値を見つける学び】へとシフトしていきます。
そうなったとき、学びは他人の期待に応える行為ではなく、自己実現の手段として輝きはじめるのです。
【放っておいてもできる子】に見える子どもたちは、実は家庭の中に目立たないけれど確かな仕掛けが存在しています。
親が過干渉せず、けれど放置もせず、日々の小さな関わりの中で、子どもの自律性を丁寧に育ててきた結果です。
自走する力の土台には、【好奇心】【考える力】【自己管理力】の3つがあります。
そしてこれらは、命令や強制で植えつけるものではなく、親の言動や家庭の雰囲気から育っていくものです。
教えすぎず、でも無関心にならず、子どもの意思や選択を尊重し、失敗を一緒に振り返る。
そんな静かな応援を続ける親こそが、子どもを本当の意味で自立へ導いています。
すぐに結果を求めず、子どもが動き出すのを信じて待てること。
それこそが、最も深い愛情であり、最大の教育なのかもしれません。