【教育小噺】成績が上昇気流の時の注意点 | 元塾講師 透明教育ママ見参!!

【教育小噺】成績が上昇気流の時の注意点

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今回は【成績が上昇気流の時の注意点】と題し、お話をしていきます。

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ありがとうございます。

 

勉強を頑張るぞと学習量を増やし、結果が出てきても気を引き締めて今の状態をキープするようさらに集中力を高めていく、基本問題だけではなく応用問題にもチャレンジするなど意欲的になってくる、という子どもの姿を見ると、頼もしさを感じると思います。

『頑張っているな』と親として思うというのは子育て冥利に尽きる、と言ってもいいでしょう。

親にとってはまさに理想的な姿ですが、現実はそんなに簡単に『理想的な子ども』になるわけではありません。

せっかく成績が上昇気流になってきていても、ちょっとした気の緩みで元通りに戻ってしまう危うさがあります。

勉強に限らずスポーツや芸術などどんなジャンルでも『上手くなろうと頑張って、上手になったと感じて努力を辞めれば振りだしに戻る』になります。

家族や友達とやっているサイコロゲームで『振りだしに戻る』のマスにとまり、スタート地点に戻っても、精神的ダメージはさほど大きくはありません。

しかし、現実世界で『努力していても怠け心が出たので残念ながら最初からやり直しになりました』となってしまえば、再起を誓う気持ちがなかなか湧いてこないでしょう。

また同じような努力をしないといけないというのは、かなりキツイことです。

調子のいい時こそ用心しないといけないと昔から言われていますが、勉強を頑張って成績が上がるという結果が出てからの向き合い方がその後の成績がどのように推移していくかを決めます。

 

実際、我が家の子ども①はガツンと勉強して結果が出たら、一気に学習量を減らして定位置に戻るということを繰り返していました。

その間に、神童さんや塾の仲間たちは地道に勉強を続けて多少なりとも停滞期も挟みながら学力を鍛えていました。

子ども①が慌てて勉強しても、気がついた時には神童さんとの距離がかなり広がっていて、もはやどうにもならないまま高校受験を迎えてしまいました。

志望校には合格しましたが、最上位層に手が届く瞬間があったのにそれを掴み取れなかったことを子ども①は大いに悔やんでいます。

 

『自分はできる』と怠け始めるのをストップ

良い点数を取ると、『次のテストも頑張る』『もう少しできたな』という、さらに努力しないとと思う子もいれば、『自分はここまでできた』『自分はできる子』と現状に満足してしまう気持ちが大きくなる子もいます。

塾で仕事をしている時、テストの結果が良くなり親からも褒められて『自分は頑張った』と完結したように受け止めてしまう子がいました。

『頑張った』となると次の目標に向けてさらなる飛躍を目指すという気分にはなかなかなりません。

その生徒の様子を見て『ちょっと大丈夫かな』と心配していたのですが、案の定、一度プツリと切れた緊張感、勉強への意識は元に戻らず、次のテストではいつも通りの成績となってしまいました。

その子には『成績が良い子の行動を見ていると分かると思うけれど、彼ら彼女たちの学習時間の変動はほぼない』ということを話しました。

コンスタントに勉強する習慣が身についているので、成績を落とすこともありませんし、成績をキープするにも勉強の継続は不可欠です。

 

自分はできると思い込んでしまうと、勉強しなくても成績がキープできると勘違いする子は一定数います。

我が家の子ども①はまさにそういうタイプで、何度も痛い目に遭った末にようやく中学2年の冬頃、もう受験学年になる直前になって『このままではいけない』ということに気がつきました。

正直、気がつくのが遅いとは思いましたが、高校受験まで1年あったというタイミングでしたのでなんとか志望校には滑り込むことができたのは幸いでした。

怠け始めると本当にあっという間に成績が下がり、元の位置に戻ってしまいます。

結果が出ても『自分はできる』と変な方に勘違いせず、努力の継続がとても大切だということを子どもに話をしてください。

 

一度痛い目に遭って目を覚まさせる

勉強を頑張るのは子ども本人の努力、意志の強さのおかげです。

ただ、『ここまでやった』という思いが日増しに強くなると人間なので甘えや、油断することもあります。

油断するとどんなことが起きるでしょうか。

まず、『今日はちょっと勉強を休んでも大丈夫だろう』という気持ちが出てきます。

『明日やろう』と先延ばしすることが増えてきます。

運動のトレーニングと同じように、継続して取り組んで現状をキープ出来ます。

つまり、今の成績を維持するためには努力を続けることが必要であり、成績をさらに上げるにはもう少し努力のレベルをアップすることが求められます。

レベルアップとは、学習量を増やすことや使用する教材のレベルを応用的なものにすることなどです。

ですから『最近頑張っているし、今日はいいや』と勉強しない日が増えていくと成績維持するのが難しくなり、気がついたら元の成績、これまでの校内順位と同じ場所に戻ってしまうという笑えないことが起きてしまうのです。

 

油断大敵という言葉があるように、せっかく努力を重ねて結果が出てきたのにちょっと楽をしようとすると怠けるとこれまでしてきたことが水の泡になってしまいます。

親は油断している子どもの様子を見て心配し、小言を言いたくなりますが、これは経験しないと子どもの方は自覚しません。

私も怠けて油断している子どもの様子を見て『痛い目に遭わないと分からないだろうから黙って見ていよう』と心に決めて静観を決めていました。

結果が見えているのに口出ししないというのはなかなか辛いものがありますが、心を鬼にして『目を覚ますまで待つしかない』と見守っていました。

案の定、テストの結果が散々で慌てて勉強し始めるタイミングで、成績が上がってからの学習量の変化や日頃の言動を指摘して子どもと『どうすれば油断せずにいられるか』という話をしました。

そして、子どもが油断する、怠けるのを親が全力で先回りをして阻止するより、一度は『学習量を減らして怠けたらどうなるのか』を経験させたほうが子どもも『二度としない』と心に誓うようになります。

 

上には上がいるとライバルを見つける

成績が上昇気流に乗ると、意識する同級生の顔ぶれも変わっていきます。

上に上がれば上がるほど学年や塾でも有数の優等生が競争相手になります。

スポーツや芸術の分野でも切磋琢磨できるライバルの存在が『よし、頑張るぞ』という気持ちを引き出します。

格下の子と自分を比較する子は成績が停滞しがち、または下がっていきます。

子どもが同級生の中でも自分よりも成績が低い子を気にする、比較する傾向がある時は『成績を上げたいなら自分と同じか上の子を意識しなさい』と話をしてください。

成績が良くなってきても、まだまだ上には上がいます。

最上位層がどのくらい賢いか分からない時は、優等生と仲良くなると『このくらい賢い』というのが分かってきます。

成績優秀な子どもたちは話が合うので、自然と仲良くなり、最近のテストの結果などを話したりします。

子ども①②の周囲でも、自分の学力と同程度の子や勉強を頑張っている子とだけはテストや勉強の話をする神童さんや学力上位層の子がいます。

 

最上位層のレベルを知るには自分もその立ち位置に近づく、仲良くなるのが手っ取り早いです。

もちろん、そこに到達するには努力も必要ですし、口で言うほど簡単なものではないでしょう。

ただ、自分よりも上の子、自分よりも努力している子をライバルにすることで自然と引っ張られていきます。

我が家の子ども①②も自分たちよりずっと成績の良い子を目標にして、引っ張られるようにして勉強に取り組んでいます。

持つべきものはライバルです。

また、神童さんと仲良くなり気後れすることなく彼ら彼女たちの日頃の努力を垣間見ると、『元々スゴイ子もこれだけのことをしている』という事実を知り、自分の甘さを自覚します。

自分よりも上の子を気にするということは子どもを謙虚にするなど、良い影響力があるので『ライバルを見つける』ということはとても重要です。

そして勉強を頑張り、成果が出てきた時に子どもがどのような気持ちになるかでその後の成績の推移は変わっていきます。

そのことを頭に入れながら、子どもの勉強の取り組み方や成績の変動を注意深く見守っていきましょう。

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