【教育小噺】高校受験は人生の分岐点 使用する教科書はかなり違います | 元塾講師 透明教育ママ見参!!

【教育小噺】高校受験は人生の分岐点 使用する教科書はかなり違います

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今回は【高校受験は人生の分岐点 使用する教科書はかなり違います】と題し、お話をしていきます。

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ありがとうございます。

 

中学受験は大都市圏で激アツ状態ですし、地方でも公立中高一貫校があるので中学受験をする小学生は一定数います。

とはいえ、全国的には高校受験が人生で初めての受験という子が圧倒的に多いです。

小学校と中学校は基本的には住んでいるエリアにある学校に自動的に進める義務教育期間ですが、その先の進学は受験が避けられません。

ですから、地方でも高校受験を見据えて小学校高学年や中学生になってから塾に通う子が一気に増えます。

それでは高校受験はどのような基準で受験校を決めていくのかと言えば、まず大きな軸となるのが偏差値です。

各自治体で公立高校入試に特化した模試が存在していると思いますが、中学生になり、その模試を受けて志望校判定や自分の偏差値、そして志望校の中でどのくらいの立ち位置なのかが分かります。

志望する高校の合格者の平均偏差値やこの偏差値をとれれば合格する可能性80%、60%といった具合に高校と自分の学力差、というのもを子どもは把握することができます。

このように偏差値の序列があり、その偏差値に近づける、超えるよう受験生は勉学に励んでいきます。

高校受験はその先の進路がどのようなものになるのかがほぼ決定する非常に大切な受験です。

 

つまり、大学進学者が100%の高校もあれば、大学進学者と専門学校への進学者がいる高校、大学進学者は限られていて専門学校への進学者や就職する生徒の割合が高い高校があったりと、どの高校に入るかで卒業後の進路が分かります。

そして、在校生の進路進学に合わせて授業内容や使用する教科書も学校により異なります。

 

教科書が学校により違うのを知らない子もいる

義務教育である小学校と中学校では使用する教科書会社は自治体の教育委員会が決めていますが、どの教科書も文部科学省の認定を受けて、学習指導要領に沿った内容で難易度も偏ることなく同じです。

しかし、受験をして進学する高校では使用する教科書は各学校の在校生のレベルに合わせるように選ばれています。

大学受験する生徒が100%という進学校では、上位層は東京大学や京都大学、国公立大学の医学部医学科、旧帝大を受験する子がいるので、受験して合格できるレベルの教科書を使用して授業をする必要があります。

生徒のニーズにそった教科書を選んでいる、ということです。

これが大学進学者がそこそこ多いけれど知名度の高くはない地元の私立大学への進学者が大多数を占めている学校や、大学進学者と専門学校に進む生徒が半々という学校になると、そこまで高いレベルの教科書は必要ありません。

また、共通テストを受ける子も限られているので、東大合格者を毎年輩出している高校と同じ教科書は在校生のニーズに合わないです。

 

しかし、高校によって使用する教科書のレベルが違うということを理解していない子もいます。

私が塾で仕事をしている時に偏差値50半ばの高校に進学した高校生が、高校2年生になるタイミングで塾に再び入会しました。

理由は【国公立大学に進学したい】というものですが、正直ちょっと厳しいかなと思いました。

なぜなら、授業で使用している教科書がいわゆる進学校のものとはレベルが違い過ぎたからです。

毎年国公立大学や有名私立大学への進学者を出している偏差値65の高校の子も何人か塾に通っていたので、教科書を借りて比較したのですが、その差は歴然でした。

偏差値50半ばの生徒と一緒に教科書の違いを見て、流石にその子も何かを感じ取り、一言『こんなに違うものなのですね・・・』とポツリと呟いていました。

 

教科書が違うことの意味を理解する

教科書のレベルが違うということは、たとえ同じ単元であっても授業で学ぶ深みが異なります。

定期テストの問題の質も違います。

最難関大学を受ける子、そして合格者を毎年のように出している高校と偏差値65の進学校では大半の生徒が共通テストを受けるので、使用する教科書のレベルが大きく違う、ということはありません。

しかし、偏差値50半ばの高校となると差は歴然で『国公立大学を目指したいです』と言われても学校の授業だけではカバーしきれないのは目に見えています。

共通テストに出るレベルの問題が解けるように塾の力を借りながら自力で頑張るしかありません。

ただ、英語や数学、国語、理科や社会と多岐にわたるためその差を埋めるのは極めて困難です。

もし大学進学を考えているのであれば、各学校の進路実績をしっかり調べてください。

『この高校なら子どもが志望している進路に進める』というのを知っていれば、高校受験で受ける高校を適当に選んだりしないはずです。

 

意外と学校によって使用する教科書が違うということを知らない子は多いです。

偏差値50半ばの高校に入った生徒も、学校によってこれほどの違いがあるとは思っていませんでした。

私も高校生の時に、定期テスト勉強で図書館に立ち寄ったときに中学時代の同級生に会った時に学校による授業内容の違いを痛感しました。

その同級生は偏差値40程度の高校に進学しており、『自分も定期テスト勉強で友達と図書館に来た』と言って、テストで出るという英語のワークを見せてもらったところ『red』『apple』という英単語が書かれており、かなりの衝撃を受けました。

中1内容が出るから勉強も楽だとその同級生は嬉しそうに話してくれましたが、私は『こんなに違うのか』とただただ驚くばかりでした。

その時に学校によって教科書が違うということを知った訳ですが、他の学校の子とそういう風に教科書を持っている状態で会わない限り、その事実に気がつかないと思います。

 

そうした現実を知らないまま高校生活を送り『家計のために国公立大学を目指す』と思っても、蓋を開けたら全く模試等が歯が立たないということに直面して、『この高校から国公立大学を目指すのは奇跡に近いのか』と理解するに至るわけです。

 

高校受験で受けられる高校の幅は小学校高学年で決まる

子どもの進路進学で、そんなに簡単に合格することができない大学への進学を少しでも考えているのであれば、小学生の頃からしっかりと家庭学習の定着をして『勉強する子』に育てることが必要です。

なぜなら、概ね小学校高学年の学力で進学する高校の偏差値、高校のレベルが決まってしまうからです。

塾で仕事をしている時も『小学生の頃に子の学力の子はあの辺りの高校に受かる』という未来予想を立てることができました。

私の一番上の子が2024年の春に高校に進学しましたが、その際も学区の小学校の同級生の進学先と小学生時代の学力グループはリンクしていました。

もちろん、中には努力をして『あの高校に入ったなんてスゴイね』という同級生もいましたが、それも一人二人程度で、子どもと二人で『小学校の学力がそのまま高校受験でも受け継がれるなんてちょっと怖い』という話をしました。

そのくらい、私たちが思う以上に早い段階で進学できそうな高校のレベルが決まってしまうので、それを踏まえて小学生時代を『まだまだ小学生』と思わずに大切に過ごしてください。

小学生だけれど高校受験も意識しておくという心構えでいると、子どもが実際に高校に入ってから進学で悩むということを最小限に抑えることが出来ます。

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