今回は【元塾講師で3児のママが伝授 子どもの反抗期との向き合い方】と題し、お話していきます。
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子育てをしていると子どもの成長に喜ぶこともあれば、なかなかキツイなと感じることもあります。
『キツイな』と思うなかにはイヤイヤ期などもありますが、その中でもとくに親にとって大変であり、子どもにとっては子どもから大人への階段を登り始める頃に起きるのが反抗期です。
子どもにとっては自我が芽生えて、親離れのきっかけになります。
ただし、反抗期というのはほとんどない子もいれば、激しく出る子もいます。
しかも、小さい頃に『この子は反抗期がキツイかな』と予想するのが難しく、まさに出たとこ勝負です。
親としては色々と試される時です。
私は他の人に比べるとけっこうハードな反抗期でしたので、ある程度の反抗期を受け止めることは出来るとは思っていました。
それで、子ども①②が反抗期に入り接してみましたが、覚悟を決めていたけれどそれなりにシンドかったです。
真正面から受け止めると覚悟を決めていたので何とかなりましたが、事前に『よし、がんばるぞ』と思っている人はほとんどいないと思います。
しかも、親自身が反抗期がほどほどであったり、ほとんどないと『なにこれ?!』と衝撃を受けるはずです。
嵐が突然起きて、どうすればいいのかオロオロする人が多いかなと個人的には感じています。
子どもの反抗期はどんなものかは個人差があり、対応の仕方も家庭によって異なります。
ただ、反抗期を無理に潰すと子どもの自立心や心理面への悪影響も心配なので、全力で無くすというのは考えものです。
家庭が不穏な時期を迎える中でも、子どもの反抗期をそれなりに受け止められる向き合い方をご紹介していきます。
1.親の揺るぎない愛情を伝える
私も小さい頃によく親子喧嘩をしました。
喧嘩をして何か良いことが起きたのかといえば、特にありません。
こちらの反抗的な態度を親が全力でスルーする、がみがみも言わないと子どもの方も虚しさだけが残ります。
激しい反抗期でしたが、親が対応を誤るとケンカをしても子どもは虚しさしか感じられず、孤独さを増すこともあります。
当時の自分が感じた虚しさは何かと自問自答すると、『親の確かな愛情をあまり感じられなかった』という答えにたどり着きました。
反抗期で親に歯向かっているとはいえ、子どもは子どもです。
反抗している子どもは背伸びをして、『子どもなんだから』というのをありったけの力、ときには汚い言葉やひどい態度で否定しがちですが、成長してはいるものの、やはり子どもです。
親と対等でいたいという思いと、親を困らせて優越感に浸りたい思い、そして『そんなこと言っても大切な子ども』と言ってもらいたい気持ちが入り乱れます。
日本人はダイレクトに、ストレートに愛情を表現するのが苦手ですが、心が揺れ動く年頃の子どもにちゃんと伝えないと『どうせ自分は大切に思われていない』とこじらせてしまいます。
自分の子どもたちが反抗期になり、対応に苦慮したり、内心ムカムカすることも増えますが、自分のような思いを抱いて欲しくないという思いで、子どもが恥ずかしがったりバカにしても『大切に思っている』『喧嘩することもあるが、子どもへの愛情は絶対にある』という思いの丈を伝え続けました。
子どもは黙って聞いていても、嬉しいな、というところを見せなくても、心のどこかでほっとします。
言い合っても結局親子の絆、信頼関係が崩壊していなければ普通の親子関係に戻れます。
これが、こじれたままだと子どもも反抗期を過ぎたら思春期に入り、進学や就職で家を出ると冷え切ったまま親子の心の距離も、住んでいる場所の距離もどちらも縮まることのないまま親は一生を終えることになります。
まだまだ先のことかもしれませんが、反抗期の子どもとの向き合い方というのはかなり大切です。
2.口出す回数を減らして責任を持たせる
子どもが物を片付けなかったり、宿題の取りかかりが遅いと【さっさとやりなさい】と言ってしまいます。
子どもがまだ小さい頃なら、何だかんだ言っても『分かったよ』と宿題をしたり片づけをしますが、反抗期になると勉強する前に言葉で激しく反撃してきます。
まだましな言い方ですが、例えば『お父さんもお母さんも片付けできていないのに自分ばかりに言わないで』と反論してきます。
それが元でケンカに発展することもあります。
言葉が達者になってきたら、これまでの子どもへの声のかけ方を見直すことが必要です。
我が家の場合ですと、反抗期に突入したのが子ども①は小学4年、子ども②は小学5年の頃でした。
今まで普通にかけていた言葉に反応をして、親子で言い合いになることもありました。
親としては何歳になっても子どもは子どもなのですが、子どもの方は心が成長していて親と対等になるぞという気持ち、自分も成長したという気持ちが大きくなってきます。
こういう感情が芽生えてきたら、子どもが以前のような『子ども』に戻ることはありません。
これは親としては絶対に受け入れないといけません。
幼児期のような子どもには戻らず、あとは大人の階段を少しずつ登っていくことになります。
親としては歯向かわれてあまり嬉しくはないかもしれませんが、子どもの成長を否定すると、それはそれで色々と精神面に悪影響を及ぼすので『成長したんだな』と受け止めてください。
いちいち反応すると家庭内が不穏になり、親子双方への心理ストレスも増すだけなので『小言を減らす』と宣言し『その代わり子どもも責任ある行動をしよう』と言うようにしましょう。
その言葉を何度も繰り返すと以前と同じなので、家族全員が揃う場所で証人が多い中で伝えて、口出しする回数を減らしてください。
カチンとしないためにも、要らぬケンカをしないためにも、小言を口に出す回数を意識して減らすことが大切です。
最初は何度も注意したくなると思いますが、グッとこらえて自分との忍耐力勝負です。
親からガミガミ言うのではなく、半分大人として接するように心がけました。
子ども達に『反抗期に入ってきているからこれからは子どもとして扱わないようにする』と伝えて、そのような行動をしていきました。
そうする、子どもも親の本気度が伝わりますし『こっちも頑張るぞ!』と変に張り合って責任を感じる行動が増えていきました。
最初は衝突もあると思いますが、『もう二度と幼児期や小学校低学年の頃には戻らない』『子どもの自立心を促すため』と感じるとなかなかセンチメンタルになることもあります。
3.叱るよりも前に話を聞く
21世紀に入り、日本の子育てでは『叱らない子育て』という新しい考えが浸透してきました。
とはいえ、子どもに対して全く叱らない親は少数派だと思います。
親自身がガミガミ言われながら育ってきたと思うので、小さい頃の思い出を抱えたまま自分の子どもにもガミガミ叱ってしまうというのは決して珍しいことではありません。
ただ、叱るというのは親が上の立場であるということを意味しています。
職場で上司から叱られるのも、異論はあるかもしれませんが上司の方が自分よりも上で経験値があるからです。
部下とか後輩からガミガミ言われることはあまりないと思います。
それは叱責ではなく、アドバイスという言い方になるかもしれません。
しかし、ガミガミ一方的に叱られていい気分になるかといえば、絶対にないです。
ガミガミ叱らずとりあえず注意する場合はこちらの言い分を聞いてくれる上司、または先生なら印象も良いですよね。
それと同じで、子どもが反抗期に入っている時はガッツリと子どもの方も言い分を持っています。
その思いの丈を聞いてあげましょう。
聞くというのは意外と大変です。
私も反抗期の時に子ども達の主張を黙って聞いていましたが、けっこうヘビーです。
聞くふりをしていると子どもにバレてしまいます。
子どものイライラしている気持ち、本音を聞いてあげると色々と難しい時期に差し掛かっている親子関係を新しい形へとリフォームすることができます。
反抗期だろうがお構いなしにガミガミ叱り、子どもの気持ちを『どうせまだ子どもだし』と理解を示そうとしないと子どもはどんどん親と口を聞かなくなります。
子どもは何歳くらいから親と話をしたくなるのか、自分の経験だけでなく塾で出会った子ども達や子ども①②の学校の先生との面談や近隣のママさん達の話を統合すると『高学年になると会話が減る』という傾向があります。
中には、親とほとんど口を聞かない子になる、ということもあるので反抗期に一方的に押し込めるということをせずに、親子の対話を維持できるような関係へと変化させることに意識を向けるべきだと思います。
まとめ
子育てでは色々としんどいな、キツイなと感じる出来事に直面することがあります。
子どもの反抗期はその一つです。
親自身がライトな反抗期だったけれど子どもはヘビーな反抗期だと、親としては自分の経験が役に立たないこともあります。
ライトだろうがヘビーだろうが、子どもは成長のために葛藤を繰り広げていることには変わりはありません。
親につらく当たる子どもが面倒だな、会話もしたくない、一緒にいる時間を意図的に減らすなど子どもに対して突き放す態度を見せると、親子関係がこじれてしまうこともあります。
子どもが一切口を聞いてくれなくなってから慌てても、こちらを振り向かないなんてこともあるので、シンドイ中でもちゃんと親の愛情を伝えて向き合ってみてください。