今回は【教育熱の高い家庭でもトップ校が合わない子はいる】と題し、お話していきます。
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透明教育ママの絵日記 教育系コミックエッセイだけど役に立つ可能性ゼロ【ブログ放置編】
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ありがとうございます。
塾で仕事をしている時、自分の小中学生時代、3人を子育てしている中で出会ってきた様々なお母さん、またはお父さんの中で【この人は子どもの教育に熱心だな】と感じる方はいました。
概ね、教育熱が高い家庭の子は中学受験をしたり、高校受験では進学校に進んだりと【親の教育熱と比例した進学先になる】というケースが多いです。
ただ、親の思惑とは異なる進学ルートを辿る子もやはりいます。
子どもの教育と聞くと、都会の話と思われがちですが地方でも【子どもの教育に関心が強い】という親はいます。
とくに地方都市の中心地や昔からの文教エリアには珍しくない存在です。
そういうエリアでは少子化でも教育熱の高い家庭が多く住んでいたり、比較的公立小中学校でも安定した環境だったり、習い事が充実しています。
不動産価値が高いので家賃も高めですが、それでも【より良い教育環境を】と考えている家庭が引っ越してきます。
しかし、親がどれだけ教育熱が高くても、必ずしも子どもが地域のトップ高校に入るとは限りません。
そういう親子をそれなりに見てきましたし、親の情熱が熱ければ熱いほど子どもの学力や立ち位置を冷静に見られないケースもありました。
親の教育熱の高さについていけない
まず、【何が何でもトップ高校に入らせる】と親が息まいても、結局受験するのは子ども本人です。
おそらく塾などの教育産業で仕事をしたことのある方なら【子どもの学力では合格するのは不可能な学校を受けさせる親】に遭遇したことはあると思います。
私も塾で働いている時にそんな親子と接する機会がありました。
親が子どもの本当の学力を受け止められない、プライドが高くて【受けたけれど倍率が高くて無理だった】【本番体調が悪くて】という言い訳を周囲に言って子どもが【賢い子なんだ】という印象を与えると、自分本位な考えで子どもの進路進学を決めてしまうという、ちょっと信じられないような思考回路を持っている方もいます。
そこまでではないにしろ、親の期待が大きすぎてプレッシャーを感じて進学校を選択しない子もいます。
大学進学率が100%の高校に入ると、ずっと勉強することになるので【息苦しさを感じながら学校生活を送りたくない】と、敢えて大学進学者が多いけれど専門学校に進む子も一定数いる高校を受験するという、親の意向に背くような道を自分の意思で選ぶ子もいます。
教育熱の高い親は幼児期から子どもの知力を伸ばすことを意識して子育てをしています。
おもちゃ選び、習い事選びなどもそうですし、家庭でしっかりひらがな練習をして小学校入学に備えます。
中には先取り学習をすることもあります。
小さい頃は他の家庭がどういう教育方針なのか子どもが気がつく、知るということはないので【これが普通のこと】と受け止めています。
しかし、小学校生活を通じて、【あれ、友達のお母さんはちょっと違う】と感じるようになると自分の家庭と友達の家庭の教育方針を比較するようになります。
子どもが【うちの親は教育熱が高い】と気がつくのは小学校4年生頃で、一旦他の家庭の事情を知ってしまうと、【勉強したいとは思わない】と考えている子は親の願いとは真反対のように勉強への気持ちがプツリと切れてしまいます。
勉強をして、偏差値の高い学校に進学すると将来の選択の幅も広がりますが、そうすることで【ずっと勉強しないといけない】という状況になります。
そして親の教育熱がさらに高まっていくので、ヒートアップする親の気持ちと反比例するように【自分にはついていけない】と勉強への意欲が下がる子もいます。
勉強以外のことに興味がある
親の教育熱が高いことが結果として子どもの意欲を低下させてしまう原因になることもありますが、それ以外にも子どもが勉強以外のことに興味があり、自分の人生設計を考えた時に必ずしも偏差値の高い高校への進学や大学進学を望んでいない子もいます。
小学生や中学生の時点で明確に【将来はこういう仕事に就きたい】と決めており、高校も普通科ではなく専科の学校を受験して、卒業後は専門技術を活かして早々に就職をしたり、専門学校や大学進学をしてみたりと自分の将来設計に沿った選択ができる子です。
親の【偏差値の高い進学校へ】という思いを受け止めるよりは、自分のやりたいことを突き進みたいと考えています。
個人的には【将来やりたいことが分からないからとりあえず普通科の高校に行く】と適当に学校を選ぶ子よりビジョンがしっかりしていますし、専門的な知識や技術を高校で学んでいるので就職にも強いです。
教育熱が高いと【この高校に入って、大学はこの辺りを進んでくれれば】とか【医学部とかだと将来安泰】と子どもの気持ちを横において考えてしまう方も少なくありません。
とはいえ、子どもの方も自分の人生を親の意見に振り回されてしまうのは嫌がります。
それは当たり前のことです。
大半の子は【この道に進みたい】【この学校で学びたい】と自分の考えを伝えて、親と話し合いを重ねていき、親の方も子どもの気持ちを理解して【それなら頑張って】と背中を後押しするようになります。
ただ、子どもの気持ちを無視して、望んでもいない学校を受験させる親もいます。
残念ながら、ヒステリックになったり、恫喝まがいのことを言って【自分の言う通りにしなさい】と迫る親もいます。
子どもが自分の言う通りの学校を受験して合格すれば願いが叶うわけですが、子どもの立場で考えると不幸の極みです。
親によって心に深い傷を負うことになります。
自暴自棄になったり、親を拒絶して家を出た後は音信不通になることも起こりえます。
いくら教育熱が高いと言っても、子どもの気持ちを無視するようなことは絶対にしないようにしてください。
子どもが勉強に対してやる気がない
教育熱が高く、小さい頃から色々と賢い子になるようなことをやってきても、勉強に対してやる気が起きない子はいます。
集中力、暗記力、理解力といった学力スキルがちょっと不足していたり、勉強は苦行だと感じていたりと、【できれば勉強はやりたくない】という気持ちが強い子は、小学生時代はクラス内でそれなりに賢い子としての地位を築いていても、より自主的に勉強することが求められる中学生以降は少しずつ成績が下がっていきます。
しかし、中学生でもなんとか学力上位層をキープしているとそのまま進学校受験へとなっていき、合格すればそのまま【地元でも有数の進学校に入った優等生】【勉強しないと絶対に入れないトップ高校に入れた子】と認定されます。
地方の公立高校受験では親が誘導したレールに乗って進学校に合格する子は少なからずいます。
ただ、入学してからが大変です。
大学進学率100%かつ、全国レベルの知名度を誇る難関大学や国公立大学の医学部を受ける子がいる高校では【最難関大学を受ける子でもキッチリ受験に間に合わせる】なので授業スピードも速く、使用する教科書やテキストなども難易度が高いです。
定期テストも5教科から10教科程度に増えるので、日々の勉強習慣やテストに向けた計画性がないと大変苦労します。
親に誘導されるがままに受験して進学をし、本人は勉強に対してやる気がない子は深海魚になる確率が極めて高いです。
やる気があるかないかで高校での成績は左右されてしまいます。
いくら子どもの教育に関心が強くても【あまり勉強することが好きではないようだ】と感じたら、【何が何でもトップ高校】と思わず、子どもの将来の夢や興味のある分野を踏まえて適切な高校を探す、そして大学進学を考えているなら【どの辺りの大学なら希望の職種や気になる企業に入社できるか】という現実的な話をして【自分の人生はどうなるのか】と自覚させることも大切です。
トップ高校合格への道を無理に歩ませるより、【やる気がないことでどのような未来が待ち受けているか】【やる気がない子は学力に関係なく自分の個性を生かした人生を歩んでいけるのか】という前向きな話をすることが子どもにとってプラスになります。
教育熱が高いとどうしても【進学校への道】を考えてしまいますが、子どもが自分の考えでよりよい選択ができるようサポートしていくことが親の務めだと思います。