今回は【【天下分け目の小5】11歳の冬に【中学の順位】はほぼ決まっている】と題し、お話をしていきます。
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小学校生活も後半に入り、見た目にはまだ【小学生】そのものに見える小5の冬。
しかしこの時期、子どもたちの学力の大地では、大きな地殻変動が静かに進んでいます。
テストの点数はまだ大きく崩れていない。
本人も親も、切迫感はそれほどない。
それでも中学に入ってから成績が大きく分かれる子どもたちは、ほぼ例外なく、この11歳の冬に【見えない差】を抱え始めています。
中学での順位は、実は入学後に突然決まるものではありません。
小5後半から小6にかけて形成される【理解の深さ】【抽象概念への耐性】【学習習慣の骨格】が、そのまま持ち込まれる形で表面化するだけです。
つまり、11歳の冬はゴールではなく、スタート地点に近い。
それまで積み上げてきたものが、初めて本格的に試され始める季節なのです。
そこで今回は、なぜ【11歳の冬】が分岐点になるのかを構造的に整理し、ここから中学で飛躍するための具体策、そして親が守るべき長期視点のマインドまでを解説します。
焦らせるためではありません。
むしろ、この時期が【最高のリスタート地点】になり得ることを、知ってほしいのです。
なぜ【11歳の冬】が決定的な分岐点なのか
まず、【11歳の冬が分岐点】と聞くと、どこか大げさに感じるかもしれません。
しかし、この時期に起きている変化は、努力量ややる気といった表面的な話ではありません。
学力の中身そのものが、静かに作り替えられているのです。
小4までの学習は、覚えたことを正確に再現する力が中心でした。
ところが小5後半からは、【関係を捉える力】【言葉の意味を文脈で処理する力】【分からない状況に耐えて考え続ける力】が求められ始めます。
問題は、この変化がテストの点数にはすぐ表れないことです。
まだ点は取れている。
だから見過ごされる。
しかし内部では、【分かったつもり】と【本当に理解している】の差が、確実に広がっています。
この差が表面化するのが、中1・中2です。
つまり、中学での順位は、小5の冬にほぼ仕込みが終わっていると言っても過言ではありません。
ここでは、なぜ11歳の冬がここまで決定的なのかを、算数・国語・学習習慣という三つの側面から分解していきます。
焦る必要はありません。
ただ、構造を知らないまま通り過ぎるには、あまりにも重要な季節なのです。
①【割合と比】という巨大なフィルター
11歳の冬につまずき始める子には、ある共通した典型像があります。
それは、小4まではさほど大きな困難なく算数をこなしてきた子です。
計算は速く、テストでも高得点を取ってきた。
文章題も、出てきた数字を使って何となく式を立てれば解けていました。
親から見れば、【算数は得意なほう】【中学でも大丈夫なはず】と感じている。
ところが小5で【割合】や【比】が本格的に登場すると、様子が変わります。
問題文は読めているのに、何を求められているのか分からない。
式を立てようとしても、どの数字をどう使えばいいのか判断できない。
それでも本人は、【計算が難しいわけじゃない】と感じています。
実際、計算力が原因ではないからです。
割合と比は、数そのものではなく【数と数の関係】を扱います。
ここで求められるのは、全体と部分を同時に意識し、状況を構造として捉える力です。
しかし低学年までの学習が【数を処理する】ことに偏っていた子ほど、この切り替えができません。
結果として、公式を探し、当てはめようとして迷子になります。
この時点で起きているのは、理解不足ではなく、学び方の不一致です。
割合と比は巨大なフィルターのようなもので、これまで曖昧でも通れていた理解を一気に選別します。
ここで引っかかった子は、【算数が急に難しくなった】と感じますが、実際には算数の要求水準が一段上がっただけなのです。
このフィルターを越えられるかどうかが、その後の数学人生を大きく左右します。
②抽象語の壁:文章題が【外国語】に見え始める
11歳の冬に差がつき始めるもう一つの典型が、【文章は読めているのに、内容が頭に入らない】子です。
音読させても、つかえることなく最後まで読める。
漢字も読める。
問いも理解しているように見える。
それでも、いざ解こうとすると手が止まり、【何をすればいいか分からない】と言い出します。
この現象は、読解力不足ではありません。
問題は、文章の中で使われている抽象語にあります。
小5以降の文章題では、【仮に】【一方で】【割合として】【条件を満たす】といった、具体物を指さない言葉が急激に増えます。
これらの言葉を、経験やイメージと結びつけられていないと、文章全体がぼんやりとした音の列にしか見えなくなります。
典型的なのは、キーワード探しに走る子です。
重要そうな言葉に線を引き、数字を丸で囲みますが、それらがどう関係しているのかを説明できません。
文章を【理解する】のではなく、【処理しよう】としている状態です。
この段階では、どれだけ問題数をこなしても、根本的な改善は起きません。
文章題が外国語のように感じられるのは、能力が足りないからではありません。
言葉が、実感と結びついていないからです。
抽象語を扱う力は、年齢とともに自然に育つものではなく、意識的に橋をかける必要があります。
この壁を越えられるかどうかが、算数だけでなく、国語・理科・社会すべての理解度を左右する、見えにくい分岐点なのです。
③学習習慣の【骨格】が固まる時期
11歳の冬に差がつく三つ目の典型は、【勉強はしているのに、成績が伸びない】子です。
毎日机に向かっている。
宿題もこなしている。
ワークもそれなりに進んでいる。
それでも、理解は浅く、同じところで何度もつまずく。
親から見ると、【こんなにやっているのに、なぜ?】と不安になります。
このタイプの子に共通しているのは、学習量はあるのに、学習の構造が定まっていないことです。
分からない問題に出会ったとき、すぐ答えを見るのか、考え続けるのか、印をつけて後で戻るのか。
その判断は場当たり的で、毎回違うことが多々あります。
復習も、【間違えたからやり直す】という反射的な行動にとどまり、何が原因だったのかを整理していません。
小5後半は、こうした学習行動のクセが固定化され始める時期です。
やり方そのものが習慣になり、【考えずに解く】【分からなくなったら止まる】といった型が、そのまま中学まで持ち越されます。
これが、学習習慣の【骨格】です。
一度固まると、後から直すのは簡単ではありません。
この段階で必要なのは、時間を増やすことではなく、やり方を整えることです。
どこで立ち止まり、どう振り返るのか。
その流れが定まった子は、同じ勉強時間でも吸収率が一気に上がります。
11歳の冬は、この骨格を組み替えられる、最後の現実的なチャンスなのです。
中学での飛躍を約束する【集中処方箋】
さて、さきほどご紹介したように三つのつまずきは、どれも能力不足が原因ではありません。
割合と比で迷うこと、文章題が理解できなくなること、勉強しているのに伸びないこと。
これらはすべて、学びの質が切り替わるタイミングに、やり方が追いついていないだけです。
だからこそ、11歳の冬は【手遅れ】ではなく、【立て直しが効く】時期でもあります。
重要なのは、やみくもに勉強量を増やすことではありません。
この時期に必要なのは、学習内容を一点突破する集中処方です。
すべてを完璧にしようとすると、かえって負担が増え、反発や無気力を招きます。
今後の学びの土台になる部分に絞って手を入れることが、結果的に最短ルートになります。
ここでは、中学での飛躍を約束するために、小5の冬から小6にかけて取り組むべき具体策を、算数・国語・学習意欲の三方向から整理します。
どれも即効性を狙うものではありませんが、一度整えば、その後の伸び方が大きく変わります。
焦らず、しかし戦略的に。この時期だからこそ意味のある対策が、ここにあります。
①【算数】抽象概念の【三大関門】を根本から攻略する
11歳の冬から中学にかけて、算数・数学で明確な差を生むのが、【割合】【比】【平均】という三つの概念です。
これらは計算としては難しくありません。
しかし多くの子がつまずくのは、数値処理ではなく、状況を構造として捉える部分です。
この三大関門をどう越えるかが、中学数学の理解度をほぼ決めてしまいます。
効果的なのは、公式を教え込むことではありません。
むしろ一度、公式から離れる必要があります。
線分図や面積図を使い、【全体】【部分】【変化】を目で見える形にする。
ピザを分ける、値引きを考える、平均身長を想像する。
こうした具体場面と図を往復させることで、関係性が腹落ちします。
とくに重要なのは、【割合=比べ方】という感覚です。
○%という数字を追う前に、【何を基準に、何と比べているのか】を必ず言葉で説明させてみてください。
ここを曖昧にしたまま進むと、中学で速さや関数に入った瞬間、理解が崩れます。
11歳の冬は、理解のズレを修正する最後の現実的なタイミングです。
この時期に三大関門を感覚レベルで乗り越えた子は、中学で新しい単元が出てきても、図を描き、関係を整理し、自力で突破していきます。
算数の対策とは、問題集を増やすことではありません。
抽象概念と仲良くなる準備を、今ここで整えることなのです。
②変化する国語に対応する
11歳の冬から、国語で感じるつまずきは静かに、しかし確実に始まります。
【読めているはずなのに、答えが合わない】【文章は理解できるのに、設問になると分からない】。
この違和感の正体は、感覚読みの限界です。
小4まで通用していたなんとなく分かる読み方が、この時期を境に通用しなくなります。
ここで必要なのが、文章を論理構造として捉える読み方です。
具体的には、接続詞と指示語に意識を向けること。
【しかし】【だから】【一方で】が何と何をつないでいるのか、【それ】【この】がどの語句を指しているのかを、必ず立ち止まって確認します。
この作業を習慣化すると、文章は感覚ではなく、骨組みを持った情報として見えるようになります。
もう一つ、この時期に先手を打っておきたいのが古文です。
意味理解を急ぐ必要はありません。
重要なのは音読です。
古文特有のリズムや語感に触れておくだけで、中学で初めて古文に出会ったときの心理的ハードルが大きく下がります。
苦手意識の多くは、内容以前に【音への拒否感】から生まれるからです。
国語の対策は、問題数をこなすことではありません。読み方の型と、言葉との距離感を整えること。
11歳の冬にこの基礎を仕込めるかどうかが、その後の全教科の理解力を左右します。
③反抗期の【学習意欲低下】を自走への号砲に変える
11歳前後になると、勉強に対する姿勢が急に変わる子が少なくありません。
【言われないとやらない】【急にやる気がなくなった】。
親から見ると後退に見えるこの変化は、実は学力低下ではなく、自立への準備段階であることがほとんどです。
自分で決めたい、自分で評価されたいという欲求が芽生えるからこそ、外からの指示に反発が生まれます。
この時期にやりがちなのが、管理を強めることです。
学習計画を細かく立て、進捗を確認し、結果を評価する。
一時的には机に向かわせられますが、内側の意欲は育ちません。
むしろ必要なのは、判断の一部を子どもに返すことです。
【今日は何からやる?】【終わったあと、どうだった?】と問いを投げ、決定と振り返りを任せます。
重要なのは、結果ではなくプロセスに関心を向ける姿勢です。
うまくいかなかったときも、叱るのではなく、【次はどうする?】と考えさせる。
この経験の積み重ねが、自分で立て直す力になります。
中学以降、学習量も難度も一気に上がります。
そのときに必要なのは、管理ではなく自走です。
11歳の冬に見える意欲の揺れは、学習を親から子へ引き渡す合図です。
ここで信じて任せられた子は、中学で大きく伸びます。
反抗期は、失速の兆しではありません。
飛躍の前兆なのです。
親が守るべき【数年後の伸びしろ】
ところで、11歳の冬に、親が最も問われるのは【何をやらせるか】ではありません。
【どこを見て子どもを評価するか】です。
目の前のテスト結果や順位は分かりやすく、つい判断基準にしてしまいがちです。
しかしこの時期、学力以上に大きく育っているのが、自己評価の軸と努力の意味づけです。
ここをどう扱うかで伸び方は大きく変わります。
中学以降、本当に伸びる子は、小学生時代に常に順調だった子とは限りません。
むしろ、一度つまずき、試行錯誤しながら立て直した経験を持つ子です。
その経験を【失敗】と見るか、【学び】として扱うかは、周囲の大人の姿勢に強く影響されます。
11歳の冬は、その価値観が刷り込まれやすい時期でもあります。
親が短期的な成果に一喜一憂しすぎると、子どもは【評価されるための勉強】に向かいます。
一方で、成長の時間軸を長く持てると、子どもは挑戦や遠回りを恐れなくなります。
ここでは、11歳の冬に親が意識して守るべき視点を整理し、15歳、18歳へと続く本当の伸びしろをどう育てるかを考えていきます。
①【12歳のピーク】より【15・18歳のピーク】を選ぶ
小学生のうちに成績が良いことはもちろん悪いことではありません。
ただし、11歳の冬に親が気をつけたいのは、【今が一番伸びている状態】を無意識にゴールにしてしまうことです。
小5・小6で結果が出ると、その水準を守ろうとし、失速を過度に恐れるようになります。
これがいわゆる【12歳ピーク】の罠です。
中学以降の学習は、量も難度も一気に跳ね上がります。
このとき本当に必要なのは、早熟さではなく、伸び続ける力です。
多少の停滞や回り道を許容しながら、自分で修正し、再加速できるかどうか。
そこに到達するためには、小学生時代に常に右肩上がりである必要はありません。
むしろ、11歳の冬に一度つまずいた子の方が、その後大きく伸びるケースは珍しくありません。
重要なのは、そのつまずきを【能力不足】と決めつけないことです。
【今は準備期間】【この経験が後で効いてくる】と捉え直せるかどうかが、子どもの自己認識を大きく左右します。
12歳での完成度より、15歳、18歳での到達点を見る。
この時間軸を親が持てたとき、子どもは安心して挑戦し、長く伸び続けることができます。
②結果より【深さ】を評価する視点を持つ
11歳の冬以降、勉強の成果は必ずしも分かりやすい形では現れなくなります。
テストの点数が伸び悩んだり、以前より時間がかかったりすることも増えるでしょう。
しかしこの変化は、理解が浅くなったからではありません。
むしろ、学びが【深い層】に入り始めた証拠であることが多いです。
小4までの学習は、正解にたどり着く速さが評価されやすい世界でした。
けれども小5後半からは、考える量が増え、途中で迷い、立ち止まる時間が不可欠になります。
ここで親が【遅い】【前はできていた】と評価してしまうと、子どもは思考を省略し、分かったふりをするようになります。
評価すべきなのは、結果よりも過程です。
どこで迷ったのか、どんな仮説を立てたのか、なぜその答えに至ったのか。
たとえ不正解でも、そこに思考の跡があれば、それは大きな前進です。
深く考える経験は、すぐに点数には表れませんが、中学以降に確実に効いてきます。
親が【よく考えたね】【そこまで掘り下げたのはすごい】と声をかけられるかどうか。
それだけで、子どもは安心して思考の深みに入っていけます。
速さより深さを尊ぶ視点が、長期的な学力を支えます。
③不安を【管理】せず、【安全な港】になる
11歳の冬、子ども以上に揺れているのが親の心かもしれません。
周囲の進度、塾の話、中学受験という言葉。
比べる材料が増えるほど、不安は膨らみ、【何か手を打たなければ】と感じやすくなります。
しかし、その不安がそのまま関与の強さになると、子どもは学習を評価される場として捉え始めます。
親がすべてを把握し、先回りし、修正し続けると、子どもは失敗を避けるようになります。
失敗は叱責や落胆につながるものだと学ぶからです。
結果として、挑戦しない、無難な選択しかしない姿勢が定着します。
これは中学以降の伸びにとって大きなブレーキになります。
必要なのは、管理ではなく安心です。
うまくいかなかったときに戻ってこられる場所であること。
【失敗しても大丈夫】【一緒に振り返ろう】と言える存在であること。
それだけで、子どもは外の世界で思い切って挑戦できます。
安全な港があるからこそ、遠くへ航海できるのです。
11歳の冬に親が担う最大の役割は、正しい判断を与えることではありません。
不安を飲み込み、信じて待つこと。
その姿勢が、子どもにとって一生ものの土台になります。
11歳の冬は最高の【リスタート】地点
11歳の冬は、何かが決定的に終わる時期ではありません。
むしろ、それまで見えにくかった差やズレが表面化し、立て直しが可能な最後の好機です。
割合や比、抽象語、学習習慣、そして意欲の揺れ。
これらは不安の種に見えますが、正しく扱えばすべて成長の材料になります。
本当に差がつくのはつまずきそのものではなく、それをどう解釈するかです。
公式を増やすのか、構造を理解させるのか。結果を急ぐのか、深さを尊ぶのか。
管理を強めるのか、安全な港にするのか。
親の視点が変わるだけで、同じ状況でも子どもの未来は大きく変わります。
12歳で完成する必要はありません。
むしろ、15歳、18歳で伸び切るための準備期間だと捉えることが重要です。
この時間軸を持てた家庭では、子どもは挑戦を恐れず、自分で考え、立て直す力を身につけていきます。
11歳の冬は、焦るための季節ではありません。
方向を整え、評価軸を更新し、親子で再出発するための地点です。
ここから先の伸びは、まだいくらでも変えられます。
今この瞬間こそが、最高のリスタート地点なのです。

















