今回は【算数に強い子の思考回路は何が違うのか?】と題し、お話していきます。
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ありがとうございます。
【計算はできるのに、なぜか点数が伸びない】【コツコツ勉強しているのに、応用問題になると急に止まる】。
そんな【どこか惜しい算数の伸び悩み】に、心当たりはありませんか?
小学生の低学年の頃はまだ算数での成績差が極端に出ることはありません。
あるとしても、公文やソロバンを習っている子の計算スピードがものすごく速く、【スゴイな】という目で見られることくらいですが、普通に授業を受けてテストの問題を解いていく中でまだクラス内での【算数の学力差】は団子状態と言っても過言ではありません。
それが、気がついたら挽回できるのかどうかわからないくらいの差になることもあります。
私も塾で仕事をしている時に、【算数が得意だったのに最近学校のテストでいい点数が取れなくなっている】【中学の数学のテストで苦戦している】と保護者の方から嘆きの言葉を聞かされる機会は多々ありました。
それでは、差を埋めるために勉強すれば何とかなるのでしょうか。
小学生の子どものいる親は【もっと学習量を増やせば算数の成績の頭打ち問題を解決できるのでは】と考えがちですが、算数に強い子と苦手な子の差は、単なる量だけの問題ではありません。
問題への取り組み方、思考の順番、わからなかったときの対処の仕方など、見えにくい部分に大きな違いが潜んでいます。
そこで今回は、算数で強さを発揮する子に共通する特徴を分析しつつ、逆に【ここでつまずくと弱くなる】という典型的な落とし穴にも触れていきます。
そして最後に、家庭で実践できる改善策を3つに整理してご紹介します。
テストの点数だけでなく、将来の数学的思考力を伸ばしていくためにも、思考のクセや学び方の質に目を向けることが非常に重要です。
小手先の対策に頼らず、子どもにはもっと本質的な算数力を身につけていくコツを考えていきます。
算数に強い子の3つの特徴
まず、算数が得意な子どもを見て、【この子はセンスがあるから】【うちは計算が苦手だから仕方ない】と感じたことはないでしょうか。
しかし【あの子は別格】というのは思い込みでしかありません。
もちろん、中には天才的な頭脳を持つ子もいますが、そういう子は一握りであり、多くの【算数に強い子】は特別な才能があるわけではなく、日々の学び方や問題への向き合い方に他の子とは違う何かがあるだけなのです。
親として【演習量を増やせば成績は上がるはず】と考えがちですが、量の問題ではないケースも多くあります。
算数ができる子は、問題を読んだときの構造のとらえ方や、解き方へのアプローチが根本的に違います。
つまり、見えないところにこそ、差が生まれる要素があるのです。
ここでは、算数に強い子が持っている3つの力を紹介します。
それはすべて、家庭のかかわり方次第で育てることができる力でもあります。
【算数が得意になるのは無理かも】と思っている方こそ、ぜひ参考にしてみてください。
成績の裏側にある【考える力の土台】に目を向けていきましょう。
特徴①【なぜそうなるのか】を言葉で説明できる
算数に強い子どもは、正解を出すだけで満足せず、【なぜその答えになるのか】を自分の言葉で説明できます。
これは単なる暗記型ではなく、仕組みや論理を理解している証拠です。
反対に、公式を当てはめるだけで解いている子は、少し条件を変えられただけで混乱してしまいます。
たとえば【割合】の問題で、なぜ分母に元の数を使うのか、なぜかけ算になるのかをしっかり説明できる子は、本質を理解していると言えます。
こうした言語化は、学びの深さを測るバロメーターでもあります。
この力は、親の問いかけ次第で鍛えることができます。
【なんでそう思ったの?】【どうやって考えたの?】と日常的に聞くことで、子どもは自分の思考を整理し、言葉にする力を身につけていきます。
大事なのは、正解かどうかだけでなく、どんな考え方をしたのかを一緒に確認する姿勢です。
親子で【考え方の筋道を言葉にする】練習をすることで、応用力や説明力が着実に育っていきます。
特徴②わからなくても投げ出さずに粘れる
算数が得意な子は、わからない問題に直面しても、すぐにあきらめることがありません。
正解をすぐ求めるのではなく、自分で考えるプロセスを楽しむ姿勢を持っているのです。
とくに難問や応用問題に出会ったとき、【なんとなくわからない】で諦めるのではなく、図を書いたり、簡単な数字で試したりしながら粘る子は、思考力が着実に育ちます。
一方、正解重視の環境では、間違うことを恐れて挑戦しなくなる子もいます。
この粘り強さを育てるために、親にできることは、すぐに答えを教えないこと、考える時間を確保することです。
子どもが止まっていても、【どう思う?】【わかるところだけやってみよう】と声をかけ、ヒントではなく考えるための道筋を提示しましょう。
子どもの粘りは、【教えない勇気】を持った大人によって支えられています。
問題を解く力以上に、【あきらめない姿勢】を家庭で育てていくことが、算数力の基盤になります。
特徴③図や表を使って考えを整理する
算数に強い子は、頭の中だけで考えを完結させず、図や表を使って情報を視覚的に整理する習慣があります。
たとえば文章題で線分図を描いたり、割合や速さの関係を図で表現したりと、自分なりに【見える形】にすることで、問題の構造を理解しやすくしています。
この力は、特に中学以降で生きてきます。
関数や図形、確率など抽象的な内容が増える中で、【図で考えられるかどうか】が、理解の深さに直結するからです。
親が子供にできることは、【頭の中で考えずに、図にしてごらん】と促すこと。
【どの関係がわかってる?】【一度表にまとめてみよう】という声がけです。
こうした問いかけがあれば、子どもは自然と視覚的に整理するクセを身につけていきます。
また、図を描くことで読み飛ばしや思い込みを防げる効果もあります。
数字だけを追うのではなく、全体の関係性を見ようとする姿勢が、算数の理解を深めてくれます。
【丁寧に考える=図で整理する】この感覚が身についた子は、学年が上がっても安定した数学力を発揮していけます。
算数が苦手になる3つの落とし穴
さて、算数の苦手意識は、ある日突然現れるものではありません。
多くの場合、子ども自身も気づかないまま、小さな理解のズレやつまずきが積み重なり、あるとき急に【もう無理】【意味がわからない】と感じるようになります。
これは成績が悪くなってから初めて表面化するため、親にとっても見逃しやすいのが難点です。
とくに、計算や基礎の習得が順調だった子ほど、難易度が上がる単元で理解型に移行できずに苦しむことがあります。
【うちの子、算数はまあまあ得意】と思っていても、理解の深さを伴わないまま進んでしまうと、応用問題や文章題で急に足をすくわれるのです。
ここでは、子どもたちが算数に苦手意識を持ちやすい典型的な3つの落とし穴を紹介します。
どれも、日常的な学習の中に潜むものであり、親のちょっとした視点の変化で、未然に防ぐことができるものです。
早期の気づきが、お子さんの学力の守りになるはずです。
落とし穴①【わかっているつもり】で学習が進んでしまう
一番多い落とし穴が、子どもが【わかったつもり】のまま学習を進めてしまうことです。
親が【できた?】【うん】と確認して、そのまま問題を次に進める場面はよくあります。
しかし、このうなずきには注意が必要です。
実際には、正解していても思考プロセスを理解していないケースが非常に多いのです。
たとえば計算問題で正解していても、【なぜその計算式を選んだのか?】を問うと答えられない場合、考え方が曖昧なまま表面的に解いている可能性があります。
そのまま学習が進むと、応用問題や複雑な設定になったときに急に太刀打ちできなくなります。
この落とし穴を防ぐには、【正解かどうか】よりも【どう考えたか】を確認する習慣が必要です。
家庭で【なぜそう思ったの?】【別の方法はある?】と考えさせる声かけを心がけることで、理解の深さをチェックし、つまずきを早期に見つけることができます。
落とし穴②計算が遅い・ミスが多いのにそのまま進む
算数の土台は、言うまでもなく【四則計算の正確さとスピード】です。
ところが、【一応合ってるからいいか】【ケアレスミスが多いだけだから】といった理由で、計算の遅さやミスの多さを見過ごしてしまうことが意外と多くあります。
実は、これが後々大きなつまずきにつながります。
計算に時間がかかると、応用問題や文章題の処理に時間が取られすぎて、最後まで解ききれなくなることがあります。
また、毎回どこかで計算ミスが出るようだと、子ども自身が【どうせミスするし…】というネガティブな気持ちを持ち始め、自信をなくす悪循環に陥ります。
家庭では、日々の学習の中で【スピードと正確さのバランス】に注目し、必要であれば学年をさかのぼってでも四則演算を丁寧に復習することが大切です。
【遅いけど合ってるから大丈夫】ではなく、【もっとスムーズに解けるように練習しようね】と前向きに声をかけて、計算を負担ではなく武器に変えるサポートをしてあげましょう。
落とし穴③【難しそう】と思った瞬間に思考が止まる
ある程度まで順調だった子が、急に算数に苦手意識を持ち始める理由のひとつが、【難しそう】という印象だけで考えるのをやめてしまう習慣です。
特に文章題や図形のようにパッと見て複雑に見える問題に対して、手をつける前にあきらめてしまう子どもは少なくありません。
この背景には、【できた経験が少ない】【考えてもどうせ無理だと思っている】など、成功体験の不足が大きく影響しています。
つまり、問題の難易度よりも、【自分には解けないかもしれない】という心のブレーキが原因なのです。
このタイプのつまずきを防ぐには、【簡単に解ける問題】から始めて成功体験を積ませることが有効です。
また、【まずは図を描いてみよう】【最初の数字だけ見てごらん】など、思考のきっかけを与える声かけが効果的です。
難しいと感じた瞬間に【やってみよう】という気持ちを持たせられるかどうか。
ここに、算数の好き嫌いが決まる分かれ道があります。
親の言葉が、子どもの挑戦心を引き出すスイッチになるのです。
算数に強くなるための3つの改善策
ところで、算数に苦手意識を持っている子どもに対して、【もっと頑張りなさい】【とにかく量をこなそう】と言ってしまうことは少なくありません。
しかし、苦手意識の根本にあるのは、何がわかっていないのかがわからないという混乱状態です。
やみくもな努力は、逆効果になることすらあります。
算数は【積み上げ型の教科】であるため、前の学年で抜けがあると、今の単元が理解できなくなる構造になっています。
つまり、成績を立て直すには、【いったん戻る勇気】と【基礎からの見直し】が不可欠です。
ここでは、算数に強くなるために家庭でできる3つの実践的な改善策を紹介します。
すべての子どもが応用問題をスラスラ解けるようになる必要はありませんが、【算数に対する自信】を取り戻すことが、すべての第一歩です。
着実にステップを踏み直すことで、算数の見え方そのものが変わっていきます。
改善策①学年をさかのぼって復習する【勇気】を持つ
多くの親が、【今の学年の内容をなんとか理解させたい】と考えがちですが、算数においては、それがかえって子どもを追い詰めることがあります。
たとえば中学1年の比例や方程式でつまずいている場合、その原因は実は小5〜6年の分数・割合の理解不足にある、というケースは非常に多いのです。
算数は知識の積み木のようなもので、土台が不安定なまま上に積もうとしても、必ず崩れてしまいます。
だからこそ、いま理解できていない単元があるなら、勇気を持って学年をさかのぼることが最も効果的な戦略です。
このとき注意したいのは、子どものプライドやモチベーションを傷つけないように声かけすることです。
【忘れているところを確認して、できるようになったら今の内容ももっとわかりやすくなるよ】と前向きな言葉で導いてあげましょう。
基礎に戻るのは【逃げ】ではなく、【戦略的なリスタート】と前向きに受け止めてください。
正しい順序で復習することで、理解と自信の両方を取り戻すことができます。
改善策②四則計算のレベルを見直し、日々トレーニングする
算数の応用力や文章題を解く力を支えているのは、基礎となる四則計算の正確さとスピードです。
これが不安定なままだと、どんなに解き方を理解していても、解くのに時間がかかったり、途中でミスをしたりして、最後まで解答にたどり着けなくなります。
とくに高学年や中学生になると、計算の見直しは軽視されがちですが、【なんとなく遅い】【計算でいつも引っかかっている】という兆候がある場合は、あえて四則演算の基礎に立ち返ることが非常に効果的です。
おすすめは、1日5〜10分程度の計算練習を毎日継続すること。
難しい問題ではなく、シンプルな計算(九九、筆算、小数や分数の四則など)を正確にこなすトレーニングが、学習全体の底上げにつながります。
計算が得意になると、子ども自身が【解くスピードが上がった】【文章題も読みやすくなった】と実感するようになり、自然と算数への苦手意識も和らいでいきます。
基礎の見直しは、最も手軽で、効果の出やすい改善ステップなのです。
改善策③基本問題からスタートし、徐々にレベルアップ
算数が苦手な子がいきなり応用問題に取り組むと、【全然できない…】という挫折体験からさらに自信を失ってしまうことがあります。
ですから、基本問題から少しずつステップを踏んで難易度を上げていく学習設計が極めて重要です。
最初のうちは【これならできる】と思えるような簡単な問題から始め、【できた!】という小さな成功体験を積み重ねることで、子どもは自然と学習に前向きになっていきます。
基本問題で考え方を身につけた後に、少しずつ条件の多い問題や文章題にチャレンジすることで、応用力も育っていきます。
このとき大切なのは、親が【このくらい簡単すぎるのでは?】と思うレベルでも、最初の入口としてはむしろ適切であるという認識を持つことです。
焦らず、1つずつ【理解できた】【できるようになった】を確認しながら進めていくことが、結果的に遠回りのようで一番の近道です。
子どもが【自分にもできる】と実感できる瞬間をつくる。
それが、算数克服の最大のカギになります。
【算数ができるようになる子】は日々の工夫で育つ
算数が得意な子は、最初から才能があったわけではありません。
今回お伝えしたように、日々の学習の中で【考え方を言葉にする】【自分で粘り強く取り組む】【図や表で整理する】といった習慣を積み重ねてきた結果、自然とできる子になっていったのです。
一方で、算数が苦手になる原因も、学力そのものより、つまずきへの気づきの遅れや、基礎の取りこぼしといった環境要因が大きく影響しています。
【難しそう】と思った瞬間に思考を止めてしまったり、【わかったつもり】のまま次に進んでしまったりします。
こうした小さなズレを見逃さないことが、親にできる最大のサポートです。
そして改善の第一歩は、【学年にこだわらず基礎に戻る勇気】を持つことです。
さらに、四則計算の確認や、成功体験を積み上げるステップ型の学習が、算数への自信を取り戻す近道になります。
算数は、家庭での声かけや学びの進め方で、必ず立て直せる教科です。
【苦手】と思い込んでいた子が、【できるかも】と目を輝かせる瞬間を、ぜひご家庭でも実感してみてください。
















