今回は【小4から中学生の【伸びる子】と【伸び悩む子】を分ける差】と題し、お話をしていきます。
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ありがとうございます。
小学校4年生ごろから中学生になる頃にかけて子どもたちの学力差がはっきりと見えてくる場面が増えてきます。
【急に授業についていけなくなった】【テストの点が下がって焦っている】【同じように勉強しているのに、なぜかあの子は伸びている】といった親の戸惑いや不安の声を、塾で仕事をしている時も多く耳にしました。
一方で、最初は勉強が苦手だったのに、ある時期からぐんと成績を伸ばす子もいます。
塾や学校の現場では、そうした逆転型の子どもたちを何人も見てきました。
では、伸びる子と伸び悩む子。
その差はどこから生まれるのでしょうか。
意外かもしれませんが、それは決して【地頭の良さ】や【才能】だけで決まるものではありません。
むしろ、日々の小さな習慣や、学びに対する姿勢、そして周囲の大人たちの関わり方が大きく影響しているのです。
そこで今回は、小4から中学生という大きな成長の節目にある子どもたちを対象に、【伸びる子】と【伸び悩む子】を分ける要因を3つの視点から紐解いていきます。
今、もしわが子の学力に不安を感じているとしても、焦る必要はありません。
どの子にも伸びる力は眠っています。
その力をどう引き出し、育てていけるのか。親として、今からできることを一緒に考えていきましょう。
【勉強の目的】がわかっているかどうかの差
まず、小学生のうちは、【とりあえず宿題をやっていれば大丈夫】という姿勢でも、ある程度の成績を保てることがあります。
しかし、小学4年生を過ぎたあたりから学習内容が急に難しくなり、中学生になるとさらに抽象的で複雑な学びが増えていきます。
すると、【なぜ勉強するのか】が自分の中で見えていない子ほど、理解が追いつかなくなり、学習へのモチベーションも下がってしまいます。
一方で、【勉強は将来の選択肢を広げるため】【夢を叶える力になる】など、学ぶ意味を自分なりに理解できている子は、学習に対して前向きな姿勢を持ち始めます。
こうした意識の違いが、少しずつ大きな学力差となって現れてくるのです。
つまり、【学力の差】は、単なる能力の違いではなく、学ぶ目的が明確かどうかという意識の差でもあるのです。
では、子どもが勉強の目的を持てるようにするには、家庭でどのような声かけや関わり方が効果的なのでしょうか。
ここでは、そのポイントを探っていきます。
子どもにとって【勉強】とは、どんな意味を持っているでしょうか?
多くの小学生、とくに小学4年生くらいまでは、勉強を【先生や親に言われたから仕方なくやるもの】と感じている子が少なくありません。
それでも学習内容がまだ基礎的な段階であれば、本人の目的意識が薄くても、ある程度は理解できたり、成績も維持できたりします。
しかし、小学4年生を境に、勉強は作業から理解へとレベルアップします。
とくに算数では抽象的な思考が求められ、国語でも説明文や意見文など、内容の読み取りに深さが求められてきます。
中学生になると、それはさらに加速し、暗記だけでは通用しない教科や単元が増えていきます。
このときに大きな差を生むのが、【なぜ学ぶのか】が本人の中で腑に落ちているかどうかです。
勉強を意味のあるものと捉えられていない子どもは、ただ出された課題をこなすだけになります。
こうなると、思考力や理解力が育たず、内容も定着しません。
いわば、勉強が【頭の外】で処理されている状態です。
答えが出ればOK、間違えたらやり直すだけになります。
その先に【なぜそうなるのか】【どこがわからないのか】を考える姿勢が育ちにくくなります。
一方で、【これは将来役立つ】【この教科が好きだからもっと知りたい】と思える子は、勉強を自分ごととして捉えられます。
これは、いわゆる【内発的動機づけ】が働いている状態です。
たとえば、将来の夢がある子は、その夢に向かう手段として勉強を意味づけできます。
たとえ明確な職業が決まっていなくても、【理科の実験が楽しい】【歴史が面白い】といった体験も、十分に動機になります。
こうした意識の差は、やがて【自分から学ぶ子】と【やらされる子】という行動の違いとして現れ、最終的に学力差につながっていくのです。
ここで大切なのは、子どもに【ちゃんと目的を持ちなさい】と言っても、すぐに変わるわけではないということです。
多くの場合、子どもは自分の中でまだ勉強の意味を見つけられていないだけで、興味の種はどこかにあるのです。
それを引き出すのが、周囲の大人の関わりです。
たとえば、家庭での何気ない会話の中で、【この前の社会の授業で習ったこと、実はニュースでも話題になってたんだよ】とつなげてみたり、【お父さんの仕事も数学が役立ってるんだよ】と伝えたりするだけでも、子どもの中につながりが生まれます。
この【勉強と現実の世界を結びつける】経験は、学びの意味づけに非常に効果的です。
また、子ども自身に【なんで勉強って必要だと思う?】と問いかけてみるのもよいでしょう。
大人が先に正解を教えるのではなく、子どもの中から答えを引き出す対話をすることで、【考える習慣】そのものが育ちます。
さらに、夢や目標がない子にも、【何が好き?】【将来やってみたいことってある?】といった会話を繰り返す中で、小さな興味や好奇心の芽が見つかることがあります。
【ゲームが好き】【動物が好き】【YouTuberになりたい】
どんな動機でもいいです。
その思いを否定せず、勉強と結びつける工夫をしてあげると、子どもの中で【自分が学ぶ意味】が少しずつ形になっていきます。
また、もうひとつ忘れてはならないのが、大人自身の学ぶ姿勢です。
親が【勉強ってつまらないけどやらなきゃいけないもの】と感じていると、その無意識のメッセージは子どもにも伝わります。
逆に、親自身が【新しいことを知るのって面白いね】【お母さんもこのニュース調べてみたよ】と学びに前向きな姿勢を見せることで、子どもも自然と影響を受けます。
子どもが勉強に前向きになれるかどうかは、【学ぶ目的】に気づける環境があるかどうかにかかっています。
その環境は、毎日の家庭での声かけや、大人の姿勢、そして子どもの気持ちに寄り添う関わりの中で育まれていくのです。
【わからない】と言える環境があるかどうかの差
さて、子どもが学力面で伸び悩むとき、原因の多くは【わからないことを、わからないままにしている】状態にあります。
とくに小学4年生以降や中学生になると、内容が難しくなるだけでなく、子ども自身のプライドや恥ずかしさも芽生え、【わからない】と口にすることをためらうようになります。
【質問したらバカにされるかもしれない】【先生に叱られるかも】、という不安から、誰にも聞けずに黙ってしまう子が少なくないのです。
こうして疑問を放置してしまうと、わからない範囲がどんどん広がり、学習への苦手意識が強まっていきます。
反対に、どんな小さなことでも【これ、ちょっとわからない】と素直に言える子どもは、早い段階でつまずきを解消でき、着実に理解を積み重ねていけます。
つまり、安心して質問できる環境があるかどうかが、その後の成長を大きく左右するのです。
では、子どもが安心して【わからない】と言えるような雰囲気を、家庭や学校でどう作っていけばいいのでしょうか。
対策を考えていくことにしましょう。
親、大人が思う以上に子どもは周囲の反応に影響され、どういうことをすべきか自分の信念を曲げてしまうことがあります。
【こんなこと聞いたらバカにされるかも】【何度も聞いたら、怒られるかもしれない】
そんな不安を抱えたまま、子どもがわからないことを口にできない状況は、意外と多くの場面で見られます。
小学校高学年から中学生になると、子どもたちは周囲の目を気にし始め、自尊心も芽生えてきます。
その結果、【わからない】と素直に言うことが、恥ずかしい・怖いと感じるようになるのです。
しかし、この【質問できない】【助けを求められない】という状態こそが、学力の伸びを大きく妨げる最大の要因です。
わからないことをそのまま放置すると、理解が浅いまま次の単元に進み、さらに内容が複雑になる中で、ますます勉強に対する自信を失ってしまいます。
結果的に、【自分は勉強が苦手なんだ】【やってもどうせダメだ】と思い込んでしまう子も少なくありません。
反対に、【わからないと言ってもいいんだ】【質問しても大丈夫】という安心感がある子どもは、疑問に素直になり、自分から学ぶ姿勢を保つことができます。
質問することに対する抵抗感がなく、わからないことを前向きに受け止められる子は、つまずきを早めに修正できるため、学びの質そのものが深まります。
ここで重要なのが、子どもを取り巻く【環境】と【大人の関わり方】です。
子どもが【わからない】と口にしたとき、どんな反応をしていますか?
【なんでこんなこともわからないの?】
【ちゃんと聞いてなかったからでしょ】
そんな言葉が返ってくると、子どもは二度と口にしたくなくなります。
一方で、【どこがわからなかった?】【どういうところでつまずいたの?】と、原因を一緒に探ってくれる大人がいると、子どもは【聞いていいんだ】と感じます。
さらに、【わからないことに気づけたのは成長だよ】【質問してくれてうれしいよ】と前向きなフィードバックを加えれば、それは子どもにとって大きな励みになります。
学校や塾の先生だけでなく、家庭の中でもこの関わりはとても大切です。
親が【わからないこと=悪いこと】と捉えてしまうと、子どもは失敗を避けようとし、わからないことを隠すようになります。
しかし、学びにおいてわからないことは前進のきっかけであり、成長の入り口です。
それをどう受け止めるかで、子どもの自己評価は大きく変わっていきます。
また、【自分も昔はここでつまずいたよ】【難しいって感じるのは自然なことだよ】と親が自身の経験を共有することも、子どもに安心感を与える効果があります。
大人が完璧である必要はありません。
むしろ、失敗やつまずきを認めている姿を見せることで、子どもも自然と【間違えても大丈夫】と思えるようになります。
さらに、兄弟姉妹間での比較や、他の子と比べるような発言も避けましょう。
【お兄ちゃんはできたのに】【○○ちゃんは100点だったらしいよ】
こうした言葉は、子どもの自尊心を傷つけ、【どうせ自分はダメなんだ】と自己否定を強めてしまいます。大切なのは、その子自身のペースと頑張りに目を向けることです。
学力の差は、才能の差だけでは生まれません。
【わからない】と言えるかどうか、そしてその言葉をどう受け止めてもらえるか。
この小さな差が、のちに大きな成長の違いとなって現れてくるのです。
自己管理と習慣化のスキルの差
ところで、子どもの学力差は、一晩でつくものではありません。
とくに中学生になると、授業内容の難化に加えて、テスト、部活動、友人関係、行事など多くの時間を自分で管理する必要が出てきます。
このとき、【自分で計画を立て、勉強を習慣として続けられる力】がある子は、着実に力を伸ばしていきます。
実はこれは、生まれつきの才能や気質ではなく、日々の積み重ねで身につけられる力です。
とくに小学4年生から中学生の間は、自己管理の基礎を育てる大切な時期。
ここで勉強と生活のリズムが整っているかどうかが、数年後に大きな差となって表れてきます。
しかし、【計画的に勉強する】【継続する】といった力は、子どもにとって簡単なことではありません。
では、家庭ではどのようにサポートし、この続ける力を育てていけるのでしょうか?.
次に、その具体的な方法や関わり方を詳しく見ていきます。
やはり大切なのは、【毎日コツコツ続ける】ということです。
これは一見シンプルですが、小学生や中学生にとっては非常に難易度の高い行動です。
とくに中学生になると、教科数の増加、部活動、テスト、行事と、時間的な余裕が減っていくため、【いかに自分を管理しながら学習を継続できるか】が大きな鍵になります。
学力の差は、知識量や理解力だけでなく、勉強を習慣化できるかどうかによっても大きく開いていきます。
しかもそれは、特別な才能や性格ではなく、日々の小さな積み重ねで誰にでも育てていける力です。
とはいえ、最初から【計画通りに1時間勉強する】【毎日完璧にこなす】といった高い目標を課すと、かえって失敗や挫折を経験しやすくなります。
重要なのは、【小さな約束を守ること】から始めることです。
たとえば、【帰宅後に5分だけ今日の授業を振り返る】【寝る前に翌日の準備をする】【毎週1回、自分の勉強の振り返りを書いてみる】
こうした【続けやすい習慣】を生活の中に組み込んでいくことで、少しずつ自分をコントロールする力が育っていきます。
また、親との関わり方も非常に重要です。
多くの保護者は、【計画を立てなさい】【ちゃんとやったの?】と、つい口を出してしまいがちです。
しかし、外からの強制では、子どもの自発的な管理力は育ちません。
代わりに、【どんなふうにやれば自分で続けられそう?】【まず何から始めてみる?】と、子ども自身に考えさせる関わり方が有効です。
計画を立てることよりも、【どうすれば自分に合ったやり方になるか】を考えさせるプロセスが、実は最も価値のある経験なのです。
そして、計画通りにいかなかった時も、責めるのではなく、【じゃあ、次はどうしようか?】と一緒に立て直す姿勢が大切です。
成功体験だけでなく、つまずいた時にどうリカバリーするかを学ぶことも、自己調整力を高めるうえで欠かせません。
家庭での声かけの一例としては、【毎日やらなくても、週3日でもOK】【5分でもできたら、それは前進だね】【今日は無理だったか。明日どうしたい?】
こうした柔軟な言葉かけが、子どもにとってはプレッシャーではなく支えになります。
継続には【安心できる環境】も不可欠なのです。
また、子どものスケジュール管理を見守るうえで、保護者自身が【自分もこんな方法で工夫してるよ】と、習慣づくりの例を共有するのも効果的です。
親が【やらせる側】ではなく、【一緒に工夫する仲間】として関わることで、子どもも自分ごととして捉えやすくなります。
【伸びる子】は、結果を出す前に過程をきちんと整えられる子だということです。
計画を立てる→実行する→見直す→調整する。
この一連のマネジメントを、無理なく自然に行えるようになると、勉強以外の場面でも自信を持って行動できるようになります。
このような力は、決して短期間では身につきません。
しかし、親のサポートと環境づくり次第で、どの子にも確実に育っていきます。
毎日の【ちょっとした習慣】と【少しの声かけ】が、子どもの未来を支える大きな力となるのです。
【差】は才能ではなく、育て方で生まれる
【伸びる子】と【伸び悩む子】の違いは、決して地頭や生まれ持った才能だけで決まるものではありません。
むしろその差は、日々の関わり方や環境、そして学びに対する姿勢や習慣の違いによって、少しずつ形づくられていくのです。
勉強に意味を見いだせる子は、自ら学ぶ力を身につけます。
【わからない】と言える安心感のある環境があれば、早めのつまずきを自力で乗り越えられます。
そして、自己管理の習慣があれば、安定して学びを積み重ねていけます。
これらはすべて、特別な才能ではなく、家庭や学校の中で少しずつ育てていける力です。
大切なのは、子ども自身の可能性を信じ、急がず焦らず、日々の声かけや習慣づくりを積み重ねること。
そうすることで、どの子も【伸びる子】になる力を持っているのです。
今日からできる小さな工夫が、未来の大きな成長につながっていきます。