今回は【学力の差は『家庭力』で決まる? 小学生のうちに育てたい3つの力】と題し、お話をしていきます。
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ありがとうございます。
子育てをしていると、教育方針がかなり違いがあるというのをママさん達と会話をしていると感じることがあると思います。
教育の考え方が違うというのはよくあることですが、同じように勉強させているけれど、成績に差が出てくることは珍しくありません。
学年が上がれば上がるほど、子育ての中での勉強に関する悩みというのは大きくなっていきます。
【うちの子、同じ学校のあの子と同じ塾に通っているのに、なぜ成績にこんなに差があるの?】
こう悩む親は少なくありません。
授業の進度も、塾のクラスも習い事教室の進み具合、使用している教材も変わらないはずだったのに、いつの間にか抜かされて、【できる子】と【伸び悩む子】に分かれていくことがあります。
その差の正体は子どもの能力、つまりは学食スキルの違いということもありますが、【家庭の力】であることが少なくありません。
ここでいう家庭力とは、親が勉強を教える力ではなく、子どもが学びに向かう土台をつくる力です。
つまり、家庭の中にある生活習慣・声かけ・環境づくりなど、毎日の積み重ねによって育まれるものです。
低学年の頃は【なんとなくできる】で通用する、学校のテストで高得点や満点を取ってくきても、こともありますが、学年が上がるにつれて、その【なんとなく勉強している】の差が大きく広がっていきます。
そして気づけば、勉強の習慣がついている子とそうでない子の間に、埋めにくい差が生まれてしまうのです。
一旦、差が出てしまうとそこからの巻き返しは大変です。
そもそも、先頭を走る同級生に追いつく気力が子どもにあるかどうかも怪しいですし、気力が湧いてこない場合はズルズルと成績、学力は低下していきます。
こうした事態は親としては避けたいものです。
そこで今回は、小学生のうちに意識して育てたい【3つの力】に注目し、家庭で今日からできる関わり方をご紹介していきます。
学びのベースをつくる正しい生活の力
まず、勉強ができる子は、生まれ持った才能だけで決まるわけではありません。
実はその多くが、日々の暮らしの中で自然と学びやすい環境を身につけているのです。
そしてその基礎となるのが、規則正しい生活、つまりは正しい生活の力です。
正しい生活の力とは、単に生活習慣の良し悪しにとどまらず、そういったベースがあり、自分で考えて勉強する、動く力の土台です。
学力の土台を支える生活力を、家庭でどう育てていけばよいのでしょうか。
毎日決まった時間に起きて、朝ごはんを食べ、学校へ行く。
帰宅後はある程度の流れで宿題や勉強をこなし、夜は早めに寝る。
このような安定した生活リズムこそが、学力を支える見えない下地です。
【今日は疲れたから宿題は明日でいいかな】【なんとなくゲームをしていたら、もう寝る時間になっちゃった】という日が積み重なれば、集中力ややる気にも影響が出てきます。
とくに注意したいのが、スマホやテレビの時間です。
決まった時間だけ使う、使う前にやるべきことを終える、など、明確なルールを家族で共有することが大切です。
【うちの子、なかなか勉強の習慣がつかなくて】と悩む家庭ほど、まずは生活のリズムと優先順位を見直すことが、遠回りなようで実は一番の近道になることがあります。
そして、生活の力の中でも子どもの自立心を芽生えさせる【自分の子とは自分でやる】ということを身につけさせることも大切です。
【ランドセルに教科書を入れておいた?】【明日の準備はどうなの?】
親は、子どもが行動する前につい声をかけたくなるものですが、子どもが自分のことを自分で考えて行動する経験は、思考力の基礎につながります。
忘れ物や準備不足があったとしても、まずは本人に【どうする?】【次はどうすればいいと思う?】と問いかけてみましょう。
このような小さな“自立の機会”が積み重なることで、子どもは【自分で考えて動く力】を自然と身につけていきます。
反対に、すべて親が先回りして準備し、失敗を防いでしまうと、子どもは【誰かがやってくれる】という受け身の姿勢が定着してしまいます。
受験や中学進学後の勉強では、【自分で考えて行動できるか】が問われる場面が急激に増えるため、小学生のうちに自立の芽を育てておくことが大切です。
また、家庭で気をつけて欲しいのが国語力です。
すべての教科の理解力に関わる【言葉の力】は家庭で鍛えるのが理想的です。
この力は塾やドリルだけではなかなか身につきません。
日常的に親子でどんな言葉を使い、どんな会話をしているかが、子どもの語彙力や表現力のベースになります。
たとえば、子どもが【今日は楽しかった】と言ったときに、【何が楽しかったの?】【どんな風に?】と、少し深掘りする質問を投げかけてみてください。
その繰り返しが、思考と言葉をつなげるトレーニングになります。
また、ニュースや日常の出来事について一緒に話す習慣も、子どもの考える力や表現する力を養います。
逆に、「どうせ分からないだろう」と子どもにあまり話しかけなかったり、曖昧な表現や短い返事だけで済ませてしまうと、言葉を使う機会が減り、語彙力も伸びにくくなります。
家庭の中での会話の質こそが、学力の根っこを支えているのです。
生活の力と言われてもピンと来ないかもしれませんが、その力は学力の前提となる力です。
学習リズム、自立心、語彙力のどれも特別な指導や教材が必要なものではありませんが、日々の暮らしの中で自然と育てられる力です。
家庭という安心できる場所で、子どもが「自分のことを考え、言葉にして、行動する」機会を増やしていくことが、結果的に“学びの地力”を高めていきます。
この土台がしっかりしていれば、どんな勉強にも柔軟に取り組める力が育ちやすくなります。
自分から学べる子に育てる自学力
さて、学年が上がるにつれ【勉強しなさい】と言わないとやらない、【机には向かうけど、集中できない】といった悩みが増えてきます。
これは、単なるやる気の問題ではなく、自分で学ぶ力=自学力が育っていないことが原因です。
自学力とは、自分で勉強に取り組み、間違いやつまずきから学び、改善していける力を意味します。
中学や高校で伸びる子は、この力がしっかりと身についています。
小学生のうちは、親の声かけで勉強する子が大半です。
しかし、それがいつまでも続いてしまうと、中学生になった途端に【何をしていいか分からない】【やる気が出ない】とつまずくことになります。
そこで必要なのが、【勉強は自分のためにするものだ】と実感させる関わり方です。
たとえば、テストの点数だけに注目するのではなく、【どうやって勉強した?】【どこが分かるようになった?】と過程に焦点をあてる声かけが有効です。
また、できた問題だけでなく、【前はできなかったのに今回はできたね】と成長に気づかせるフィードバックをすると、子ども自身が【勉強すればできるようになるんだ】と前向きにとらえやすくなります。
また、自学力を高めるうえで見逃せないのが、【失敗】や【間違い】との向き合い方です。
間違えることに過度な不安やプレッシャーを感じてしまうと、子どもはチャレンジを避けるようになります。
テストのミスを責めたり、【なんでこんな簡単な問題ができないの?】と叱ったりすると、学ぶ意欲が萎えてしまうこともあります。
大切なのは、間違いから学ぶ姿勢を家庭で育てることです。
間違えた問題を見ながら【どこで躓いたのかな?】【次はどうすればいいと思う?】と一緒に振り返るだけでも、子どもは失敗は成長のきっかけだと感じられるようになります。
親自身も【仕事でミスしたけど、次からはこうしようと思った】といった日常のエピソードを共有すれば、失敗をポジティブにとらえる空気が自然と家庭に生まれます。
勉強との向き合い方でも、私が塾で仕事をしている時も、長時間勉強させたがる親もいますが、ダラダラ勉強していても、成果は上がりにくいです。
大切なのは、【どれだけの時間勉強したか】ではなく、【どんな内容を、どのように理解したか】という質の部分です。
集中して15分取り組めば、子どもも大きな手応えを得ることができます。
そのためには、【今日はどんなことを勉強したの?】【この問題、どうやって考えた?】と、子どもが思考を言語化する習慣をつけるとよいでしょう。
また、親が丸つけをするときは、正誤だけを見るのではなく、【ここまでの考え方は合ってるね】【ここまでは合っていたけど、計算ミスだったね】と、プロセスを認めるコメントを加えるのが効果的です。
こうした積み重ねが、子どもに【勉強=自分の頭で考える時間】だと意識づけ、自主的な学びに導いていきます。
自学力は、小学生のうちから意識的に育てることが大切です。
親がつい先回りして指示を出すのではなく、【どうしたい?】【どう考えた?】と問いかける姿勢が、自立した学びを促します。
また、失敗に寛容で、努力の過程を認める家庭の空気は、子どもの挑戦意欲と粘り強さを育ててくれます。
【やらされる勉強】から、【自分で学ぶ力】へ、と子どもが自ら考え、工夫し、成長を楽しめるようになることが理想的です。
これからの時代に必要な対話力
ところで、かつては、テストの点数や暗記力が学力の中心でした。
しかし学習指導要領の改定などの影響もあり、【自分の考えを持ち、それを表現できる力】、つまり対話力が重視される時代へと移り変わっています。
その背景には、新学習指導要領による【主体的・対話的で深い学び】や、探究学習の導入、さらには記述式、プレゼン型の入試の拡大が影響しています。
知識を問うだけでなく、【あなたはどう思いますか?】と考えや意見を表現する力が求められる場面が、これからますます増えていきます。
その第一歩として大切なのが、家庭で【どう思う?】【なんでそう思ったの?】と日常的に問いかける姿勢です。
子どもが自分の言葉で考えを語る経験を積むことが、将来の伸びしろを大きく広げてくれます。
対話力と聞くと、何か特別な訓練が必要に思えるかもしれませんが、実際は日々の親子の会話こそが最大のトレーニングです。
我が家でも、コミュニケーション能力は社会に出た時に強みになるので、しっかり育つようにと対話することを意識してきました。
たとえば買い物中に【どっちの方が安いと思う?】【なんでこの商品が人気なんだろうね?】と問いを投げかけたり、ニュースを見ながら【この出来事、あなたならどう感じる?】と一緒に考えてみたり。
こうした【なんとなく話す】のではない【一緒に考える会話】が、子どもの考える力、言葉にする力、他者の意見を受け止める力を自然と育てていきます。
正解を押しつけるのではなく、【なるほど、そういう考えもあるね】【じゃあ別の見方もあるかな?】と、思考を広げる返し方を意識すると、子どもは安心して自分の意見を話せるようになります。
対話力がある子は、単に話が上手な子ではありません。
自分の考えを持ち、周囲に流されずに判断できる【軸のある子】に育ちます。
とりあえず、我が家の子ども①は自分の信念のようなものを持つ子に育ったと思います。
子ども②はちょっと怪しいですが、それでも自分の考えは持っています。
子ども③は、頑固なところがあるので、それを軸だと良い方に捉えれば順調に育っていると言えます。
中学高校へ進むと、自分で選択する場面が増えていきます。
進路、部活、人間関係などの子どもの人生において、何を選ぶか以上に、【どう考えて決めたのか】が問われるようになります。
対話力は、そうした場面で自分の意志で選び、納得して進める力につながります。
また、周囲との違いを受け入れられるようになるため、自己肯定感が高まり、他人と比較せずに努力を続けられる子になります。
これは学力だけでなく、人生そのものを豊かにする大きな力となるでしょう。
家庭で【どう思う?】と子どもに問いかけ、【一緒に考えよう】と子どもの言葉に耳を傾ける。
そんな何気ない会話の積み重ねが、子どもの考える力と心を大きく育てていきます。
塾や教材では伸ばしにくい【対話力】こそ、家庭でこそ育てられる新しい時代の学力の柱になります。
子どもの学力を伸ばすうえで、本当に大切なのは【先取り学習】や【難しい問題を解く力】ではなく、日々の暮らしの中で育まれる学びの土台です。
規則正しい生活リズム、自分で考えて動く力、親子の対話による思考の深まり。
どれも、特別な教材や塾がなくても、家庭の習慣と関わり方で自然と育てることができます。
小学生のうちにこうした【家庭力】を意識しておくことで、中学高校に進学した後も揺るがない学力のベースができます。
そして、それは才能ではなく、誰にでも積み重ねられるものです。