今回は【小5で成績が低迷するとキツイ理由】と題し、お話をしていきました。
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小4の壁という言葉があるように、子どもの学力の分岐点は小学校4年生だと一般的には言われています。
小学校のクラスの中で授業を理解している子、理解するのに時間がかかっている子、教科書や先生の言っていることが理解できなくなってくる子、が混在しています。
小学校低学年の頃はこうした理解力の差は一部の子を除くとさほど大きなものではなかったのですが、学年が上がり学ぶ内容も難しくなれば【あの子は勉強が得意な子】【勉強を苦手にしている子】が認識冴えるようになります。
この他にも、普段の家庭での学習量の違いも加わり、クラス内で学力グループが形作られていきます。
ただ、小学校4年生である程度作られた学力グループも小学校5年生になると上位層の中でも【すごくできる子】と【苦手教科や単元があるけれど賢い子】に分類されていきます。
その一方で、【勉強が苦手】という子にとっては小学校5年生の学びはこれまでとはまた違う、レベルの上がった内容となって【さっぱり分からない】と感じるようにもなります。
中学受験でも小学5年生が勝負の学年、受験算数でも重要単元を学ぶ超重要な1年になります。
中学受験をしない小学生にとっても、5年生の重要度は同じです。
しかも、小学5年生で成績が低迷すると中学進学後の学力、成績、志望校選びにも影響する事態になるので【まだ小学生だし】の一言で片づけられません。
親の意識差で子どもの中学進学後の校内順位、立ち位置が変わってきてしまうかもしれないのです。
そこで今回は、なぜ小学5年生で成績が低迷してしまうとキツイのかを説明していきます。
抽象的な内容が理解できないと伸び悩む
まず、小学校5年生の学びは算数を筆頭にかなりハードな内容になります。
割合、図形、比例の基礎でもある【単位量あたりの大きさ】や、四則計算の分野も小数同士のかけ算と割り算と、すんなりサクッと解ける単元はほぼありません。
社会も本格的に日本地理の分野に入り、農業や工業を学びます。
理科は流れる水の働き、電磁石、植物の発芽やメダカの誕生、振り子の動きなど、理科の4領域、すなわち地学、化学、生物、物理の内容をまんべんなく勉強します。
英語の授業も始まりますし、これまで漢字のテストだけを気にすれば良かったと思われがちな国語も古文が登場したり、物語文も抽象的な表現が増えたりするので、国語のテストでも読解問題で点数を落として以前のような高得点が取れなくなる子も出てきます。
小学校6年間の中でも、緩やかに、着実に学校の授業の学びは難化してきていますが、とくに中学進学までラスト2年という5年生になると、大きな段差を感じるくらい【ちょっと1回では分からない】という単元の連続になります。
しかもそれが一教科だけの話ではなく、全教科ですから大変です。
そもそも、抽象的な内容が理解できないと小学校5年生より先の勉強でも苦戦続きとなることが確定しています。
小学校低学年のように【パッと見たら解ける問題】【すんなり理解できる勉強】とはおさらばします。
ちょっとキツイ言い方かもしれませんが、小学校5年生より勉強が簡単になることはないですし、5年生で停滞しているということは、この状態を改善しようとしなければずっと停滞することになります。
正直、まだ停滞なら良いと思います。
多くの子は停滞だけで済まされることなく、成績が下がっていきます。
たとえ小学校4年生で学力上位層にいたとしても、抽象的な内容を理解する学びを苦手としていると学力上位層から転げ落ち、真ん中よりやや上という立ち位置になります。
ですから、小4の壁を乗り越えたとしても続く5年生での勉強に苦労する可能性もあるので、ホッとせずに子どもの学校のテストの点数の推移、宿題を終わらせる時間が長くなっていないかと気にかけるようにしましょう。
学習意欲が出てこなくなる
さて、小学校5年生で成績が低迷すると学習意欲が湧き上がりにくくなる恐れがあります。
5年生の勉強は難しいのに高得点、満点を連発している子もクラスにはいます。
そういう子を尻目に、なかなか良い点数が取れない子は【勉強を頑張って彼ら彼女たちのようになりたい】と思うか、それとも【良い点数を取っている子は元が違うから】と自己解釈しているかでその後の成績の推移も変わってしまいます。
【自分だってやるぞ!】という気持ちが出てくる子は成績が持ち直す可能性が高いですが、【あの子達は別格だから】と自分に言い聞かせてしまうと学習意欲はどんどん小さくなってしまいます。
タイミング的に小学5年生というのは心の成長も著しく、他の子と自分を比較して必要以上に劣等感を抱いたり、何をやってもダメだと悪い方に考えることもあったりするので、勉強での躓きというのが長期化しやすく、親の意見を素直に聞けない、むしろ反抗的な態度を取って問題を深刻化させるということも珍しくありません。
小学5年生というのは学力グループがハッキリできてしまうだけでなく、ミドル層以下に属してしまうとそこから心を決めて這い上がろうという子は滅多にいないくらい厳しい現実が待ち受けています。
私の小学生時代、子ども①②の周囲でも【小学校5年生でのクラス内の学力の立ち位置がそれ以降に大逆転となったことはない】というのを経験しています。
私は自分で言うのもなんですが、そういう超レアケースの人間です。
同じようにミドル層以下にいた同級生全員が中学進学後も勉強への意欲が低く、進学した高校も【あの辺りだよね】に落ち着いていたので、ちょっと本気を出せばそこから抜け出せるというのも経験している反面、そういう気持ちになかなかなれないというのも分かります。
一番の対策は小学校5年生の時点でクラス内で上位層にいることです。
そうすると、周囲からも【あの子はこんな難しいテストでも満点を取ってる、高得点を取っている】と尊敬の眼差しを向けられ、【ちゃんとやらないと】という気持ちが増してきます。
しかし、学校の勉強が分からない、テストが思うように解けないという状態が続けば、大半の子は【頑張るぞ!】ではなく、勉強しても何も変わりはしないという楽な方に流されていく気持ちが強くなります。
小5で成績が停滞しないよう気をつけてください。
中学の成績の見通しが暗い
ところで、塾で仕事をしていると【この子はこの位の高校に行く】というのを小学生の段階で大体予想することができました。
周囲の先生たちもこうした見立てをすることが普通にできていたので、教育産業あるあるのスキルだと思っています。
小学5年生で苦戦していると、中学での成績、校内順位も上位層になれない可能性が高いです。
【5年生で苦戦をしているけれど勉強を頑張ったら理解できるようになった】ですと成績が上向きになるチャンスはありますが、何も対策をしていないのなら【中学では校内順位が真ん中より下】になっても不思議ではありません。
公立中学の真ん中より下から進学校合格を目指すにはかなり厳しい立ち位置です。
もし、地元の進学校を目指しているのであれば【小学校5年生でクラスで必ず学力上位グループ】に属していることが不可欠です。
子ども①の同級生で、【小学校の頃はそこまで勉強ができたという印象がないけれど偏差値60前後の高校に進んだ子】はたったの一人でした。
反対に、【けっこう勉強できていたけれどその時のイメージよりは下の高校】に進んだ子は数人いたので、やはり中学進学後に成績を下げる子の方が多いです。
10歳の壁、小4の壁を乗り越えたとしても、小学校6年間の中でも勉強面では一番のヤマ場である5年生の勉強をしっかり理解して、テストで高得点が取れないと学力グループの最上位層に属することは叶いません。
そして、公立中学での最上位層は【5年生の勉強も乗り越えた】という子達で占められているので、【苦手教科もあるけれど】という賢い子が入り込む余地はないです。
とにかく、中学で校内順位で上位層を目指す、進学校を目指すのであれば小学校5年の勉強で躓かないようサポートしていくのが肝要です。