今回は【中学の成績は小学5年の学力次第】と題し、お話をしていきます。
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ありがとうございます。
中学受験が盛んな大都市圏を除けば、全国的には地元の公立小学校を卒業したら地元の公立中学にそのまま進学する子が圧倒的多数です。
受験もなく自動的に学区の中学に進学できますが、それも中学までの話です。
中学から高校に入るには受験は避けられません。
そして、受験する高校を決めるには子どもの【行きたい】という気持ちだけでなく、中学での成績、定期テストでの校内順位や塾のテスト、模試の結果を踏まえて総合的に判断していきます。
志望校と子どもの学力がマッチしていれば受験する意義はありますが、明らかに厳しい戦いになる、しかも努力もしていないのに【○○高校を受けたけれどダメだった】という世間体を気にして無謀な戦いを挑む子も毎年のようにいたりと、受験と子どもの学力の問題というのは気になったらキリがないくらい色々とあります。
地方では小学生の頃は勉強よりも遊ばせた方が良い、という考えが支配的ですし、令和の今になっても地域によっては相変わらず【学を持たせてもろくなことにならない】【早いうちから働いた方がいい】と、勉強軽視の考え持つ人が多かったりもします。
個人的には、学力を軽視する考えは賛同できかねますし、【小学と中学は別物】【中学に入ったら子どもは勝手に勉強するはず】という考えはちょっと改めて欲しいなと思います。
なぜ、そう思うのかと言えば、小学校の時の成績、学力と中学進学後の成績というのは切っても切れないくらいの関係があるからです。
小学校卒業しました、中学校に入りました、というスパッと区切れるほど甘いものではありません。
とくに色々な教科が難しくなる小学5年生でのクラスや小学校の中での学力的な立ち位置、つまりは【あの子は賢い子】【そこそこ勉強できる子】【勉強やらない子】というものは中学進学後に努力しない限り変動しないくらい固定化が進んでいきます。
なぜ、小学5年生が重要なのでしょうか。
算数の成績次第
まず、小学5年生になると【算数】の出来不出来がよりハッキリしてきます。
中学受験の世界でも【小5の算数が勝負】と言われるくらい、5年生の算数というのは差が生まれる単元がギュッと詰まっています。
子ども①の時も、②の時も小学校のクラスで算数で満点をいつも取っていた子というのは6年生になっても勉強ができる子でしたし、地元の中学に進学した後も【上位10%から15%以内をキープしている】という子ばかりのようです。
小学5年の算数は割合、体積を始めとした図形と一目見て答えが分かるような学びではなく、抽象的な概念、思考力の要素が強まるため、考える力の差がダイレクトに理解できるかどうかに関係してきます。
さらに計算も分数と小数の複雑な計算を勉強します。
この単元は私も塾で小学生を教えている時に、【それなりに出来ている子も多少なりとも苦戦する】という現象が起きていたので、普段から勉強していない子にとっては【計算問題でもよく分からない】と感じるだけだと思います。
最小公倍数と最大公約数もかけ算と割り算の基礎があやふやだと正しい答えを出すこともできず、その力があるかないかも露呈してしまいます。
子ども②が小学5年生の時、クラス内の半分以上の子が最大公約数と最小公倍数でミスを連発していて、担任の先生が危機感をもち、再テストを行っていました。
子ども①②も小学3年生や4年生までは勉強で張り合おうと色々としてきた子達が軒並みそんな気持ちをなくし、楽な方に流されていったという話をしていました。
【小学5年の算数は難しいからノリで勉強しようとしても理解できないよ】と子どもたちが口にし、小学生時代は遊んでばかりだった私は何とも恥ずかしい気持ちになりました。
算数が好きではない、嫌い、苦手だという感情が強くなると、中学進学後の数学でも同じような感情を抱き、【自分にはセンスがない】と自己解釈してしまえば中学で成績上位層になるのは難しくなります。
カラーテストの点数次第
さて、小学5年生では英語も教科として本格的に勉強し始めます。
ただ、中学英語のように英文法を勉強する、英単語を暗記するということではなく、【英語に親しむ】という雰囲気が強く、カラーテストが行われるものの、漢字のように英単語練習といった宿題が出されることはありません。
テスト自体は基本的なものですが、学んだ英語表現を書いたり、リスニング問題があったりするので【覚えられない】という子はカラーテストでも80点以下を取ったりしています。
英語で悪い点数を取ると、やはり英語は難しいと思うようになり、中学進学後の難化した中学英語に対応できず、【英語が分からない】という状態を作るきっかけにもなってしまいます。
この他にも国語の文章は小学5年生らしいボリューミーな内容、複雑な話になってくるので教科書を読んでいてもチンプンカンプンという子も出てきます。
子ども①の時には【教科書の漢字が読めないからルビを振る】という子がいました。
理科も社会も中学の理科と社会につながる学びが強まるため、算数に続くように点数差が目立ってきます。
小学5年生のカラーテストでどの教科もほぼ満点を取っている子は進学した学区の中学で学力上位層になり、高得点ばかりの子はその次に位置します。
高得点はとるけれど苦手な教科は85点くらいという子は、【偏差値60未満から55の高校】が一つの目安になります。
常にどの教科も80点以下だと、偏差値55の高校を目指す道のりは険しいです。
カラーテストは習ったばかりの単元の理解度、定着度を測るテストですから、【勉強したばかりだけれど8割未満が続く】というのは、中学進学後に上位層にはなれないシグナルになります。
その状態から中学で学力上位層になるには、それこそ平日や土日は自由時間の多くを学習時間に変えるような覚悟がないと無理です。
勉強との向き合い方次第
このように学力差がハッキリしてしまう小学校5年時点での学力は中学進学後の立ち位置を決めてしまうことになるのですが、5年生で成績がイマイチという子達の中でも【この状態を何とかしたい】と思う子もいれば、【別に勉強できなくても困ることはない】と考えている子もいます。
勉強との向き合い方、考え方がその後の成績の推移、進学を決めてしまうくらい大切です。
小学5年生時点で満点ばかり取っている子、高得点ばかり取っている子で怠け心が出て成績が悪くなる子というのはあまりいませんが、少数ながらも中学進学後に自分の学力を過信して成績を下げていく子もいます。
どんなに賢い子でも【勉強との向き合い方】が変われば成績も変わります。
反対に、成績が芳しくなくても小学5年生で【これはヤバい】と気がつき、勉強に本腰を入れていくと中学に入ってから成績を伸ばすことも可能なのです。
私の場合、中学入学後に改心して猛烈に勉強しましたが、小学5年生時点に反省して心を入れ替えていればもう少し楽に成績を上げていくことができたのでは、と今も悔やんでいます。
そして、5年生の難しい単元の数々をちゃんと勉強していれば高校に入ってからの勉強との向き合い方もド根性で何とかする、ではなくもう少し建設的に考えて、まともな学習スタイルを確立出来ていたのでは、と思ったりもしています。
とにかく、小学5年生は学力差がハッキリするだけでなく勉強との向き合い方が決まってしまい、そのことで中学での成績や進路進学がどのようになるのか見えてくる重要な学年です。
年齢的には11歳で高校入試までに4年という時期になります。
まだまだ子どもにとっては遠い未来のことですが、小学5年生というのは子どもの性格、交友関係も決まってくるので、【どんな子と仲良くなって中学でどんな風に過ごすのか】も何となく分かってきます。
トラブルに巻き込まれそうな子になりそうか、それともまともに中学校3年間を過ごせるかというのも親が感じ取れる年頃です。
ただ、まだ子どもは子どもですから親と話を重ねることで改善することもできます。
中学生になると思春期に突入して親よりも友達関係を優先する子も増えるので、思うところがあるのなら、小学5年生までにしっかり子どもと向き合って将来について、中学進学後について話し合っていきましょう。