【高校受験 自治体模試を信じ過ぎるのはNGな理由】と題し、お話していきます。
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中学受験、高校受験そして大学受験と3つの受験を受けるなら避けては通れないのが『模試』です。
名称は色々とありますが、自分の学力だけでなく、志望する学校に合格するかどうかなど偏差値から明確に分かります。
例えば、偏差値65で合格率80%の学校を志望している。
テストを受けてみたけれど、自分の偏差値が60で、このまま成績が上向きにならないと受験しても不合格となる可能性が高いということを意味しています。
テストを受けることで今の実力を把握して『志望校合格を目指すにはどうすれば良いか』と考えさせ、学習内容の見直しや、苦手な教科や単元の復習をするきっかけにもなります。
数ある受験向けのテストの中でも、一番特殊な立ち位置なのが『自治体ごとに存在している地域の高校入試に特化した模試』です。
中学では受験に特化した塾が開催する模試が複数存在しています。
高校生向けの全統一模試、進研模試は全国向けです。
しかし、高校受験は地域の中で争われる受験という事情もあって地方の公立高校入試に特化したテストがあります。
高校受験をする際は、そのテストを受けて自分の立ち位置を知るというのが昭和の頃から行われてきました。
地方に住んでいる中学生は自治体模試を受けて『都道府県内での自分の立ち位置』を知ることになります。
一般的に中学1年生、2年生の前半は受験者数もそう多くはありませんが、中学2年生の秋以降はどんどん受験生が増えてくるので『志望校の中でどの辺りか』という精度も上がってきます。
ただ、あまりにも自治体模試の結果を信じすぎてしまうのはいけません。
どうして信じすぎてはいけないのかを考えていきます。
1.理由があって受けていない子もいる
志望校に合格するかどうかというのは、受験生や親にとっては非常に気になります。
自治体模試を受けることで、子どもの立ち位置やどのくらい成績を上げないといけないのかというのが分かるので、『受けない』という選択肢を選ぶ子よりは『受ける』を選ぶ子が学年が上がれば増えていきます。
受験者数が多くなれば志望校判定の精度も上がります。
それが毎年多くの受験生が自治体模試を受ける理由なのですが、もちろん受けていない子もいます。
子ども①②の周囲では成績上位者の中に受けていない子もいます。
子ども①が高校に入ってから色々な子に話を聞いてみると『あの模試、受けたことないんだ』とか『1回か2かいくらいしか受けていない』という同級生がそれなりにいたそうです。
自治体模試は公立高校の入試問題に似ているわけですが、東京や大阪などの一部の自治体を除くとトップ高校から偏差値が45未満の高校を受ける子も同じ問題を解きます。
解きごたえのある問題を解きたい神童さん達に取って、自治体模試は物足りなさを感じてしまいます。
ですから、模試の結果が良くても『よし、本番も大丈夫』ということにはならないのはもちろんのこと、受けていない子も一定数いるということを常に頭に入れておいてください。
とくに、トップ高校を目指している子は最上位層、上位層が受けていない可能性もあります。
『受けるよりも自分の勉強したい』『塾のテストの偏差値をみれば問題ないから受けない』と考えている子もいます。
また、自治体模試の受験料も家計への負担も無視できません。
私も中学生の時も頻繁には受けることはなくピンポイントで参加していました。
そういう毎度毎度受けられるわけではない受験生もいるので、『この人数の中でどうか』と真正面から信じ切るのはコワイです。
ですから、自治体模試の志望校の中での順位をそのまま自分のリアルな順位と受けとめず、【自分の上にはクラス1クラス分、2クラス分くらいいる】とちょっと大袈裟でもいいので模試の判定結果で出て志望者数の中での順位を50とか60など多めに足してみて『それで募集定員の中に入れるか』と考えることも必要です。
2.志望校変更する層が一定数いる
受験生は『この学校に進学したい』という気持ちを持って日々受験勉強を頑張っています。
しかし、どうしても志望する学校に届かないこともあります。
そういうときは、第2志望の高校を選択する、受験するという流れになりますが多くの受験生は直前まで志望校変更することはありません。
高校入試は一般的に中学3年の年明けの1月から3月にかけて行われます。
願書提出の時期を考慮すると、志望校を変更するギリギリのタイミングが12月、公立高校なら1月頃です。
公立高校であれば、願書を提出した後に倍率が発表されます。
その後に志願先を変えたい生徒は中学校を通じて違う受験校に願書を提出します。
たいてい、高倍率となった学校を避ける動きが見られます。
超直前期に受験する高校を変える子が一定数いるということは、自治体模試のほぼ最終回である中学3年の11月や12月開催時点では、受ける高校ではなくなった学校を第一志望として書き込んでいる子がそれなりにいるわけです。
そうなると、志望校の判定をそのまま『可能圏だから大丈夫そうだ』と喜べません。
とくに、偏差値60から62、63の高校はそれより上の高校を目指していた受験生が志望校を変える可能性があります。
元々、偏差値65を目指していた子と、最初から偏差値60から63の高校を目指している子が戦うことになるので激しいバトルとなります。
『模試の結果で大丈夫だと思っていたのに・・・』ということも毎年のように起きます。
これは塾で仕事をしている時も実際ありましたし、子育てをしている中で耳にすることがあります。
もちろん、その反対の出来事も起きますが、自信満々で受験を受けたけれど不合格となったときの辛さ、哀しさ、精神的苦痛は想像を絶するものがあります。
ですから、可能圏、安全圏という判定が出ても『本番は何が起きるか分からない』と子どもとしっかり話をして、緊張感をもって本番に臨むようにしてください。
3.出題形式がガラリと変わることもある
小学校では2020年度から、中学では2021年度から新しい学習指導要領での学びがスタートしています。
ちょうど子ども①は2020年度に小学6年生で、2021年度に中学に入ったので学習指導要領改定されてからの授業を中学1年の頃から受けています。
学習指導要領が変わると言っても、大幅に単元の内容が変わるということはありません。
証明問題とか、理科の実験の手順が変わるということではないです。
『学び方』が変わるというのは、サクッと言えば親世代の頃のように暗記系や先生が黒板に板書したものを一生懸命ノートに書き写すというのもから、生徒が主体的に勉強するという学び方へと変化しています。
かなり大きな変化なので、入試に全く影響がないわけではないです。
自治体模試で慣れていた出題傾向、問題形式がガラリと変わることもあります。
ただでさえ緊張している本番で、『うそ、全然違う!』となると慌ててしまい、本来の実力を発揮できないで終わってしまう可能性もあります。
そうした事態は避けたいところですが、自治体模試に慣れ過ぎている、『この形で本番も出るなら自分に合っているから大丈夫』と思い込んでいると、ふたを開けたら変化していたらパニックになり、対応することができないままテスト終了することも十分あります。
こうした事態は何が何でも防ぎたいですよね。
防ぐためには、住んでいる地域の入試問題だけでなく、全国各地の公立入試問題を解いてみましょう。
出題形式の変更は事前通告されないので、本当に当日にならないと分かりません。
ただ、大半の受験生にとって『聞いてないよ~』状態になります。
自分だけできないと思わず、『問題形式がガラリと変わるかも』という心構えをし、落ち着いて問題を解いていける心の準備をしてください。
まとめ
地方の子にとって、高校受験は人生初の受験であり、合格不合格という強烈な結果が待ち受ける試練の時でもあります。
合格するか不合格となりそうかは、その地域の公立入試に特化した自治体模試で測ることができます。
受験者数も多いので、中学3年生になると志望する受験生の中での順位もかなり正確に分かり、『このままのペースで勉強すれば大丈夫』と安心することもあれば、『厳しいから志望校を変えようか』と考える子も出てきます。
しかし、どのテストでもそうですが受験そのものではありません。
入試本番に向けた場慣れ的なテストなのでその結果をまるまる信じ込んでしまうのは危険です。
とくに、どんな子ども達も緊張している入試では毎年のようにミラクルも起きたり、絶対に大丈夫と思っていた子が残念な結果になるということもあります。
自治体模試の結果が絶対と思わず、あくまで『受験に向けた信頼はできる物差し』という感覚で自治体模試を受けてみてください。