今回は【大学受験を高校受験のノリで乗り切るのは無謀】と題し、お話していきます。
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ありがとうございます。
高校受験が終わると次に待ち構えるのが大学受験、大学入試です。
大学受験は全国の同級生と浪人生と戦う入試です。
大都市圏の子ども達でも、中学受験は近隣の自治体の子との争いになります。
つまり、東京の中学であれば東京の小学6年生を中心に神奈川、埼玉、千葉の子、ほんの少し他の地域の子も参加する受験です。
語弊を恐れずに言えば合格を勝ち取るのは厳しい戦いを強いられますが【ローカルな入試】です。
地方であれば公立中高一貫校、国立大学附属中はさらにローカルな入試です。
高校入試も基本的にその地域に住んでいる子達が競い合うので、自治体の中でどの位の立ち位置か気にすればOKです。
しかし、大学入試はそうはいきません。
もちろん、21世紀に入り私立大学の増加と少子化の影響で大学を選ばなければ誰でも大学に入れる時代です。
入試制度も多様化し、一見すると入学しやすいと思ってしまいます。
とはいえ、現実的には【どこでも良いから大学には入れればそれでOK】と考える受験生はほとんどいません。
そして全国的な知名度を誇る大学、複数の県を含むそのエリアで人気の大学は志願者が多く倍率は高いです。
一気にライバルが増えるため、ライバルに負けない学力を身につけることが求められます。
ただ単に受けるのではなく、その年の入試がどうなるのか動向を読むことや国公立大学志望であれば共通テストの結果を受けて志望校を変える決断を下すこともあります。
戦略的に
ライバルが自治体だけから全国規模となるので高校受験と同じように考えていると痛い目に遭います。
どうして【高校3年生から考えれば大丈夫】【部活動を引退してから本腰入れる】では正直間に合いません。
なぜ、間に合わないのかを考えていきます。
1.5教科だけど実質10教科以上
小学校5年生から中学3年生までは5教科を学びます。
テストもその5教科で、子ども達は成績を上げるにはまんべんなく5教科の勉強をしたり、苦手教科に時間を割きます。
高校受験は主に私立高校では3教科や数学に特化した入試を課す学校もありますが、基本的に英語、数学、国語、理科、社会の5教科を受けて内申書も考慮しつつ合否が決まります。
しかし高校に入るとその5教科がさらに細分化されます。
理科は物理、生物、化学そして地学の四つの領域に分かれます。
1年で【生物基礎】をやってから、【生物】と一つの教科でも段階を踏むので教科書も増えます。
理系であれば入試で二教科必修なので、さらに専門的な内容になる理科を二教科大学入試で足を引っ張らないレベルまで学力を鍛える必要があります。
理科だけでこれだけボリューミーになります。
数学はご存知の通り数学ⅠとA、数学ⅡとB、そして数学ⅢとCと学ぶ単元で大まかに6つのジャンルに分かれます。
理系であれば最大6ジャンルつまり数ⅢCまで必要です。
文系も国公立大学志望なら数ⅠAまたは数ⅠAと数ⅡBが必要と、中学生の頃よりも重厚感ある内容を学びます。
2022年度に高校入学した生徒から学習指導要領改訂となり、2024年度から完全に新しい学習指導要領の元で学校の授業が行われています。
そのため、親世代とは全く違う科目が増えているので【ナニコレ】と感じる方がいると思います。
国語はかなり変化した教科です。
いわゆる現代文を取り扱う「現代文」「論理国語」「文学国語」「国語表現」になりました。
入試での小論文作成や、社会に出てから論理的な考えそして表現ができるよう国語の授業を通じて鍛えていく学びになっています。
文学の鑑賞から実学的な内容が増している印象です。
古典も「言語文化」「古典探究」になります。
中学までの国語が6教科に一気に細分化されるので、高校生の国語の勉強も後回しにできません。
とくに古文では文法の暗記は必須です。避けられません。
暗記するといえば漢字くらいだった国語も他の教科と同じようにヘビーになっていきます。
英語は「英語コミュニケーション」「論理・表現」とザクっと、親世代の頃のリーディングとグラマー的な区分としては変わりませんが、コミュニケーションが重視されています。
社会は地理歴史と公民の二つに区分されていますが名前が変わっています。
世界史Bといった名称は消滅しています。
めちゃくちゃ荒い言い方ですが、世界史Aと日本史Aが歴史総合になり、世界史Bの内容は世界史探究、日本史Bは日本史探究になりました。
公民は18歳が成人年齢となった影響もあり新たに「公共」が加わったほか、昔からある「倫理」「政治・経済」の三教科編成となっています。
このように、高校になると5教科ではあるけれども教科数は2倍以上に増えます。
履修科目も必修科目と選択科目と複雑化するので志望大学の入試で必要な科目かどうかを考慮しないと大変なことになります。
2.先取りをしている同級生が全国にたくさんいる
教科数が多いけれど、高校に入学してから勉強するとなると授業のスピードは相当早いものです。
卒業する前に大学入試が行われますから、それに合わせるように先生たちも必死で授業を進めていきます。
そうなると、高校生にとって予習が命です。
予習をしていないで授業を受けると間違いなく遅れを取ります。
そして、全国を見渡すと中高一貫校に通う同級生たちは中学生の段階から高校内容を先取りして勉強している子も多いです。
高校の学びはボリューミーだけれど高校3年の一年間を大学入試対策に充てられるよう先取り学習をしています。
学校の中だけでなく、全国のライバルたちの後塵を拝すことになるので、高校では予習が常識です。
地方ではこうした未来が待ち受けているのを知っていて、中学生の頃から高校内容を自学自習で勉強している成績上位層がいます。
とくに数学や英語で高校の学びを勉強して、高校入学後は理科や社会の予習に力を入れられる、というパターンです。
先取りを多少なりともしているかどうかで入学後の授業のスピードに面食らう確率が低くなります。
高校に入ったからといって、そこで全員がよーいドンと高校内容を勉強しているわけではありません。
先を走る同級生は遥か彼方を走っています。
私自身、高校受験と同じノリで大丈夫だと思っていましたが、かなり厳しい現実を突き付けられました。
大学進学するのであれば、高校受験で志望校に入ることだけを目標にするのは絶対に危険です。
高校受験の後に待ち構えている世界を知って、入試が終わった日から高校内容の勉強に着手するなどしてください。
3.受験へと動き出す時期が早い
中学受験は年明け1月から2月の上旬に集中し、高校受験は1月から3月と受験シーズンは冬というのが定番です。
大学入試もかつては冬でしたが、私立大学を中心とした多様な入試制度の誕生もあり「高校3年の12月までに進学先が決まる」ということも珍しくなくなっています。
そもそも私立大学では入学者の過半数以上が筆記試験以外の入試で入学しています。
結果が出るのが早いということは、入試の準備も早いということを意味しています。
指定校推薦では校内推薦の選考を経てという流れになるので、まず「推薦できる評定をクリアする」ことや「校内推薦を勝ち抜くような部活動や学校外での活動」をきっかり揃えるには高校1年からしっかり意識する必要があります。
総合型選抜も小論文や面接対策、申請できるような実績と願書を提出する高校3年の夏休み明け頃までにキッチリ揃えないといけません。
高校入試のように「入試の日までに合格できるまでの学力になる」とは全く違う戦い方を強いられます。
そして、理系と文系の組み分けは進学校では高校2年で行われるため進路希望を高校1年の夏休み明けくらいには決めます。
高校に入って半年たたない頃に【大学受験はどの学部を受けるか】をある程度絞る必要があるのです。
【受かったから万歳】【高校生活を映画や漫画みたいな青春を送るぞ】と意気込んでも実際の高校生活はかなりハードです。
入学したら卒業までのカウントダウンが早々に始まるという感覚ですから、高校受験とは別物です。
まとめ
高校受験をして学校生活が始まる、とくに大学進学者が圧倒的に多い高校、在校生の100%が大学進学する学校では授業のスピードが速くて【中学校とは全然違う】と驚く子がいます。
進学校では大学受験に間に合うよう、予習していること前提で授業が行われます。
そして、義務教育ではないので真ん中より下の学力層に合わせた授業内容を想定していません。
成績上位層は最難関大学や医学部を目指しているので、そういう生徒がちゃんと受験できるように粛々と進めていきます。
しかも、教科もかなり増えて定期テストの科目数も比べ物にならないほど増えます。
子どもが将来的に大学進学を目指しているのであれば【高校は中学までとは違う】【大学受験は全国規模】【中学生で高校生の勉強を先取りしている子もいる】ということを小学校高学年、中学生から伝えておくことをおすすめします。