今回は【そもそも論 爆発的に成績が伸びる子になるには何が必要か】と題し、お話をしていきます。
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教育系の話題をインターネットで集めていると、爆発的に伸びる子がいるとか、偏差値が短期間で爆発的にアップするという話を目にすることもあるかもしれません。
とくに自分の子どもの学力とか勉強について悩んでいる親からすると【うちの子もそうなるかな】と淡い期待を抱いてしまったり、そういう子のようになれるかと思ってしまうかもしれませんが、無の状態からいきなり成績が伸びるということはあり得ません。
元々、基礎学力があったり爆発的に伸びると言ってもよく読んでみると【全く勉強しない子に学習習慣を定着させてガッツリ定期テスト対策をしたら20点が70点になった】という話だったりと、想像した【爆発的に伸びる】とちょっと違うということがあります。
今回は、短期間限定とか瞬間的なものではなく、受験などに向けて学力を維持できるような爆発的に伸びる子になるには根本的に何が必要なのかを考えていきます。
1.勉強を継続して取り組む意志の強さ
まずは、成績を上げる、学力を上げるには勉強するぞという気持ちとそれを継続することです。
どんなに熱量があっても、急激に冷めてしまえばまた振出しに戻ります。
三日坊主を繰り返していてはいつまでたっても基礎学力を鍛えることも、成績上昇の軌道に乗せることもできません。
ですから、超シンプルなことですが「努力する気力を持ち続けること」が爆発的に成績を伸ばすには欠かせない要素です。
これほど言葉で言うのは簡単で実行に移すのが難しいものはありません。
ダイエットを決意しては失敗してを繰り返している私も人のことは言えませんが、どんなジャンルでも【続ける】ということが成功するかどうか決めるカギです。
ですから、子どもが勉強しないことに対してガミガミ叱っても根本的な解決には至りません。
「どうしたら成績が伸びるか」「なぜ勉強しないのか」を考えるより、いかに子どものやる気を引き出せるか。そして、それを継続できるかを考えることの方が重要です。
我が家で実践してきたのが、連続10日間家庭学習をしたら駄菓子とか、シュークリームとかちょっとしたご褒美おやつを購入したことです。
毎日勉強するのが当たり前になった頃合いを見て、ご褒美作戦を知らぬ間に終了し「勉強することはフツーのこと」という状況に持っていきました。
「ドリルを買ったから勉強しなさい」とドサッと子どもの前に置いて後は知らん顔は絶対にやってはいけません。
子どものモチベーションを上げること、いかに継続させるかを親が積極的に考えて試行錯誤を繰り返して、ようやく【勉強する】という意欲を持って取り組むようになります。
2.親の正しいサポート
勉強しなさいと一方的に責めても子どもが毎日コツコツ勉強するとは限りません。
衝突してばかりだと時間の無駄です。
成績が爆発的に伸びるのを夢見ているだけでなく、現実的な対策を粛々としていきましょう。
初期の段階は【やる気を引き出す】【継続させる】に集中し、次に【子どもに適した教材を取り組ませる】に切り替わっていきます。
そのすべてを子どもにやらせるのは無理があります。
軌道に乗るまで、すなわち家庭学習の習慣が定着するには親の力が不可欠です。
やる気が出る声がけをし、毎日勉強するよう環境を整えたり、子どもが嫌がらずに解いてくれる教材を準備するのは親の仕事になります。
そのためには子どもの学力を把握して、子どもが自力で8割程度解けるレベルのドリルや問題集を購入する。
または、学校の教科書ワークを買ったりインターネットの無料教材を印刷したりして学校のテストで少しでも点数アップにつながるようなサポートをする。これは絶対に外せません。
こうしたサポートは教育への関心の強さに比例しますが、教育熱心な親だから必ずしも子どものやる気を引き出すのが得意とは限らないという難しさもあります。
とくに、難関校を目指して勉強させようと躍起になっていると子どもの実力とはかけ離れた問題を解かせたり、長時間勉強を強いるなど昨今教育虐待、毒親と言われるような言動に走ってしまう可能性もあります。
教育に無関心よりは関心がある方が良い。けれど、その関心が適度なもので正しく子どもをサポートできるかどうかが【成績を爆発的に伸ばすかどうか】のポイントになります。
3.結果をすぐに求めない忍耐力
爆発的に伸びる子は、勉強に対する目的意識を持っているからこそ継続して取り組むようになり、その結果が【成績が伸びた】になります。
逆算して考えると、勉強をやる意欲が継続し、毎日学習するようになり、親が適切な教材を与えて学習環境が整い、そうした条件が整って結果が出るという流れになります。
この流れは数日で完結するものではありません。
知識の定着は復習の繰り返し、または予習をして復習をしてと反復練習をしていく必要があります。
例えば、オリンピックの100メートル走の決勝で走る選手が【陸上の素人だったけど一週間の準備でこの舞台に立った】ということは絶対にないです。
少年少女時代、青年期にかけてずっとトレーニングを欠かさず、国内予選や世界規模の大会で結果を残して国の代表選手として派遣され、予選を勝ち進み決勝にまでたどり着いている選手ばかりです。
オリンピックという大舞台を目指して地道な練習を続けているわけですが、勉強も同じように【成績アップ】という形となって得られる結果は、努力を始めてすぐには出ません。
一ヶ月、二ヶ月、三ヶ月と努力を継続してようやく知識が定着してテストの結果に出ます。
【よし始めるぞ!】とスタートしてから早くても三ヶ月後にならないと分からないのです。
ですから、親子ともども忍耐力が必要になってきます。
結果をすぐに求めたがるのは人間のサガですが、【やっぱり無理だ】と早々に諦めてしまってはいつまでたっても成績が上がることはありません。
学力が上がっていくのは試練だと思い、その時がやってくると信じてコツコツやり続けるしか道がないです。
そして、子どもがすぐに勉強内容を理解できないことに対してイライラを募らせても無意味です。
とんとん拍子で色々な知識を吸収する子ばかりではありません。
理解に時間がかかる子もいるので、そういうタイプの子はさらに結果が出るまで時間がかかります。
こうなると、我慢比べの世界です。
出口の見えない辛さをどれだけ辛抱できるか親も試されます。
忍耐力そのものがダイレクトに成績アップにつながるわけではありませんが、成績が爆発的に伸びるためには欠かせない力です。
まとめ
子どもの成績で悩むと、【爆発的に成績が上がる子になったら嬉しい】と期待してしまうこともあります。
どうにかこうにか成績が上がって欲しいと願う。
つまり結果ばかりを求めてしまうとそこに至るまでの道のり、どういうことをすべきなのかが見えてこなくなります。
爆発的に伸びるには準備や段取りがあり、子どもの素質以上に親のサポートや忍耐力も必要です。
サクッと勉強して楽々成績が伸びることはなく、学力を上げていくのはとても地味な世界で決して華やかなものではありません。
【爆発的に伸びたらいいな】と思うだけでは何も始まりません。
子どもの意欲を高め、学習習慣を定着させ、適切な教材を準備して取り組ませて結果が出るまで辛抱強く待ちましょう。