今回は【【小5の危機】説明文も物語文も読めない子が、算数の【割合・速さ】で苦戦する理由と家庭でできる処方箋】と題し、お話をしていきます。
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小学校4年生までは算数が得意だったのに、5年生になった途端にテストの点数が下がり始める。
とくに【割合】や【速さ】の単元で急激につまずき、【今までこんなことはなかったのに】と戸惑う親は少なくありません。
実際、小学5年生は多くの子どもにとって学習の大きな分岐点です。
計算中心だった算数が、文章を読み解き、状況を整理し、論理的に考える教科へと変化していきます。
そのため、単純な計算ミスよりも、【問題の意味が分からない】という壁にぶつかる子が急増するのです。
そして興味深いことに、このつまずきの原因は算数そのものではない場合があります。
実は、割合や速さが苦手な子どもの多くは、国語の読解力にも課題を抱えています。
説明文を読んでも内容が頭に入らない。
物語文の場面をイメージできない。
文章の主語や目的語を正確に捉えられない。
こうした状態のまま高学年を迎えると、算数の文章題で必要な【状況を理解する力】が不足し、問題文を読んでも何を求めればよいのか分からなくなってしまいます。
ところが、多くの家庭では【割合が苦手だから割合の問題集を増やそう】【計算力が足りないからドリルをやらせよう】と考えがちです。
しかし本当の原因が読解力にある場合、算数だけを練習しても根本的な解決にはなりません。
だからこそ、小5のつまずきを見つけたときには、算数と国語を切り離して考えないことが大切です。
そこで今回は、なぜ国語力の不足が割合や速さの理解を妨げるのかを解説するとともに、家庭で実践できる具体的な対策をご紹介します。
小5の壁は決して乗り越えられないものではありません。
正しい原因を見つければ、その先に大きな成長のチャンスが待っています。
なぜ国語ができないと算数の【割合・速さ】で苦戦するのか
まず、小学校5年生になると、多くの子どもが算数の難しさを感じ始めます。
とくに【割合】や【速さ】の単元は、小学生が最初に出会う本格的な思考力問題とも言われています。
実際、この時期に算数の成績が大きく落ち込む子は少なくありません。
そして親の多くは、【計算力が足りないのではないか】【もっと問題演習が必要なのではないか】と考えます。
しかし、子どもが本当に苦しんでいるのは計算そのものではない場合があります。
たとえば、【ある商品が20%値引きされました。
元の値段が1500円のとき、値引き後の価格はいくらですか】という問題を考えてみましょう。
この問題を解くためには、まず文章の意味を理解しなければなりません。
【20%値引き】とはどういう状態なのか、【元の値段】とは何を指すのか、【値引き後の価格】を求めるにはどの順番で考えるべきなのか。
これらを頭の中で整理できなければ、計算式にたどり着くことすらできません。
速さの問題も同様です。
【家から駅まで毎分80メートルで15分歩きました】という文章を読んだときに、子どもは実際に歩いている様子を頭の中でイメージできるでしょうか。
もし状況がイメージできなければ、どの数字を使い、何を求める問題なのか判断できません。
つまり、割合や速さは【計算問題】ではなく、【読解問題】でもあるのです。
ここでは、なぜ国語力の不足が算数の文章題で致命的な弱点になるのかを詳しく解説します。
そして、小5で急増するつまずきの正体を明らかにしながら、子どもたちが見落としがちな読解力と算数の深い関係について考えていきましょう。
理由①【問題文の状況】を脳内で映像化・再現できないから
小学校低学年の算数は、計算力が中心です。
足し算や引き算、かけ算や割り算など、問題文を細かく理解しなくても数字を見れば解ける問題が多くあります。
しかし小学5年生で学ぶ割合や速さは、それまでの算数とは性質が大きく異なります。
割合や速さの問題では、まず問題文の状況を正しく理解しなければなりません。
そして、その状況を頭の中で映像として再現する力が必要になります。
たとえば、【定価2000円の商品が30%引きで売られています】という問題があったとします。
読解力のある子は、商品が値下げされている様子を自然にイメージできます。
そして【30%分が減る】【残りは70%になる】という関係を頭の中で組み立てることができます。
一方で読解力が不足している子は、文章を読んでも状況が浮かびません。
その結果、【2000】【30】という数字だけが目に入り、とりあえず掛け算や引き算を始めてしまいます。
速さの問題も同じです。
【毎分80メートルで15分歩いた】という文章を読んだとき、頭の中で実際に歩いている様子を思い描ける子は、距離が徐々に伸びていくイメージを持てます。
しかしイメージできない子は、数字の羅列としてしか認識できません。
実は読書量が多い子ほど、文章を映像化する力が高いと言われています。
物語を読む中で場面を想像する経験を積んでいるためです。
割合や速さが苦手な子は、計算以前に【何が起きているか分からない】状態になっていることがあります。
だからこそ、単に問題数を増やすのではなく、文章を読んで状況を説明させたり、図に描かせたりする練習が重要です。
算数の文章題は、実は国語の読解力が大きく関わる総合問題なのです。
理由②日本語の【てにをは】と条件整理で迷子になるから
割合や速さの問題が苦手な子を観察していると、意外な共通点があります。
それは、日本語の細かな表現を正確に読み取れていないことです。
とくに重要なのが、【が】【を】【に】【で】などの助詞です。
大人にとっては当たり前の言葉ですが、読解力が十分でない子は、こうした小さな言葉の違いを意識できていません。
たとえば、【AはBの80%です】と【BはAの80%です】は、全く意味が異なります。
しかし文章を流し読みする子は、この違いを見落としてしまいます。
割合の問題では、【何をもとに考えるのか】が最も重要です。
ところが助詞や主語を正確に読めないと、基準量を取り違えてしまいます。
速さの問題でも同様です。
【家から駅まで】と【駅から家まで】という違い。
【毎分80メートルで歩いた】と【毎分80メートルになるように歩いた】という違い。
こうした細かな日本語の差が、解答の方向性を決定します。
また、割合や速さでは複数の条件を整理する力も必要です。
時間、距離、速さ。
定価、割引率、販売価格。
問題文には複数の情報が含まれています。
読解力の高い子は、それらを整理しながら読み進めます。
しかし読解力が不足している子は、どの情報が重要なのか分からず、途中で混乱してしまいます。
その結果、【問題が難しい】のではなく、【問題文が理解できない】状態になります。
親はつい計算ミスに注目しがちですが、本当に確認すべきなのは文章理解です。
問題を読んだあと、【この問題は何について書かれているの?】【何を求めるの?】と聞いてみてください。
ここで説明できない場合、つまずきの原因は計算ではなく読解力にある可能性が高いのです。
理由③これまでの【数字を見たらとにかく計算バブル】の崩壊
小学4年生頃までは、【数字を見たら計算する】という方法でもある程度通用します。
文章題であっても、登場する数字が少なく、計算パターンも比較的単純だからです。
そのため多くの子どもは、【問題文をしっかり読まなくても何とかなる】という成功体験を積みます。
しかし、小学5年生の割合や速さは、この学習スタイルが通用しなくなる最初の単元です。
たとえば問題文に【20%】【1500円】【値引き後】という言葉が出てきたとき、数字だけを見て反射的に計算しても正解にはたどり着けません。
まず状況を理解し、【何が分かっていて、何を求めるのか】を整理する必要があります。
ところが、それまで数字中心で解いてきた子は、問題文を丁寧に読む習慣がありません。
数字を見つけた瞬間に計算を始めます。
その結果、式は立てたものの意味が分からない。
答えは出たけれど間違っている。
なぜ間違えたのかも説明できない。
という状態になります。
これはいわば、【数字を見たら計算バブル】の崩壊です。
今までは運よく通用していた方法が、高学年になって突然機能しなくなるのです。
一方で、成績が伸びる子は問題文を先に理解します。
どんな状況なのか。
何が条件なのか。
何を求める問題なのか。
これらを整理した後に計算へ進みます。
つまり割合や速さは、算数が【計算教科】から【思考教科】へ変わる転換点なのです。
ここで必要になるのは、難しい公式ではありません。
文章を読み、状況を理解し、考える力です。
だからこそ、小5のつまずきを見つけたときは計算ドリルを増やす前に、【問題文を読めているか】を確認することが何より重要なのです。
親がすぐに見抜ける!【言葉の貯金】が足りていない子の危険信号
さて、小学校5年生になると、【割合が分からない】【速さの問題になると点数が取れない】という悩みを抱える家庭が増えてきます。
しかし、実際に子どもの様子をよく観察してみると、問題は算数だけにあるとは限りません。
むしろ多くの場合、その背景には長年積み重なってきた【言葉の貯金不足】が隠れています。
言葉の貯金とは、単に知っている単語の数ではありません。
文章を正確に読み取り、場面を想像し、物事の関係性を理解し、自分の考えを言葉で表現するための土台となる力です。
この力が十分に育っている子は、初めて見る文章でも落ち着いて内容を整理できます。
一方で、言葉の貯金が不足している子は、問題文を最後まで読んでも意味が頭に入らず、どこから手をつければよいか分からなくなります。
ところが保護者は、【算数が苦手だから算数をやらせなければ】と考えがちです。
その結果、計算ドリルや問題集を増やしてしまい、本当の原因を見逃してしまうことがあります。
実は、言葉の貯金不足には家庭でも気づけるサインがあります。
音読をさせたときの読み方。
ノートへの図やメモの書き方。
日常会話で使う言葉の種類。
こうした何気ない場面に、子どもの読解力や思考力の状態が表れています。
そして幸いなことに、これらのサインは早い段階で気づけば改善することができます。
ここでは、親が家庭ですぐに確認できる【言葉の貯金不足】の危険信号を紹介します。
算数の点数だけでは見えない、本当のつまずきの正体を見抜くための視点を一緒に考えていきましょう。
サイン①問題文を音読させると【つっかえる・読み飛ばす】
子どもの読解力を家庭で確認する方法として、最も簡単で効果的なのが音読です。
実は、割合や速さの文章題が苦手な子の多くは、問題文を音読した時点で特徴的なサインを見せています。
その代表例が、【つっかえる】【読み飛ばす】【勝手に言葉を変える】という行動です。
たとえば、【定価の20%引きで販売しています】という文章を読む際、【定価】の意味を理解できなかったり、【20%引き】を【20円引き】と読んでしまったりすることがあります。
意味が分からない言葉に出会うと、その部分だけ飛ばして読み進める子もいます。
本人は最後まで読んだつもりでも、実際には重要な情報を取りこぼしているのです。
さらに注意したいのは、音読はできても内容を理解していないケースです。
読み終わった後に、【この問題は何について書いてあった?】と聞くと答えられない。
あるいは、【何を求める問題なの?】と尋ねても説明できない。
これは、文字を音に変換しているだけで、意味を理解しながら読めていない状態です。
割合や速さの問題は、文章から状況を読み取り、必要な情報を整理することが前提です。
そのため、音読の段階でつまずいている子は、計算以前の部分で苦戦している可能性があります。
家庭では、問題を解かせる前に音読させ、【どんな話だった?】【何が分かっていて何を求めるの?】と質問してみましょう。
ここで説明ができない場合、算数の弱点ではなく読解力の課題が隠れているかもしれません。
音読は単なる国語の練習ではありません。子どもの理解力を映し出す重要な診断ツールなのです。
サイン②ノートに図や線分図を【書かない・書けない】
割合や速さが得意な子と苦手な子では、ノートの使い方に大きな違いがあります。
成績が安定している子は、問題文を読んだ後に自然と図や線分図を書きます。
頭の中だけで考えるのではなく、情報を見える形に変換して整理しているのです。
一方で、つまずいている子は、問題文を読んですぐに計算を始めます。
ノートには数字と式だけが並び、図やメモはほとんどありません。
これは単なる性格の違いではありません。
文章を理解し、状況を整理する力が十分に育っていないサインである可能性があります。
たとえば割合の問題で、【元の値段】【割引率】【販売価格】の関係を線分図で表せる子は、何が基準なのかを視覚的に理解できます。
しかし図を書けない子は、文章の情報を頭の中だけで処理しようとします。
その結果、情報が整理できず混乱してしまいます。
また、【図を書かない】のではなく、【図を書けない】ケースもあります。
親が【図を書いてみよう】と言っても、何を描けばよいか分からない。
問題の状況をイメージできないため、図に変換することができないのです。
これは読解力と深く関係しています。
図は思考の補助道具です。
そして図が描けるということは、文章の内容を理解できている証拠でもあります。
家庭でノートを見る際は、答えの正誤だけでなく、途中の思考過程にも注目してみてください。
図や線分図が全くない状態が続いているなら、算数の問題ではなく、情報整理の力そのものを鍛える必要があるかもしれません。
サイン③日常会話の語彙が【ヤバい・普通・忘れた】だけ
読解力の問題というと、多くの保護者は読書量や国語のテストを思い浮かべます。
しかし実は、子どもの語彙力は日常会話の中にもはっきり表れます。
例えば学校での出来事を聞いたとき、
【今日どうだった?】
【普通。】
【何があったの?】
【別に。】
【授業は?】
【ヤバかった。】
このような会話ばかりになっていないでしょうか。
もちろん一時的にこうした表現を使うことは問題ありません。
しかし、あらゆる出来事を【ヤバい】【普通】【忘れた】だけで済ませる状態が続いているなら注意が必要です。
なぜなら、語彙力は思考力そのものだからです。
人は知っている言葉の範囲でしか物事を考えたり説明したりできません。
たとえば【難しかった】【面白かった】【意外だった】【納得できた】【不思議だった】といった表現が使える子は、自分の経験を細かく整理できます。
一方で語彙が少ない子は、感じたことを言葉にできません。
その結果、文章を読んでも内容を整理できず、算数の文章題でも状況を理解しにくくなります。
割合や速さの問題は、実は高度な言語処理を必要とします。
比較する。
基準を考える。
条件を整理する。
変化を追う。
こうした思考は豊かな語彙の上に成り立っています。
家庭では、子どもとの会話を増やすことが大切です。
【楽しかった】だけで終わらせず、【何が楽しかったの?】【どうしてそう思ったの?】と掘り下げてみましょう。
その積み重ねが語彙を増やし、読解力を育て、結果として算数の文章題を理解する力にもつながっていくのです。
国語と算数を同時に救う!家庭でできる【ハイブリッド処方箋】
ところで、ここまで見てきたように、小学5年生で割合や速さにつまずく子どもの多くは、単純な計算力不足ではなく、読解力や言葉の理解に課題を抱えています。
問題文の状況をイメージできない、条件を整理できない、語彙が不足している。
こうした要素が積み重なり、【算数が苦手】という形で表面化しているのです。
そのため、割合や速さの成績を上げたいからといって、ひたすら計算ドリルや問題集を増やしても根本的な解決にはなりません。
むしろ、子どもが【算数は嫌い】【やっても分からない】という苦手意識を強めてしまう危険もあります。
では、どうすればよいのでしょうか。
重要なのは、国語と算数を別々の教科として切り離して考えないことです。
実際、割合や速さの問題には、文章を読む力、情報を整理する力、状況をイメージする力、自分の考えを説明する力など、多くの国語的要素が含まれています。
つまり、国語の力を育てることが、そのまま算数の力を伸ばすことにつながるのです。
幸いなことに、家庭でできる対策は決して難しいものではありません。
特別な教材や高額な塾が必要なわけでもありません。
問題文の読み方を少し変える。
図や線分図を活用する。
親の声かけを工夫する。
こうした小さな習慣の積み重ねが、子どもの理解力を大きく変えていきます。
ここでは、国語と算数を同時に鍛えることができる【ハイブリッド処方箋】を紹介します。
小5の壁を乗り越えるだけでなく、中学以降にも役立つ思考力の土台を育てる具体的な方法を見ていきましょう。
処方箋①算数の問題を【国語の要約問題】として扱う
割合や速さが苦手な子に対して、多くの家庭では【もっと問題を解こう】という方向に進みがちです。
しかし、読解力が原因でつまずいている場合、計算練習を増やしても根本的な改善にはつながりません。
そこで効果的なのが、算数の文章題を【国語の要約問題】として扱う方法です。
たとえば問題文を読んだら、すぐに式を立てるのではなく、まず【この問題は何について書かれているのか】を一文で説明させます。
【1500円の商品が20%引きになっている話】
【毎分80メートルで歩いている人の話】
このように要約させるだけでも、問題の状況を理解しているかどうかが分かります。
さらに、【分かっていることは何?】【求めるものは何?】と質問してみましょう。
読解力のある子は、【元の値段は1500円】【割引率は20%】【求めるのは値引き後の値段】と整理できます。
一方で苦手な子は、数字だけを読み上げたり、求めるものを説明できなかったりします。
この段階でつまずきが見つかれば、計算前に修正できます。
また、文章を短く言い換える練習は、中学以降の読解問題や英語長文にも役立ちます。
算数の文章題は、実は情報整理のトレーニングでもあります。
家庭では、【式を書きなさい】より先に、【この問題を3行で説明してみて】と声をかけてみてください。
それだけで、子どもは数字を見る前に内容を理解する習慣が身につきます。
割合や速さを克服する第一歩は、計算力強化ではなく、【読む力】を育てることなのです。
処方箋②タブレットの【視覚効果】と紙の【手書き線分図】を連動させる
最近はタブレット学習を活用する家庭が増えています。
アニメーションや動画によって割合や速さの概念を視覚的に理解できるため、学習の導入として非常に効果的です。
たとえば、【20%引きになると値段がどう変化するのか】【速さと時間と距離がどのように関係するのか】を動きのある映像で見ると、子どもはイメージを持ちやすくなります。
しかし、ここで注意したいのは、見るだけで終わらせないことです。
理解したつもりでも、自分で再現できなければ定着しません。
そこでおすすめなのが、タブレットと紙を組み合わせる方法です。
動画や解説を見た後に、紙へ線分図や図表を書かせます。
例えば割合の問題なら、100%の線を書く。
20%を消す。
残り80%を確認する。
こうした作業を自分の手で行うのです。
速さの問題でも、距離、速さ、時間の関係を図に整理してみます。
この【見る】と【書く】の組み合わせが非常に重要です。
タブレットは理解を助けますが、紙に書く作業は理解を定着させます。
上位層の子どもほど、頭の中だけで考えずに図やメモを活用しています。
また、手を動かして図を書くことで、問題文を読む際の情報整理能力も育ちます。
家庭学習では、デジタルかアナログかを選ぶ必要はありません。
それぞれの長所を組み合わせることで、読解力と算数力を同時に伸ばすことができるのです。
処方箋③親の丸付けは【プロセスの実況中継】に変える
家庭学習で最も見落とされやすいのが、親の丸付けの仕方です。
多くの場合、【正解】【不正解】【ここ間違ってる】で終わってしまいます。
もちろん答え合わせは大切ですが、それだけでは子どもの思考力は育ちません。
とくに割合や速さで苦戦している子には、【なぜそう考えたのか】を振り返る機会が必要です。
そこで効果的なのが、【プロセスの実況中継】です。
たとえば問題を解いた後に、
【最初にどこを読んだの?】
【どの数字に注目したの?】
【なぜその式にしたの?】
と聞いてみます。
すると子どもの思考過程が見えてきます。
もし途中で勘違いしていたなら、その場で修正できます。
逆に、答えは間違っていても考え方が良かった部分はしっかり認められます。
これは自己肯定感の維持にもつながります。
また、親が一方的に教える必要はありません。
【なるほど、そう考えたんだね】
【ここまでは合っているね】
と対話を重ねるだけでも十分です。
重要なのは、答えではなく過程に注目することです。
割合や速さが苦手な子の多くは、【間違えるのが怖い】と感じています。
しかし思考過程を認めてもらえると、挑戦への抵抗感が減ります。
そして自分で考える習慣が育ちます。
将来、中学や高校で必要になるのは、正解を覚える力ではありません。
自分で考え、説明し、修正していく力です。
親の丸付けを【採点作業】から【思考の実況中継】へ変えることは、その大切な力を育てる最高のサポートになるのです。
急がば回れ!小5のつまずきを一生モノの思考力に変える
小学5年生で割合や速さにつまずく子どもは少なくありません。
そして多くの保護者は、【計算力が足りないのではないか】【もっと問題を解かせるべきではないか】と考えます。
しかし実際には、その背景に読解力や言葉の理解不足が隠れていることが少なくありません。
割合や速さは、単なる計算単元ではありません。
問題文を正確に読み取り、状況を頭の中でイメージし、条件を整理して考える力が求められます。
つまり、国語と算数の力が同時に試される単元なのです。
そのため、問題文を映像化できない子、助詞や条件の違いを読み取れない子、数字を見た瞬間に計算を始めてしまう子は、どれだけ計算練習を重ねても根本的な解決にはつながりません。
また、音読でつっかえる、図を書かない、日常会話の語彙が極端に少ないといったサインは、【言葉の貯金】が不足している可能性を示しています。
こうしたサインに早く気づくことが、小5の壁を乗り越える第一歩になります。
幸いなことに、この時期のつまずきは十分に改善可能です。
算数の問題を要約させる、図や線分図を活用する、親が思考過程に注目して対話する。
こうした家庭での小さな工夫が、読解力と論理的思考力を大きく育ててくれます。
そして忘れてはいけないのは、小5の割合や速さは単なるテスト対策ではないということです。
文章を読み解く力。
情報を整理する力。
自分の考えを言葉で説明する力。
これらは中学、高校、さらには社会に出てからも必要になる一生モノの力です。
だからこそ、小5のつまずきを【成績低下】とだけ捉えるのではなく、【思考力を育てるチャンス】と考えてみてください。
急がば回れ。
計算ドリルを増やす前に、まずは言葉と向き合うこと。
その積み重ねが、将来の大きな学力差を生み出す確かな土台になっていくのです。

















