今回は【計算は早いのに偏差値50で止まる子 10歳から【伸びる子】との決定的な違い】と題し、お話していきます。
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【うちの子、計算はすごく速いんです】
【計算スピードでクラスで敵なしなんだ】
小学生の親、子どもから、よく聞く言葉です。
実際、低学年のうちは、計算スピードが速い子ほど【算数が得意】に見えやすく、テストでも高得点を取りやすい傾向があります。
そのため、【計算が速い=このまま伸びる】と感じる家庭も少なくありません。
しかし、10歳前後を境に、状況が大きく変わることがあります。
それまで順調だったのに、文章題になると急に失点が増える。
応用問題で手が止まる。
模試では偏差値50前後から伸び悩む。
こうしたケースは、決して珍しいものではありません。
なぜ、この現象が起きるのでしょうか。
理由はシンプルです。
算数が、【計算をこなす教科】から、【見えない関係性を考える教科】へ変化するからです。
割合、比、速さ、図形、関数…。
高学年以降の算数では、【なぜその式になるのか】を整理する抽象的思考力が必要になります。
つまり、【速く答えを出す力】だけでは通用しなくなっていくのです。
とくに注意したいのは、計算が得意な子ほど、【やり方を覚える成功体験】を積みやすいことです。
もちろん、計算力そのものは大切です。
しかし、【この問題はこの解き方】とパターン処理ばかり続けていると、初めて見る問題や、理由を説明する問題に弱くなることがあります。
一方で、あとから大きく伸びる子は、【どうしてそう考えるのか】を大切にしています。
図を書き、途中式を残し、自分の考えを言葉にしながら整理しています。
つまり、計算力を道具として使いながら、思考力そのものを育てているのです。
そこで今回は、【計算は速いのに伸び悩む子】と、【10歳以降に劇的に伸びる子】の違いについて、具体的に整理していきます。
算数が【見えない関係】を扱い始める時期
まず、小学校低学年の算数では、【計算が速い子】が目立ちやすい傾向があります。
繰り上がりや筆算を素早くこなし、テストでも高得点を取る。
そのため、周囲から【算数が得意な子】と評価されやすく、本人も自信を持ちやすくなります。
しかし、10歳前後を境に、その計算優位だけでは通用しなくなる場面が増えていきます。
なぜなら、高学年以降の算数は、【数字を処理する教科】から、【関係性を考える教科】へ変わっていくからです。
たとえば、割合や比では、【何を基準に考えるのか】を理解しなければなりません。
速さや図形でも、【見えない条件】を整理しながら考える力が必要になります。
つまり、単純な計算力だけではなく、抽象的に考える力が求められるようになるのです。
ところが、計算が得意な子ほど、【やり方を覚える】ことで成功してきた経験があります。
【この問題はこの公式】【この形ならこの解き方】というように、How(どう解くか)に強くなりやすいのです。
もちろん、それ自体は悪いことではありません。
しかし、【Why(なぜそうなるのか)】を深く考えないまま進むと、少しひねられた問題や、初めて見る問題で手が止まりやすくなります。
また、暗算ばかりに頼ることも注意が必要です。
頭の中だけで処理すると、【どう考えたか】の跡が残らず、自分の思考を振り返りにくくなります。
すると、【なぜ間違えたのか】が分析できず、伸び悩みにつながることがあります。
一方で、あと伸びする子は、【考える過程】を大切にしています。
図を書き、途中式を残し、自分の言葉で説明しながら理解を深めています。
つまり、計算力というエンジンを使いこなしながら、思考力というハンドルを育てているのです。
①具体的思考から【抽象的概念】へのシフト
10歳前後になると、子どもの算数は大きな転換期を迎えます。
それまでの算数は、【3個のりんご】【5人の子ども】のように、目に見える具体的なものを扱うことが中心でした。
しかし高学年以降になると、割合、比、速さ、単位量あたりなど、目に見えない関係性を考える問題が急増します。
ここで必要になるのが、【抽象的概念】を扱う力です。
たとえば、【割合】は典型的な抽象概念です。
【何%増えたか】を考えるとき、単に数字を計算するだけではなく、【どれを基準にしているのか】を理解しなければなりません。
また、【比】も、【1:2】という数字そのものではなく、関係性をイメージする必要があります。
つまり、高学年以降の算数は、【数を処理する教科】から、【見えない構造を考える教科】へ変化していくのです。
ここで伸び悩みやすいのが、【計算は速い子】です。
計算力が高い子ほど、【やり方】を覚えて正解する経験を積みやすいため、【なぜそうなるのか】を深く考えずに進めてしまうことがあります。
すると、公式通りには解けない問題や、条件が少し変わった問題で急に止まってしまいます。
つまり、具体の処理には強くても、抽象化に対応できていない状態なのです。
一方で、あと伸びする子は、【見えない関係】を整理する力を少しずつ育てています。
図を書いて考える。
【つまりどういうこと?】と突き詰める。
具体例に置き換えて理解する。
こうした作業を繰り返しながら、抽象を自分の中でイメージできるようになっていきます。
家庭でも、【それって何を比べてるの?】【図にするとどうなる?】と問いかけるだけで、思考整理の練習になります。
重要なのは、すぐ答えを教えることではなく、関係性を考える習慣を育てることです。
10歳以降に劇的に伸びる子は、単に計算が速い子ではありません。
【見えない構造】を頭の中で整理できる、抽象的思考を育てている子なのです。
②【やり方】に依存し、【理由】を捨てている
計算が得意な子ほど、実は【伸び悩みの罠】に入りやすいことがあります。
その大きな原因の一つが、【How(どう解くか)】ばかりに意識が向き、【Why(なぜそうなるのか)】を深く考えなくなることです。
小学校低学年までの算数では、【やり方】を覚えるだけでも高得点を取りやすい場面が多くあります。
例えば、繰り上がりの計算、筆算、単純な文章題などは、【この場合はこう解く】というパターンを身につければ、ある程度対応できます。
そのため、計算が速い子ほど、【やり方を素早く再現する力】で成功体験を積みやすくなります。
しかし、高学年以降の算数では、それだけでは通用しなくなります。
【なぜその式になるのか】【何を基準に考えるのか】を理解していないと、少し条件が変わっただけで対応できなくなるからです。
つまり、考え方の本質を理解しているかどうかが問われるようになるのです。
たとえば、【割合=比べる量÷もとにする量】という公式を暗記していても、【どれがもとなのか】を理解していなければ、問題が少し複雑になるだけで混乱します。
これは、【How】は覚えていても、【Why】が抜け落ちている状態です。
また、【早く解くこと】を重視しすぎると、【なぜそうなるか】を考える時間そのものが減ってしまいます。
すると、【解法を当てるゲーム】のようになり、初めて見る問題や、説明を求められる問題に弱くなります。
高校受験や大学受験で伸びる子は、この段階で大きな差をつけていきます。
一方で、あと伸びする子は、【どうしてこの式になるの?】【別の解き方はある?】と、理由を考える習慣があります。
答えだけで満足せず、【構造】を理解しようとするため、応用問題にも対応しやすくなります。
家庭でも【正解したか】だけを見るのではなく、【どう考えたの?】を聞くことが重要です。
その問いかけが、やり方依存から抜け出し、思考力を育てるきっかけになります。
③思考の跡を残さない【暗算の弊害】
計算が速い子ほど、【全部暗算でやってしまう】傾向があります。
もちろん、暗算力そのものは大きな武器です。
計算を素早く処理できれば、問題を解くスピードも上がりますし、低学年では【算数が得意】という自信にもつながります。
しかし、高学年以降になると、暗算だけに頼ることが、逆に伸び悩みの原因になる場合があります。
その理由は、【思考の跡が残らない】からです。
頭の中だけで処理してしまうと、【どこでどう考えたのか】を後から振り返ることができません。
例えば、間違えたときに、【計算ミスだったのか】【条件の読み違いだったのか】【考え方そのものがズレていたのか】が見えにくくなります。
つまり、自分の思考を分析できなくなるのです。
また、暗算に頼る子は、【途中を整理する習慣】が育ちにくい傾向があります。
高学年以降の算数では、割合や図形、速さなど、複数の条件を同時に整理しながら考える問題が増えます。
このとき必要なのは、【頭の良さ】より、情報を見える形に整理する力です。
図を書く、線分図を使う、途中式を残す。
こうした作業によって、複雑な情報を整理できるようになります。
一方で、あと伸びする子は、【考えた過程】を大切にしています。
途中式を丁寧に書き、【なぜこの式になるのか】を言葉で確認しながら進めます。
そのため、間違えたときも、【どこでズレたのか】を分析しやすく、修正力が高くなります。
これは高校受験以降で非常に大きな差になります。
さらに、【書くこと】は、思考を深める効果もあります。
頭の中だけでは曖昧だった考えも、図や式にすると整理され、【あ、こういうことか】と理解が進むことがあります。
つまり、書くこと自体が、思考力トレーニングなのです。
学力が伸びる子は、暗算力だけに頼りません。
自分の思考を見える化し、振り返り、修正できる子なのです。
偏差値50を突き抜ける!【伸びる子】へのアップデート術
さて、偏差値50前後で伸び悩む子と、そこから一気に伸びる子。
この違いは、【才能】だけで決まっているわけではありません。
むしろ大きいのは、学び方のアップデートができているかどうかです。
低学年までは、【計算が速い】【問題をたくさん解く】といった力でも、ある程度は結果が出ます。
しかし、高学年以降の算数や受験では、それだけでは限界がきます。
なぜなら、求められるものが、【処理速度】から、【思考力】へ変わっていくからです。
つまり、【どう解くか】だけではなく、【何を問われているのか】【どう考えるべきか】を整理する力が必要になるのです。
ここで重要になるのが、基礎の使い方です。
伸びる子は、計算や漢字などの基礎を、【頑張って思い出すもの】ではなく、【自然に使えるもの】へ変えています。
だからこそ、問題の意味を考えたり、複雑な条件を整理したりする思考にエネルギーを使えます。
つまり、基礎を【自動化】できているのです。
また、あと伸びする子は、【初めて見る問題】を嫌がりません。
もちろん簡単ではありませんが、【どう考えれば解けるだろう】と試行錯誤する経験を積んでいます。
この未知に向き合う力が、偏差値50を超えていく大きな原動力になります。
さらに見落とされがちなのが、【読解力】の重要性です。
算数であっても、問題文の意味を正しく理解できなければ、思考そのものがスタートできません。
だからこそ、本当に伸びる子は、【計算だけ】ではなく、【読む力】も同時に育てています。
ここでは、偏差値50の壁を突き抜けるために必要な、学び方のアップデートについて具体的に整理していきます。
①基礎の【自動化】で思考に割ける力を増やす
偏差値50前後で伸び悩む子と、そこから一気に伸びる子の違いの一つが、【基礎の状態】です。
ただし、ここでいう基礎とは、【一応できる】というレベルではありません。
本当に伸びる子は、計算や漢字、基本公式などを、考えなくても自然に使える状態まで定着させています。
これが、【基礎の自動化】です。
例えば、割合の問題を解くとき、毎回【小数の計算が不安】【分数変換で止まる】という状態だと、問題の本質を考える前に脳のエネルギーを使い切ってしまいます。
一方で、基礎計算が自動化されている子は、【この問題は何を問われているのか】【どの情報が重要か】といった思考に集中できます。
つまり、基礎の自動化とは、【速く解くため】だけではなく、深く考える余裕を作るために必要なのです。
また、伸びる子は、【基礎=簡単なもの】と軽視しません。
むしろ、【土台が弱いと、その上に思考力は積み上がらない】ことを理解しています。
だから、計算ミスが多いと感じたら、恥ずかしがらずに基本へ戻ります。
この戻る力がある子は、学年が上がっても崩れにくくなります。
さらに、基礎の自動化は、【勉強への余裕】にもつながります。
毎回必死に考えないと解けない状態では、学習は苦しいものになってしまいます。
しかし、基礎が自然に使えると、【考えることそのもの】を楽しめるようになります。
これは、思考力系問題に挑戦するうえでも非常に大きな差になります。
家庭では、【応用問題ばかり】に目を向けすぎないことも重要です。
伸び悩んでいるときほど、【本当に基礎が自動化されているか】を確認する必要があります。
基礎を理解しているだけでなく、無意識に使える状態にすることで、子どもの思考力は一気に伸び始めます。
学年が上がってから成績が上がる子は、基礎を軽視しません。
基礎を自分の武器に変え、その上で思考にエネルギーを注げる子なのです。
②【思考力系問題】で未知の問いを楽しむ回路を作る
偏差値50前後で伸び悩む子の多くは、【見たことがある問題】には強い傾向があります。
しかし、少し形式が変わったり、初めて見る問題が出たりすると、急に手が止まってしまいます。
これは、【考える力がない】というより、未知の問いに向き合う経験が不足している状態です。
一方で、あと伸びする子は、【初めて見る問題】に対しても、すぐに諦めません。
もちろん最初からスラスラ解けるわけではありませんが、【どう考えればいいだろう】と試行錯誤を始めます。
つまり、分からない状態に耐える力を持っているのです。
この差が、学年が上がるほど大きな学力差になります。
その力を育てるために重要なのが、【思考力系問題】に触れる経験です。
たとえば、答えまでの手順が一つではない問題。
図や条件を整理しながら考える問題。
【なぜそうなるのか】を説明する問題。
こうした問題は、単純なパターン暗記では解けません。
だからこそ、【自分で考える回路】を鍛えることができます。
ここで大切なのは、【すぐ答えを教えない】ことです。
子どもが止まっていると、つい親が解き方を説明したくなります。
しかし、それを繰り返すと、【分からなければ教えてもらう】が習慣化してしまいます。
すると、自力で考える時間が育ちません。
伸びる子の家庭では、【まず5分考えてみよう】【どこまで分かった?】と、考えるプロセスを重視しています。
その結果、子どもは【分からない=悪いこと】ではなく、【考えるスタート地点】だと捉えられるようになります。
この感覚は、高校受験や大学受験で非常に大きな武器になります。
また、思考力系問題は、最初は時間がかかって当然です。
大切なのは、【速く正解すること】ではなく、【どう整理したか】【なぜその考え方をしたか】を振り返ることです。
この積み重ねによって、未知を楽しむ回路が少しずつ育っていきます。
③全教科のインフラ【高度な読解力】の圧倒的強化
【算数が苦手】という子の中には、実は計算ではなく、問題文の理解でつまずいている子が少なくありません。
つまり、必要なのは計算力だけではなく、【何が書かれているのかを正確に読み取る力】なのです。
高学年以降の学力差を大きく分けるのは、この読解力です。
とくに、偏差値50前後で止まりやすい子は、【数字だけ】を見て解こうとする傾向があります。
問題文を最後まで丁寧に読まず、【たぶんこれだろう】とパターンで式を立ててしまうのです。
そのため、条件が少し複雑になると、途端にミスが増えます。
これは、【算数の問題】ではなく、【文章を整理する力】の問題でもあります。
一方で、あと伸びする子は、問題文を情報として整理しています。
【何が条件か】【何を求めるのか】【どこが重要か】を読み取りながら考えています。
つまり、読むことそのものが、思考の一部になっているのです。
また、読解力は国語だけの力ではありません。
理科では実験内容を理解し、社会では資料を読み取り、英語では文脈を把握する必要があります。
つまり、読解力は全教科のインフラなのです。
ここが弱いと、どの教科でも【なんとなく分かったつもり】になりやすく、学年が上がるほど苦しくなります。
では、どう鍛えればいいのでしょうか。
重要なのは、【読む量】だけではなく、【考えながら読む経験】です。
たと えば、【この文章は何が言いたいの?】【つまりどういうこと?】と会話する。
説明文を読んだあとに、【一言でまとめると?】と聞く。
こうした習慣が、意味を整理する力を育てます。
さらに、語彙力も欠かせません。
言葉を知らなければ、問題文の意味そのものが理解できないからです。
学力が上向きになる子は、本、会話、ニュースなどを通じて、【言葉と概念】を少しずつ増やしています。
突き抜けるために躓きやすい単元を潰すコツ
ところで、算数で大きく伸びる子は、決して【最初から全部できる子】ではありません。
むしろ共通しているのは、【つまずきを放置しない】という姿勢です。
特に10歳前後から登場する抽象概念の単元は、一度理解が曖昧になると、その後の学習全体に大きな影響を与えます。
たとえば、【割合】が分からないまま進むと、比、速さ、関数、理科の濃度計算など、さまざまな単元で苦しくなります。
つまり、高学年以降の算数は、積み上げ型なのです。
一つの理解不足が、次の単元の理解不足につながり、それがさらに積み重なっていきます。
その結果、【どこから分からなくなったのか、自分でも分からない】という状態に陥る子も少なくありません。
また、伸び悩む子ほど、【分からない】を避けようとする傾向があります。
苦手単元に向き合うより、【できる問題だけ】を繰り返したほうが楽だからです。
しかし、それでは本当の意味での学力は伸びません。
あと伸びする子は、【苦手だからこそ整理する】という姿勢を持っています。
ここが大きな違いです。
さらに重要なのは、【理解の見える化】です。
割合や比のような抽象概念は、頭の中だけで理解しようとすると曖昧になりやすくなります。
だからこそ、図を書く、線分図を使う、動画で視覚的に理解するなど、見える形にする工夫が必要になります。
最近では、紙とデジタルを組み合わせたハイブリッド学習も非常に有効です。
ここでは、偏差値50の壁を越えるために、多くの子がつまずきやすい単元をどう克服していくか、そして【わからない】と向き合える子をどう育てるかについて、具体的に整理していきます。
①抽象概念の入り口【割合・比・単位量】を100%理解
高学年以降の算数で、一気に差がつきやすいのが【割合】【比】【単位量あたり】といった単元です。
これらは単なる計算問題ではなく、抽象的な関係性を理解する必要があるため、多くの子がここでつまずきます。
そして、この単元の理解不足は、その後の速さ、図形、関数、理科の計算問題にまで影響していきます。
つまり、ここは算数の分岐点とも言える非常に重要な場所なのです。
たとえば、【割合】が苦手な子の多くは、【どれがもとになる量なのか】が整理できていません。
数字だけを見て公式に当てはめようとするため、問題の形が少し変わるだけで混乱します。
これは、【計算ができない】のではなく、関係性を理解できていない状態です。
また、【比】でも同じことが起きます。
【2:3】という数字だけを覚えていても、【全体の中でどういう関係なのか】をイメージできなければ、応用問題に対応できません。
つまり、この段階では、【公式暗記】より、意味理解が圧倒的に重要なのです。
あと伸びする子は、ここを曖昧にしません。
【なぜそうなるのか】を図や言葉で整理しながら理解しています。
例えば、線分図を書いて、【どこが基準なのか】を可視化する。
【つまり、全体を1と考えているんだね】と言葉で確認する。
こうした見える化によって、抽象概念を頭の中で整理できるようになります。
また、【なんとなく分かった】で終わらせないことも重要です。
【自分で説明できるか】【別の問題でも使えるか】を確認して初めて、本当に理解したと言えます。
この深さが、偏差値50を超えていく子の共通点です。
家庭では、【答えが合ったか】だけではなく、【何を基準に考えたの?】【図にするとどうなる?】と問いかけることが効果的です。
その積み重ねが、抽象的に考える力を育てていきます。
本当に伸びる子は、割合や比を【計算テクニック】としてではなく、関係を考える道具として理解している子です。
②視覚化とハイブリッド学習で【わからない】をなくす
高学年以降の算数で伸び悩む子の多くは、【わからない】が頭の中で曖昧なままになっています。
特に、割合や比、図形、速さのような抽象概念は、見えない関係を扱うため、頭の中だけで理解しようとすると混乱しやすくなります。
そして、【なんとなく分からない】が積み重なると、算数そのものへの苦手意識につながってしまいます。
ここで重要になるのが、【視覚化】です。
あと伸びする子は、見えないものを見える形にする習慣を持っています。
例えば、割合なら線分図を書く。
速さなら図や表で整理する。
図形なら実際に線を引いたり、補助線を書き込んだりする。
こうして情報を外に出すことで、頭の中の混乱を整理しているのです。
一方で、伸び悩む子ほど、【全部頭の中でやろう】とします。
特に計算が得意な子は、暗算処理に慣れているため、途中を省略しがちです。
しかし、複雑な問題になるほど、整理する力が必要になります。
つまり、高学年以降は、【頭の良さ】より、思考を見える化する力が重要になるのです。
さらに最近は、デジタル教材を活用したハイブリッド学習も非常に有効です。
たとえば、動画解説を使えば、【割合のイメージ】や【図形の動き】を視覚的に理解しやすくなります。
紙だけでは分かりにくかった内容も、アニメーションで見ることで、一気に腑に落ちることがあります。
ただし、動画を見るだけでは不十分です。
本当に理解を定着させるには、【見たあとに自分で書く】ことが欠かせません。
動画で理解し、ノートで整理し、図を書いて説明する。
このデジタル+アナログの組み合わせが、理解を深めていきます。
また、【わからない】をそのままにしない姿勢も大切です。
伸びる子は、【どこが分からないのか】を言葉にしながら整理しています。
【割合の式は分かるけど、基準が分からない】など、霧の正体を見つけようとするのです。
本当に伸びる子は、頭の中だけで戦いません。
図・言葉・デジタルを使いながら、【わからない】を見える形に変えていく子なのです。
③苦手から逃げず、自走する姿勢を完成させる
偏差値50前後で止まる子と、その先へ伸びる子。
この差を最終的に分けるのは、【苦手との向き合い方】です。
伸び悩む子の多くは、できない問題に出会うと、無意識に避けようとします。
簡単な問題ばかり解いたり、【分かったつもり】で先へ進んだりするほうが、精神的には楽だからです。
しかし、算数は積み上げ型の教科です。
苦手を放置すると、その穴が学年とともに大きくなっていきます。
一方で、あと伸びする子は、【苦手だからこそ整理する】という姿勢を持っています。
もちろん、最初から前向きに取り組めるわけではありません。
分からない問題にイライラしたり、時間がかかって嫌になったりすることもあります。
それでも、【どこでつまずいたのか】を確認し、少しずつ修正しようとします。
この修正する力こそが、学力を大きく伸ばしていくのです。
また、伸びる子は、【できなかった=自分には才能がない】と考えません。
【理解が足りなかった】【整理が必要だった】と、改善可能なものとして捉えています。
つまり、失敗を能力の否定ではなく、データとして扱っているのです。
この考え方がある子は、難しい問題にも粘り強く向き合えるようになります。
さらに重要なのは、【自分で学習を調整する力】です。
たとえば、【割合が苦手だから、まず基準量を整理する問題からやろう】と考える。
【図形が弱いから、図を書きながら解こう】と工夫する。
こうした自分で修正する習慣が、自走力につながっていきます。
家庭では、【なんでできないの?】より、【どこで止まった?】と聞くことが大切です。
その問いかけによって、子どもは原因を分析する視点を持てるようになります。
そして、【苦手を整理すれば前に進める】という感覚を育てていきます。
学年が上がっても成績上位をキープできる子でも、最初から完璧な子ではありません。
【わからない】から逃げず、自分で修正しながら前へ進める、自走する姿勢を持った子なのです。
計算力は【エンジン】、思考力は【ハンドル】
【計算が速い子=算数が得意な子】。
小学校低学年までは、そのイメージはある程度正しいかもしれません。
しかし、10歳前後を境に、算数は大きく性質を変えていきます。
そこから先に必要になるのは、【速く答えを出す力】だけではなく、【見えない関係性を整理する力】です。
割合、比、速さ、図形…。
高学年以降の算数では、抽象的概念を扱う場面が急増します。
ここで伸び悩む子は、【やり方】を覚えることに成功しています。
一方で、あと伸びする子は、【なぜそうなるのか】を考え、図や言葉で整理しながら理解を深めています。
つまり、思考力を育てているのです。
また、本当に伸びる子は、【分からない問題】から逃げません。
すぐ答えを求めるのではなく、【どこで止まったのか】【何が分からないのか】を整理しようとします。
そして、図を書く、途中式を残す、説明する、といった思考を見える化する習慣を持っています。
この積み重ねが、偏差値50を超えていく大きな差になります。
さらに重要なのは、【読解力】です。
算数であっても、問題文を正確に理解できなければ、思考はスタートできません。
だからこそ、あと伸びする子は、計算だけでなく、【読む力】【考える力】【言葉にする力】を同時に育てています。
家庭で大切なのは、【正解したか】だけを見ることではありません。
【どう考えたの?】【なぜそうなると思った?】と問いかけながら、思考の過程を大切にすることです。
その積み重ねが、子どもの自走力を育てていきます。
計算力は、確かに大切な力です。
しかし、それは車で言えばエンジンです。
どれだけ強いエンジンがあっても、進む方向を決めるハンドルがなければ、本当の意味で遠くへは行けません。
本当に伸びる子は、計算力を土台にしながら、思考力というハンドルを育てている子なのです。

















