今回は【学力のブレーキになる【わかったつもり】の恐ろしさ 成績が伸び悩む子の克服法】と題し、お話していきます。
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【授業では理解しているように見えるのに、テストになると点が取れない】
【宿題はきちんとやっているのに、なぜか成績が上がらない】
そんな子どもの姿に心当たりはありませんか?
その原因の多くは、勉強量の不足でも才能の差でもなく、実は【わかったつもり】という学習の盲点にあります。
わかったつもりとは、内容を本当に理解していないのに【理解できた】と錯覚してしまう状態です。
授業を聞いて【なるほど】と思った瞬間に、思考を止めてしまう。
その結果、知識が頭の中に定着せず、少し形を変えた問題に対応できなくなります。
つまり、【聞けばわかるけれど、自分では使えない】
それがわかったつもりの正体なのです。
厄介なのは、この状態に本人が気づきにくいこと。
むしろ【自分は理解している】と信じているため、復習や確認の必要性を感じません。
しかし、その油断こそが学力を伸ばす最大のブレーキとなります。
真面目で努力家の子ほどこの落とし穴に陥りやすく、知らないうちに学力の伸びが止まってしまいます。
そこで今回は、最初に【わかったつもり】が招く3つの学力低下メカニズムを解説し、次いでそれを克服するための具体的な【アウトプット訓練法】を紹介します。
そして最後に家庭でできる思考を深める声かけと環境づくりについて詳しくお伝えします。
【理解した気がする】から【本当にできる】へ。
その転換ができた瞬間、学びは格段に深まり、成績は確実に上向きます。
わかったつもりを放置せず、今こそ真の理解を取り戻す第一歩を踏み出しましょう。
【わかったつもり】が引き起こす学力の3つの恐ろしいブレーキ
まず、子どもたちが学習でつまずく原因の多くは、【難しい問題が解けないこと】ではなく、実はわかったつもりのまま次に進んでしまうことにあります。
授業中に【理解できた】と感じる瞬間は、確かに気分が良く、そのまま【もう大丈夫】と安心してしまいがちです。
しかし、この安心感こそが成績の伸びを止める見えないブレーキになります。
【わかったつもり】は、理解の浅い段階で思考を止めるクセを作ります。
本来であれば【なぜそうなるのか】【どのように使えるのか】を自分で確かめる必要がありますが、わかったと思い込んだ瞬間に、その検証が省略されてしまうのです。
その結果、理解が表面的なまま定着せず、応用問題に太刀打ちできなくなります。
さらに怖いのは、本人がこの状態に気づきにくいこと。
【授業は理解できている】【勉強しているのに成果が出ない】という状況が続くと、やがて【自分には才能がないのでは】と誤解し、やる気を失ってしまうこともあります。
ここでは、わかったつもりが引き起こす3つの学力ブレーキ、①再現できない理解、②思考の浅さ、③意欲の低下、を通して、なぜこの現象が学力の停滞を生むのか、その構造を具体的に見ていきます。
ブレーキ①【再現できない理解】が生むテストで解けない現象
【授業中は理解できたのに、テストでは解けなかった】。
この現象の裏には、わかったつもりによる【再現できない理解】が潜んでいます。
授業や参考書で説明を聞いたときは、脳内で【なるほど】と納得した気になり、一時的に理解したように感じます。
しかし、その理解は他人の言葉を追っただけの受け身の理解であり、自分の中で再構築されていないため、時間が経つと形を失います。
本当の理解とは、【自分の言葉で説明できる】【手を動かして再現できる】状態です。
ところが、わかったつもりのままでは、この段階に到達できません。
そのため、問題形式が少し変わっただけで解けなくなり、【やったはずなのに…】という挫折感を生んでしまうのです。
この【再現できない理解】は、とくに数学・理科・英語の文法などで顕著に現れます。
教師や親が【理解しているように見える】ために見落とされがちですが、テスト結果に表れる差は大きい。
つまり、学力差の正体は【理解の深さ】ではなく、【再現力の差】にあります。
見ればわかるから自分でできるに変える。
その意識こそ、学力停滞を防ぐ第一歩なのです。
ブレーキ②【思考の浅さ】が積み重なり、応用力を奪う
わかったつもりが続くと、学びの質が徐々に浅くなります。
つまり、【答えを知ること】で満足してしまい、【考えること】そのものを放棄してしまうのです。
たとえば、ある問題で【この公式を使えば解ける】と気づいた瞬間、
【なぜその公式を使うのか】【どの条件に合っているのか】を考えずに進めてしまう。
これが続くと、学習が作業化し、応用問題で壁にぶつかります。
本来、学力を伸ばすカギは思考の深さにあります。
1つの問題をじっくり分析し、【条件】【関係】【理由】を自分で言語化できる子ほど、次の単元や他教科にもつながる応用力を発揮します。
一方、わかったつもりの学習では、この考えるプロセスが抜け落ちてしまうのです。
思考の浅さは、やがて【理解しているのに点が取れない】【説明できない】という形で現れます。
それは能力不足ではなく、思考停止の癖の結果です。
つまり、わかったで止まるのではなく、なぜ・どうしてまで掘り下げる姿勢が重要になります。
この思考の深掘りこそが、応用力と柔軟な発想力を生む土台となるのです。
ブレーキ③【わかった】で止まると、やる気まで止まる
わかったつもりの最大の弊害は、学習意欲の低下にあります。
【もう理解している】と思い込んだ子どもは、復習の必要性を感じません。
そのため、記憶が定着せず、いざ問題を解けなかったときに強い挫折感を味わうのです。
この経験を繰り返すことで、【自分には向いていない】【やっても無駄】と感じ、学習全体への意欲を失ってしまいます。
さらに厄介なのは、わかったつもりの状態では成績が一時的に上がることがある点です。
【このやり方でうまくいった】と思い込むと、学び方を見直す機会が失われ、新しい内容に対応できなくなったときに急激に伸び悩みます。
つまり、わかったで満足してしまう学びは、【できた】という成功体験を奪い、学習のモチベーションを徐々に削いでいくのです。
この負の連鎖を断ち切るには、【成長を感じる学び】への転換が必要です。
たとえ小さな理解でも、【昨日よりできるようになった】と実感できる機会を増やす。
親や先生が結果よりプロセスを認めることで、子どもは再び考えることの楽しさを取り戻していきます。
真の理解に到達する【3つのアウトプット訓練】
さて、わかったつもりを克服するための最大のカギは、アウトプットです。
どれだけ丁寧に授業を聞いても、問題を読んで【理解した気】になるだけでは、
知識は短期記憶の中で薄れていくだけ。
本当の理解は、【自分の頭で再現し、人に説明し、使える形にする】ことで初めて定着します。
多くの子どもは、学習の大半をインプット(聞く・読む)に偏らせています。
しかし、インプット中心では【受け身の理解】から抜け出せません。
アウトプット、つまり【説明する】【書く】【使う】を取り入れることで、頭の中の知識が整理され、本当に理解できた状態に変わります。
ここでは、わかったつもりを確実に克服し、理解を【使える知識】に変える3つの訓練法を紹介します。
どれも特別な教材や長時間の勉強は不要。
日々の学習に少し工夫を加えるだけで、学びの質が劇的に変わります。
【わかったつもり】を【本当にできる】に変えるための、実践的アプローチを見ていきましょう。
訓練①誰かに説明してみる
最も効果的なアウトプット訓練が、【説明する学び】です。
人に教えるつもりで学ぶと、理解の浅い部分が一瞬で浮かび上がります。
具体的には、勉強した内容を親や友達、ぬいぐるみに向けてでも構いません。
【今日学んだことを説明してみる】だけで、頭の中の知識が整理されます。
言葉に詰まったり、うまく説明できなかった箇所こそが、わかったつもりの領域です。
そこをもう一度テキストで確認し、自分の言葉で説明できるようにする。
この繰り返しが、理解の深さを何倍にも引き上げます。
とくに算数や理科では、【なぜその式を使うのか】【どんな条件で成り立つのか】を説明させると、単なる暗記から思考の理解に変わります。
説明を通して【わかった気持ち】を【使える知識】へ変換する、最もシンプルで強力な方法です。
親が【なるほど】【その考え方はいいね】と受け止める姿勢を見せれば、子どもは自信を持ち、説明力と理解力を同時に育てることができます。
訓練②記憶を定着させる復習ノート
わかったつもりのもう一つの原因は、時間の経過による忘却です。
理解した直後は覚えているように感じても、翌日には半分以上が消えてしまう。
これを防ぐのが【間隔反復ノート法】です。
やり方は簡単です。
新しい単元を学んだら、その日のうちにざっくり復習ノートを作ります。
翌日、3日後、1週間後と、間隔を空けて同じ内容を再確認。
毎回、ノートの余白に【今の自分の理解を言葉で書く】ことで、知識が短期記憶から長期記憶に移行していきます。
この方法は、脳科学的にも効果が証明されています。
忘れかけたタイミングで再び触れると、脳は【これは重要だ】と判断し、記憶を強化します。
ただ眺めるだけでなく、自分の言葉で再構成する点がポイントです。
さらに、同じノートに【間違えた問題】や【理解が浅かった部分】を記録しておくと、自分の苦手な地図が見えるようになります。
この地図をもとに復習すれば、わかったつもりがどんどん減っていくのです。
訓練③応用力を鍛える【条件変換トレーニング】
わかったつもりを完全に断ち切る最後のステップは、
【条件を変えて考える練習】です。
同じ知識を、別の角度・場面で使ってみる。
この条件変換トレーニングによって、真の応用力が育ちます。
たとえば、算数で【割合】を習ったなら、【増える】ときだけでなく【減る】場合を考える。
文章問題の設定を少し変えてみる、数字を変えてみる。
これだけでも効果絶大です。
英語では、覚えた文法を違う主語・時制で言い換えてみる。
理科では、逆の条件で結果を予想してみる。
そうした試行錯誤の中で、【本質】が自分の中に根を張っていきます。
多くの子どもは【1回できた=理解した】と思い込みますが、実際には条件が変わると一気に崩れます。
わかったつもりを本物の理解に変えるには、【パターンではなく、原理をつかむ】練習が不可欠です。
親ができるサポートはシンプルです。
【もしここが違ったらどうなると思う?】と軽く問いかけるだけで、子どもの思考は一気に深まり、応用力が磨かれていきます。
親がすべき【わかったつもり】をなくす声かけと環境づくり
ところで、わかったつもりを根本から克服するには、子ども本人の努力だけではなく、家庭での【声かけ】と【環境づくり】が欠かせません。
多くの子どもは、【できた】【合っていた】という結果で評価されるうちに、【考えることより正解を出すこと】を優先するようになります。
しかし、その姿勢こそがわかったつもりを助長してしまうのです。
親がまず意識したいのは、【考えるプロセスを認める】姿勢です。
たとえ答えが間違っていても、【どう考えたの?】【その発想いいね】と問いかけ、考えた過程を言語化させること。
この繰り返しが、理解の深さを育て、考えることを恐れない子に変えていきます。
また、家庭の雰囲気も重要です。
勉強=評価される時間、ではなく、勉強=発見を楽しむ時間、という空気をつくる。
【わかったつもり】を責めるのではなく、【気づけてよかったね】と前向きに受け止めることで、子どもは自然と自分で理解を確かめる姿勢を持つようになります。
ここでは、①親の声かけ、②家庭環境、③関わり方の3つの側面から、わかったつもりを防ぐ親の実践法を紹介します。
実践法①問いかけが思考を深める親の声かけ
親が子どもにできる最も効果的な支援は、【正すこと】ではなく【問うこと】です。
たとえば、子どもが【わかった】と言ったとき、
【どこが一番大事だったと思う?】【どうしてそう考えたの?】と聞き返す。
この一言が、子どもに自分の理解を確認する時間を与えます。
質問の目的は、間違いを指摘することではなく、思考の可視化にあります。
答えを言わせるよりも、考えを言葉にさせる。
これにより、曖昧な理解が浮かび上がり、子ども自身が気づきを得るのです。
注意したいのは、問い詰め口調にならないこと。
【なんでできないの?】ではなく、【一緒に考えてみようか?】というスタンスで。
問いを責めにしないことで、子どもは安心して思考を表現できます。
この【思考を言葉にする】習慣は、学習だけでなく、作文・面接・将来的な論理表現にも直結します。
わかったつもりを防ぐ最初のステップは、親の上手な問いかけから始まります。
実践法②考える空気をつくる家庭の環境づくり
わかったつもりを減らすには、家庭の空気を【結果より思考を大切にする場】に変えることが重要です。
子どもが安心して間違えられる、そして考えを言える。
この安心感が、理解を深めるための土台になります。
まず、勉強する空間は集中できるけれど緊張しすぎないことがポイント。
リビング学習でも机学習でも構いません。
大切なのは【質問しやすい距離感】と【静かな時間の共有】です。
【今、考えてるんだね】【集中してるね】と声をかけるだけでも、子どもは見守られている安心感の中で学びを続けられます。
また、家庭の会話でも考えるクセを意識的に育てましょう。
テレビやニュースを見ながら【どう思う?】【もし自分だったら?】と尋ねるだけで、思考の練習になります。
さらに、間違いやわからないことを【恥ずかしい】ではなく【発見】として扱う文化を。
親が【知らなかった!一緒に調べよう】と言える家庭では、わかったつもりが自然と減り、探究する姿勢が育ちます。
実践法③結果主義から学び主義へ
多くの家庭でわかったつもりが生まれる背景には、【テストの点】や【結果】に焦点を当てすぎる風潮があります。
しかし、結果ばかりを見ていると、子どもは【正解を出すこと】が目的になり、【考える過程】が軽視されてしまうのです。
親ができる最も大切な関わり方は、結果主義から学び主義への転換です。
たとえば、テストの点数を見たときに【何点取った?】ではなく、【どの問題が面白かった?】【どんな発見があった?】と尋ねる。
この質問が、子どもの学びへの意識を大きく変えます。
また、ミスを責めるのではなく、【どんな考え方をしたの?】と掘り下げること。
子どもは間違えても受け入れられるという安心感を得て、思考を止めずに挑戦し続けるようになります。
親が【間違いはチャンス】と捉える姿勢を見せれば、
子どもも自然と【考えることが楽しい】と感じられるようになります。
わかったつもりをなくす本当の力は、正解を教えることではなく、学びを支える空気を家庭に生み出すことにあるのです。
わかったつもりを越えた先に本当の学力がある
わかったつもりは、もっとも静かで、もっとも強力な学力のブレーキです。
難問でもないのに点が取れない、勉強しているのに伸びない。
その根っこには、理解が表面的なまま止まってしまう思考の停止が潜んでいます。
この状態を放置すると、応用力は育たず、やる気も失われていきます。
しかし、わかったつもりは努力不足ではなく、【学び方のズレ】にすぎません。
説明する・書く・使うというアウトプット訓練を習慣化すれば、理解は【できる】に変わり、学びは確実に深まります。
特に【人に説明してみる】行為は、曖昧な部分をあぶり出し、知識を自分の言葉で再構築する最短ルートです。
そして、家庭の関わり方が大きなカギを握ります。
親が【結果】より【考える過程】を大切にし、【どう考えたの?】【面白いね】と声をかけるだけで、子どもは安心して思考を表現できるようになります。
その積み重ねが、わかったつもりを減らし、考える習慣を育てていきます。
本当の学力とは、テストの点数ではなく、自分の頭で考え、理解を深め続ける力です。
【もうわかった】で終わらず、【なぜ?】【どうして?】と問い続ける。
その姿勢こそが、どんな教科でも伸び続ける子どもを育てます。
わかったつもりの壁を越えた瞬間、学びは【苦しい作業】から【自分を広げる挑戦】に変わります。
それが、真に伸びる学力のスタートラインなのです。

















