今回は【トップ高校への道は小5から始まる! 算数で差がつく家庭の工夫】と題し、お話をしていきます。
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小学校5年生の算数に入ったとたん、子どもが【分からない】【難しい】と感じ始めているようだ。
テストの点数も70点台が多くなり、よくても80点台で90点以上は夢のまた夢になっている。
小学5年生は10歳の壁を過ぎ去り、さらに学力差がハッキリし、学力グループも明確になるタイミングです。
中学進学後の立ち位置も決めてしまうくらい、子どもの学力における大きな分岐点なのです。
小学校3年生くらいまでの算数は、四則計算を中心とした【ルールに従えば正解が出る】ものが中心でした。
しかし、小学5年生になると、割合・速さ・体積・単位量あたりなど、目に見えない抽象的な概念が一気に増えます。
ここで必要になるのは、単なる計算力ではなく、思考力・読解力・条件整理力といった、より高い学習スキルへと変化していきます。
中学受験を視野に入れる子たちの世界では、【小5の算数が合否を分ける】とよく言われます。
それだけ、この時期に求められる力は高く、学習の差が一気に広がる時期でもあるのです。
そしてこれは、受験をしない子どもにも無関係ではありません。
というのも、小5での算数の理解度は、そのまま中学での数学の土台になります。
ここでつまずいてしまうと、中学1年のはじめから苦手意識を持ち、成績が伸び悩むリスクが高くなります。
反対に、小5の内容をしっかり身につけた子は、中学でも好調なスタートを切りやすく、高校受験でトップ校・上位校を狙うための基礎を築けていきます。
つまり、小5の算数は単なる【1年間の学習内容】ではなく、子どもの進路の可能性を左右するターニングポイント。
だからこそ、この学年をどう乗り越えるかは、家庭にとっても非常に重要なテーマなのです。
そこで今回は、トップ高校にたどり着けるかどうかは小学5年生の算数の出来不出来である程度見えてくる理由や、対策などをご紹介していきます。
なぜ小5の算数が子どもの進路を決めるのか
まず、子どもが苦手意識を持ちやすい教科の代名詞でもある算数は、割と早い段階からできる子と苦手にしている子がハッキリします。
ただ、それは【超算数が得意な子】と【繰り上がりと繰り下がりで大苦戦している】というレベルで、普通の子達の理解度は団子状態のまま学年が上がり、その状態が小学4年生の頃に学力グループが形作られていくようになります。
そして、小学校5年生で、そのグループもガッチリと固定してしまいます。
5年生で学ぶ算数の単元は、それまでの学年とは大きく様相が異なります。
割合、速さ、体積、単位量あたり、そして割合と比といった内容は、目に見えない概念を数式や図で捉えなければならず、子どもにとってはまさに算数の壁です。
単純な計算では太刀打ちできず、状況を整理し、条件を読み解き、数値の関係性を考察するといった思考の筋力が求められるのです。
実際に中学受験に取り組んでいる家庭では、小5の算数こそが【山場】とされます。
この学年の内容をどれだけ理解しているかが、どのランクの中学校を目指せるか、どのクラスに所属できるか、ひいてはどの程度の思考力を持って入試に臨めるかを決定づけます。
中学受験でも、小学5年生内容の応用・複合問題が多いです。
ただ、これは中学受験組だけの話ではありません。
中学受験をしない子どもであっても、小5での算数の理解度がそのまま中学数学の【地盤】になります。
中1で扱う比例・反比例、一次方程式、関数、図形などの単元も、元をたどれば小5の概念がベースになっています。
つまり、この時期に算数の基礎があやふやなままだと、中学で数学が一気に苦手科目になりかねないのです。
小5の算数では、それまで見えにくかった【学び方】の差が一気に浮き彫りになります。
たとえば、計算問題中心の小3・小4までは、単純なスピードや正確さで成績を保っていた子も、小3の後半、しょう4、小5で文章題や複雑な条件付きの問題に直面すると、戸惑いがちです。
考える力、粘り強さ、理解の深さといった要素が問われ始めるため、表面的な【できる子】が急に失速するケースも少なくありません。
また、ここで学習習慣の差も明確になります。
日々の学習を丁寧に積み重ねてきた子は、多少難しい問題にも粘り強く取り組み、【考える力】を武器にできます。
一方、わからないとすぐに諦める、ミスを振り返らない、という子は、じわじわと理解が追いつかなくなり、苦手意識を強めてしまいます。
このように、小5という学年は、単に内容が難しいだけではなく、【どう学ぶか】が学力の伸びを左右するタイミングでもあるのです。
そしてその学び方が、今後の進路にも影響を与えていきます。
実際のところ、小5で算数が得意な子どもは、そのまま中学でも数学が得意であり続ける傾向があります。
理由は単純で、小5で必要な力がそのまま中学数学に直結するからです。
比・割合・図形・関数といった中学内容は、小5・小6の学習内容が土台になっており、ここをしっかりと押さえている子は、中学での【つまずき】が少ないです。
また、これは成績面だけでなく、【自信】にも直結します。
算数が分かる → 問題に取り組むのが楽しい → 自主的に学習する → 成績が伸びる、という良い循環が生まれます。
一方で、小5でつまずき、そのままにしてしまうと、【算数は苦手】【どうせ自分には無理】という気持ちが芽生え、努力すること自体を諦めてしまうこともあります。
そして気づけば、中学に入ってから【定期テストの点数が取れない】【順位が落ちる】といった事態に。
そうなると、進学先の高校の選択肢は狭まってしまいます。
つまり、小5の算数が【できるか・できないか】は、そのまま高校受験でどこを目指せるか、どんな未来を描けるかを示す予測指標でもあります。
小5の算数が難しいと感じる理由とつまずくポイント
さて、小5の算数で子どもたちがぶつかる壁は【割合】と【速さ】です。
算数の難所とも言われるだけでなく、大人になって生活をする中でも必要な知識でもあります。
この2つの単元に共通するのは、単なる数字の操作ではなく、【目に見えない関係性を理解する】力が求められるということです。
たとえば、割合では【ある数に対しての比率】を考えなければなりませんが、これが子どもにとっては非常に抽象的です。
【○円は定価の何%か】など、単位や基準が絡むと、混乱する子が一気に増えます。
また、速さの単元では【速さ=道のり÷時間】の公式こそ覚えていても、それをどう使うかの判断に迷うケースが多発します。
問題文に出てくる数値をただ代入すれば答えが出るわけではなく、【この問題ではどの値が時間で、どれが道のりか】【速さは一定か変化しているか】といった条件の整理力が問われるのです。
これらの単元でつまずく背景には、出てくる数字が何を意味しているのかという理解・単位の感覚といった、算数以外の力も関係しています。
たとえば、単位を正しく捉えられない子は、速さを【分速】なのか【時速】なのか区別できず、答えが大きくずれてしまいます。
割合で【もとにする数はどれか】が分からない場合、式を立てることさえ困難になります。
この段階でのつまずきを放置すると、以後の算数だけでなく、中学以降の数学でも同じような【見えない関係性】に苦しむことになります。
つまり、小5のこの単元は基礎でありながら応用の入り口でもあるということです。
できる子とそうでない子の差が、ここで大きく開き始めます。
そして、小5の算数では、問題文のボリュームと複雑さも増していきます。
【計算はできるのに点が取れない】という子の多くは、問題文の読解でつまずいています。
これまでのように【計算しなさい】ではなく、【ある数の○%が△です。このとき…】といったように、文章を読み取って条件を整理する力が求められます。
この段階では、国語的な読解力と、情報を図や表で整理する力が必要になります。
数式だけでは太刀打ちできず、【何を求めるのか】【条件に合う図をどう描くか】などの工程が加わるため、子どもにとっては算数なのに読まされる文章が長くてイヤという印象を持ちやすくなります。
また、抽象的な言葉が増えるのもこの時期の特徴です。
【比べる量】【もとにする量】など、日常では使わない表現が出てくるため、それを意味ごと理解できていないと、解く以前に混乱してしまいます。
これは、子ども①②も言っていましたが、【算数で出てくる用語の意味を理解していない子が相当いる】ということでしたし、子ども③もクラス内で算数が苦手な子に教える際に【おそらく小学3年生内容から理解していない子がクラス内で30%くらいいる】と評しています。
このように、【算数=計算】と思っていた子にとって、小5の算数は未知の科目に感じられがちです。
そしてこの違和感が、【もういいや】【わからないから放っておこう】という思考停止に直結してしまいます。
問題文を読む力、言葉で理解を組み立てる力を一緒に育てていくことが、親にも求められる時期です。
小5算数でとくに問われるのが、【自力で考え抜く力】です。
今まではパターンを覚えれば解けた問題が多かったため、【分からなければ教わる】【分からない問題は飛ばす】という姿勢でも何とかついていけたかもしれません。
しかし、小5以降はそうはいきません。
応用問題や複合問題では、【何を使えば解けるか】すら自分で判断しなければならず、すぐに答えが出ない前提で粘る力が必要になります。
ここで多くの子が挫折します。
すぐに答えが出ないことにイライラして【やりたくない】と感じたり、間違えたことで【自分は算数が苦手だ】と思い込んでしまうのです。
私も、塾で5年生の算数で苦戦する子のイライラを落ち着かせるなどの気配りをした思い出があります。
この【苦手意識】は非常に厄介で、一度刷り込まれてしまうと、その後の学習態度や自己評価にまで影響します。
逆に、粘り強く試行錯誤する経験を積んだ子は、問題に対する耐性がつきます。
間違えても【考え直せばいい】と思えるため、前向きに挑戦できるようになるのです。
これは中学・高校の学習においても大きな財産となります。
子どもが難所の小5の算数にぶつかっているなら、親としては、答えを急がせず、【考える過程】を評価することが大切です。
【どこまで自分でできたか】【どうやってその方法にたどり着いたか】を一緒に振り返ることで、思考の幅が広がっていきます。
正解よりも【考え抜いた経験】が、算数力の本当の土台になります。
小5算数を乗り越えるために家庭でできること
ところで、小5の算数は、ただ正解を出せば良いという段階から、【どう考えたか】を筋道立てて説明できるかどうかが問われる学年です。
ですから、家庭学習では解き方よりも考え方に注目する姿勢が重要です。
親が【その答えにどうやってたどり着いたの?】と聞くだけで、子どもは頭の中を整理しながら思考を深めることができます。
たとえば、割合の問題で【なぜこの数をもとにしたの?】と問えば、子どもは【何となくこっちかなと思った】とボンヤリながらも理屈を言語化しようとします。
このプロセスを繰り返すことで、数式だけに頼らない概念理解が育ちます。
また、【式が合っているのに答えが違う】といった場合にも、【どこで間違ったか説明してみて】と促すことで、自己修正力を身につけるチャンスになります。
ここで大切なのは、正誤よりも【考えた過程】を評価する姿勢です。
親がすぐに答えや解き方を教えてしまうと、子どもはわかるフリを覚えてしまいます。
【少し時間がかかっても、自分の言葉で説明する】体験の積み重ねが、本当の意味での算数力、そして後の数学力につながっていきます。
小5算数では、理解できていない単元をそのままにしておくと、後の学習に深刻な影響を及ぼします。
割合・速さ・体積・図形の単元は中学でも繰り返し応用されるため、【よくわからなかったけど終わったからいいや】と流してしまうと、中1以降での見えない躓きに変化します。
そこで家庭で取り入れたいのが【解き直し習慣】です。
間違えた問題を記録しておく【つまずきノート】を作り、週末などの時間に一緒に解き直すことを習慣化してみましょう。
大切なのは、【なぜ間違えたのか】【次はどう考えるか】を話しながら確認することです。
また、確認テストや小テストを定期的に行い、理解が定着しているかを振り返ることも有効です。
ときには、以前できていた問題が解けなくなっていることもあります。
忘れる前提で復習の機会を作ることが、学力の底上げには欠かせません。
子どもが【もうやった問題なのにまた?】と嫌がる場合もありますが、【前より早く解けたね】【今回は自分でできたね】と成長に注目してあげると、解き直しがポジティブな習慣に変わっていきます。
小5の算数が難化する時期に、親として不安を感じるのは当然です。
しかし、その不安から【もっとやらせなきゃ】と焦って学習量を増やしすぎると、かえって逆効果になることもあります。
小学生の子どもにとっては、分かるという感覚を持てることの方が、何よりの原動力になります。
おすすめは、毎日15~20分の【集中できる学習時間】を確保し、スモールステップで【できた!】を積み上げる学習法です。
一問でも【自分で考えて解けた】という実感が得られれば、子どもは算数に対する苦手意識を持ちにくくなります。
また、【周囲と比べる】のではなく、【昨日の自分と比べる】視点を持つことも大切です。
他の子がどれだけ進んでいるか、どんな問題が解けるかは参考程度に留め、子どもの成長そのものに目を向ける姿勢が、安心感と自信を育みます。
さらに、たとえわからない問題があっても、【一緒に考えてみようか】と寄り添う姿勢を見せることが、子どもにとっては大きな支えになります。
算数を通じて【分からないを放置せず向き合う姿勢】を学べば、その経験は必ず中学・高校へとつながっていきます。
とにもかくにも、小5の算数は、単なる1学年分の内容にとどまらず、今後の学力を大きく左右する分岐点です。
割合・速さ・図形といった抽象的で応用性の高い単元は、子どもの【考える力】や【粘り強さ】を育てるための試金石とも言えます。
ここでしっかり理解し、思考力を積み上げられた子は、その後の中学数学でも安定して力を発揮します。
一方、つまずきを放置してしまうと、【算数は苦手】という意識が強まり、中学に入ってからの学びにもブレーキがかかってしまいます。
だからこそ、家庭での関わり方がカギを握ります。
正解を急がせず、考える過程を大切にし、少しずつ【できる実感】を積み重ねる。
その姿勢が、学区の中学で上位をキープし、トップ高校や難関大学につながる土台を築くのです。
小学5年生の算数は未来へのスタートラインだと受け止め、親としてできることをやっていきましょう。