今回は【『うちの子は普通』で終わらせない!地頭を鍛える家庭学習の工夫7選】と題し、お話をしていきます。
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ありがとうございます。
子育てをしていると、【うちの子は普通だから】と口にする方はけっこういると思います。
【うちの子、宿題はちゃんとやってるんですけど、成績が伸びなくて…】
そんな声を、小学生の親の方からよく耳にします。
毎日まじめに学校の宿題に取り組んでいるのに、なぜか成果につながらない。
テストの点数が思ったほど良くなかったり、クラスの中で【普通】の位置にとどまっていたり。
2020年度からスタートした学習指導要領の影響もあり、小学生の間での学力差はかなり広がっているという印象を受けています。
学力差は決して、子どもが持つ能力の差や努力不足だけが原因ではありません。
やはり親の意識や考える力の差が、ダイレクトに学力差に反映されているのです。
学校の授業や宿題はもちろん大切ですが、それだけでは本当の意味で【考える力】は育ちにくいのが現実です。
子どもたちは、家庭での何気ない会話や生活習慣のなかで、思考力・理解力・表現力といった学力の土台を身につけていきます。
つまり、どれだけ良い教材を与えるかよりも、日々どんな関わり方をしているかが将来の学力を大きく左右するのです。
そこで今回は、そんな【地頭】を家庭で自然に育てるための7つの工夫を、今日から実践できることも含めてご紹介します。
勉強が得意な子も苦手な子も、【家庭学習の質】を少し変えるだけで、自分で考え、学ぶ力が伸びていきます。
【うちの子は普通だから…】とあきらめる必要はありません。
日々のちょっとした工夫が、子どもの未来の選択肢を広げる第一歩になるのです。
【覚える力】だけでは通用しない時代へ
まず、かつては【漢字を正確に覚える】【計算を早く解く】といった覚える力、パターン化された問題に強さを発揮する力があれば、成績はある程度安定していました。
しかし、近年の教育は大きく変わりつつあります。
小学校でもアクティブラーニングが多くなり、カラーテストでも記述問題が増え、【なぜそう考えたのか】【自分の意見を書こう】といった考える力や表現力が求められるようになっています。
これは、社会の変化とも深く関係しています。
AIや自動化が進む現代では、単純な知識や作業をこなす力よりも、【自分で課題を見つけ、自分の頭で考え、答えのない問題に向き合える力】が重要になっているのです。
今の子どもたちは、将来、今は存在しない職業に就くかもしれません。
そのとき必要になるのは地頭の良さです。
変化に対応できる思考力・応用力・柔軟性はこれからを生きる子どもたちにとって大きな武器になります。
では、そうした力をザックリまとめた言葉として子育て界隈でもよく使われる【地頭】とは具体的にどんな力なのでしょうか。
一般的に【地頭がいい】と言われる子は、初めて見る問題や未知の状況に対しても、自分の持っている知識や経験をもとに考え、試行錯誤しながら答えを導き出すことができます。
つまり、与えられたことをそのまま覚えるのではなく、【なぜそうなるのか】【他のやり方はないか】と、自分で考える習慣が身についているのです。
一方で、【学力】はテストの点数や通知表に表れやすいもので、塾やドリルである程度鍛えることができます。
しかし、その裏にある地頭がしっかり育っていないと、学年が上がるにつれて応用力が不足し、成績が伸び悩む子も多くなります。
中学・高校に進学するにつれて、単なる暗記では太刀打ちできない内容が増えていきます。
文章を読んで、状況を理解し、適切な解を導き出す。
このような力は、テスト前の一夜漬けでは身につきません。
地頭は、日々の積み重ねでしか育たない力なのです。
子育てをしてママさん達と話をすると【あの子は地頭がいい】という言葉が行き交うことがありますが、地頭はどうやって育てればよいのでしょうか。
こういうことをしたら100%地頭の良い子に育つという子育て論が成立しているわけではありませんが、重要なのは、学校だけに任せるのではなく、家庭での関わり方が地頭の育成に大きく影響するということです。
たとえば、子どもが【なんで空は青いの?】と聞いてきたとき、どのように対応するかが一つの分かれ目です。
【それは、そういうもんだから】と答えてしまえば、子どもは【考えなくてもいいんだ】と学習してしまいます。
しかし、【どうしてそう思ったの?】【一緒に調べてみようか】と声をかけることで、子どもは【自分の疑問を大事にしていいんだ】と感じ、思考を深める姿勢が育まれます。
また、失敗を責めるのではなく、【どうしてこうなったと思う?】【次はどうしてみようか】といった対話を重ねることで、試行錯誤する力や柔軟な発想力が育ちます。
これも、地頭の土台となる大切な要素です。
さらに、家庭内の【言葉のやりとり】も重要です。
これは本当に感じていますが、子どもの語彙力は家庭次第です。
親が使う言葉の選び方や問いかけ方が、子どもの語彙力や論理的思考に直結します。
難しい言葉を使う必要はありませんが、【なぜ?】【どうして?】と一緒に考える習慣がある家庭の子は、自然と自分の頭で考える力が養われていきます。
【地頭】を育てる家庭学習の工夫7選
さて、【地頭】は特別な才能ではなく、家庭でのちょっとした工夫と関わり方で伸ばすことができます。
ここでは、今日から始められる7つの具体的な習慣をご紹介します。
どれも難しいものではありません。
毎日の生活の中に自然と組み込むことができます。
一つ目が、質問を大切にすることです。
子どもが何かに疑問を持ったとき、それは絶好の思考の芽を伸ばすチャンスです。
【なんで月はついてくるの?】という問いに、皆さんはどう答えるでしょうか。
【そう見えるだけだよ】と片づけてしまうのはもったいない対応です。
正しい答えをすぐに教えるよりも、【本当だね、なんでだと思う?】【一緒に考えてみようか】と返すことで、子どもは自分の考えを持つことを学びます。
問いに対して問いを返すことで、論理的に考える力が育っていきます。
親の声かけ例としては、【それ、面白い疑問だね!】【お母さんもわからないな。一緒に調べてみようか】などになります。
我が家でも、子どもの疑問はその場で一緒に考え、解決する方法を探るということをずっとやってきました。
そのおかげもあってか、学校での探究活動に抵抗感を覚えずに三人とも取り組んでいます。
二つ目に挑戦して欲しいのは音読をしたり説明させる習慣で理解を深めることです。
子どもは【読めている=理解している】と思いがちです。
しかし、実際は読み飛ばしていたり、内容を十分に把握していなかったりすることも少なくありません。
毎日の宿題に音読があるなら、ぜひ【ただ読む】だけでなく、【読んだ内容を説明してもらう】時間も取り入れてみましょう。
自分の言葉で話すことで、理解の深さが一気に高まります。
親の声かけとしては、【今の話、どんなことが書いてあった?】【この話の続きを勝手に作ってみよう!】【誰がどんなことをしたの?】
こうしたやり取りを通じて、要約力・表現力・読解力が自然と伸びていきます。
我が家では読み聞かせに力を注いできましたが、勝手にお話を改変したり、オリジナルの物語を寝る時にパッと思いついて話をするということをしてきました。
【こういう事件が起きたら面白いよ】と脚本家の気分になってお互いの意見をあーだこーだと言い合って話を作るということもしてきました。
こういう会話をしていると、親子が話をする機会も増えるので、家庭の雰囲気も明るくなります。
三つ目に、ニュースや話題になっていることを親子で話をすることです。
中学受験では欠かせない時事ネタは中学受験をしない子どもにとっては【今知っても子どもに役立つ知識】ではないかもしれません。
しかし、将来のことを考えると知識や教養は自分の身を助けることもあります。
子どもが社会や世界に関心を持つには、親が【ニュースは難しい】と思わせない工夫が大切です。
小学生向けのやさしいニュースサイトや新聞を活用し、食事中やお風呂上がりなどに気軽なトピックとして取り入れてみましょう。
【今日のニュースでね・・・】という雑談から、【それってどういう意味?】【なんでそんなことが起きたの?】と、背景を考える力を育てることができます。
我が家の子ども①②は中学受験での面接で、鉄板質問である【最近気になったニュースはありますか】で、おそらく他の子が選ばないようなトピックスを選択し、話をしました。
【他の子とは違う話をしてインパクトを残す作戦】として事前に家で対策を練っていました。
ニュースを知っている、世界の動きを教養として知っているというのは視野を広げることになり、ふとしたことで将来の夢を見つけるきっかけにもなります。
ニュースに関して家庭で話をする場合、親は子どもに対して【最近、自動車のニュースが多いけれど、どうしてだと思う?】【ニュースで外国のこと言ってたけど、日本とどんな違いがあるかな?】と意見を聞くような形での会話を心がけてみてください。
ニュースを通じて、社会と自分とのつながりを感じる習慣が、総合的な学力につながります。
四つ目がゲーム感覚の思考パズルやカードで遊ぶことです。
勉強は机に向かうだけがすべてではありません。
楽しみながら思考力を鍛える方法の一つが【知育的な遊び】です。
オセロ、将棋、数独、カード型パズル、ボードゲームなどは、論理的思考力や先を読む力、空間認識力を養うのに最適です。
ゲーム中に【次はどうすればいい?】【相手はどう動くかな?】といった問いかけをすることで、自然と考える習慣が身についていきます。
おすすめの知育ゲームは、百均でも購入可能なナンプレ、ロジカルパズル(算数パズル)、親が子供の頃から親しんでいるUNOやトランプといったカードゲーム、そしてThinkFunなどの論理系パズル玩具です。
この他にも、将棋や人生ゲームなども深く考えながら勝つまでの戦略を子どもながらに考えるゲームも取り入れてみてください。
そして、五つ目は親が【間違いOK】と子どもに伝える習慣を作ることです。
子どもは、親のちょっとした言葉や態度から、【間違ってはいけない】と学んでしまうことがあります。
これは、挑戦を避けたり、自信を失ったりする大きな原因になりかねません。
【間違い=悪いこと】ではなく、【間違い=学ぶチャンス】という認識を育てることが、思考力・挑戦力を育てるうえで非常に大切です。
そうした意識を持つように育てるには、日頃から【間違えても大丈夫。どうしてそう思ったのか教えてくれる?】【おしかったね!次は、どうしたらうまくいくかな?】という言葉をかけてください。
子どもに【考える過程】を大切にするマインドを持つよう促していきましょう。
家庭学習の工夫の六つ目として、勉強の【やり方】を一緒に見直す習慣を作るようにしてください。
【頑張っているのに成績が上がらない…】というとき、実は勉強のやり方に問題があるケースが多いです。
ノートの取り方が雑、答え合わせだけで復習していない、理解せずに丸暗記している・・・。
このような学習の質の低さは、積み重なるほど差を生みます。
手軽にできる親のサポートとしては【どこがわからなかった?】と一緒に振り返ることです。
解き方を声に出して説明させたり、間違えた理由と改善点をノートに書かせるなどの【振り返りの習慣】を毎日の勉強に少しずつ組み込むことで、子どもは自分で考えて進める勉強ができるようになります。
最後の七つ目の工夫は 家庭に【問い】のある環境を作ることです。
家庭の中に知的な刺激を散りばめておくと、子どもは自然と考える習慣を身につけます。
たとえば、カレンダーに【今日のなぞなぞ】や【今日の一問】を書いておく。
冷蔵庫に磁石で算数クイズを貼る。
リビングに図鑑やパズル本を置いておく…など。
こうした【知的に遊べる仕掛け】を生活に取り入れると、【考えること=楽しいこと】だという感覚が自然と育っていきます。
家庭でできる工夫として、【朝食時にクイズを1問出す】【お風呂で九九の逆バージョンゲームをする】【YouTubeのイントロクイズや早押しクイズ動画でクイズ大会をする】寝る前に【今日一番面白かったことは何?】と話す、などです。
勉強を特別なことにせず、生活の一部として根づかせることが、地頭を育てるカギになります。
少しの習慣で、子どもの【考える力】は伸びていきます
【難しい教材を買わなきゃ】【親が色々と手の込んだことをしないといけない】と思う必要はありません。
地頭を育てるのに大切なのは、日々の暮らしの中で、【考える経験】を増やすことです。
子どもの思考力・理解力・表現力は、親のちょっとした問いかけや一緒に考える時間から育っていきます。
今日からできる小さな工夫で、子どもの未来に大きな差が生まれるかもしれません。
今日から始められる普通以上の家庭学習
ところで、【うちの子は普通だから】【成績は悪くないし、特に問題はない】と思っているご家庭でも、数年後に【あれ? 思ったほど伸びていない…】と焦るケースは少なくありません。
中学や高校に進むにつれ、地頭の有無や家庭での学習環境が、子どもの学力にじわじわと影響を与えていくからです。
ここで大切なのは、【特別な才能】ではなく、【日々の家庭環境と学習習慣】が、学力の差を生むということです。
もともとの能力よりも、どんな空気の中で育ち、何を考える習慣があるかが、将来的な伸びしろを大きく左右します。
たとえば、勉強時間をむやみに増やすよりも先に、【考えることが好きになる環境】を家庭に用意することが大切です。
親が一緒に考える。失敗を責めない。疑問を大切にする。
こうした空気がある家庭では、子どもは自然と学びに前向きになり、自分の頭で考えようとします。
【じゃあ、うちでは何をすればいいの?】と疑問に思う方もいることでしょう。
そんな方に向けて、今日から取り入れられる小さな一歩を3つ紹介します。
まず、 子どもと一緒にニュースを1記事読むように心がけてください。
難しい内容でなくて構いません。
子ども向けのニュースサイトや新聞記事を一緒に読み、【どう思った?】【なんでこうなったと思う?】と一言問いかけてみてください。
知識だけでなく、背景や因果関係を考える習慣がついていきます。
二つ目は間違えた問題を一緒に振り返ることです。
テストや宿題で間違えたときこそ、学びのチャンスです。
解き直しを【やらせる】のではなく、【なんでそう考えたの?】【他にどんなやり方があるかな?】と会話を交えて振り返ることで、思考の質が向上していきます。
そして三つ目が説明させてみることです。
勉強したことを【どうだった?】と聞くだけでなく、【お母さん、お父さんに教えてみて】と促してみましょう。
自分の言葉で説明できるかどうかは、理解度を測る良い方法ですし、アウトプットを通じて記憶にも定着します。
これらの取り組みは、ほんの数分でできることばかりです。
簡単そうに見えますが、この積み重ねが1年後、3年後、そして進路を選ぶ時に確かな差となって表れます。
【普通のままでいい】と思っていても、世の中は待ってくれません。
家庭の工夫一つで、子どもは普通以上の力を育んでいけます。
地頭は、生まれつきの才能ではなく、日々の家庭での声かけや習慣の積み重ねで育つ力です。
【普通でいい】と思っている今が、学力差の始まりかもしれません。
大切なのは、日常の中で考える経験を増やすことです。
今日からできる小さな一工夫が、将来の学びの大きな土台になります。
未来のために、まずは一歩、家庭学習の質を見直してみましょう。