今回は【小学生は2回ある 子どもの学力差が出始めるタイミング】と題し、お話をしていきます。
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ありがとうございます。
小学校での勉強は【運動能力の差がある】というのを感じるのとは違い、表面的に子ども同士の学力差があるという大前提で授業が進められるということに触れずに進められると思っていいでしょう。
ただ、そんなことがあるわけはないというのは親も子どもも知っています。
低学年の頃から主に算数、そして漢字力で勉強が得意かどうかというものを感じます。
子どもが成長する中で、学力差が出始めるわけですが、親が教育に関心があるかどうかでキャッチするタイミングも異なります。
私が塾で仕事をしている時も、【中学生になって定期テストを受けて我が子が学業不振だということに気がついた】という親もいました。
それとは反対に、【割り算の理解度がちょっと不安を感じるので】と小学校3年生から塾に通わせる選択をした家庭もあったりと、学力差に気がつくのも親次第だという現実を見てきました。
当然ながら、気がつくのは早いに越したことはありません。
それと同時に、なぜ子どもの学力差が出始めるのかと考えることも大切です。
漠然と【10歳の壁が気になる】と思っていても、実際はもっと早くから子どもが躓いている可能性もあるからです。
そもそも、学力差が出るタイミングがある理由は、学習内容の質と量が変化し、求められる力が高度になるからです。
学校の勉強がレベルアップしている中で子どもが【分からない】と感じることが増えてくると、学力差が目立ち始めると思ってください。
それでは、子どもの成長過程で起きる学力差が出始めるタイミングをご紹介していきます。
小学3から4年生頃
まず、小学校3年生から4年生という学年が子どもたちの間で生じる学力差が出てくるタイミングになります。
公立小に通う子もまだ低学年の頃は大まかな学力グループが構成されていたのが、【上位層】【ミドル層】【ボトム層】と分かれていきます
この時期は【抽象的な思考】や【文章読解力】【漢字力】が必要な学びが少しずつ増えるため、学力差が出やすくなります。
算数では文章題や図形、単位、分数・小数など、理解が複雑化し、単なる暗記や計算の速さだけでは太刀打ちできなくなります。
そのため、真面目に勉強している子の中でも【よく分からない】という単元がチラホラ出てきます。
子どもの年齢的に8歳から10歳くらいと、まだまだ勉強が本格化する前だと捉えてしまう親もいますが、学校の学びも【なぜそうなるのか】と論理的に考える力が求められてきます。
子ども①②と③とでは、学習指導要領の違いということもあって、今の小学3年生の勉強は以前よりも難しくなっている、考えることが増えていて早い段階から学力差が生じているというのを感じています。
算数の表とグラフでは、条件をすり合わせてグラフを作るという作業や、複数の条件にあてはまる答えは何かと考えさせるため、条件を踏まえて答えを絞るという考えができない子、すぐに答えが分からない学びに嫌になって適当に答えを書く子がいたりします。
そして、この頃から、基礎の定着が甘い子と地道に積み上げてきた子との差が目に見えて出始めます。
これは学習指導要領改訂に関係なく、私も塾で仕事をしている時に【学力差が出る第一段階】だと感じたりもしていました。
パッと見て解ける問題が減ることから、子ども本人のリアルな学びに対する理解の深さや考える力の差が表面化してきます。
向き合い方として大切なのは、【他の子との差があること】を焦らず受け止め、今のつまずきを丁寧に見直す姿勢です。
周囲と比べて一喜一憂するよりも、子ども自身の理解度を確かめ、どこで躓いているかを一緒に見つけることが第一歩です。
また、できたことを具体的に褒め、学ぶことの楽しさや自信を育てましょう。
学力差が出始める時期だからこそ、習慣と学び直しの工夫で、十分に巻き返すことは可能です。
小学5から6年生
さて、小学校高学年になると、教科内容の難度がさらに上がり、自学自習の力も必要になります。
この年齢で家庭学習の習慣がない子は、一部の学力スキルがかなり高い子を除くと学校の授業を理解するのも苦労することになります。
高学年で躓く単元、学力差が出やすい代表格が算数で、小学校算数の難所である【割合】【速さ】【比】など、抽象的な概念が多く登場します。
さらに、四則計算の基礎が怪しい子は最小公倍数や最大公約数といった単元でも苦戦し、分数の計算もボロボロになるという流れになります。
国語では長文読解、複雑な言い回し、要約力が必要になり、中学進学に向けた確かな読解力、語彙力の差がかなり顕著になります。
語彙力の差というのは小学校4年生くらいまであまり気にしなくても何とかなりますが、高学年になるとアクティブラーニングの質の違い、記述問題でも差が出てきます。
そして、5年生や6年生になると教科書で扱う文章自体も年齢に合せた理解力を求める内容になるので、読書習慣がなく漢字スキルの低い子は【何を言いたいのかさっぱりわからない】と感じるようになります。
塾での国語でも、主語述語や文法、人物の心理描写や段落構成などをすんなり理解できる子とできない子がハッキリしてくるのも高学年頃からでした。
塾の勉強は学校とは違うところも多く、先に高校受験の問題的なものを先取りしているので小学生の時点で国語力に差があるかどうかというのが把握できるメリットもありますが、特段国語対策をしていなくて学校の授業でも【何を言っているのか分からない】と感じると、ほぼ間違いなく中学での国語で躓きます。
高学年で差がハッキリしてしまうのは、これまでの学習習慣の有無や分からないことを放置してこなかったかどうかという【学習に対する姿勢】、【勉強への意識】【学び直しの習慣】があるかどうかにかかってきます。
小学校6年間を通じての学力の土台の厚みが小学校5年生になるとドカンと分かってしまうのです。
ここから先の学びですんなりついていけるには、盤石な基礎学力に加え、論理的に考える力や読解力、自学自習の習慣が必要になってきます。
この時期を乗り越えるには、まずわからない部分を明確にし、基礎に立ち返るようにしましょう。
短時間でも毎日学習する習慣をつけ、子どもが学んだことを理解する量を増やしていくことがポイントです。
また、親が焦らずに子どもの努力を認め、共に学ぶ姿勢を見せることも効果的です。
自信と習慣を支えることで、学力の土台を安定させることができます。
中学1年生の1学期
ところで、子どもの学力差が出やすいタイミングは中学生になってからでもあります。
今の時代は学習指導要領改訂の影響もあり、中学1年生の1学期ですでに学力差が拡大していくと思ってください。
中学では小学校時代よりも授業の進み方が速く、子どもによっては小学校での理解不足が一気に表面化します。
部活と勉強の両立に苦戦し、小学生時代は勉強面であまり苦労してこなかった子でも多少なりともしんどさを感じたりもします。
勉強も教科担任制となり、より専門的な内容を学ぶので【分からない】を放置すると、どんどん分からないことが増えていき、結果として成績も低迷していきます。
小学校から中学校に進学し、環境の変化に戸惑いながら子どもは学校生活に慣れていきます。
そこに追い打ちをかけるように、小学校での理解不足や苦手があるとすぐに成績に影響が出ます。
そのため、この時期の学力差は単なる能力差ではなく、入学前からの準備や学習習慣、変化への対応力の違いが大きく関係しています。
できれば、中学入学前から数学や英語の先取り学習をしていると安心です。
それが難しいのであれば、中学1年生の1学期に親ができる大切なことは、まず【躓きを見逃さない】ことです。
テストの点数だけで判断せず、授業の理解度や提出物、学習時間の様子から、どこで困っているのかを見極めましょう。
そして、苦手を放置せず、早めに小学校内容まで戻って復習する勇気を持つことが大切です。
私も塾で仕事をしている時に【中学生なのに小学校の勉強なんて嫌だ】と主張する生徒がかなりいましたが、そこまで戻らないと巻き返すことも難しくなります。
中学1年の1学期で気がつけば夏休みに挽回することも可能です。
また、学習習慣を整えることもこの時期のカギです。
中学では毎日決まった量の宿題が出ることもなく、自学自習が基本になります。
毎日短時間でも机に向かう習慣を作り、【今日の授業の振り返り】【分からない単元の復習】を日課にしましょう。
いきなり完璧を求めず、【できたこと】【頑張ったこと】を認めて自信を育てることが、やる気の維持につながります。
さらに、親の声かけも大きな支えになります。
点数や順位、偏差値だけで評価するのではなく、取り組む姿勢や努力の過程に注目し、安心して相談できる雰囲気をつくりましょう。
中学生活のスタートをポジティブに乗り越えられれば、その後の学習にも良い流れが生まれます。
