今回は【算数の苦手意識をなくして算数が得意になるには】と題し、お話をしていきます。
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ありがとうございます。
小学生になる前後から学校での勉強面で親が気になる教科と言えば、算数になると思います。
繰り上がりの足し算、繰り下がりの引き算の単元では早くもクラス内で算数の出来不出来というものがなんとなく分かるようになります。
低学年では四則計算のスピードや正確性が高い子はインパクトも強く、【すごく勉強ができる子】と認識されるようになります。
そういうクラスメイトの姿を見て、【自分はあんな風にできない】と自信を失っていく子もいます。
親としては、7歳くらいで算数への苦手意識を持って欲しくないと思い、家庭学習も力を入れていくわけですが、小学校3年生、4年生頃になると宿題をし、家庭学習をしている子の中でも【算数がよく分からない】と感じる子も増えていきます。
一度【嫌だな】と感じてしまうと、それを払拭させるというのも難しく、【算数が得意】が遠ざかるようになります。
小学校で算数が嫌いになると、中学での数学が好きになる可能性は極めて低くなります。
親としてはこうした事態になるのは避けたいところです。
塾で小学生の子どもたちに勉強を教えている時、小学校3年生を過ぎたころから算数への意識差というものが生じてきて、小学4年生そして5年生でほぼ確定するという流れを目の当たりにしてきました。
もちろん、その学年になったら突然苦手になるというわけではなく、低学年の頃の小さな理解不足の積み重ねが4年生前後からドカンと出てきやすくなるので、まずは小学校1年生や2年生で学ぶ内容を本当に理解しているのかというところを確認しつつ、算数嫌いにさせない工夫を考えていくことも必要になります。
そこで今回は、算数の苦手意識をなくして算数が得意になるにはどうすればよいのかをご紹介していきます。
『分からない』をなくす
まず、小学生が算数の苦手意識をなくし、得意科目に変えていくためには、【わかる!】という実感を積み重ねていきましょう。
子どもの【わかる】という感覚が、学びへの自信と意欲を生み、やがて【算数は得意!】という意識に変わっていきます。
苦手意識を持たせない第一歩として取り組みたいことは、レベルを下げてでも【確実にできる問題】を解くようにしてください。
苦手な子ほど、いきなり難しい問題に取り組ませると【やっぱり無理】【できない】という気持ちが先に立ってしまいます。
たとえ復習であっても、子どもが【これはわかる!】と感じられるところまで戻る勇気が必要です。
そして、解けたらすぐに【すごいね】【自分でできたね】と声をかけてあげましょう。
ここでのポイントは、正解を褒めるよりも【自分の力で考えたこと】や【前より成長したこと】を認めることです。
我が家では子ども①がダラダラ計算問題を解いていたのを脱却したのが、5分間計算ドリルを毎日継続することでしたが、たとえ少ない問題数でも【今日もキッチリ全部解いた】ということを褒めました。
子どもは勉強するかどうかは気分で左右されるところがあるので、【褒める】という行動を伴って子どもの勉強面を見守ってください。
次に、視覚的・体験的な理解を取り入れることも苦手意識から抜け出すきっかけになります。
算数の苦手意識は、抽象的な概念が頭の中でイメージできないことから生まれることが多いです。
例えば、わり算が苦手な子には、お菓子やおはじきを実際に使って分ける体験を通して、【割る】とは何かを目で見て体感させましょう。
また、面積の単元なら、ノートを使って長方形のマスを数えたり、折り紙で考えてみたりと、数式だけではピンと来なかったことが手を使って視覚で捉えると【なるほど!こういうことか】と理解が深まることがあります。
さらに、子どものわかった瞬間を逃さず、成功体験として強調することも大切です。
子どもが【わかった!】【できた!】と感じたそのタイミングで、【さっきまでは分からなかったのに、今わかるようになったね】と、気持ちの動きに共感しながら励ますことで、【算数は考えたらわかる教科だ】【自分でも理解できる】という前向きな感覚が心に刻まれます。
そして、どの教科でも大切なことですが、算数が得意になるためには間違いに対する接し方も考えていきましょう。
【答えが違っても大丈夫。一緒にどこでつまずいたか考えてみよう】と伝え、間違いも学びの一部であると実感させましょう。
ミスを恐れずにチャレンジできる子は、【解けた!】にたどり着くスピードも早くなります。
【わかる】を実感する体験は、子どもの学力だけでなく、自己肯定感そのものを育てます。
それが積み重なることで、算数への苦手意識は自然と解消され、【もっと解いてみたい】【算数って意外と面白い】という気持ちが芽生えていきます。
算数を楽しく学ぶ工夫を取り入れる
さて、小学生が算数の苦手意識をなくし、算数を得意科目に変えていくためには純粋に【算数って楽しい】と感じられる経験を増やすこともとても大切です。
知識を詰め込むだけでは、苦手意識は解消しません。
むしろ、楽しいからもっとやりたい、やってみたらできた、というポジティブな感情の積み重ねが、自然と学力向上につながっていきます。
我が家では、子ども①②③が幼児期の頃に遊びや日常生活の中に算数的な要素を取り入れてきました。
子どもは勉強的な時間というものよりは、遊び的な雰囲気で色々と学ぶ方が知識を吸収し、色々な発見をして数的センスを鍛える方が効果があります。
たとえば、買い物ごっこを通じてお金の計算を練習したり、お菓子を人数で分けてわり算の感覚をつかんだり、家の中の長さを測って図形や単位の理解につなげたりと、生活のあらゆる場面が教材になります。
【これって小学校の算数なんだ】と子ども自身が気づくことで、算数は机の上だけの勉強ではないと感じ、抵抗感がぐっと減ります。
そして、算数の問題を解く時もゲーム感覚を取り入れてみるのも効果的です。
計算ドリルだけでは飽きてしまう子でも、クイズ形式やタイムアタック形式であれば集中して取り組むことができます。
【何秒でこの計算を解けるかな?】【3問連続正解したら今日の夕飯のお肉を増やす】といった工夫を加えることで、勉強というより【挑戦や遊びの延長】として算数に触れられるようになります。
さらに、親が一緒に楽しむ姿勢を見せることも効果的です。
たとえば、親子で今日の算数クイズを出し合ったり、一緒に答えを考えたりすることで、算数がコミュニケーションの道具にもなります。
子どもは大人の感情に敏感なので、楽しそうに学ぶ姿を見るだけで【自分もやってみたい】という気持ちが芽生えます。
算数に対する苦手意識は、【難しい】【つまらない】という先入観から生まれますし、親の【お母さん、お父さんは算数が苦手だったから頑張りなさい】という言葉も子どもの苦手意識を強めるNGワードなので気をつけてください。
苦手意識を持たせるような言動を控え、小学生のうちに【算数は生活に役立つ】【考えるって面白い】【やればできる】という体験を、楽しい方法で重ねていくことが、長期的な学力と自信につながります。
学ぶことそのものをポジティブな経験に変えていく工夫が、算数を得意にする第一歩です。
考える力を伸ばす
ところで、算数の苦手意識を遠ざけ、むしろ算数好きにさせるには子どもの考える力を伸ばすことが重要なポイントです。
小学生時代は四則計算がしっかり出来ていれば何とかなるというイメージも強いですが、2020年度からスタートした学習指導要領改訂の影響も受けて【考えさせる】という部分がかなり重視されている学びになっています。
そして、中学生になると数学では【素数とは何か説明しなさい】という問題が中学1年生の最初の定期テストで出るので、【計算できればそれで大丈夫】という世界ではなくなります。
算数も学年が上がれば考える力が求められる単元が増えていきます。
ですから、算数への抵抗感をなくすには兎にも角にも【考える力を伸ばす】ことが大切になってきます。
そもそも、算数や数学は【なぜそうなるのか】と筋道立てて考える教科です。
計算が速いだけでは算数が得意とは言えず、問題の意味を理解し、自分の頭で答えにたどり着く力が必要です。
まず大切なのは、正解よりも考えた過程を大事にすることです。
問題を解いたあとに【どうやってその答えを出したの?】と尋ねて、子どもに説明させる習慣をつけましょう。
低学年の子にはちょっと難しいかもしれませんが、自分の考えを言葉にすることで、理解が深まるだけでなく、論理的思考も身につきます。
たとえ答えが間違っていても、【なるほど、そう考えたんだね】と子どもが考えたことを否定せず、どこでズレたかを一緒に考えることしてみてください。
親はガミガミ間違えたことを叱らないようにしましょう。
さらに考える力を鍛えたいのであれば、問題を解くだけでなく、問題を作ることもおすすめです。
例えば【合計が10になるような計算問題を作ってみよう】といった活動は、数の仕組みを深く理解するのに効果的です。
作る過程で自然と数の関係やルールに気づくことができ、学びがより主体的になります。
考える力はすぐには身につきませんが、親が焦らずにその成長を見守り、子どもの考え方を認める姿勢を持つことで、確実に育っていきます。
そして、その力こそが算数を「苦手」から「得意」へと変える原動力になります。